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「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」(2016)

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キャプテン・アメリカのヒーローとしての覚悟、責任の取り方に泣きました。それに比して、アイアンマンの子供っぽさ。ナターシャが“なじった”「あなたにあるのは、エゴだけ!」のとおりです。
しかし、ここで奪ったキャプテンの楯を「エンド・ゲーム」で彼に戻すシーンに、アイアンマンの気使いが分かるという、うまい作品になっています。( ^)o(^ )
戦争の勝利者ばかりを描くのではなく戦で負けた者たちあるいは犠牲になったものたちへの想い、さらに国際連合だけで世界の平和、安全が得られるのか。これに対するひとつの答えがあり、すばらしい作品だと思います。

本作は「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」(2011)と、2014年の「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(2014)の続編となるシリーズ第3作目。「MCU」シリーズとしては第13作品目。 

matusima745.hatenablog.com

この作品を理解するには、多くに関連作品を観ておくとより楽しめ、これまでの「MCU」作品の総括のような作品だと思います。

監督はアンソニー・ルッソジョー・ルッソ。細部スタッフ、キャスト:
https://ja.wikipedia.org/wiki/シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
あらすじ:
マーベルヒーローが集結した「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」の闘いから1年後、キャプテン・アメリカとアイアンマンという「アベンジャーズ」を代表する2人のヒーローの対立を描く。

人類の平和を守るアベンジャーズの戦いは全世界へと広がるが、その人的・物的被害大きさから、アベンジャーズは国際的な政府組織の管理下「ソコヴィア協定」に置かれ、無許可での活動を禁じられる。

一般市民を危機にさらしてしまったことへの自責の念から、アイアンマンはその指示に従うが、「自らの行動は自らの責任で持つべき」という持論のキャプテン・アメリカは反発。2人の意見はすれ違い、一触即発の緊張感が高まっていく。

あるひとつの暗殺事件をきっかけに、アイアンマン支持派とキャプテン・アメリカ支持派が直接衝突する事態となり、その事件の裏に隠されたトニー・スタークとステーブ・ロジャーズの想いがぶつかり、ついにふたりは・・。
              
ソコヴィア協定に関するトニーとスティーブの考え方の違い、ナターシャのどちらにつくかと揺れる心を理解するには、ステーィブとの関係を押さえておく必要があります。
協定発議の直接原因がスティーブの起こした事案であるだけに意地でも参加できなかったことが分かります。

双方に別れての闘い。どちらの派で戦うか、ヒーローそれぞれの心情がよく描かれ、戦ってみて、相手の心情を知るという切ない気持ちが伝わってきます。
騒動を起こした張本人・ヘルムート・ジモが吐く「組織を他人に潰されたのなら元に戻せるが、内部から潰れたのは戻らない」という言葉が痛いほど身に染みるヒーローたちの行動でした。

相戦うシーンはそれぞれの個性ある闘い方が見どころ。特に新しくメンバーに入ってきたアントマンスパイダーマンの闘いが面白い。どのヒーローの闘いもすばらしいが、スカーレット・ヨハンソンが演じるナターシャの闘いがよかったです!!

トニー・スタークの決して許すことの出来ないバッキーと彼を庇うスティーブへのわだかまりをどう解決するか?相手の不義理を攻めているばかりでは、自分の人生が無駄になります。
これに比してトニー・スタークに送ったスティーブの手紙、さすがにヒーロー中のヒーロー、トニーへの愛に溢れていました。もしこれがわからないトニーならば大馬鹿者です!!

自分の父を殺されたティ・チャラ。相手を生かして罪に向き合わせ自分の生きる力にし、さらに、追われるスティーブとバッキーを引き取るという度量の大きさに感動です。

***(ねたばれ)
冒頭の1991年、シベリアのヒドラ研究基地で脳に暗号を埋め込まれバッキーがウインターソルジャーとして生き返り、「制裁して奪え!」という命令に従い、オートで追いかけ乗用車を襲い4袋の血液を奪うというシーン。
これが伏線となり、アベンジャーズが分裂し、トニーとスティーブの絆が切れるという物語。スタートがすばらしい!!

