「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の公開を控え、これまでの作品「序」「破」「Q」の3編がネット配信されるなど大いに盛り上がっています。
この国民的ビッグコンテンツという作品を未だ観ておらず、歳も顧みず(笑)、NHKBSプレミアム(5月)での観賞です。
スタッフ、キャストは言わずもがなですが、
総監督:庵野秀明さん。監督:摩砂雪・鶴巻和哉さん。
声優は緒方恵美・林原めぐみ・三石琴乃・山口由里子・立木文彦・清川元夢さんらです。
あらすじ:
地球規模の大災害「セカンドインパクト」によって人類の人口の半分を失ってから15年後の世界。第3新東京市に14歳の少年・碇シンジ(緒方恵美)がやってきた。
そこに突如謎の生物体第4使徒の出現。
使徒と国連軍の戦いに巻込まれるシンジ、危いところを葛城ミサト(三石琴乃)に助けられます。内向的で人との触れ合いが苦手なシンジは戸惑うばかりだった。
ミサトはそんなシンジを世界再建の要、人類の砦となって使徒と戦う特務機関NERV(ネルフ)本部に案内します。そこでシンジは人が作り出した最後の切り札という汎用ヒト型決戦兵器人造人間・エヴァンゲリオン初号機を見た!ネルフの最高司令官・碇ゲンドウ(立木文彦)がシンジの父で、シンジはゲンドウに呼び出されてここにやってきたのでした。
ゲンドウが「今すぐこれに乗って使徒と戦え!」と言うが、シンジは「乗れるわけがない」と断ります。そこに大怪我をした少女・綾波レイ(林原めぐみ)が運び込まれた。自分が乗らなければレイが乗らされるとシンジは「僕が乗ります!」と応じました。
ミサトは29歳のネルフ戦術作戦課長さん。ミサトの指示通りに初号機を運転、歩かせるのがやっとだった。が、第4使徒に腕と頭部を破壊され、シンジは恐怖で混乱した。これが初号機の暴走を引き起こし、結果として使徒を圧倒し自爆に導いた。ミサトはシンジが初号機パイロットに適しているのか?、ゲンドウが何かを隠しているのではと思うのだった。
シンジはその夜、母の夢を見た!
初号機で第4使徒を撃破できたことで、ゲンドウはネルフの上部組織ゼーレ(SEELE)の信任を得て、エヴァンゲリオン計画を推し進めることとなりました。
シンジの身はミサト預かりとなり、ミサトのマンションで暮らしはじめ、学級転入してレイと同級生になりました。孤独で馴染めず虐めに会う毎日でした。
サトミと技術開発部の赤木リツコ(山口由里子)が初号機の操縦トレーニングを担当していて、シンジの傷つきやすく臆病な性格を「自分で解決するのを待つしかない」と考えていました。
第5使徒が襲って来た。
シンジは初号機で出撃するも使徒に威圧され、その触手で山の中腹へと投げ飛ばされる始末。ミサトが態勢を整えて攻撃しようと「撤退」を命じたが、そこに居た学友の姿が眼に入り、彼らにバカにされると、初号機にナイフを持たせて使徒に突撃し、消滅させた。
しかし、ミサトから命令違反と責められ、「自分はこの任に向いていない、怖いだけだ!」と悩みましたが、ここを辞めることにはしなかった。レイは0号機の操縦士でこの機の暴走で大怪我を負ったことを知りました。
シンジはリツコに頼まれて更新IDカードを渡しにレイの部屋を訪ね、このことで言葉を交わすようになった。
父はレイの訓練に笑みを見せるが、自分の訓練にはそれがない。レイに「エヴァに乗ることが怖くないか」と聞くと「それはない!絆があるから」と言い、父がレイに優しいのは何故かと考えました。
第6の使徒が現れた。
シンジは初号機で出撃するが、遠距離から放たれた光線により負傷して入院という結果となりました。
第6使徒はドリルで地中に穴を開け地下にあるネルフ本部を標的にしてきます。
ミサトはこのピンチにゲンドウが準備していた「ヤシマ作戦」で対抗することにした。日本中の電力を集めて陽電子砲で撃破するというもので、シンジが初号機で攻撃、レイが0号機で援護することになった。
出撃の命令は病室でレイから聞かされ、シンジが怖いというと「私が初号機に乗ります」と出て行った。
シンジは怖い気持ちをミサトに伝えると、セントラルドグマ部屋に安置される第2使徒・リリスの前に連れていかれ、「リリスを奪われるとサードインパクトが起きる。これを防止するのがあなたの使命」と説かれ、シンジは納得して初号機に乗った。
初弾は自動照準で射撃。第6使徒に命中したが急所を外し、シンジは逆に敵の射撃で吹っ飛ばされて窮地に陥った。サトミが手動照準に切り替え、シンジの判断で再発射に挑んだ。レイが敵の発射光線を遮り、その間に2弾を発射し、崩壊させた。
シンジは放り出されたレイのカウプセルに駆け寄ってドアを開き、レイの安否を確認。いつも無表情だったレイが初めてシンジに笑いかけたのでした。
感想:
シンジがネルフに連れてこられ、いきなりEVA初号機に乗せられて恐怖のどん底に放り出されましたが、ミサトの助言や訓練で丁寧に教えられ、時に突き放され自分で決断することを求められ、恐怖を克服し成長していく姿がしっかり描かれています。
特に第2使徒リリスの姿を見せて、使徒と結びつくとサードインパクトが起きる。これを止めるのが貴方の使命感と訴えるのがいい。使命感こそが恐怖を忘れることが出来ます。
物語の背景となるゼーレが目指す人類補完計画とはどういうことか。さっぱり分からない!(笑)
「使徒は生命の実を食べて完結した生命体で、知の実を食べた我々を滅ぼす敵だ」という言葉に、人類とは何者か、人類はどこに向かっているのか。きちっと結論を見せてくれると期待しています。
次々に襲う謎の生命体・使徒の設定、第3新東京市やネルフ本部の構造や指揮所、戦力汎用ヒト型決戦兵器人造人間エヴァンヘリオンの正体、ミステリアスな少女綾波レイなどの描写が、これまで観たことのない世界に連れて行ってくれそうです。
キャラクターとしてミサトやリツコら女性陣がネルフの重要職に就いているのが面白い。とくにミサトを演じる三石琴乃さんの声が楽しめました。
ゲンドウとシンジ、レイの関係も謎が多くこれに大きな感心を持っています。特にシンジがみる幻覚のなかの“父ゲンドウと母の会話”、「男の子ならシンジ、女の子ならレイ」は何を意味するのか?
映像の美しさに圧倒されます。第3新東京市の動く地下構造物やヤシオ作戦の描写、ヱヴァンゲリヲンの精緻さ、使徒とエヴァの戦い、日本全国からの電力供給のため街の明かりがすべて消えるシーンなどとても印象的だった。
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