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「私をくいとめて」(2020)

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勝手にふるえてろ」の大九明子監督が再び綿矢りさ作品に挑んだラブコメディ。さらに「あまちゃん」コンビの能年のんさんと橋本愛さんの共演、もう観ないわけにはいきません!

主人公のみつ子は「おひとりさま」を満喫する32歳。それは脳内に相談役「A」がいて人間関係や身の振り方に迷ったときはもう一人の自分「A」がいつも指南してくれるからだった。しかしある日、みつ子は年下の営業マン 多田くんに出会って、「そんなことない!」と思うが「A」が「君は恋している!」という。すったもんだの末「A」のいう「くいおめてみたら」・・・というおはなし。

このコメディー笑えたかな?前作「勝手にふるえてろ」からさらに進化した作品で、ただのラブコメディーではなかった。その奥にあるコミュニケーション・人間関係の話で、年寄りが見ても大丈夫!元気がでる作品でした。(笑)

監督・脚本:大九明子、撮影:中村夏葉、編集:米田博之、

音楽:高野正樹、劇中歌:大滝詠一

出演者:のん、林遣都臼田あさ美若林拓也前野朋哉山田真歩片桐はいり橋本愛岡野陽一中村倫也、他。


映画『私をくいとめて』本予告 〈12月18日全国ロードショー〉

あらすじ(ねたばれ):

32歳のみつ子(のん)。身体一杯に風を受け、地下デバの料理教室で楽しんで、るんるん気分で街を闊歩して、マンションに戻って「A」(中村倫也)と喋りながら料理したり掃除して過ごす、自由気儘な生活を楽しんでいた。「A」は「answer」の頭文字。

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そんなみつ子は2年前、揚げ物屋で取引先の営業マン多田君(林遣都)と一緒になって、多田君からコロッケをひとつプレゼントされた。ある日多田君を家での食事に誘ったら玄関まで来て上がらず、出来上がった料理を待って帰るだけのとても律儀な男だった。みつ子は托鉢僧と檀家の関係だ!と思っていた。(笑)

「どう思っているのか聞きたいが、彼女がいるのかも知れないしもう来なくなるかも」と聞き出せない。(笑)

会社のみつ子、唯一の友はノゾミさん。いつも一緒にいて、お茶汲み係、居心地が良いから。上司の美人ではないが仕事バリバリの澤田さん(片桐はいり)は遠い人だった。(笑)

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そんなノゾミさんに麗しのセニョールことカーター(若林拓也)が目線を送り、これを受け入れるノゾミさんを見た!ひとりすき焼きに出掛けると周りにそんな人がいない。多田君と一緒にと思うが、年下というのが気になり、ディズニーには誘えない!それでも「A」が「あなたは多田くんが好き、誘ったら!」という。

というわけで多田君を家での食事に誘うと、喜んできてくれた。多田君が「暖かい人!」と言ってくれるのに「そんな女でない、はずかしい」と上目線他に話のネタがない!多田さんが使うクリーニング店の犬が死んだ話(笑) この夜のことを「誰かといると面倒くさい!」とノゾミに語った。(笑) そんなことを言いながら「あのときお酒を出しておけば?」と多田さんを捨てきれない。(笑)

美術大学で一緒だった皐月(橋本愛)から、「年末イタリアに来ない!」と誘いが来た。飛行機は怖いが、2年も会っていないと訪ねることにした。ひとり旅の予行にとノゾミがくれた宿泊クーポンで温泉旅行に出た。

そこで女性芸人のひとり芝居を観た。彼女の芝居はお客さんに受けていたが、終わると数人の男性客が舞台に上がり、彼女に悪戯をし始めた。みつ子は「やめなさい!」と怒りが込み上げてきて、上司のセクハラや高慢ちきの澤田さんを思い出し、何もできない自分に泣いた。ノゾミさんがいたからやってこれたと、あの芸人さんは“男を見下して”強くなっていくと思った。(笑)

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ローマ行航空機で羽田を発った。乱気流に揺れる機上で怖くなった。そのとき「A」が「大滝詠一の歌を聞け!」とアドバイス。ガンガン歌うと、もう「怖い怖いの文字」が吹っ飛んでいった。(笑)

皐月は大きなお腹だった。大家族と一緒に食事をして、旦那さんのキーボード演奏で唄った。とても幸せそうだった。街を旦那さんと一緒に、「これを見せたかった、怖いから出ないようにしている」とコロッセオを案内してくれた。この写真を多田君にメールした。「ごはんは?」と聞くと、「無理だ。良い旅を!」と返事が来た。「誰と食べてるの?」と気になる。(笑)

