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「ソーシャル・ネットワーク」 (2010)

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第83回アカデミー賞(2011)で3部門の受賞作。監督はデビッド・フィンチャーソーシャルネットワーキングサイト「Facebook」創設者マーク・ザッカーバーグの半生を描いたドラマ。監督の映像の美しさに魅せられ、この作品をWOWOWで観賞。

Facebook」誕生の物語はまるでネットの危うさを見る思いでした。彼がアクセス数が増えることに歓喜しその度に人との関係が希薄になっていく、そして億万長者になったとき彼がもっとも大切な友を失い孤独に泣くという、ネットの危うさを感じる作品でした。

主演はジェシー・アイゼンバーグ。共演にジャスティン・ティンバーレイク、アンドリュー・ガーフィルド、ジェシー・アイゼンバーグ、ジョシュ・ペンス、ルーニー・マーラ

あらすじ:
003年、ハーバード大学に通う19歳のマーク(ジェシー・アイゼンバーグ)は、親友のエドゥアルド(アンドリュー・ガーフィルド)とともに学内の友人を増やすためのネットワーキング・サービスを開発する。そのサービスは瞬く間に他校でも評判となり、ファイル共有サイト「ナップスター」創設者のショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)との出会いを経て、社会現象を巻き起こすほどの巨大サイトへと急成長を遂げるが……。(映画.com)
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ウィンクルボス兄弟が提訴するアイデア盗作疑惑とエドゥアルドのCOI解任不服申し立てというふたつの訴訟に関する事実審理前協議のなかでマーク・ザッカーバーグの活動を描くことで、効果的に彼の人物象が浮かび上がってくるというとてもうまい脚本だ。技術的なことは知らなくてもよいというのがいい。

ネットは世界を変えた!しかし、人と人の関係は希薄になっていく。彼が裁判に勝つためになした証言の85%が誇張で15%が嘘だったという。彼の証言がまるでネットの世界のようです!

フィンチャーの作品は映像が美しい。冒頭のボストンの街のパブから、バーバード大学カールランド寮に駆け込む夜の街並み、大学のパーテイー、デイスコダンス。ネットが拡大するにつれた社会が広がるようにニューヨークからカリフォルニア、ロンドンへと広がる美し陰影のある風景を楽しめました。

主役のジェシー・アイゼンバーグ、早口でいかにも傲慢そう、まやかしが多いがどこかに寂しさを抱えるマークの演技は圧巻だ。ガーフィールド、マークを信じ支える人物。憂いがある、最後まで一緒にやりたい無念さを残す演技が胸を打ち存在感がありました。

****(ねたばれ)
〇「フェイスブック」立ち上げ動機は、女性に振られた腹いせ!
2003年秋。ハーバード大学学期最初のパーティーに参加しようとマークは恋人エリカ(ルーニー・マーラ)と会って話し合うが、マークは早口でクラブ活動や趣味など喋るがことごとく話がかみ合わない。彼女が在籍するボストン大学が侮辱されたことで、エリカは「あんたは優秀なプログラマーにはなれるが、性格が最低!」と絶交宣言した。

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マークはパーティーに参加せず急いでカークランド寮に戻り、パソコンを立ち上げるやエリカを「最低の女。ボストン大学の女は全部クソだ!」と校内ネットで流し、これでも「怒りは収まらない」と女の評価システムを立ち上げることにした。
このために全ハーバー大学寮の学生名鑑に不正アクセスして写真を入手、親友のエドゥアルドに女性をランクづけするアリゴリズムを作ってもらい、このプログラムを公開した。

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口込みで一気に拡散し、2時間で2万アクセスという信じられないアクセス数で大学の回線がパンク寸前となり、大学の理事会に呼び出される。
彼は女子を侮辱したことは詫びたが「不正アクセスは大学のシステムの欠陥があることを明らかにしたことを評価すべきでだ」と主張したが、半年間の観察処分を受け、全女子学生から総スッカンを喰らった。

マークはどんな相手にも自己主張し、喋ることでは負けない! 弁が立つ。

〇アイデア借用で立ち上げた「ファイスブック」!
異常なアクセス数が目に止まり、ボート部で名の知れたウィンクルボス兄弟から「ハーバードコレクション」なるサイト作りを依頼された。「女の子はハーバードの男とデートしたがっている。ここに目を付けた」と言い、アクセスIDを「ハーバード.edu」とし、自己紹介や写真で構成するものだった。

マークは「The Facebook」を公開し、その後「ハーバードコネクション」を完成させウィンクルボスに引き渡した。“The”は「ハーバード・コネクション」との差別化であった。

「ザ・フェイスブック」を世に出すためにサーバーを借り事業を起こす必要があり、エドゥアルドに1000ドルを出資させ、本人は「PC知識がない」と嫌がったが、COEに就任させた。

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彼は大学の人気者になり、ビルゲーツの再来と校内で評判となった。かっての恋人エリカに声を掛けたが、彼女にすげなく一蹴された。マークは「The Facebook」を他大学へも開放してゆく。サイト拡大のための資金調達にスポンサーを求めてニューヨークにやってきた。

〇“ショーン・パーカー”との出会い!
「The Facebook」が売れているとはいえ、ニューヨークでのスポンサーを見つけるのは難しかった。
そんなとき、自分の放蕩で音楽サイト“Napster”を手放したショーン・パーカーがスタンフォード大女学生とベットを共にし、目覚めて見た彼女のPCに「The Facebook」があった。

マークとエドゥアルドがロサンゼルスでショーンと面会した。ショーンの話は女と料理の話でビジネスの話が出て来ない。ショーンは「Theがない方がクール」とサイトの名の「The」を取って「Facebook」とするよう提案をしてきた。

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エドゥアルドは偏執症で被害妄想だとショーンの人となりに疑いを抱きニューヨークに戻ってスポンサー探しを続け、マークはショーンとふたりでスポンサー探しを始めた。

ショーンの作戦は当たり、会社の拠点を西海岸カリフォルニア州パロアルトに移した。しかし、ショーンの連日のクラブ遊びは治まらず、マークの家に転がり込み、「お前がCEO、エドゥアルドは広告主」とふたりの力で事業を拡大することを訴え、新たな投資会社との契約を成立させてゆく。遂にショーンが会計を自分が仕切るようになった。

ニューヨークから戻りエドゥアルドが「ショーンに会社代表面をされたくない」とマークと対立し、銀行口座を確認すると自分の知らぬ間に38%あった持ち株比率が0.03%に下がっていた。彼が知らぬ間に増資に増資で事業が拡大した結果であった。これでマークとの友情に大きな亀裂が入った。さらにショーンの乱痴気騒ぎに、麻薬疑惑で警察が介入するという事態が発生。マークに大きな決断が求められることになった。

〇ふたつの訴訟を抱える!
イギリスのボートレース大会に参加していたウィンクルボス兄弟は、「Facebook」がヨーロッパの大学にまで浸透するほど巨大化している事実を知り、Facebook」は自分たちのアイデア盗作だと訴訟を決意する。また、エドゥアルドもCFEOを降ろされたことで訴訟提起を決意する。こうしてマークは2つの訴訟を抱えることとなった。

事実審理前協議を終えた、マークは弁護士から「神話には悪が必要!」として秘密保持のため契約金より高く払う和解案を示され、これに同意した。弁護士から「あなたは嫌なやつではない、そう振舞っているだけ!」と言われたマークは「Facebook」からエリカに友達申請をした。返事は・・・?

エドゥアルドは金額非公開で和解し創業者として名を残している。社会派ドラマとしてとても面白い作品でした。
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