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宮﨑あおいさんを応援します

「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」(2021)アクションも良いが、ストーリーが面白い!

 

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岡田准一さん出演映画は見る義務があることになっております(笑)。公開初日一番で観ました。これでよかったと思います。連日のCM、「王様のブランチ」ではメイキングが入ってほぼ完全ネタバレという具合ですので・・。

アクションが凄いんですが予告編、連日のCMで観ておりますので、確認ということになりました。(笑)

原作は南勝久ザ・ファブル“宇津帆編”」、監督:江口カン、脚本:山浦雅大、江口カン。撮影:直井康志、アクション監督:横山誠、ファイトコレオグラファー:岡田純一、音楽:茂木英興、主題歌:LADY GAGA,ARIANAME「ABOUT ON ME」

出演者:岡田准一、古村文乃、堤真一、平手友理奈安藤政信山本美月、佐藤二郎、黒瀬純、他。

あらすじ:

相棒ヨウコ(木村文乃)と普通に暮らしていたアキラことファブル(岡田)はある日公園でリハビリをしていた車生活の女性と出会う。「びっくりした!見てたの、コケるまで!」とはにかむ女性に、「頑張ってるから邪魔しちゃ悪いと思って」とアキラ。

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アキラは記憶力抜群のヨウコに聞くと、女性は4年前にファブルが絡んだ売春事件で生き残りの左羽ヒナコ(平手友理奈)と分かった。

数日後バイトのデザイン会社オクトパスのタコ社長(で佐藤二郎)に配達を頼まれたアキラ。「チラシお届けにまいりました」と出向くとそこにヒナコがいた。

ヒナコは両親を何者かに殺され、慈善活動する宇津帆(堤真一)のサポートを受けながら暮らしていることを知った。ところが宇津帆は裏の顔を持っていて、かって売春の元締めをやっていてファブルに弟や仲間を殺され復讐に燃える強力な男だった。

マーフィーの法則でいずれファブルに出会う」と信じていた宇津帆。「恨みを晴らしてやる、生半可なやりかたではだめだ!」と殺し屋・鈴木(安藤政信)や元真っ黒カンパニーの井崎(黒瀬純)と手を組んで、綿密なファブル団地殺害計画を立案。

一方、アキラはヨウコが「罠だよ!」と反対するのを「責任や、普通ってのはそういうもんやろ」とヒナコを守るために宇津帆との闘いに挑むことにした。

ところが宇津帆は「お前の両親殺したのはファブルだ!」とヒナコを取り込み、ヒナコも「私にも銃貸して!」と武装して戦に参加してきた。

ヒナコを巡るアキラと宇津帆の戦さ。殺さず、最強の偽善者・宇津帆からヒナコを救出することができるか?

感想:

前作で描かれたファブルの性癖をしっかり引き継ぎ、雰囲気もまったく同じで、アクション的にも、ストーリー的にも前作を凌駕しています。なんとも言えない緩い笑いのなかで、ザ・ファブルと言えば岡田さんのアクション。さらにパワーアップしています。

堤真一さんを悪役に迎え、謎の美少女・平手友理奈さんを絡ませた因縁の大勝負。堤さん演じる宇津帆のキャラクターが善悪合わせ持つユニークなもので、最期まで結末が見えない、とても面白いドラマになっています。

冒頭の4年前の売春組織に挑むファブルの活躍。

女を連れて逃げる組織を狙うファブル。一台のエスティマを屋上駐車場に追い詰め、飛びつき中の男の首を斬り、暴走する車に、しがみつき、最後にダイブする車からヒナコを抱いて救出するという荒っぽいアクションを見せてくれます。狭い空間でのアクションだけに迫力がありました。

ファブルの殺人狂時代の戦闘スタイルを見せて本題に入り、このシーンが後にアキラがヒナコを再び救い出す伏線になるという着想がいいですね!

本作の面白さは宇津帆のキャラクター。

事故で車椅子生活となったヒナコを表に立てて、こんな事故が起きない、子供を大切にする安全な街作りを目指すNPOを立ち上げて親の関心を引き、裕福な子供をだしに金を脅し取り、抵抗すればユンボで掘った穴に埋めるという大悪党。(笑) これをにんまり微笑みをみせなからやっちゃう堤さんの演技が最高に面白い!ヒナコとの関係では車椅子を押して面倒をよく見るが、夜の相手をさせるという特別な関係を持っている。

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ヒナコが自分でリハビリを行うと公園の鉄棒にブラさがる。それをアキラに見られる。アキラは善意としてやり方を教えるのだが、彼女は不気味と捉えて鈴木の力を借りてアキラを遠ざけた。が、アキラはヨウコの記憶力でヒナコとの過去の関りを思い出し、彼女を陰ながら応援します。鈴木に殴られても手を出さないという、人の痛みが分かる男になっていた。

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アキラの真心が少しずつ伝わるようになるのですが、ファブルによって両親を殺したと宇津帆から知らされ、アキラの敵になってしまう。アキラと宇津帆が対決したとき、宇津帆は自分にとってなんだったのか、本当に自分にとって大切な人はと苦悩するヒナコの人生物語、ヒナコの対応にほろっとさせられます。

