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「フォードvsフェラーリ」(2019)

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7000回転エンジン音の爆音から始まる本作、コーナーを猛スピードで回り、隣の車と競り合い、突然車がクラッシュするスリリングなル・マン24耐久時間レースに、まるで運転席に乗せてもらって参加したような感覚になり、もう興奮治まらない。と、同時にフェラーリに勝つために戦ったふたり、キャロル・シェルビーとケン・マイルズの男の友情に泣かされました。フェラーリに勝てた勝因?これ以外にないでしょう! ガンガン鳴るエンジン音にこれが隠れていて、エンジン音が消えると同時にやつが居なるラストシーンに、席を立てなかった!!

監督は「LOGAN/ローガン」のジェームズ・マンゴールド。撮影監督:フェドン・ババマイルズ。
主演はマット・デイモンクリスチャン・ベイル。共演者にジョン・バーンサル、トレイシー・レッツ、ジョシュ・ルーカスカトリーナ・バルブらです。

あらすじ:
1950年代後半にレーサーとして活躍するも心臓を患い引退を余儀なくされたキャロル・シェルビー(マット・デイモン)。今はスポーツカーの製造会社を立ち上げ、気鋭のカー・デザイナーとして活躍していた。
その頃、アメリカ最大の自動車メーカー、フォード・モーター社では、ル・マン24時間耐久レースで絶対王者に君臨していたイタリアのフェラーリ社との買収交渉が進められていた。ところが契約成立を目前にして創業者のエンツォ・フェラーリが態度を急変させ、交渉は決裂。小バカにされた会長のヘンリー・フォード2世(トレイシー・レッツ)は激怒し、レースでの打倒フェラーリを誓うのだった。
こうしてシェルビーのもとに絶対王者フェラーリに勝てる車を作ってほしいとの不可能とも思える依頼が舞い込むことに。

さっそくシェルビーはイギリス人ドライバーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)を口説き、2人でレーシングカー、フォードGT40の改良を進めていく。しかしマイルズはレーサーとしての腕前は超一流ながら、その言動はあまりにも破天荒で、企業イメージを大事にするフォード社幹部の反感を買ってしまうのだったが…。 <allcinema>
               
153分のなかで最小限の尺でキャロル・シェルビーとケン・マイルズのドラマを描き、40分をル・マン24時間耐久レースに割り当て、しっかりレースを楽しめるよう演出されているのがすばらしい!

テーマは限界への挑戦、妥協することなく(リスクを冒して)、絶望的に見えたときでも勇気を失わず、自分の夢に向かって進む力。そして、相手に同化するほどの友情。大企業では革命的な製品は生まれ難くなっている。それはどこに原因があるのか? このドラマでも開発と企業経営サイドの対立として描かれて、面白くしてくれています。どうやったら天才の才を見抜けるか? 

****(ねたばれ)
冒頭、1959年のル・マン24時間レースでシェルビーが優勝するが心臓疾患でリタイヤーする。カーデザイナーに転身し、スポーツカー商売で成功するが、レースへの愛情が冷めない。一方、マイルズは小さな自動車修理工場を営みながら、自作の車でレースに挑戦していた。ポルシェが君を欲しがっていると伝えても鼻にもかけない一本気な男。

ふたりは、シェルビーがマイルズの工場で自分の車を整備したり、田舎のカーレースで顔を会わせることがあった。マイルズは人好き合いが悪いが、レーサ―として就中メカに天才的な才を持っていることを、シェルビーは目で確かめていた。一方のシェルビーはカーレースへの情熱を持ち、人の受けがよく交渉力が優れていた。

このころフォードは経営的に行き詰まっていた。リー・アイアコッカジョン・バーンサル)がヘンリーを説き、フェラーリを買収しスポーツ車で勝負しようとしたが、ル・マンのレース参加を拒んだことで、フェラーリフィアットと手を組んだ。このときフェラーリの創設者エンツツォ・フェラーリが「初代と違う、所詮は2世だ!」と会長であるヘンリーを罵ったことが、ヘンリーのフェラーリ潰しに火を点けた。しかし、当時、ファラーリを破ることは至難のことだった。

リーがシェルビーにレースチーム設立を依頼した。シェルビーはすぐさまマイルズを訪ねた。

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マイルズは躊躇したが、自分の整備工場が倒産し、妻の強い要請で受諾した。しかし、シェルビーのところに英から届いたGT40(原型)を見たとたんに車高40inに魅せられた! すぐに乗り、ぶっとばす!225kmでぶっ壊れる!と改善に乗り出す。

