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「劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~」(2019) 

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残暑を吹き飛ばそうと、先週の「ダンスウイズミイ」に乗れなかったのを取り戻そうと本作観賞に挑戦。大いに笑わされ、「愛は受けるより与えること」というブレないストーリー展開に大満足でした。( ^)o(^ )
本作、
一大ブームを巻き起こした田中圭さん主演の大ヒット・ドラマ「おっさんずラブ」の劇場版。未観賞です。どんな作品かと興味深々でした。
描かれるのは、
ドラマ版の最終回から1年後を舞台に、本社と東京第二営業所の対立が勃発する中、混沌としていくおっさんたちの恋模様をスケールアップした筆致で描き出すというもの。

ドラマ最終回でのおっさんたちの愛の結末がどこに向かうのか。同棲愛で結ばれたふたりが結婚するのか、三角関係に敗れたおっさんはどう生きるんだという上手いストーリー展開です。
ドラマを観ていなくても入り込めるようにちゃんと工夫がしてあります。「アベンジャーズ・エンドゲーム」の展開のように、一度昔に戻すという発想がよかった。(笑)

ドラマを観ている人にも、観ていない人にも、楽しめる作品です。( ^)o(^ )

副題「LOVE or DEAD」が絶妙。作品の中で煙突4本がどう見えるかと確認するシーンがあり、まさに映画「天国と地獄」のオマージュ、地獄のなかで愛を告白するという、ただのLGBT作品ではない、もっと大きな愛の物語になっているところが最高でした。TVドラマというなかれ!という作品でした。

監督はドラマ版に引き続く瑠東東一郎さん。主演は田中圭さん、共演は吉田鋼太郎林遣都内田理央さんらドラマ版のレギュラー陣に加え、新たに沢村一樹・志尊淳さんらが参加。芸達者なみなさんの演技に大笑いです!!

あらすじ:
上海・香港転勤を経て1年ぶりに天空不動産東京第二営業所に戻ってきた春田創一(田中圭)。黒澤武蔵(吉田鋼太郎)や新入社員の山田ジャスティス(志尊淳)ら営業所の面々から温かい歓迎を受ける彼だったが、狸穴迅(沢村一樹)率いる本社のプロジェクトチーム“Genius7”の一員として現れた牧凌太(林遣都)に動揺する。次第に本社と営業所の確執が深まり、牧との関係もギクシャクしてしまう春田。そんな中、黒澤が転倒事故で記憶喪失となり、春田との過去の記憶が完全に消えてしまう。そして“初めて出会った”春田に再び心ときめかせてしまうのだったが…。<allcinema>

****(ねたばれ)
冒頭の春田が香港勤務を終えて帰る際、牧のために買った指輪を配達バイクの上に置いて、中華まんじゅうを食べているとバイクが走り出し、これを追って狭い商店街をスパイダーマンのように追いかける春日。途中、自転車で壺を運ぶおやじ(蔵内秀樹)がふらつき倒れようとしているのを助け、指輪を取り戻す。その際、キーホルダーを落としたが、気づかなかった。
その夜の歓送会で悪酔いし、朝、ベットで目覚めると横に裸の中国人・李天佑がいる。そこに牧が顔を出す。牧に謝ったが出て行ってしまった。

この出だしが秀逸で、大きな伏線が含まれ、突っ込みは禁止、睡眠にかかる必要なしのファンタジードラマであることをしっかり示唆しています。

春田が帰国し出社途中で、男にぶち当たりトランクが開き、香港で失態を演じたときのパンツがはみ出す。(笑) この男が新入社員の山田正義(志尊淳)。出社すると牧がいない。そこに本社のプロゼクトチームが乗り込んできて新たな事業の立ち上げ。そのメンバーの一人が牧。

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チーム長の狸穴と部長の黒澤が面を突き合わせて対立する。こんな状況で春日と牧の関係はぎぐしゃくし、遂に部屋のシェアーを解消することに。
こんなときに、黒澤が階段で転んで、春日だけ誰なのか分からないという奇病に罹る。振り出しに戻った黒澤:吉田さんの春日への熱い目線が気になる。(笑)

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山田と春日がサウナにいるとそこに黒澤、牧、狸穴が次々にやってくる。腰巻ひとつの裸のおっさんが繰り広げる愛のかけ引き、もうヒヤヒヤで見るに堪えない。これがなんと場内アナウンス「もう時間です!」で終わりとは・・。(笑)

楽しみしていた夏の花火大会。これを機会に牧と元の関係に戻りたい春日。
川辺で美しい花火を見るふたりの姿は、映画「せとうつみ」の瀬戸と内海。「トイレに行く」と置いていった牧の携帯に、狸穴からのしつこい呼び出し。仕事に行き詰まっている春日には耐えられなかった。「牧は仕事、仕事と本社に行ってから上から目線になった」とふたりの気持ちがすれ違い、遂に春日が「別れよう!」と言い出す。好きだ!好きだ!これだけでは生きて行けない現実を知る。

香港で牧に渡すために買った指輪を川に投げ捨てた。「それが本当の春日さんの気持ちですか」と山田に促され、泣きながら川のなかで指輪を探す春日。別れたふたりがそっと涙を流すという、楽しい想い出の花火大会が最悪の夜になろうとは。男と男の恋物語だが、このような描き方されると、ちっとも変でない。(笑)

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会長(桜木健一)の娘薫子(ゆいP)が連れ出されるという大事件が起こった。狸穴が「お前には内緒だ!この問題は俺と牧で解決するから手を出すな!」と聞かされ、春日の牧への嫉妬が沸点に達した。春日がひとりで董子を取り戻しに行って倉庫に閉じ込められる。そこに董子が、そばに時限爆薬が仕掛けられていた。董子が赤と青どちらの線をきれば安全かと赤を切った。これ「名探偵コナン」にでてくるシーン。
「春日はどこにいる」と探す黒澤たち、黒澤の眼つきが凄い(笑)。春日が伝える倉庫から見える風景。「煙突は、何本?」、「色は?」、「4本が2本に見える位置はここ」と映画「天国と地獄」です。(笑)推定場所に駆けつける黒澤たち。(笑)

時限爆薬が炸裂。火の海。このなかで、春田が「やっぱり別れを取り消す」と牧への想いを伝える。「俺は牧と家族になりたい。しかし、俺、分かってなかった。男同士の結婚はできない法律がある。それに俺、子供好きだ。この辛さ!」。春日にはこれまで結婚に家族という概念がなかった。

牧も「今の関係が壊れるのが怖くて、話せばもっと苦しくなると言い出せなかった」。ふたりは「死んでも一緒にいたい」と泣いて抱き合った。

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火災の中から生還したふたり。春日の意見具申で、香港で救った壺を運ぶ老人の資金援助を受けて、プロゼクトの継続が決まった。春日は仕事という夢が持てるようになった。一方、牧は海外出張が決まる。ふたりは夢に向かって歩き出した。
                *
一方の黒澤。あの大火事のなかで記憶がもどり、別れた妻・暢子(大塚寧々)と結婚したいという部下の栗林歌麿鈴木大地)に「頼んだ!幸せにしてやってくれ」と激励するという、大きな愛に溢れる男だった。黒澤の部下・竹川(眞島秀勝)が「愛されるより、愛したいまでよ」と黒澤に愛を告白するエンデイング、愛に溢れた物語でした。
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『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』予告【8.23 ROADSHOW】