映画って人生!

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韓国映画「私の頭の中の消しゴム」(2004)記憶が消えても消えないものがある! 泣けます!

韓国映画が観たい!と、WOWOWでぶち当たったのがこの作品。タイトル名が洒落ていて早速鑑賞。

日本のTVドラマのリメイクであったとは知らなかった!タイトルから想像できるようにアツツハイマー症に関わる物語ですが、全く暗さがない!それでいて結構泣け、この病にどう対処すべきかとひとつの答え、“コンビニ店のコーラ缶”これがすばらしい!! (笑)

アルツハイマー症に関する映画では「明日の記憶」(06) 「アリスのままで」(17)を観ましたが、これに並ぶ、いや、エンターテイメント視点ではこれ以上の作品ではないでしょうか。

韓国では大ヒットしたそうですが、当時の韓国の建築ラッシュを考えると“宜るかな”と思わせてくれる作品でした。韓国映画にはこういう社会風刺がある作品が多々ありますが、ポン・ジュノ監督の「ほえる犬は噛まない」(2000)も然りで、大喝采だったでしょう。

監督・脚本イ・ジェハン撮影:イ・ギョンジュ、編集:ハム・ソンウォン、音楽:キム・テウォン。

出演者:「無垢なる証人」のチョン・ウソン「愛の不時着」ソン・イェジン、他。


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あらすじ

電車を同じホームで待っていたスジンとチョルス。来た電車にスジンは乗らなかった。待ち人来たらずだった。チョルスは仕事疲れでベンチに寝込んで乗らなかった。

スジンがコンビニでコーラ缶を買って、支払いをして外に出て聞きづいた!コーラ缶を店に置いたままだった。取に戻ると、チョルスが飲んでいた。スジンはこれを取りあげて飲んだ。ふたりの出会いはコーラの横取りだった。(笑)

こんなふたりがなぜ結婚したか?前段は、結構尺を取って、とてもコミカルに描かれます。

チョルスは寺大工(チャン・イナン)から建築の面白さを教わって、現場監督をしながら独力で建築士資格を取ろうとしている、いつも労務者風体のむさ苦しい男だった。建築現場ではセメント量や養生時期などセメント強度など建築強度について非常に厳しく監督し、周りから煙たがられていた。しかし彼はこんなことが全く気にかけない。アパートに戻れば、建築士の勉強だった。

スジンは父親が建設会社社長の娘で、アパレルメーカーに勤めるOL。ソ・ヨンミン室長(ペク・チョンハク)と不倫関係にあるが、どうやらうまくいかなくなったらしい。

アパレルメーカーの建物補修が必要になり、スジンの親父さんに電話すると「いい職人がいる」と紹介されたのがチョルスだった。仕事の合間に飲んだのがコーラ缶だった。(笑)

彼と別れ会社を出たところで、オートバイで近づいてきた男にバックをひったくられた。これをバックミラーで見たチョルスがドアーでオートバイを引っ掛けて、男からバックを取り戻した。ウインドガラスが壊れた車でスジンを自宅に送ることにした。(笑)

これを契機にふたりの交際が始まった。屋台で飲んで、バッテイングセンターでのデート、どうしょうもない不器用なチョルスのデートに笑いです。これを楽しむよう流れるラテン音楽が面白い。(笑)

チョルスは「結婚は身分差があるから」と躊躇したが、ふたりは結婚することにして、スジンはレストランで家族にチョルスを紹介した。父(パク・サンギュ)がチョルスの顔を見るなり「許さない!」と激怒した。あまりのことで席を外して化粧室で倒れた。チョルスが抱き上げ必死 に病院を探した。チョルスのこの行動で、結婚が許された。

豪華な結婚式だった。チョルスは建築士の資格を取って、高級住宅の建設を任されることになった。いよいよ順風お満帆の人生と思っていたが、・・。

スジンは物忘れがひどくなり、自分の家への道順も忘れてしまうようになった。

チョルスは自分たちの家を建てることにした。チョルスは世話になった寺大工を思い出しスジンを会わせた。この時、チョルスが母親と断絶状態であうことを知って、義母になる人だから赦して欲しいと説得した。チョルスは服役中の母を訪ね、「産まなければよかった」と毒づく母を許した。

スジンは室長から元の関係に戻したいと言い寄られ、会社を辞めてチョルスのために尽くすことにした。スジンは病院で診察を受け若年性アルツハイマー症と診断された。チョルスに病院で何があったかと聞かれ「頭に消しゴムがある」と答えた。「別れて欲しい」と頼んだがチョルスが「君が忘れても、俺が全部覚えていてあげる」と許さなかった。

スジンは記憶に残るように絵や日記をいっぱい書いた

スジンは義母の誕生会をするためにパーティーを計画していた。そこに室長が現れ、チョルス不在中に彼を招き入れたことにチョルスが激怒して暴力を振るった。原因がスジンに記憶が消えていたことだった。チョルスはスジンの愛が分からなくなった。

こんなチョルスの状態を見て、スジンの両親がスジンを引き取り終身ケア施設に預けた。

チョルスは苦悩の中でスジンの書き残した手紙を読み、辿りついたのは・・・。


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感想

愛の記憶が消える!どんな世界になるのか?人は記憶で生きているから、怖いですね!

前段でコミカルな物語が後段でシリアスなヒョーマンドラマに変わるという大転換。驚きましたね!それだけに、最高に泣けるラブストーリーになりました!

チョルスはアルツハイマー病のスジンをやっと受入れ、終身ケア施設から彼女を引き取りました。コンビニでコカ・コーラ缶を買うとスジン笑顔が戻った。車の中で自分が彫った木彫りのマドンナ像を渡すと、スジンがこれを握り、チョルスを抱擁してきた。彼女の記憶は“ここに”残っていた。恐らくふたりはコーラを買い、車でデートする毎日。毎日が初めてのデートの生活になりますね!

大泣きで、いい結末でした。

脳幹の記憶に訴えるという、面白い発想ですね。(笑)脳にある写真や思い出の話でなく匂いや味、皮膚などに記憶が長く残っていると信じたいですね。これを信じて最後まで看取る決意こそが大切です。

チョルスがアルツハイマー病のスジンの愛を受け入れることができたのは、彼の心の部屋を赦しのために空けることができたこと。このことはスジンが自分を捨てた母を許せないというチョルスに「本当の大工は心の部屋を作ることができる」と教えたことだった。このネタがここで生きてくるというプロットがすばらしい。

母に捨てられ、愛を知らず、他人に厳しいチョルスというキャラクターの設定。これで当時韓国は建設ブームで不正建設が横行していたが、頑固なチョルスがこれをこっぴどく叩いて、社長令嬢のスジンと結婚するプロット

ふたりの結婚に対するスジンの父の激しい怒り。これも身分制度が今なお残っていることへの批判、貧富差社会への抗議だったかもしれませんね!

韓国社会の世情をうまく組み込み、アルツハイマー病にどう対応したらよいかを問うという、よく出来た脚本でした。韓国映画はなんでこんなに映像が美しいんだ!

                ****

「極主夫道 ザ・シネマ」(2022)「しょうもないな~」「バカだな~」と笑って観た!(笑)

結婚を機に足を洗い、最強の専業主夫として家事に奔走する伝説の元極道が、最大の危機に立ち向かっていくさまをコミカルに描く。

前知識なしで、予告編も観ず、キャスト特に松本まりかさんを観ようと出かけました。松本さんとは朝ドラ“純情きらり”(06)繋がりで、最近よく話題になるので気にしておりました。 (笑)

しかし、こんな作品だったとは露知らなかった。(笑)当初“しまった!”と思いましたが、最後まで見届けました!(笑)

原作:おおのこうすけさんの同名コミックス。未読です。玉木宏さん主演で実写ドラマ化した人気TVシリーズがあるとのことですが知らず、当初、“笑い”についていけなかった。

監督「おっさんずラヴ」(19)の瑠東東一郎、脚本:宇田学、音楽瀬川英史主題歌:「2way nice guy」Creepy Nuts

 出演者:玉木宏川口春奈、志尊淳、古川雄大玉城ティナMEGUMI安井順平田中道子、白鳥玉季、水橋研二本多力、くっきー!(野性爆弾)、中川大輔、片岡久道、橋本じゅん滝藤賢一稲森いずみ竹中直人、他。