空力テストからやり直し、オイル漏れ、ブレーキの不都合を発見し改善をして、自らが試乗して最高記録を出した。

しかし、マイルズのル・マンへの参加は叶わなかった。モータースポーツ部門を統括する重役レオ・ビーブ(ジョシュ・ルーカス)の「彼はフォードのイメージに合わない」という言葉をマイルズに伝えると「車高に気負付けろ!オイル漏れだ!」とだけ注意して、反発することなくパリ行きを諦めた。

しかし、レースをラジオで聞き、ギアトラブルでリタイアしたことを知りがっかりする。これを慰めるのが妻のモリーカトリーナ・バルフ)だった。恐らく彼はこれでフォードと“おさらば”と思っていただろう。

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試合後、シェルビーはヘンリー会長に呼ばれ、「辞任はさせない、問題点は?」と聞かれ、「策はある、指揮系統を一本化して余計な口出しを止めて欲しい」と訴えた。会長は全部飲んだ。

シェルビーはマイルズを訪ね、協力して欲しいと頼み、パリに連れていかなかったことを詫びた。マイルズはシェルビーを激しく殴り、ふたりの殴り合いが長く続いた。マイルズはシェルビーの”心底”を確かめた。シェルビーは「車のことは全部お前に任せる」と伝えた。まるで性格の違うふたりが、干渉することなく自分の能力を発揮し、お互いが弱点を補い、同じ目標に向かうという強力は関係が出来上がった。

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ル・マン制覇を目標に、マイルズの挑戦が再開された。ブレーキの問題をいかにクリアするか?会社技術者から速度を落とせという案が出たが、マイルズは競技規則に抵触しないと、ブレーキを迅速に交換するシステムを採った。これでスピードを犠牲にすることはなくり、大きな壁を乗り越えた。

問題はマイルズがパリに行けるか? シェルビーがヘンリー会長を引っ張り出しGT40に乗せて走った! 会長はこのスピードとコーナリングに驚き「父親に見せたかった!」と感激し泣いた。シェルビーがすかさず「この車はマイルズが作り上げた。彼の車だ」と紹介し彼のパリ行きを納得させた。

1966年ル・マン24時間耐久レース。
スタート直後、ドアーが締まらないというハプニング。ピットインしてハンマーで叩き込んだ。これで緊急時脱出に支障がでるかも。しかし、マイルズは気にもしないで、追いついて次々に負い越した。

車に乗った感じにカメラが捕えてくれ、前車が迫り、コーナーで競り合い、相手の車にぶつける、クラッシュした車の破片の中を走る。さらに夜間、大雨、雷の光のなかでの先の見えない熱戦が続く。これにピットの動き、観衆、マイルズの家族の応援が被さり、レースに飽きることはない!よく工夫がなされている。
特に、マイルズの操縦に合うようにシェルビーが「7000に上げろ!」の発唱にふたりのレース感覚がぴたりと合っていることが分かる。まるでシェルビーが運転しているようだ!

圧倒的なマイルズの走りでフェラーリの各車はかき乱され、フォードの3台が同時にゴールできるのではないかという状況に、ビーフ重役がヘンリー会長に”同時ゴール”を進言し、シェルビーに伝えた。このときマイルズはピットで最終ランに備えて休憩していて、これを耳にした。
シェルビーは「自分の思うように走れ!」と指示したが、マイルズは完勝を確認して、速度をシフトダウンした。なぜ彼はシフトダウンしたか? この車に乗せてくれたシェルビーへの感謝と彼の今後のフォードにおける立場を想ってのことだった。

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結果は、あとスタートのマクラーレンに時間差でトップを譲った!しかし、シェルビーの顔は晴れやかで、「あいつはいい車だ。もっと改善しよう」と言い、ふたりは肩を組んだ。

そして、マイルズが練習中「7000回転の世界だ、全てが消える。マシーンの重さなど消えてしまう。・・・」とつぶやきながら、エンジン音が消えた。シェルビーはいくら泣いても止まらなかった。このあとフォードが連覇を成し遂げた。

クリスチャン・ベイルの名演技が焼き付いています。アカデミー賞を楽しみにしています。
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映画『フォードvsフェラーリ』日本オリジナル予告『狙え!大逆転』編 2020年1月10日(金)公開