ヒドラの残党で元S.H.I.E.L.D.の特殊部隊隊長・ラムロウが武器売買で暗躍中。感染病病原菌を奪いに来たラムロウ一味を逮捕するため、スティーブはナターシャ、サム、ワンダを率いて、ナイジェリアの都市ラゴスに出撃する。この戦闘で奪われた病原菌を取り戻したが、その際スティーブが窮地に陥り、これを救うために放ったワンダのテレキネシス威力が大き過ぎてビルを崩壊、市民に大きな損害を与えた。
この件で国際社会から批判を浴び、強大な特殊能力を持つヒーローやスパイたちによって構成されたアベンジャーズを、国際連合の管理下に置くことを規定とする「ソコヴィア協定」が定められることになった。

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かし、スティーブには個人的に受け入れられない理由があった。責任感の強いスティーブには、これに縛られことなく人を救いたいという気持ち、さらにこの事件にかっての戦友バッキーが絡んでいた。自分で始末したいという気持ちがあったと思う。トニーがいくら協定参加を誘っても聞き入れなかった。

ウィーンにてソコヴィア協定の署名式が執り行われる式典会場で爆破テロが発生し演説中だった超文明国ワカンダ王国の国王のティ・チャカが死亡するという事件が起こった。バッキーが犯人と断定されたが、スティーブは直接会って確認しようとサムとともにブカレストに潜伏中のバッキーに接触するが、そこを警察特殊部隊に急襲され、逮捕された。スティーブには前作でのバッキーとの闘いで“ヒドラの暗示は解けている”という確信があったのではないでしょうか。

ベルリンの対テロ共同対策本部で、精神鑑定医として潜入していたヘルムート・ジモがバッキーを尋問。彼の放つ暗号でバッキーはウィンター・ソルジャー化しヘリコプターを奪って逃走を図るが、スティーブがそれを阻止。2人はヘリコプターごと川に落下し、そのまま逃走し行方不明となる。サムも姿を消した。

ティーブはバッキーから「自分以外にウィンター・ソルジャーが作られた」と聞き、元に戻ったバッキーとサムを伴い、彼の恋人ペギー・カーターの姪・シャロン・カーターの計らいで、クインジェットでシベリアのヒドラ研究基地へ向うためライプツィヒ空港に到着したところに、アイアンマン派がやって来た。

トニーは対テロ共同対策本部副指揮官・エヴェレット・ロスからスティーブら3名の確保を命じられ、ヴィジョン、スパイダーマンを仲間に引き入れ、ライプツィヒ空港にやってきたのだった。   
    アイアンマン派

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両者がもう後に引けない。スティーブはサムの進言でアントマンに協力を求めた。また、スティーブを慕ってるワンダ、クルントンが駆けつけた。
    キャプテン・アメリカ

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戦闘が互角であったが、かってバッキーと戦ったことのあるナターシアがスティーブの企図を察し、ふたりがクイーンゼットで脱出するのを支援する。脱出を阻止しようとヴィジョンが放ったエネルギービームがウオーマシンに命中し友軍相撃となり、悲劇を生むことになった。辛い闘いであった!

ナターシャが「スティーブは助けを求めている」とトニーを説いたが、聞く耳を持たなかった。しかし、事件の背後に元ソコヴィアの特殊暗殺部隊“エコー・スコーピオン”隊長・ヘルムート・ジモの策略であることを知り、サムらが捕らわれている大西洋に浮かぶラフト刑務所を訪ね、サムからスティーブの居場所を聞き出し、シベリアのヒドラ研究基地を訪れる。

トニーはスティーブに自分が間違っていたことを謝罪し、ともにジモと対峙することを約束した。
しかし、対峙したジモから「父・ハワードと母・マリアはバッキーに殺された」とフィルム映像を見せられる。

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ティーブが「バッキーはウィンター・ソルジャー化されていたんだ!」と言うが、トニーが激怒して襲い掛かり、バッキーの左肩を切り落とした。止めに入ったスティーブは楯を彼の胸に突き立てた。「父の作ったその楯を置いて行け」と叫ぶトニーの言いづけとおり、楯を置いて去っていった。

ティーブはラフト刑務所に囚われていたサム、ナターシャ、スコット、クリントを救出し、バッキーを伴って、ティ・チャラの好意でワカンダ国に亡命した。
そして、トニーに宛て、手紙を書き連絡用の携帯を送った。
「僕は18歳の時から独りだった。陸軍でもなじめなかった。信じているのは個人、個人だ。だから裏切れないんだ。君を傷つけたこと、両親のことを黙っていたのは君のためだった。自分自身を守っていたのかもしれない。すまなかった。いつか分かって欲しい。君は信じる道を選んだ。俺もそうだった。君に賛成しようと思ったができなかった。君らが僕を必要とする時、必ず駆けつける」というものだった。
                              *
ティーブの一点の迷いもない生き方に涙です。
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「キャプテン・アメリカ:シビル ウォー」予告編 日本語字幕付