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あらすじ

かつて裏社会で“不死身の龍”と恐れられた龍(玉木宏)は、美久(川口春奈)との結婚を機に極道の世界から足を洗い、今は専業主夫として多忙な日々を送っていた。

そんな中、地上げを企て火竜町に進出してきたKプランニンフ社(社長:近藤(吉田鋼太郎))は、白石(安達祐実)が園長を務める「火竜保育園」の土地を狙って嫌がらせを繰り返す。龍は元舎弟の雅(志尊淳)と用心棒を買って出るが、近藤たちの行動はエスカレートしていく。

やがて元武闘派ヤクザで現在はクレープ屋の虎二郎(遠藤賢一)とその妹で広島レディース三代目総長の虎春(松本まりか)も龍の仲間に加わるが、龍の家の前に男の子・リョウ(渡辺雄太)が捨てられていたことで“隠し子騒動が持ち上がり、龍の男気に虎春が惚れたことで美久との間に龍を巡る恋愛バトルが勃発する。こんな中で龍たちはなんとか保育園を守ろうと運動会を開催するが・・・。龍は抗争を終わらせるために、全てにケリをつけるために史上最大の夏まつりを計画した。

感想

冒頭、龍が台所でゴキブリを見つけて、「俺には守るべき者がいる」とスプレーで退治しようとするが弾(液)切れ。ゴキブリが胸に張りつき、「いまだ、玉取ってやれ!」と声を上げると、妻の美玖が新聞紙で作った“はたき”ではたくとそれが龍の顔面に当たって龍が卒倒するという“笑い”!

次の話題がハムスターの飼育者探し。「餌がない!」とフライパンでコーンを炒るとパン、パンと爆ぜる。「龍が拳銃を撃っている」と話題になり、婦人会長(MEGUMI)、警官(古川雄大)が走る。

龍は喫茶店で飼育者を探すが見つからない。そこでKプランニングの近藤のところに頼みにいくが、そこに警官が駆けつけると、龍が胸に何かを隠し持って逃走。拳銃持って逃走したと警官が追う。捕まえてみればハムスターだったという笑い。

「なんだ!この笑い」。“この笑い”に笑えるか!これが延々と続くのかと不安だった!

こうしてキャラクター紹介が終って、映画版の話に入っていく。

龍の家の玄関に子供が捨てられていた。天雀会会長・菊次郎(竹中直人)とその妻・雲雀(稲盛いずみ)がやってきて、「生まれたか!」とその子に“リュウ”と名付けて喜ぶ菊次郎。棒刀に黒メガネをリュウに着けさせて喜ぶ雲雀。(笑)リュウを預かることにした。

こうして、ドタバタ喜劇に慣れて、笑えなかった笑いが笑えるようになっていく頭を空っぽにして、笑えばいい!(笑)役者さんたちが真面目に一生懸命演じてくれます。(笑)これへの感謝です!

本作のおもしろさは龍・玉木さんが本気で演じるずっこけヤクザ。朝ドラ「朝が来た」あたりから芸が変ってきましたね。とにかく真面目な人らしい(共演の近藤正臣さん談)。体つくりもしっかりできて、男気がむんむんして、ドスの利いたヤクザ言葉。それでいて情にもろい。今回はスタントなしでカーアクションにも挑戦したとか。気づかなかった!(笑)

登場する女性たちの強いこと。ヤクザ言葉で男性に絡む!(笑)キャストの実像と虚像のギャップを楽しむ(笑)最高なのは、華奢な身体の白石園長の安達裕美さんのヤクザ言葉「なにさらしてくれとんじゃ!!」、これにヤクザも驚いて逃げ去る。(笑)

次が、広島レディース連合総長の虎春・松本まりかさん。「大義のぉおどれら」と広島弁の啖呵。派手にオートバイを乗り回し、足蹴りどづきの格闘演技!こんな“まりか”さん見たことない!(笑)婦人会長のMEGUMIさんの「貫禄美ボディ、ナメてんじゃねーぞ! この野郎が!!」(笑)しかし、「天雀会」の姐御・雲雀:稲森いずみさんは、「なめたらいかんぜ!」、すっかりこの役が合っていました!(笑)

元舎弟の雅の「リュウは兄貴に似ている!」に美久が妄想を抱き、虎春の登場であらぬ事態へと展開していった。(笑)

Kプランニングの嫌がらせで保育園の子供が逃げ出し、これを取り返そうと手を打ったのが大運動会。しかし、子供が集まらず大人の騎馬戦となり、美久と虎春騎馬の一騎打ち。(笑)

美久が勝利して決着かと思いきや、虎春が難癖をつけ、その隙に、車でリョウが攫われる。(笑)追う龍と虎二郎、虎春のカーチェイス。龍が犯人の車に飛び乗り格闘、さらに虎二郎が犯人の車に乗り移ろいとして大股開き!(笑)

カーチェイスで美久が受傷し、怒った龍が採ったのが史上最大の夏祭りでの決着。ヤクザの暴力対立を避けるべく、大城山組(組長:橋本じゅん)と組んで、近藤を誘い出し、出てきたところを皆でボコボコに叩くという作戦。(笑)

作戦はうまくいったが、龍が幼児誘拐で逮捕された。が、誘拐事件の真相を知っていた雅の告白で一件落着。(笑)

リュウを親元に帰すとき、美久は「一度結んだ絆は消えない!家に来てくれたありがとう」と送り出した。

出てくる人はみんな相手のことを考える!人と人のつながりが暖かく、昭和が懐かしく思い出されます。

エンドロールで、キャストたちが失敗したメイキング演技が映し出されますが、こちらの方がよっぽど面白い。作った笑いは面白くない!(笑)

出演者のみなさん、「映画にする」と聞いてびっくりしたと言います。本当に映画にする必要があったのでしょうかねえ~。家で寝っ転がって観る作品ではないでしょうか。

                ***

「犬王」(2022)自分の名前で、生きたいように生きる。あの世で迷いがない!

古川日出男さんの小説「平家物語 犬王の巻」を元に、南北朝時代に実在していた能楽者の犬王と、その犬王の人生を謡った琵琶法師・友魚の物語をミュージカルアニメで描くという。

監督は「夜は短し歩けよ乙女」「映像研には手を出すな!」の湯浅政明さん初めての時代劇で、かつミュージカルに挑むことになりますが、平家物語は「祇園精舎の鐘の声……」の有名な書き出ししか知らない文学音痴ですが(笑)、いかなる映像になるのかと楽しみにしていました。

脚本:野木亜紀子キャラクター原案松本大洋音楽:大友良英アニメーション制作:サイエンスSARU。

声優:アヴちゃん(女王蜂)、森山未来柄本佑津田健次郎松重豊、他。


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あらすじ(ねたばれ:注意):

冒頭、現在からあっというまに600年間を駆け抜け、時の権力者足利義満柄本佑)が「壇ノ浦に沈んだ三種の神器があれば」と玉手箱を開けると能面が出てくる。するとその面をつけて犬王(アヴちゃん)が踊ると、世が治まる!相棒だった友有(森山未来)がいない?失われたふたりの物語が始まる!

