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「ミッドサマー」(2019)MIDSOMMAR

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「ヘレディタリー/継承」で世界中を恐怖の渦へと巻き込んだというアリ・アスター監督作品。この作品を観ておらず、恐ろしい!恐ろしいの噂に、一度だけ観てみようと駆けつけました。劇場は7割の入りで、パンフレットは売り切れ。なかなかの盛況でした。

スウェーデンを舞台に撮り上げた戦慄の異文化スリラー。スウェーデンの奥地で開かれる“夏至祭”に参加したアメリカの若者たちが、明るい白夜のもとで繰り広げられる異様な儀式を体験していく中で、次第に想像を絶する悪夢に呑み込まれていくさまを描くというもの。

中盤で“ネタが割れ”(監督は何を描きたいか)、それ以降この奇祭に憑りつかれ、大笑いで、ラストシーンに見せる主人公の笑顔に“やったね、監督!”と拍手を送りたかったです!
描かれる奇祭を観て、現代の生(性)と死、社会を問い直しているように思いました。

とても面白い作品ですからお勧めします!怖い方は、一か所だけ通過すれば全てクリアです。ネタを明かしておきます。人面を叩き潰すという描写ですが(中盤)、これ人形ですから・・・。もう大丈夫です。(笑) ラスト近くの熊の腹を立ち割って中に入れられるシーンなどまるで・・・・に喰われたようで、怖くない、大笑いでした!!

カメラの振り回し、映像が上下に逆転、被写体がぐるぐる回る動きにまるでトリップ感覚に陥ったような不愉快な感じがありましたがこれも演出でしょか! 半面とても牧歌的な美しい北欧の風景(ハンガリー)を楽しめます。

主演はフローレンス・ピュー、共演にジャック・レイナー、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ウィル・ポールター、ヴィルヘルム・ブロングレンなど。

あらすじ:
ある日突然、最愛の家族を失ってしまったアメリカ人学生ダニー(フローレンス・ピュー)。心配した恋人のクリスチャン(ジャック・レイナー)は、男たちだけで行くはずだったスウェーデン旅行に彼女も誘うことに。彼らが向かったのは、スウェーデンの奥地で90年に一度開かれるという特別な“夏至祭”。こうしてダニーたち一行は白い衣装に身を包んだ村人たちに笑顔で迎えられ、9日間にわたって行われる神秘の祝祭を彼らと一緒に体験していくことになるのだったが…。

****(ねたばれ)
冒頭、ダニーの部屋の奇妙な絵、窓の雪、妙な音楽のなかで、彼女が母親の留守電を聞くシーンから始まり、彼女の恋人クリスチャンとの関係、そして父母を失った光景がなんとなく恐怖心を煽るように描かれます。
ダニーのクリスチャンへの依存性は強いが、彼はダニーが身体を許さないことが不満で付き合いをやめたがっている。

クリスチャンの仲間、ジョシュ(ウィリアム・ジャクソン・ハーパー)、マーク(ウィル・ポールター)、ペレ(ヴィルヘルム・ブロングレン)も「SEXする女がすぐ現れる」とクリスチャンの態度を擁護する有様。

こんなダニーを心配してくれていた母と父が、“ガス中毒”で殺されるという奇妙な事件が起こる。

父母が亡くなり、クルスチャンともうまくいかないなかで、クリスチャンの部屋に呼ばれ「芝居見物のようなものだ」とスウェーデンの奥地の村で行われる“夏至祭”に誘われる。ここでちょっと触れておきたいのは、彼の部屋にある絵。彼によればJohn Bauerの絵だという。

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この映画では絵は大きな伏線になっています。クリスチャンとはいかなる人物か?(笑)

旅の発案はペレ。ペレはこの村の出身者。この企画が胡散臭い!
ダニーは気が進まなかったがペレの「両親を失った悲しみが取れる!」の言葉で参加することにした。

9日間の予定で早速ストックホルムへ。ここから大平原をレンタカーで直線路を走る。カメラのズーム速度と画像の上下反転で気分が悪くなりました。恐らく異文化圏に入ったど!という注意喚起だったのでしょうか。(笑)

ヘルシンキグランドでペルの兄サイモン(アーチー・マデクウィ)とその恋人コニー(エローラ・トルキア)が加わり、美しい草花のある野原で薬を喫ってトリップ状態で、謎の村に向かって歩き出す!