こんなヒナコに振り回される宇津帆の心の行き着くところも見どころでした。

平手友理奈さんの透明性や芯の強さ、凛とした姿が生かされてヒナコの強さがよくでた演技でした。

宇津帆とアキラの対決。

最初に会うのは会社オクトパスのタコ社長から指示されて配達物を届けた時。ヒナコがコーヒーを出され、宇津帆が「オメエさんの名前は?」と聞くが、猫舌で話を聞いていないアキラ。「一本ネジが外れているがいいやつだ!」という宇津帆の感想。こういうシーンの隠れた笑いシーンが沢山あるのが良い。タコ社長の駄洒落にうんざりする人もいると思いますが、こっちを見て欲しいです!😊

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宇津帆はファブル対決に備えて鈴木、伊崎、ヒナコとチームを組んで、ファブルの居場所を探っていた。元真っ黒カンパニーの井崎の情報で、アイドルスカウトに化けて、オクトパスの元美人アイドル・ミサキ(山本美月)をネタに密かに彼女に熱を挙げている貝沼(好井まさる)を拉致してファブルの居場所を聞き出し、鈴木がやってきた。居たのはマーボ豆腐料理中のヨウコ。拳銃を投げて「殺してみ!」と声かけると、8秒でヨウコに罠をかけられた。ヨウコが鈴木を股の間に挟んで締め上げるシーンが艶めかしい。(笑) 文乃さんのアクションにも注目です。笑えます。そこに戻ってきたアリラが縄と解いて「マーボ食うか、帰っていいよ!」。(笑)

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イケメンの殺し屋・鈴木、簡単にヨウコに絡めとられるという謎めいた行動。このインテリヤクザが同じ殺し屋ファブルの行動を見て、最後にどう動いてくるかも面白い。

鈴木からファブルの存在を掴んだ宇津帆は「頭で勝負!」と、組員と鈴木・井崎による狙撃射撃を準備した団地アパートにファブルを呼び出して、一気に勝負を決めることにした。ヨウコが「罠だ!危ない!」というが「「責任や、普通ってのは、そういうもんやろ!4年前の贖罪だ!」と宇津帆の策に乗った。

団地での決闘

めざし帽でコルト銃(改造弾丸)を持って、指定アパートを訪ねた。すると爆薬が仕掛けられて吹っ飛ばされ、ベランダにすがって、迫ってくる敵をロープにぶら下がりながら、壁を伝って戦う!

救うべきヒナコの姿がない!そのとき「子供が危ない!」の声で、アパートのベランダを見ると、少女が風船を追っている。これ、宇津帆の仕掛けた罠!だった。

ファブルは車で待機するヨウコに「隣のビルの狙撃手を頼む!」と声を掛けて、建設中の足場に飛びつき、追ってくる敵を払うために足場を壊しながら前進。アパートの住民を巻き添えにしないファブルの戦い方だった。倒れる足場にすがりつくファブルにヨウコが「ねえ、大丈夫?」「問題ない!」「どこが・・」・・。CMでお馴染みのシーンです。安全のためにロープを使ったとは言え、岡田さんの身体能力の高さに圧倒されます。よくやりました。ヨウコは屋上で狙撃銃を構えていた鈴木と伊崎を羽交い絞めにした!(笑)

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ファブルは子供の安全を確保した。鈴木が車で出て行くのを見てヨウコに追わせた。

ファブルはタコ焼きを食べながら真っ黒カンパニー社長・海老原(安田顕)に「車を貸してくれ!」と頼むと黒塩(井之脇海)が車を持ってきた。これでヨウコを追った。

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団地で敗北した宇津帆は山の中にファブルを引き寄せ、ヒナコに撃たせ、死体を鈴木がユンボで掘った穴に埋める計画だった。(笑)

山中での決闘

ヨコスカGT―Rでヨウコと山道を走っていると突然鈴木が手榴弾、実が石だったのだが、を投げてきて驚いたヨウコが車外に飛び出し、捕まって木に吊るされた。

宇津帆は吊るされたヨウコを「撃て!」と車椅子のヒナコに指示。ヒナコは宇津帆を撃った。

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当たったが防弾衣を着けていた。ヒナコは立ち上がり地雷に踏み込んで近づき撃とうとする。宇津帆が「地雷だ!動くな!」と制止した。鈴木がユンボの爪をヒナコの足元に持ってきて地雷破片の飛散防御、到着したファブルが飛び込んだ!爆発!しかし、その前にヒナコを救い出していた。(冒頭シーンと同じ)ファブルは身を挺してヒナコを救った。そのとき鈴木の拳銃が火を噴いた。宇津帆は「ヒナコには、ファブルは毒な薬ってことか!」と呟き亡くなり、鈴木のユンボで埋められた。自分で掘った穴に自分で入ったという宇津帆の恰好いい終わり方だった!😊 ヒナコが宇津帆の遺体に手を合わせた

ファブルはヒナコを鈴木に託して帰った。後日、ヒナコから「宇津帆は家出した私を売春婦にはしなかった。感謝している。私は祈るのではなく、イメージして生きることを教えてくれた貴方に感謝します」と手紙が来た。

“ストーリーのあるアクション物語”がしっかりできていました。面白かったです!

親分(佐藤浩市)から「誰も殺さずに“普通”に生きろ」と命じられたファブル。悪と善が共存する社会で、清く生きる生き方を見つけて来いということだったのではないでしょうか。過去の自分の事件に対峙し、贖罪の気持ちで自らの命を投げ出すことができるほどに成長しました欲のない、真っ白なファブルの物語でした!さて次作を楽しみにしています。

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