壇ノ浦の戦から10年。檀の浦のイオ村に、京からやってきた者たちに三種の神器引き上げを要請され、友魚と父親(松重豊)が海に潜って発見した。収納箱を開けると草薙の剣の輝きで父親は亡くなり、友魚は両眼を失明した。

友魚は仇を打とうと京へ旅立った。旅の途中で出会ったのが当道座の琵琶法師・谷一(後藤幸浩)。平家物語を謡って平家を追悼する旅の途中だった。友魚は谷一を追い、いつの間にか弟子になり、物語を立派に諳んじるようになっていった。京に入って、当道座のナンバー2定一(山本健翔)から琵琶法師・友一の名が与えられた。

このころ猿楽「比叡坐」の棟梁(津田健次郎)の三男として犬王が生まれた。が、父親が能楽師としての野望を遂げるため当時流行りの平家物語を語る琵琶法師たちと犬王の命を悪魔の生餐として差し出したため、腹の中にあった犬王は人目に晒せないほどの異形の子をして生まれ、常にひょうたん面をつけて育てられた。

このアニメでは犬王が面の目玉から外を覗く映像があります。視界がうんと狭いが、ここから見る世界は、自分とは関係がない、客観的に物ごとが見える利点があった。彼は異形にも関わらず明るい子で敏捷だった。時に面を外して女たちを脅して楽しむこともあった。しかし、当時の猿楽は義満の御台所・業子の贔屓で藤若(後の世阿弥)が大人気で、異形の犬王は稽古をつけてもらえなかった。いつもひとりで見よう見真似で踊りを身につけていった。

犬王と友一の出会いは、犬王が面を外して友一を驚そうとしたが、友一がめしいでその姿に驚かなかったこと。そして友一の奏でる琵琶の音が気にいった。

友一は定一に連れられ如意嶽から京の町を見た。めしいの目で見た光景は平家の怨念で燃える赤い炎だった。

父親(幻)が現れ、「平家の亡霊はついてないか?俺には山ほどついている」と打ち明けた。そこに「その話、聞いてやる」と犬王が現れた。

犬王は父とは違う自分の舞を舞うと決意し、ここで名を“犬王”と定めた。友一は“自分の謡だ”と友一の名を捨て、「友有」とした。

犬王が自分の出自と自分の平家物語(犬王版)を語り始め、友有が謡いをつけ、大王が踊ることになった。

友有が、まずは客寄せにと京の三条大橋上に立ち、琵琶のバチをギターピックのように爪弾き謡う。隣には弦に弓を当て琵琶をウッドベースのように弾く男と太鼓を抱え叩く男がいる。まさにロックバンドフェスだ。

そして大橋の下にセットした舞台に犬王が登場一の谷合戦の悲劇。脱出する舟に載せてくれとせがむ平家人の腕。刀でぶった斬られた腕。犬王の異形の長い腕が引っ張られ、ぶった切られる等、犬王の激しい踊りで見せる。

さらに戦は壇ノ浦に。増援兵をクジラに見立て、クジラ出現を待つが裏切られる平家の悲しみ、遂に海中の都を求めて身を投げる悲劇が、「平家は滅んだがまだ終わってない!」と炎を振り回しクジラに乗って、謡い踊った。舞台装置にプロダクション・マッピング演出と、観る人を唖然とさせる!

京の町で犬王の舞と友有の謡が「平家の亡霊が舞う!」と大評判となり、比叡坐の舞台には閑古鳥が鳴くありさま。ふたりは「平家の亡霊が自分たちを知って欲しいんだ!」と謡い、踊った!

義満がこのパフォーマンスに「流行り琵琶があるが、平家物語の教本は足利だけでよい」と示し、犬王に、面を外して踊ることを条件に、天覧の舞を命じた。観台所・業子が懐妊中で、「あの面では大変なことになる!」という声が上がったが、犬王はこれを受けた。

犬王と友有は京のいたるところでパフォーマンスを見せ、京の町民たちは熱狂した。最後は比叡座での公演だった。友有が「これが最期になるかもしれないな!」と言うと「ここからが始まりだ!」と犬王が答え、舞台に立った。大がかりな舞台演出で、犬王がロープを使って天に舞った。これに父親が激怒したが、訪れていた女官たちがうっとりとして見ていた。

足利義満の別邸北山殿で天覧能が始まった。犬王は面を外して舞った!業子が「やわらかい!」と 声を上げた!

「天下が乱れる!」として友有坐は禁止となった。谷一らがやってきて「当道座が潰れる。平家の物語は統一された」と犬王版を取り上げようとした。友有がこれを拒否したため、役人に捕らえられた。

友有は三条河原で父(幻)の「友有戻って来い!名を捨てて!犬王は承知した」という声を聴いた。刑執行人に名を聞かれ「壇ノ浦の友魚だ」と答え、斬首されあの世にいった。その夜、密かに犬王が友有の墓を詣でた。

室町殿に招かれた犬王は義満から「平家物語が逸脱され過ぎる!もうやるな!世が乱れる」と言われ「私の踊りを見て欲しい」と踊って見せた。犬王は猿楽師の第一人者としての名声を得て行った。

今の世(このアニメで)でふたりは出会った。友魚が「いつまでここにいるのか?」と大王に問うと「600年も友魚になっていたのか、名を戻しては分らんよ!」と答えた。ふたりは大王と友有になって謡い踊りながら大空に上っていった。

感想

大王と友有は平家の亡霊を介在して結ばれるべくして結ばれたバディだった。大王が語る人生に友一が共鳴し琵琶で謡うロック、このロックに共鳴した犬王の想像を絶するパフォーマンス。ふたりが相手を認め合うことで、新たな平家物語ができ、民衆の喝采を受けるようになっていった。まさに室町時代のポップスターだった。

室町の謡いと舞を可視化したとんでもない映像に、湯浅監督ならではの凄みがありました。「何度も繰り返され、物語が進まない」と不平を漏らす人がいるかもしれませんが、ハマれば踊りたくなる!これが狙い。室町時代の音楽(ロック)フェスに参加した気分にしてくれます。足で床を踏み鳴らして観ていました!(笑)

しかし、よくもこんな奇想天外なフェスを考えましたね!平家亡霊の怨念をどう詩に起こし、これに曲をつけ、絵にしていくか。この難題をすばらしいチームワークで成し遂げました。これこそが犬王の物語に挑戦した湯浅監督の狙いだった。

しかし、鬼才の湯浅監督には耐えられても、スタッフは大変だったでしょう。(笑)大友さんが曲作りに泣かされたというのも頷けます。(笑)作詞家と歌手、声優としてのアブちゃんの活躍。犬王キャラにぴったりで実像を確認しておく必要がありますね!ロック歌手としての森山さんの歌唱力も凄かった。アニメの顔がお二人の顔に見えましたよ!(笑)

ふたりのその先の運命!

民衆に受け入れられ大ヒットしていく二人の活動は時の権力者・足利義光には都合が悪く、公演禁止となった。犬王は友有を生かすため犬王版で踊ることを諦めたが、友有は自分の壇ノ浦の悲劇体験から犬王版を諦められず、捉われ斬首刑に処せられた。犬王は友有の謡いで舞い美しくなっていった顔を晒して踊り、天皇に寵愛されるまでの能楽師になり、平家物語正本に名を遺した。友有の生き方は不憫で、理不尽ではないか!

しかし、犬王が正本に名を遺したことで、友有は川日出男さんによって今の世に生かされた。

お互いに、自分の名前で、人の言い成りにならない生き方で生きたが故に、あの世で迷いはない。本作のラストに“落ち”があって、犬王はあの世で600年間、友有を探したが見つからなかったという。友有が友魚と名を変えていたからだった。今、出会ったふたりは友有と犬王となり、謡い舞い狂って、天に昇って行った。

物語というものは時の支配者の都合のいいように書き換えられるということ。世は諸行無常だ!だから「自分の生きたいように生きろ!」と教えてくれているようでした。この話は湯浅監督の物語、苦悩なのかもしれませんね!とても面白く観ました!

キャラクターたちの姿、風景など、室町の風情が楽しめるようしっかり描かれていました。

                ****

「ライトハウス」(2019)不快で絶望的な恐怖を味わうが、結末はプロテウス神話で、人が持つ闇だった!