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そして目に入ってきたのが、村人は白装束で、大きな十字架のある平和な村、まるでオカルトかと思える楽園「ホルガ村」に着いた。ペレが長老から「お前は人を見る目がある」と褒め称えられている。これが怪しい!

「今日はお祝いで明日から儀式だ」と歓迎され、大人から子供まで大勢の人々に取り囲まれた。ここでも眩暈がしました!

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丸い式台に上がった賢女が「ホルガにようこそ!90年に一度の祭り!多くの恩恵が与えられますように!」と挨拶して乾杯。何故90年に一度の祭りなのか、多くの恩恵とはなにか?

大部屋が宿舎として準備されていて、ダニーは村人の同じ白装束に着替え、村人の中に入って奇妙は声を出しながらダンスに興じる。ペレが「誕生日おめでとう」と絵をプレゼントする。ペレは何を企んでいるか。クリスチャンは忘れているようだ!

一方、クリスチャンら男性陣は長老の案内でルーン文字で書かれた石碑や、三角形の建物、熊のいる檻などを見学し、白い建物の中で聖典(性典)のような絵を見せられる。この絵はR15指定でしょう。実はこの絵に描かれていたことが、この祭りで行われるのですが、この時点ではわからなかった。絵を観るだけでも、この映画を観る価値があります。(笑)

儀式が厳粛に始まった。

三角小屋の前にV字型にきれいにテーブルが並べられ、村人たちが席についたところの年老いた男女が主賓席に着席。ふたりがナイフを取り上げると一斉五食事が始まり、食べ終わると乾杯をして、二人は輿に乗せられ高い絶壁の上に運ばれた。
全員が見るなかで、最初に男性が飛び降り、石台に落ちて、顔面破壊し絶命。次いで女性が飛び降りるが、石台に当たらず、死にきれずうめく。これを見た身内が斧を持って駆け寄り、皆に励まされながら、頭を叩き割る。そして村民が見守るなかで荼毘に付せられた。

ダニーは「異常だ!」と立ち去ろうとすると賢女が「習慣よ、彼らにとっては大きな喜びなの。老いての死よりこの方が幸せだ」という。ダニーは悲鳴を上げて泣いた。随分残酷な老人たちの運命ではあるが、現在の老人たちは「幸せか?」と家族の絆、村人との絆を問うているように思えます!

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これを見たジョシュはこの村論文を書くと言い出し、「書くためにここにやって来たのか」とクリスチャンと揉めた。
ダニーは「帰りたい」とクリスチャンを誘うが彼に拒否されて、ここに置き去りにされたように感じた。ペレが「俺も両親を亡くしたが、こうして皆に抱き上げてくれて喪失感がなくなった」と慰めた。

白夜での就寝。深夜村の女性がクリスチャンのベッドの下に木片を置いて去っていった。この木片は「愛しているという印だ!」とペルが言う。クリスチャンが「村の近親婚をどうするんだ!」と村の青年に聴くと「老人たちが紹介するんだ。部外から選ぶことがある」という。

ここでクリスチャンたちがここにやってきた、ペルに連れて来られた意味が分かりました!これからは、それぞれが近親相姦を避けるためにどう利用されたか、監督はここで何を観せたかったかです。

サイモンが自分も村の娘とのセックスが許されたと言い出し、コニーが怒って逃げ帰った。ジョシュは論文にしようとルーン文字聖典をカメラで盗み撮りした。マークは老人たちの許しを得ず村の女性と消えた。そしてクリスチャンが種馬に選ばれ、ダニーが村の女王に選ばれた。

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それぞれの運命を映画で観てください!

今年のTOPクラスの作品でした。監督の女性に対する目線がやさしい!描きたいものを描くという力を感じました。いずれオスカーを手にする監督さんでしょう。次作を期待しています。
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映画『ミッドサマー』予告編