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「囚われた国家」(2019)

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猿の惑星:創世記」(2011)のルパート・ワイアット監督。エイリアンによって管理・支配された社会で自由のために立ち上がったレジスタンスたちの戦いを描いた近未来SFサスペンス、ということでこの作品を選びました。

エイリアンが活躍する作品と思っていましたから肩透かしで、近未来というところが微妙。しかし、政府に対するレジスタンスたちの戦いをサスペンシフルに描いている点では評価できると思います。しかし、物足りない!

監督・脚本・製作:ルパート・ワイアット、撮影監督;アレックス・ディセンホフ。
出演者はジョン・グッドマン、アシュトン・サンダース、ジョナサン・メジャーズ、ヴェラ・ファーミガケヴィン・ダン、ジェームス・ランソン、アラン・ラック、ケイトリン・イヴォルドらです。


映画『囚われた国家』予告篇|4.3[金]全国公開

あらすじ(ねたばれ):
2018年、エイリアンが全地球に侵攻。シカゴに住むドラモンド一家は市街に避難中にエイリアンの襲撃を受け、父母が死亡。兄のラファエル(ジョナサン・メジャーズ)と弟のガブリエル(アシュトン・サンダース)は難を逃れた。

その後、世界の主要都市はエイリアンが支配する統治者のもとに置かれ、傀儡となったアメリカ政府はシカゴに戒厳令をしき、市内中心部「閉鎖地区」の地下にエイリアンの居住区を建設、彼らの天然資源採掘に協力していた。

市民は態勢指示の富裕層と反体制の貧民層に区分され、市民がCPSモリーを首に埋められドローンで監視され、反体制者は捕らえられ、地球外に追放された。この体制で市民の貧富の差はかつてないほど拡大していった。

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2027年.ラファエルはレジスタンスに加わって活躍中であったが、その組織は全滅し兄は現在行方不明。ガブリエルは20歳になり死んだ父の僚友シカゴ警察特捜司令官・マリガン(ジョン・グッドマン)の世話を受けて市のデーターセンターで勤務中。上空には法螺形のエイリアンロケットが浮かんでいる。

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特捜はラファエルの所在を追っていた。ガブリエルは勤務中、兄の情報はないかと過ごす毎日。そこに同僚の女性から情報が記された紙で巻かれたタバコが託される。

一方、特捜のマリカンは「フェニックス」という組織を追っていて、娼館の主・ジェーン(ヴェラ・ファーミガ)を訪ねていた。ジェーンが「遊んでいけ!」というが断って、ジェーンからのプレゼントを持って帰っていく。

ガブリエルはどこから現れたか見知らぬ男に車に乗せられ、廃退したコンテナー基地の一角にあるビルに連れてこられ、そこで兄と再会した。兄はタバコを受け取って解読し、伝書鳩を飛ばすなどで保全に留意し組織員に情報伝達した。この際、兄は「俺たちに加わるな!ミシガン湖の向こうに行け!」と促したが、ガブリエルはそれを拒否し、マリガンと手を切ることにした。

情報は「スタジアムで行われるエイリアンと政府との団結集会で、主賓はワッツ副市長」という者だった。この情報誰からのものか、誰がメンバーのトップなのか分からない。

7人のメンバーに情報は行き渡り、アジトに集まって、エリアンから手に入れたという透明有機爆薬と万一の場合の自決用毒薬を身につけてスタジアムに乗り込んだ。

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盛大な歓迎セレモニーのなか、ラファエルがうまく副市長に爆薬を取り付けることに成功して爆発。スタジアムは大混乱に陥るが、メンバーはエイリアンと警察に追われ、ラファエルとガブリエルの二人が捕らえられ、他のメンバーは亡くなった。組織が全滅? 警察本部長アイゴーが「トップを捕えろ!」と指令。マリガンがこれを追う。はたして誰がトップであったか、その後のレジスタンス運動はどうなるのか・・・。
               
“近未来”としたからには荒唐無稽な話ではなくある程度の真実性が求められますが、はたしてデトロイトがこのモデルに該当するのかという、無理やり感を感じ、いまいち「自由と人権」を取り戻すというテーマに乗れませんでした。

おそらくトランプ大統領をこき下ろそうという企図なのでしょうが、そうは感じなかった。むしろ古い植民地でのレジスタンス運動だと感じました。「アルジェの戦い」(1966)影の軍隊」(1969)を参考にしたと言い、まさにプロットが「アルジェの戦い」でした。

さらに、エイリアンが登場するのは人を襲ってくる数個シーンで、既視感がありその異様さや恐怖感もあまり感じなかった。

しかし、ストーリーはいくつかの巧みなトリックでとてもミステリアスです。アクションはないですが、ついて行けないほどにテンポが良いです。(笑)

コウモリのようにくっついて来るドローンやGPSなどを用いた情報戦や透明爆弾によるウイッカーパーク・スタジアムでのセレモニー妨害など迫力があり、映像も美しく楽しめました。

物語はここから二転三転、さてこの結末ですが、ガブリエルの「マッチを擦ってやった!抵抗する限りチャンスはある」と余韻を残して終わります。

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