外界と遮断された灯台に派遣された2人の灯台守。ふたりはそりがあわない。険悪な状態になっていく中、悪天候で交代船が期待できず、酒びたりになって、狂気と幻想に侵されていくスリラー劇。第72回カンヌ国際映画祭(2019)では国際映画批評家連盟賞の独立選出部門受賞作です。

A24作品として「ウィッチ」のロバート・エガース監督の2作品目、とても話題になっている作品ということで、WOWOWで鑑賞しました。

監督:「ウィッチ」(2016)のロバート・エガース、脚本:ロバート・エガース マックス・エガース、撮影:ジェアリン・ブラシュケ、美術:クレイグ・レイスロップ、衣装:リンダ・ミューア編集:ルイーズ・フォード、音楽:マーク・コーベン。

出演者ほぼ「TENET テネット」のロバート・パティンソンと名優ウィレム・デフォーの2人。


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あらすじ

海鳴りになか、絶海の孤島に2人の灯台守が着任した。1人は若い男・イーフレイム・ウィンズローロバート・パティンソン)、もう1人は老人・トーマス・ウェイクウィレム・デフォー)。荷物は全部ウィンズローが持っている。

ウィンズローが灯台に入ると、すぐに寝室を探す。ベットに隠された裸の人魚像(スクリムショー)を見つけ、胸の中に仕舞い込んだ。そして光を送る蒸気機関を見た。

ウェイクの「神は荒れ狂う狭間で苦悩する魂を救いたもう」というお祈りで食事が始まった。ウェイクが乾杯!と杯を上げるがウィンズローが「飲まない!」と断った。これにウェイクが「若造!」と威嚇し、この灯台でやるべきこと、掃除、石炭クベ、家具の清掃、貯水槽の青銅等と家政婦のやるような仕事を言いつける。ウィンズローが「灯を見たい」と訴えると、「それはわしの仕事、朝までわしがやる」と拒否。完全にウェイクの支配下でふたりの4週間の生活がはじまった。

ウィンズローは何ら反発せず従順に、石炭くべから仕事にとりかかった。まるで犯罪容疑者で捕まったものが横柄な若い警官の指図で動かされている拘置所生活に似ています拘置所とはこういうところ。この男、ここを出たら必ず警官に仕返しをしたいと思っているでしょう!(笑)こんな感じでドラマを見ていました。

ウェイクは灯台の光の部屋(ランタンルーム)で裸になり「お前に乾杯、美しきもの」と恍惚な表情を見せる。この表情を海辺から石炭を運ぶウィンズローが見た。海の中に入って人魚の声を聴き(錯覚?)、夜ベットで人魚と寝ている夢を見た。

次に朝、ウェイクに「貯水槽の清掃、油を持ってこい!」と屁をこきながら命じられた。(笑)ウィンズローは「やっていられねぇ」と思うが、しっかり仕事に取り組む。この気持ちが感じどころです!

臭い貯水槽の清掃、小屋の修理、石炭運搬、警報機小屋の清掃を行った。片目の海鳥が邪魔をする。「馬鹿にするな!」と石を投げた。

次に油ドラム缶を苦労して灯台ランタンルーム室近くまで引き上げると、ウェイクが降りてきて「これ使え!」と小さな油缶を渡し「ドラム缶を降ろせ!」と指示した。それでもウィンズローは怒らず、我慢した。

夕食時、ウェイクは「明日が便所を掃除しろ」と言い、自分が船長だったときの話として「波が静かだと船員は退屈になる。この状態で何が一番怖いか?反乱だ!これを消すには酒だ」という話を聞かせる。ウェイクは今のウィンズローに気持ちを知っていて話を持ち出す。これにウィンズローがどう反応するかと冷や冷やさせられます。

ウィンズローが「前任者は辞めたのか?」と聞くと「死んだ!」と言い、「人魚の話が出たらその兆候だ!灯りの中には魔法が宿りこれが救済だ!」と答えた。さらに「海鳥に手を出すな!海鳥殺しは不吉だ!」と注意した。

ウィンズローはおかしくなっているのか?ウェイクがおかしくしているのか?

寝ているウィンズローの部屋の窓を海鳥がつつく、ウィンズローがスクリムショーを見ながら手淫をし、部屋を出て灯台のランタンルームを見上げた。

朝になると、ウィンズローはウェイクの指示通りに働いたが、「部屋の磨きが足らない!」と激怒された。灯台の塗装では、作業綱をウェイクに斬られるという嫌がらせを受けた。

夕食時、遂にウィンズローは「若造と言わず、名前で呼んでくれ!木こりが嫌でやってきた」と抗議した。ウェイクは「灯台は妻だ!」と言い「海鳥には死んだ船乗りの魂が乗り移っているから殺すな!」と注意した。

ウィンズローが下からランタンルームを覗いているとウェイクのうめき声。“どろり“と精液?が落ちてきた。

朝、ポンプで水を汲むと血液が出てきた!貯水槽の中を調べると大量の海鳥の死骸。片目海鳥がおちょくる!ウィンズローが捕まえて振り回して殺した。風向きがかわった。何が起こるのか?

「視察船がくるまではもつ、明日この島を出る」と話しながら、ウェイクとウィンズローは小屋に板を貼った。そして夕食時、ふたりは「帰れるぞ!」と酒盛りをした。ウェイクがめずらしく修道女と寝た話をする。(笑)「お前は立派な灯台守になれる。最初は俺の頭をぶち割るかと思ったが」と話した。ウィンズローが「灯のことを教えてくれ!」と頼むが「誰にも触れさせん!」と拒否されたが、話しているうちに「好きにしろ」ということになった。

朝、ウィンズローは海に糞を流し、石炭を運び蒸気を上げた。海辺を散策していて人魚に出会った。その陰部に触ると人魚が奇声を上げた!

夜、ふたりは海辺に出て視察船を待ったが姿を現さない。嵐がやってきた。海水が食料庫に浸入し塩タラがダメになった。ふたりは食べ物のことで激しく揉めた。ウィンズローは寝ているウェイクをナイフで襲おうとしたが見つかって失敗した。

ウィンズローは酒を煽り石炭を運び、人魚と交わった!スクリムショーを叩き切って泣いた。海から引き揚げたロブスターの網にひとりの男が引っかかっていた。錯覚?この様子をウェイクが灯台から眺めていた。

ふたりは酒を呑み、仲良くするかと思えば喧嘩になる。そのうちにウィンズローが「木こりで仕事をしていたときに上司を殺した。その上司がウィンズローで実の名はトーマス・ハワード、なりすましだ」と話した。「なぜ俺に秘密を話した!」というウェイクが本物のウィンズローに見え、眼から光を放って追って来た。こいつは神だ!(笑)ハワードはここから逃げた。

ハワードが救命ボートで逃げようとするところを、斧を持ったウェイクに捕まった。救命ボートは破壊され、「検察官に報告し免職だ!」と宣言された。ハワードは「お前が助手を殺したな!スクリムショーで狂わせる。俺は狂わされん!」と反発した。ウェイクは「秘密を喋って狂ったか!俺はお前の想像物かもしれんが、お前はカナダの森林を彷徨っている」と威圧した。この声でハワードが倒れこんだ。

大波が小屋を襲った。ふたりは酒を呑み続けた!散乱した小屋の中でハワードがウェイクの日記を読んだ。そこには「酒に溺れ、ホラを吹き・・」と悪口しか書いてなかった。ふたりは激しく言い合ったスが、ハワードは「もう一度チャンスをくれ!ランタンルームを見せてくれ!」と土下座して頼んだ。しかしウェイクはこれまでの行為が赦せないと断った。

ハワードはウェイクに犬の首輪を着けて、堀穴に埋めた。ウェイクは「ランタンルームに何があるか?プロテウスの形をしたものが我らの心から溢れ、プロテウスの熱き火と溶け合う。神の恥辱と恐怖で我らの目を焦がされ、監獄の底に沈められるぞ!お前は罰せられる!」と叫びながら土の中に埋まった。ハワードはウェイクからランタンルームの鍵を奪い灯台に向かった。ところがウェイクが這い出してハワードを追って来たが、これを斧で刺し殺した。

ハワードはランタンルームで強い光を浴びた。ハワードが階段から転げ落ちた。負傷して動けないハワードに海鳥が群がってきた

感想

従順だったウィンズローがウェイクの言葉に翻弄され狂っていうミステリー、自らが殺人者であることを告白してからのホラー劇

眼を背けたくなるような汚物と性行為、狭い空間、海鳴りと色彩のない風景、襲い掛かるカモメ、単純な肉体労働。これほどに闇に落とされ、不快で絶望的な恐怖を味わうが結末はプロテウス神話で、人が持つ闇だった。

モノクロ画像で、画像サイズは1.19:1。狭めた空間で、漆黒の中ランプの明かりで浮かんだふたりが対峙する緊張感と怖さは圧巻でした。まるで宗教画を見る思いでした。

モノクロがこれほどまでに美しいとはそして海鳴りや不快な音と音響効果がしっかりした作品でした。臭い匂いもあった!(笑)

そしてロバート・パティンソンウィレム・デフォーの会話劇、この長セリフが秀逸でした!ロバート・エガース監督!次作を楽しみにしています。

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「トップガン マーヴェリック」(2022)スカイアクションもストーリーも前作をはるかに凌ぐ快作でした!

