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「仮面病棟」(2020)テーマ性のあるミステリー、総理まで殺そうとするところに意味がある

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評判のよいミステリーということで観ることにしました。原作は現役医師で作家の知念実希人によるベストセラー小説。未読です。監督は「屍人荘の殺人」の木村ひさしさん。 

主演は坂口健太郎さん永野芽都さん。共演は高嶋政伸市田理央・江口のりこ・大谷亮平・笠松将さんらです。

あらすじ:
事件の翌日、「昨夜10時ごろ田所病院に賊が入り4人が殺された。あなただけが生き残っているので詳細を聞きたい」という警察の取り調べシーンから、事件の概要を追うかたちで物語がはじまる。聴取を受けているのは事件当日に勤務を代わった一夜限りの当直医・速水秀悟(坂口健太郎

事件当日、先輩医師・小堺(大谷亮平)から頼まれて一夜限りの当直をすることになった速水だったが、その夜、ピエロの仮面をつけた男が傷を負った女子大生の瞳を連れて病院に現れ、瞳の治療を要求する。速水が治療を終えると、階段を閉鎖して病院に閉じ込められてしまう。

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当夜、病院にいたのは病院長の田所(高嶋政伸)と2名の看護師・佐々木(市田理央)と東野(江口のりこ)に、ほとんど動けない患者たち。

速水は警察に通報しようとするが院長が拒む。ピエロは監視しながら何かを探しているらしい。ある患者の呻き声から患者たちのカルテに異変を発見。手術しないはずなのに立派な手術室、さらに資料室の奥にCPU室がある。違法な臓器移植を行っていることを知り、院長を問い詰める。一方ピエロもある秘密名簿を探していた。

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夜明け前、誰が通報した警察が病院を囲む。速水はスプリンクラーを利用して混乱のなかで脱出しようとして、何者かにスタンガンで撃たれ気を失った。
目覚めたときは救急車で搬送されるところで、瞳を探したが見つからなかった。
このあと、警察の事情聴取を受けていた。・・・
              
ここまでに、いくつかの違和感、特に瞳がピエロに連れ出され戻ってきたときに閉鎖錠の鍵を持ち帰るなど、このふたりが犯人で目的は臓器移者名後の入手だと思っていましたが見事な外れでした。(笑) しっかり隠されたねたは最期まで隠され、伏線がよく繋がり、犯人像が二転三転して真犯人が明かされるという、これは楽しかった。

ここからのストーリーは“ねた”明かしと、さらに大きな世界に飛び出していくまるで別物語のようなドラマとなり、ミステリードラマという枠を超えて、テーマ性を持ったドラマとなり、よかったと思います!

背景に臓器移植に絡む事件を扱うことで、障害者には生きる価値がないなどあってはならない人間の尊厳性に触れたり、現在の臓器移植献体の難しさなど社会性のあるテーマを垣間見ることができ、このことがこのドラマを価値あるものにしていると思います。

永野さんは最初と最後ではまるで異なったイメージの女性を演じています。大変難しかったと思います。当初はメイクのせいかダサい感じで乗れませんでしたが、次第に永野さんらしい闊達な演技が見れて、その変化ある演技を楽しめました。

坂口さんは随分と勇気のある、使命感に長けたお医者さんで役にはまった演技でした。
ピエロの演技が、笑っているのかバカにしているのか、何が目的なのかわからない表情・動きがよかったと思います。

人間の尊厳性を主張するドラマでしたが、総理まで殺そうとするところに意味がある作品でした。(笑)
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映画『仮面病棟』本予告 2020年3月6日(金)公開