幸せそうな皐月が「変わっているようで、私自身変わってない。こんなに遠くに来て心細い、だから来てもらった」と涙を見せ、お腹をさすって「お母さんになる!」と笑みを漏らす。こんな皐月を見て泣いた。ローマの新年を祝う花火を見て帰国した。

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みつ子は帰国した連絡を多田君にしなかった。多田君は炊飯器を買ってもう私は不要、そして皐月が2年前ローマに発ったときの寂しさを思い出していると、「A」が「恋人がいたらと思ったら!」というから、おめかしして歯医者さんに会った。これが最低の人だった。もう「A」の言うことは聞かないことにした。すると街を歩いても寂しいことばかりだった。

何となく携帯メールを調べると、なんと多田君からの新年の挨拶があった。すぐに「ごめん!」と返信した。

出勤時、澤田さんにローマのお土産を渡すと「あとで彼の実家からきたリンゴあげる」と言われ、旦那さんがいたのかとびっくりした。(笑)

ノゾミにローマの土産を渡すと「カーターと東京タワーの外階段を上るイベントに参加するから、あなたも多田さん連れてきて一緒に参加しよう」と誘ってくれた。多田君は「まさか君がそれを言うか!」と喜んでくれた。

ノゾミのカーターに対するド派手な献身的態度にびっくりした。みつ子も多田君から交際を申し込まれた。「A」の言うとおりだと思った。

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多田君から沖縄旅行に誘われた。そのためのショッピングを兼ねたドライブで夜になって雪となり、急遽ビシネスホテルに泊まることになった。多田君がそっとみつ子を抱きすくめた。ベッドはひとつ。みつ子は「多田君との距離の取り方が分からない。口に出しては言えない!」と狼狽した。氷を買って来ると部屋を出て、「A」と話合った。

夏の海から上がってきた「A」の姿に驚いた。みつ子は「消えないでしっかりくい止めて欲しい」と願ったが、「A」は「あなたはあなたからは逃れられない」と言って海に消えた。みつ子は笑った!部屋に戻ると、多田君が「さっきはごめん!」と謝った。夜は手つなぎで眠って何事もなかった。

感想:

みつ子と多田君の恋愛物語、前段でゲラゲラ笑っていましたが、温泉旅行にでかけるあたりから雰囲気が一変。これ恋愛映画?

みつ子と多田君には直接かかわりのない、温泉旅行とイタリアの旅。遠い海外で現地旦那さんと暮らす皐月、芸人としてお客とのトラブルに対処する女性。自分の殻に閉じこもっていては何も解決されない。みつ子が悩みは小さな世界でのものだった

さらに、ノゾミとカーターの派手な恋模様や航空機の中でのとんでもない恐怖描写、これ笑える?(笑)

みつ子は、原因はよくわからないが、何かにびびっていて臆病で、全てを自分の脳内で完結している。これでは成長はない。相手の脳を通しての思考でないと、大きな世界を見ることもできず進歩もない。相手の行動予想なんて無理だ。勇気を出して飛び込むこと、やってみなければわからない!情熱相手への思いやりだ。うまく描かれていたと思います。

ノゾミとカーターの派手な恋模様や航空機の中でのとんでもない恐怖描写も恋愛というより情熱と恐怖の克服、自分の殻から跳び出せ!の必要性を強調したものだったと笑っていました。

文明の進歩で、もうコミュニケーションなんて面倒くさいことを考えないで、十分生きていける時代になった。が、人との関係でこの世にはもっと楽しい大きな世界があるよと教えてくれる作品でした。

年寄りには併せて年寄りの孤独を描いた「おらおらでひとりいぎむ」(2020)を観るとよいと思います。 

のんさんの演技。一人芝居にコミカルな演技、感情の爆発までを見せた、こじれ女性の演技が、まるでのんさんそのもののように見えました。うまい演技ですが他作品も見てみたいですね。

橋本さんの演技。異国で暮らすことの寂しさや、ここで生きる芯の強さがよく出た佇まい、この女性ならローマで暮らせるというオーラのある演技でした。そして美しい!どうしても“のんさん”と比較しますが、オーラの点では橋本さんだと思いました。

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林遣都さん、何を考えているのかよく分からないという、最後にその好青年ぶりが明かされますが、年下でありながらみつ子を見守っているという静かな大人の演技、よく雰囲気が出ていました。

コロナ禍でローマの撮影はリモート撮影だったと聞き、遠距離恋愛もリモートで出来る時代になりましたが、肌で触れるコニュニケーションは欠かせませんね!

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