やっと公開されました!36年間待ちました。(笑)待った甲斐があった作品でした!

36年後のトップガンで何を描くのか?とても楽しみでした。

アメリカのエリート・パイロットチーム”トップガン”。かつてない世界の危機を回避する、絶対不可能な「極秘ミッション」に直面していた。

ミッション達成のため、チームに加わったのは、トップガン史上最高のパイロットでありながら、常識破りな性格で組織から追いやられた”マーヴェリック”(トム・クルーズ)だった。

なぜ彼は、新世代トップガンとともにこのミッションに命を懸けるのか?

イムリミットは、すぐそこに迫っていた——。(HPから引用)

36年後になったのはクルーズが拘るリアルな芝居のためだった。前作ではF-14コクピットに座るだけの演技だったが、これでもリアルな演技と楽しませてもらいましたが、本作は前作とは全く異なるリアルさ。戦闘機がF=14 からF-18にグレードアップし圧倒的なスピード感!そこに伴う加重力に耐える演技!そしてくるくると旋回する風景

クルーズはF-18に乗り空母からカタパルト使用で発艦し、顔を真っ赤に膨らませ加重力に耐えて上空へ!出演者パイロット全員がクルーズに負けじとこの加重力に耐える!まさにF-18 に搭乗している感覚を味わうことができました。

そしてストーリーは、前作を引き継ぎながら、トップガンであったことへの決着、若い者への伝承“何を傳えるか”、これからの人生選択と36年後でなければ作れない物語になっていました。戦闘機に女性パイロットの出現。この物語がトム・クルーズの俳優人生に重なるところが面白い!いくつものシーンでは涙でした。

全編を通じて、パイロット魂「友を見捨てるな!」の具現、これが最高でした。

監督:ジョセフ・コシンスキー脚本:アーレン・クルーガー、リック・ウォーレン・シンガー、クリストファー・マッカリー原案:ピーター・クレイグ、ジャスティン・マークス、製作:ジェリー・ブラッカイマートム・クルーズクリストファー・マッカリー、デヴィッド・エリソン、撮影:クラウデ。ィオ・ミランダ、編集:エディ・ハミルトン、音楽:ハロルド・フォルターメイヤー、ハンス・ジマー主題歌:「Hold My Hand」レディー・ガガ

出演者トム・クルーズマイルズ・テラージェニファー・コネリージョン・ハム、グレン・パウエル、ルイス・プルマン、エド・ハリスヴァル・キルマー、他。


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あらすじ(ねたばれ:注意):

36年経過すればマーヴェリックは星ふたつ少将にはなっていたろうが、戦闘機に乗り続けたために昇進を拒否して大佐の階級だった。D-51ムスタングを愛し、モハーヴェ砂漠で超音速機開発のテストパイロットだった。彼は来るべき時代にも対応できるよう努力していた。

そこに、戦闘機不要論を唱えるケイン少将(エド・ハリス)がやって来るというので、慌ててテスト機“ダーク・スター”を飛ばしてマッハ10の超音速飛行を達成し、その加重力を体験した。が、その衝撃で失神し墜落した。(笑)皮肉にも、ここが面白いところ、ケイン少将がトップガンの教官にマーヴェリックを送り出すことになった。

マーヴェリックはレザージャケットにサングラスでカワサキのオートバイでサンディエゴに急いだ!(笑)カワサキのオートバイは米軍に装備化されています。

太平洋艦隊基地のトップガン本部に顔を出すと、シンプソン中将(ジョン・ハム)から「某国のウラン濃縮施設を稼働前に、第5世代戦闘機で破壊する」ことに意見を求められ、「F-18機の4機ペアーで達成できるが、生きて帰れるかは分からない」と意見を出した。教育担当のベイツ少将(チャールズ・パーネル)から「3週間でできるように訓練してくれ、君は参加しない」と指示された。トップガンには12人がおりその中から6人を選んで欲しい。中に、グースの息子・ルースター(マイルズ・テラー)がいる。君は候補ではなかったが、アイスマン大将(ヴァル・キルマー)が選んだ」と内情を明かした。

マーヴェリックは夕暮れ、オフィサークラブ“ハード・テック”を訪れるとママがかって付き合ったとこのあるペニー(ジェファニー・コネリー)だった。ペニーは「付き合いはいやよ!」というが目がうれしそうだった。(笑)

トップガンたちがやってきて、「隊長はだれだ」「教官によるね」と話題になっているのを知った。マーヴェリックはピアノを弾く男・ルースターが、かっての僚友グースによく似ているのを確認してバーを出た。ルースター役のマイルズ・テラー、グースを演じたアンソニー・エドワーズによく似ている。前作の続編という感じがよく出ていて、「トップガン」のグース一家の映像が流れ、これからふたりの関係がどう進展していくのかとわくわくさせてくれます!

訓練開始。F-18の戦技マニアルを出して「こんなもの読むな!」と捨てて、「相手も知っている!限界に挑め!」と訓示し、「各自の能力を見せてもらう」と実機で飛ぶ。下限界は500フィート。機関砲のみで対戦し撃たれた者は腕立て100回で訓練スタート。マーヴェリックは個々のパイロットの弱点を的確に指摘する。またたくまに全員が腕立て伏せ。特にルースターには垂直降下で応戦させて能力をみるが、射撃チャンスを見のがす。マーヴェリックが指摘することにルースターは「あいつがアナポリスへの願書を破ったおかげで4年遅れた」と怒りを露わにした。

シンプソン中将が下限界に「危険だ!」とクレームをつけた。マーヴェリックにはこの限界以下で飛ばねば「勝てない」という確信があった。「俺のルールーでやる」。

訓練練度も進み、目標到着時間のクリアーに挑戦。F-18で狭い谷を速度660ノット、100フィートで飛び、敵のSAM攻撃を回避する。通過時間は短ければ短いほどよいというもの。プロペラ機で錦帯橋をくぐるというのは聞いたことがありますが、これ可能なんですかね!これをクルーズがやって見せてくれます!

これをシュミレーターで体験実習する。ルースターが目標より20秒遅れ目標を達成できない。「無理な要求だ!」と絡む。マーヴェリックはルースターにどう指導すればよいのかと悩み、アイスマンに相談することにした。

アイスマンは咽喉ガンで発声できない。PC画面で返事をする。「俺は教官失格だ!」と話すと「海軍には君が必要だ!パイロットの腕は君と俺のどちらが上だったか?」と聞いてきた。この言葉でマーヴェリックの気持ちは決まった!

最高の僚友は永遠のライバルだった。

マーヴェリックはトップガンたちに砂浜でアメフットで競わせ、連帯感を養うことから再スタートした。このころにはペニーも出てきてマーヴェリックと一緒にフットボールを楽しむ仲になっていた。

その帰りにペニーの家で結ばれ、ペニーと娘のいい関係を見て、親子の関係には何が大切かを知った。

ウラン濃縮装置の完成が早まるという情報で、速やかに破壊することが要求された。シンプソン中将は第5世代戦闘機で実行すると主張したが、トップガンたちが「無理だ!」と言い出した。中将は隊長にマーヴェリックを指名し実行を命じた。

マーヴェリックは海軍の正装でペニーに会い、最後の挨拶をした。ペニーは「分っている!」と優しく抱擁して見送った!

