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「長い灰色の線」(1954)

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米国ウェスト・ポイント陸軍士官学校を舞台としたマーティ・マーの自伝を映画化したもの。監督はジョン・フォード。主演はタイロン・パワーモーリン・オハラ。詳細はこちら!
https://ja.wikipedia.org/wiki/長い灰色の線

古い作品を見直しています。偶然出会った仕事が、上司に恵まれ、妻に惹かれ、愚直に仕事に惚れていく生き方に感動します。ジョン・フォード監督作品のなかでは地味な作品のようですが、私の人生にとって、とてつもない大きなものをもらった作品です。卒業時には教え子が全員上官となり、敬礼で送り出すマーテイにとって、仕官候補生のパレード(長い灰色の線)で送り出されるシーンは、人生の最高の喜びであったと泣けます。
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アイルランドからの移民マーテイは、ハドソン河添いの広大な地にあるウエストポイント士官学校に食堂勤務員として赴任。
校門をくぐって見たのか、仕官候補生の朝の点呼風景。起床し制服で済々と整列するさまは壮観で、これを見て驚く。仕官候補生がエキストラとして参加してるシーンのひとつ。

そして、朝食の開始。3000人が一斉に食事。これもビックリするようなシーンです。マーテイは配食係として働くが失敗ばかりで首になる。兵を志願して勤務することに。

候補生のダンスパーテイの日。歩哨として勤務するマーテイ。自分の不注意で、門限を守れなかった候補生が出る。しかし、その候補生が自らの規律違反を認め体罰に服しているのを見る。「自由と規律」について候補生たちの厳しい姿勢を知る。このドラマでは、候補生の規律がひとつのテーマになっている。このテーマは名作「愛と青春の旅立ち」(1982)に引き継がれている。

このような生活のなかで、体育教官ハーマン・キーラー大尉の助手を命じられる。ここでも失敗をしながら候補生の前に立ち、やりとげていく。
家族交流会のある日、ハーマン大尉がメイドであるうつくしい女性メアリー・オドンネルを帯同していた。すっかりマーテイが熱を上げ、彼の妻になるが、彼女は、候補生たちと一緒に過ごせるウエストポイントが大好きな人だった。特攻の母のような人。

兵役期間切れになると、「やめて弟の会社に」というマーテイを、「ここがいい」とウエストポイントを離れようとしなかった。マーテイの父親を呼び一緒に住むことにしたのも彼女だった。

メアリーが妊娠し、ふたりは大喜び。すっかり候補生の人気者になっているマーテイのところに候補生からサーベル(候補生がパレード時に持つ)が贈られる。しかし、流産して、メアリーには子供が作れないことがわかる。このふたりを支えたのは、訪ねてくれる候補生たちだった。

そんなときに知り合った候補生がレッド・サンドストロム。勉学とクラブ活動の両立に悩む彼を家庭に招待し、悩みを癒して、卒業にこぎつける。

こうしてハドソン河を望みながらの卒業式は、とても厳粛で、マーテイにとっても、毎年、忘れられない想い出になっていく。このなかには後の名将アイゼンハワーマッカーサーも含まれていた。ただの体育助手であっても、これが彼の大きな誇りになっていく。

第一次大戦が始まり、レッドは卒業と同時に欧州戦線に出陣するが、戦死。マーテイは、レッドの子・キテイを預かり、仕官候補生として育てる。米国では、親が戦死した場合、この子は上院議員の推薦かあれば士官学校に入学できる特典制度がある。

しかしキティは、卒業を待たず結婚するが相手の親が許さず離婚という規律違反を犯す。マーテイはキティに進退を任せた。キティは自ら学校長に申し出て退学し一兵卒として第二次大戦の欧州戦線にたつ。

このころは、次々と戦死者が出て、マーテイのもつ卒業アルバムにはその死を記録する黒の帯が付けられ、大きな悲しみに暮れる日々を過ごす。

師範学校行事の見学に訪れた若い州知事が「伝統ばかり重んじて現実とかけ離れている。今は戦時で若者が戦場で死んでいる」と批判するのを聞いたマーテイが「戦場で兵を指揮するのは誰か、ここの卒業生以外にいない。誰が作戦を立て指揮しているか。アイゼンハワーマッカーサーだ。将軍は自然には生まれない、育てられたんです」と反論する。彼の仕官候補生に掛ける情熱は揺るぎないものになっていた。

マーテイは最愛の妻を喪うが、クリスマスには候補生やキテイ夫妻が訪ねてくれ、寂しさを和らげてくれる。
しかし、マーテイにも定年がやってくる。彼は、かって教え子の大統領を訪れ、自分の気持ちを伝え何とか学校に残りたいと伝えるが、大統領が粋な計らいをする。

候補生が作ったという行進曲「マーテイ」でパレード(長い灰色の線:隊列)が始まる。マーテイは改めて自分のやってきたことが意義のある人生であったと気付くのでした。
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長い灰色の線 予告編