空母に乗艦してマーベリックは攻撃編隊を発表。ルースターを自分の僚機として、4機編成で飛ぶことにした。作戦はトマホークによる敵航空基地爆破によって開始された。訓練したとおりに渓谷を低空で抜け、谷を抜け山脈にぶち当たってホップアップし、次いで急降下で爆弾を発射した。遅れるルースターには声を掛け、ルースターのレーザー照準器の故障では爆弾投下時期を支持し見事に命中された。ここでは俳優が演じるパイロットたちの加重力下の演技に注目です。ゆがんだ顔、声、汗、涙・・など。

任務を達成して急上昇で戦場離脱を図るが、敵5世代戦闘機に捕まった。フレアーの散布で偽編するが、それも限界。遂にマーヴェリックは自らを犠牲にして敵ミサイルを引き付けた。マーベリックは脱出して地上に降りたが、敵攻撃ヘリがひつこく追ってくる。「万事休す」と思ったところに、ルースター機がこれを撃墜した。その直後ルースター機も撃墜された。

「逃がしたのになんで・・」とマーヴェリックがルースターを叱ったら「何も考ええなかった」と答えた。(笑)

ふたりは敵の保有するF-15を盗んで、敵第5世代戦闘機の攻撃を巧みにかわし、友軍機に助けられ、母艦に着艦した。

感想

冒頭、スタッフ:キャステイング紹介の背景に、前作「トップガン」の冒頭シーン、空母から戦闘機がコントローラーの指示で、楽曲「Danger Zone」に乗って、発艦していくシーンで、完全に「トップガン」の世界に誘ってくれます。しかし今回はこれだけではなかった!トップシーンにクルーズの亡き恩師トニー・スコットの映像を持ってきたことに泣けます。

この他に前作の名シーン、カワサキのオートバイにレザージャケット、サングラスで滑走路を走るジェット機と競争するシーンなどが出てきます。前作を観ておくほうが感動は深くなると思います。

マーヴェリックは卓越したジェットパイロットではあるが、教官としての自信が持てない。また、かっての僚友グースの息子リースターとの葛藤にすっかり参ってしまう。彼が頼ったのが僚友のアイスマンだった。

アイスマン咽頭がんで声が出ない。PC画面を介しての会話だった。アイスマン役のヴァル・キルマー実際に咽頭がんを患っていた。この物語はクルーズとキルマーの物語でもあったわけだと涙しました。作品一番の感動シーンでした。そしてアイスマンがマーヴェリックに贈った言葉が「君に期待している!過去は水に流せ!」だった。しかし、葬式までやるとは思わなかった。(笑)

このあとマーヴェリックは太陽が燦燦と降り注ぐ砂浜で、トップガンたちの組織固めにとアメフットをやらせる。この映像がとても柔らかくて美しい。監トニー・スコットのオマージュ映像でした。

クルーズにとって、「トップガン」は彼が俳優として目覚めた作品でそれをなさしめたのがトニー・スコット。「分からなくなったら、ここに戻る!」といいうこと?この師弟愛、律儀さに泣けます!

マーヴェリックがトップガンに戻ってきて、将校クラブのママ・ペニーと出会って結ばれていく恋物語。前作にペニーというガールフレンドが居ましたかね!(笑)ジェニファー・コネリーの演技で居たように思える。(笑)出撃に当たってマーヴェリックが海軍の夏制服で“最後の別れ”を告げに行く、ペニーは抱擁して送り出し、バーを閉店した。そして生還したマーヴェリックが自分の愛機D-51 マスタングにペニーを乗せて空中散歩、クルーズらしいファンタジー恋物語でした。(笑)

マーヴェリックがルースターとの確執にどう対応したか?アイスマンの助言もあったが、一番はペニーとその娘・アメリアとの親子関係を見て、親子の関係は“喋らなくてよい!お互いの信頼感“と知ったことだった。マーヴェリックは僚機にルースターを指名し、「余計なことを考えるな!」と背中を見せて教える!最後にはルースターを生かすために自分が敵機の餌食になるという決意、親でなければできない愛情を示したことだった。敵所有F-14 を奪って、後部座席にルースターを乗せ、敵戦闘機と戦いながら、無事空母に帰還するという結末、あの日のグースとともに帰還したというもので、トップガン」続編といてのうまい決着、ルースターがマーヴェリックに贈った「The chaptain」に表現されていました。

このシーンは「ミッションインポッシブル」に通じるものでした。今後、インポッシブルな作品をリアルに、多くの仲間と作り続けていくのだろうと推察します!トム・クルーズの人徳のような作品でした!

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「トップガン」(1986)リアルなエア・アクションとトム・クルーズの笑顔に参った!

トップガン」はカリフォルニア州サンディエゴにあるミラマー海軍航空基地にある通称トップガンと呼ばれるエリートパイロットを養成する訓練学校を舞台に、若き訓練生たちの挫折と栄光、そして恋愛を描いた作品。トップガンは、米海軍のパイロットの中でもわずか上位1%のエリート集団が集まる養成学校だった。常に制空権を確保したベトナム戦で、空中戦技能が劣化したためだという。

いよいよ「トップガン」の続編、36年ぶりに「トップガン マーヴェリック」として公開されます!前作を観てないのでレンタルDVDで鑑賞。ジェットパイロットは恰好いい、憧れでした!当時、航空幕長がハワイ急襲攻撃の作戦参謀・源田実さんでした。街には、敗戦後とは言え、撃墜王・坂井 三郎さんの伝記なんかが出回っていました。今の人には分からないですよね!(笑)だから、源田さんに憧れ、創設されたばかりの空自に若い人が集まっていました!

私もパイロットの適正検査を受検しました。空中感覚を試すペーパーテストの段階で「適正なし」と判定されての不合格。(笑)それだけに、本作に出てくるリアルなエアーアクションには、ジェット戦闘機乗せてもらっているような感覚で、大満足でした!ペーパーテスの機体姿勢を思い出しました!(笑)

監督:トニー・スコット脚本:ジム・キャッシュ ジャック・エップス・Jr.、撮影:ジェフリー・キンボール、美術:ジョン・F・デキュア・Jr、編集:ビリー・ウェバー クリス・レベンゾン、音楽:ハロルド・フォルターメイヤー。

出演者:トム・クルーズ、ケリー・マクギリス、バル・キルマー、アンソニー・エドワーズトム・スケリットマイケル・アイアンサイド、ジョン・ストックウェル、バリー・タブ、リック・ロソビッチ、ティム・ロビンスクラレンス・ギルヤード・Jr.


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あらすじ

冒頭のジェット戦闘機が、音楽「Danger Zone」にのって、空母から発信するシーンが堪らないですね!

 空母の搭載機F-14パイロット・マーベリック(トム・クルーズ)は、突然とソ連戦闘機ミグ28の出現で、これを退避させるためにレーダー要員・グース(アンソニー・エドワーズ)とともにF-14で飛び立った。援護機パイロットはクーガ(ジョン・ストックウェル)だった。大胆に敵機に近づき、背面飛行で相手パイロットの顔を撮影、ファックサインを送るなどで威嚇し退避に成功したが、僚機のクーガは実戦の厳しさに衝撃を受け、パイロットを辞めることになった。飛行隊長はクーガの代わりにマーべリックを、その無鉄砲さを諫めようと、トップガンに送った。

トップガンの錬成は、ベテラン教官としてヴァイパー中佐(トム・スケリット)が訓練を担当した。マーベリックはオフィサークラブで酒を呑んでいて、美しい女性・チャーリー(ケリー・マクギリス)に魅かれ、「なんとか近づきたい」と努力したが、相手にしてもらえなかった。

ドッグファイト戦法の教育が始まると、ドッグファイトの分析専門家として教壇に立ったのがチャーリーだった。マーベリックは驚いた。与えられた問題に対するマーベリックの回答は他の訓練生とは違っていた。ミグ28との対戦経験があるマーベリックだからのものだった。

チャーリーはミグ28の情報欲しさでマーベリックを自宅に呼ぶか、それ以上の興味はなかった。しかし、マーベリックの才能と紳士的な態度に魅かれていき、むすばれた。チャーリーに会いにゆくマーベリックの乗るカワサキのオートバイとサングラス、パイロットジャケットが恰好いい!そしてバックに流れる音楽が気持ちいい!これは受けたでしょう!

初っ端のドッグファイト訓練で、禁じられている低空域でも対戦姿勢を崩さないマーベキックの姿勢にヴァイパーかた注意があり、訓練生から反発が出た。

彼は何かに憑かれているように突っ込んいく。

教育が進むにつて、誰がトップに立つかが話題になり、マーべリックとアイスマン(バル・キルマー)が激しく競うようになっていった。

遂に雌雄を決するドッグファイト訓練がやってきた。敵目標をアイスマンに任せるべき状況で、マーベリックは彼を追い抜こうとして異常飛行状態となり海に墜落した。この事故で最も信頼する僚友グースを失った

事故調査の結果、「パイロットの責任はない」と結論が下されたが、「グースの死は自分に責任がある」と、パイロットを辞めるべきか否かを教官・ヴァイパーに相談した。ヴァイパーは「マーベリックの父の死は僚友を救うために採った行動である。境界を越えた地域で生じた行動のため伏せられた」と明かし、辞めるべきか否かの決定は自分でするよう促した。

自分の進路は自分で決める、これがひとつのテーマでしょう。

 トップガンの卒業式には、マーベリックは姿を現さなかったが、そのパーティには参加し、パイロットであることに変わりはないと学友たちに感謝した。

そこに、トップガンに対してインド洋上で情報収集行動中の巡洋艦艦の対空援護任務が下された。マーベリックもレーダー要員にマーリン(ティム・ロビンス)が搭乗してくれ、出動することになった。

速やかに空母に到着。作戦参謀から示された命令は「先発はアイスマンチーム、マーベリックは後詰」だった。ミサイルの打ち合いという熾烈な空中戦のなかで、マーベリックに出撃を命じられた。しかしグースを失った記憶で臆病になり、一時戦場離脱。しかしマーリンや絶えず持っていたグースの認識表に励まされ、マーベリックはアイスマンの僚機としてドッグファイトに参加し敵機を追撃し任務を達成した。これで僚友たちから高い評価を貰った。

マーベリックは実戦を通じ、「命の大切さを知り、チームのために何をすべきか」を考える真のパイロットに育っていた。

感想

ストーリーは愛と青春の旅だち(1982)とほぼ同じプロットで、ダサい鬼曹長フォーリーをF14(トムキャット)の戦技教官ヴァイパーに変えて、恋あり、戦友愛あり、試練ありのジェットパイロット物語でした。マーベリックを端正なマスクで笑顔が美しいトム・クルーズが演じれば、大ヒットは当たりまえと思える作品でした!

トップガンマーヴェリック」、

マーベリックは30年以上の時を経た現在も現役パイロット。(笑) 現在は大将にまで上り詰めたアイスマン(バル・キルマー)直々の特命により、新世代トップガンたちの教官に任命される。

マーベリックは教官としてトップガンに帰ってきたが、その指導は相変わらずの型破りな性格で周囲をヒヤヒヤさせる。訓練生の中にはかつての相棒で訓練中の事故で命を落としたグースの息子ルースターの姿があり、自分を恨むルースターと対峙しながら、トップガン教官マーヴェリックの生き様が描かれるという。


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この作品でマーベリックは「守ることの難しさと戦うことの厳しさ」を教えるという。まさに大スターのトム・クルーズに課せられたテーマです。F-14(トムキャット)から本物のF/A-18(スーパーホーネットに乗り換えて演じる教官ジェットパイロット・トム・クルーズ、こんなことができるのか?その姿を確認したいと思います。

防衛力強化が叫ばれる今、本作上映を契機にジェットパイロットを目指す人が増えてくることを期待しています!

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「鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー」(2022)物語の壮大性に浸り、「復讐は如何にあるべきか」を考えた!

原作は、全世界シリーズ累計発行部数8000万部超の荒川弘さんの大ヒット・コミックス作。17年の実写映画「鋼の錬金術師」を、原作を読みもせず、アニメも観ないで、各種レビューの低評価も気にせず、「これほどの超人気作品の実写版を見逃してはならず」と鑑賞して、エドとアル兄弟愛に泣き、その結末を見届けたい!「続編はきっとある」と期待していました。ここに完結編としての2部作「復讐者スカー」と「最後の錬成」が公開されることになり、大喜びです!

本作の世界感に浸り、兄弟の運命の最期を見届けようと、あえて“原作を読まず”、挑戦してみました。

「復讐者スカー」は、

原作の人気キャラクターである“傷の男(スカー)”の復讐劇。右腕に分解の錬成陣を彫り込み、国軍によって滅ぼされたイシュヴァールの民の復讐のために、全ての国家錬金術師の抹殺を誓うスカーと、彼に命を狙われるエドとの対峙が描かれるというもの。

監督:曽利文彦脚本:曽利文彦 宮本武史、撮影:橋本桂二、美術:清水剛、装飾:岩井健志、衣装デザイン:西原梨恵、編集:洲崎千恵子、音楽:北里玲二

出演者:山田涼介、新田真剣佑、本田翼、 ディーン・フジオカ蓮佛美沙子本郷奏多黒島結菜渡邊圭祐内山信二ロン・モンロウ、水石亜飛夢、舘ひろし山本耕史内野聖陽、他。完結編になって館さん、内野さんの参加で、重層な布陣となっています!


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あらすじ(ねたばれ:注意):

冒頭、フードを被った男が橋の上を歩く男に「コマンチか?」と確認し、「神の道に背きし国家錬金術師、滅ぶべし!」と切りつけ、落下したコマンチを水中で止めを刺す。この男はスカー。スカーの辻切から物語が始まる。

エド(山田涼介)は年1回の国家錬金術師としての査定を受ける為、弟のアル(水石亜飛夢)と連れて、セントラルシティ行の電車に乗った。そこで空腹に苦しむシン国から賢者の石を探しにきたリン・ヤオ(渡邊圭祐)に出会った。そこに過激派の一団が乗ってきたが、リンの部下・老人のフー(筧利夫)と女性兵士ランファン(黒島結菜)がこれを排撃し、エドに襲いかかった。エドとランファンが客車天井でい戦い、エドが窮地に陥った。その時「(お父様から言われている)人質だから!」とホモンクルスのエンヴィー(本郷奏多)が助けに入り、エドを救助した。エドが「エンヴィーは不老不死の人造人間だ」とリンに教えると、リンは「エンヴィーを追え!」と命令し、ランファンが攻撃したが、エンヴィーは車外に消えた。エドがアルはリンたちによって列車から線路に落とされた。(笑)

過激派の一団の目的は「過激派メンバーの釈放を要求するため列車をハイジャックしてセントラル駅に突入することだった。「ここままでは大惨事になる」と、エド錬金術で線路を空中に曲げて列車を停止させ、事なきを得た。(笑)

セントラル駅のホームにはマスタング大佐らが誰かを迎えに来ていた。大佐らに過激派メンバーが襲いかかったが、大佐の火炎術でこれを撃退した。そこに現れたのはキング・ブラッドレイ大総統館ひろし)だった。エドは大総統に「エドか!楽しませてもらった」と声を掛けられ、不動の姿勢で敬礼した。

エドは軍指令部で、大佐から「国家錬金術師の連続殺人事件犯人は額に大きな傷があるスカーだ」と明かされ、「護衛官をつけるので協力して欲しい」と協力を求められた。

エドらは指令部を出て、護衛官をまいて裏道に足を踏み入れた途端に、女を踏みつけた!Z(笑)腹が減って動けない女性。カフェで飯を食べさせて話を聞くと「名はメイ・チャン(ロン・モンロウ)、賢者の石を探してる」という。そのときテーブルが揺れ、メイがカフェを奔り出た。エドらがこれを追うとスカーに出会った。スカーがエドを襲う。アルが壁で阻止するとスカーがこれを壊す。「創るやつがいれば壊すやつがいる」と技の応酬。エドは右腕の機械鎧を破壊され、アルは右脚を切断されて窮地に。エドは「弟には手を出すな!」と叫び、アルは「兄ちゃん、逃げろ!」と叫ぶ。このふたりの相手を庇う気持ちには鳴かされます。

そこに大佐、アームストロング少佐(山本耕史)、ホークアイ中尉(蓮佛美沙子)が駆け付けた。雨のために大佐の火炎術が使えない。スカーは中尉のライフルとアームストロングの剛腕の錬金術を浴びて、傷のある顔を晒し、地面下に逃避した。メイがこれを追った!

アルは「馬鹿兄貴!なぜ逃げぬ!生きて、生きて元の体に戻る!勝手にひとりで生きる道を選ぶな!」とエドに抗議した。この兄弟の関係が美しい!

エドは司令部で大佐から「宗教対立で少数民族のイシュヴァールが反乱を起こした。ブラッドレイ大総統は国家錬金術師たちを派遣して、イシュヴァール民族の殲滅戦を図った」というイシュヴァールの反乱経緯を聞いた。アルは宿で脚の修理をまち、エドが故郷リセンプールに戻って、幼友達でオートメイル技師のウィンリィ(本田翼)に右腕の機械鎧を作ってもらうことにした。

リセンプールではウィンリィとその祖母のピナコ(風吹ジュン)が暖かく迎えた。

エドは母の墓参りに出向いた。そこで父親のヴァン・ホーエンハイムに出会った。エドは母の葬儀に顔を見せなかった父親をなじった!しかしヴァンは「セントラル駅事件での活躍」と褒め、エドの怒りをにこやかに受け入れていた。

ヴァンはピナコに「この国に、クセルクロス(イシュヴァールの居住地)と同じ悲劇が起こる!警告しておくぞ!」と謎の言葉を残して去って行った。

エドはこの言葉を確認したいとクセルクロスを訪ねた。そこは砂漠の中に存在する街だった。廃墟のなかに人が住んでいた。エドは老婆から話を聞いた。「軍隊が攻めてきたとき、民族は違ってもここに留まって治療してくれた医者夫婦がいた。ウィンリィの父母だった。顔に傷を負った男収容され、医者夫婦が治療に当たったが、この男が医者夫婦を襲った。額に傷があり右腕に入れ墨がある」と教えてくれた。

このころ、地面下に逃げたスカーは地下道でイシュヴァール族の臭いを嗅ぎつけたグラトニー(内山信二)とエンヴィーの攻撃を受け負傷、そこにリンたちが追ってきた。スカーは下水道に逃げ、流されて、イシュヴァールの貧民窟に辿りついた。これはメイが付き添っての処置だった。スカーは軍のイシュヴァールせん滅戦でビルの屋上から撃たれた記憶を、また、スカーの師父(麿赤兒)から「お前がしている復讐は、新たな復讐を生む。憎しみの連鎖を断ち切るには、誰かが堪えねばならない」と説かれたことを思い出していた。このセリフは至言です!

エドはセントラスシティに戻り、アルのいる宿を訪ねた。アルは新しい脚を着けて「生き返ったようだ!」と喜んだ。アドはウィンリィの父母の話をアドに話し、彼女には内緒ということにした。「この国に何が起こるのかをホルンクルスに聞いてみたい」と話しているところに、リンがやってきた。彼は「賢者の石が必要な理由は皇帝になるだめだ」と明かし、ホルンクルス確保の協力を申し出た。エドはこれを受けた。

エドらはきっとスカーはやって来ると街を散策していると、スカーに遭遇した。このとき、ウィンリィエド機械鎧のビスを渡そうとエドを探し、エンヴィーとグラトニーはエドの行動を監視しており、さらにブラッドレイ大総統が「異国の臭いがする!」と車で巡回していた。(笑)

3者の衝突で起こる戦い、よく分からなかった!(笑)

 エドとアルはスカーに追い込まれた。エド「神の代理人が医者の命を奪ったのか?命を助けられた直後に!」とスカーの復讐を批難した。これをウィンリィが聞き、飛び出してきて、スカーの前に立った!「貴方が父母を殺したの!父母を返してよ!」と叫んだ。スカーは「その通りだ!君が撃つなら俺も手を出す。憎しみの連鎖は留まらん!」とウィンリィが警護官が落とした拳銃を拾うのを待っている。エドは「お前の手は人を救う手だ!銃を放せ!頼むから撃つな!」と声を上げた。ウィンリィは「仇なのに!」と泣いて拳銃を放した!ここでの本田さんの演技はよく感情が籠ったものでした。この作品のなかで一番のシーンでした。

スカーが怯んだところをアルが攻撃し、スカーを追い込んでいった。リンはグラトニーと戦っていたが、大総統が現れてリンに挑んできた。ランファンが爆弾を投げてこれを援護した。大総統が眼帯を外し「こちらの目が生きている」とランファンの腕を切り落とした。このときリンは大総統の目の下の紋章を見た。

リンはランファンを背負って逃げた。「捨てておけ!」と言う大総統に、リンは「部下を見捨てて去るはリーダーにあらず!」と言い返した!

アルはスカーを下水道の入口に追い込んだ。エドも駆けつけた。そこにグラトニーが追ってきてスカーを襲った。リンが現れグラトニーの口に爆弾を入れて仮死させ、エドが鉄道から鉄縄作りグラトニーを束縛、確保した。スカーは姿を消した。グラトニーは大佐預かりとなった。

マスタング大佐の配慮でランファンはノックス医師の手術を受けた。大佐も「強い兵士だ!」と駆けつけていた。大佐が「軍の上層部はホムンクルスに繋がっているのでは?」と疑うと、リンが「大総統の目の下にホルンクルスの紋章があった」と証言した。大佐は「ブラッドレイ大総統をその椅子から引きずり下ろす!」と口にした。

グラトニーが目覚め、大佐に「あんたがラストを殺した!」と怒りを露わにした。エドが訪ねるとホークアイ中尉が小銃を分解して手入れしながら、イシュヴァールせん滅戦の残酷さを目にしたマスタング大佐とヒューズ中佐佐藤隆太)が交わした言葉を紹介した。蓮佛さんの銃の分解結合の手つきがいい。かなり練習したように見えました!

大佐は「このせん滅戦はリスクが大きすぎる、間違っている!」と言えば、中佐が「おまえが将来テッペンを取れ!」と勧めた。大佐は「生き延びてこの国を変えられなかったら、俺を殺せ!」とホークアイ中尉に語ったという。

スカーの居場所が掴めない。アルが肩にパンダのシャオメイを乗せて町を歩いていると、シャオメイがメイを見つけた。メイはシャオメイを連れてスカーの元に連れて行くのをアルがつけた。スカーは廃ビルに潜んでいた。

夜、メイがビルを出た後、エドが踏み込みスカーと対峙した。スカーは廃ビルを破壊して攻撃してきた。ここに大佐とホークアイ中尉、ウィンリィが駆け付けた。ウィンリィが「何で私の父母を殺した」とスカーに近づき、「父母が生かした命、意味がある!」とスカーの腕の傷を治療した。スカーは面食らった!

スカーは「謝っても変わらん!許してもらう気もない!ただ、すまんかった」と言った。

そこにグラトニーが乱入。エンヴィー馬に化けてやってきた。グラトニーが大佐に挑みかかり、大佐は脚を怪我した。次にウィンリィを追うが、スカーが逃がした。

エドは怪我した大佐とウィンリィホークアイ中尉に託して、車で逃がした。すると、グラトニーはエド、リン、エンヴィーを飲み込んだ!アルが泣いた!

グラトニーの腹の中、出口が見つからない。エンヴィーが「ここには真理の扉があるが失敗作だ。誰もここから出れない、みんな死ぬんだ。ひとついいものを見せてやる」と巨大なトカゲに形を変えた。グラトニーは「間違えた」というが、誰の指図でこんなことを・・。

感想

スカーの復讐劇を通して、現軍事政権によるイシュヴァール民族のせん滅という残酷な圧政が明らかになり、今なおこれを巡る事件が継続していることが明らかになり、この問題にエドたちが絡んでくる。前作では描かれなかった物語の壮大性に浸ることができ、「その解決は如何にあるべきか」を描いてくれました。

まさにウクライナとロシアの戦いに問われる問題、よい時期に公開となりましたね!

スカーは何度もエドらに挑み傷を負い、スカーに両親を殺されたウィンリィの憎しみに耐える姿を見て、自分も復讐した気持ちに耐える姿勢に変化していくプロセスがしっかり描かれ、作品としての使命はしっかり果たしていると思います。この作品、韓国の人にも観て欲しい!それには多くの日本人が見る必要がありますね!(笑)

本作は前作に比して、登場キャラクターが増えて、各段とアクションシーンが多くなっています。それはそれで楽しめるのですが、CG主体でまるでアニメを観ている感じ。低予算で作らねばならず、その苦労は大変だったと推察します。その分、身体を使ってセリフをしっかり喋り感情を表現した、映画としての“ハガレン”を観たい!セリフが生きていない!これがこの作品の評価を落としていると思います。

新田さんのスカー演技には納得しました。しっかり体が作られ、セリフもアクションもよかった。しかし、笑とはいえ、若い人のふざけた演技はこの作品に合わないし、雰囲気が出ていない!

現軍事政権におけるブラッドレイ大総統とマスタング大佐らの対立、さらにホムンクルスと政権の対立が明らかになり、「最後の錬成」にうまく繋がったと思います。エドマスタング派の錬金術師としてアルとともにホムンクルスとの闘いに参加、勝利して賢者の石を手にする。おそらくこれとは違った結末があるかも?と期待しています。必ず観に行きます!

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