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宮﨑あおいさんを応援します

「夏への扉 ―キミのいる未来へ― 」(2021)過去を書き換え、未来でそこに愛が見つかるというSFラブストーリー。

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三木孝浩監督の旬の女優さんを使って描く美しい映像と音楽に溢れる恋バナをいつも楽しみにしています。😊今回は清原果耶さん、これは期待していました。三木監督にとってのSFで描く恋バナは初めてではないでしょうか。

原作はロバート・A・ハインラインのSE小説「夏への扉」(1956)。タイムトラベル小説の名作として世界的に支持され、「時間旅行もの」のジャンルを確立させ後世の作品に大きく影響を与えた古典的作品とされています。原作との比較というのも大きな話題だと思いますが、未読ですので、この作品をどう受け止めたかだけの所見となります。

監督:三木孝浩、脚本:菅野友恵、撮影:小宮充、音楽:林ゆうき、主題歌:LiSA「サプライズ」。

出演者:山崎賢人、清原果那、眞島秀和夏菜、浜野謙太、田口トモロヲ原田泰造高梨臨藤木直人、他。

あらすじ(ねたばれ):

高倉宗一郎(山崎賢人)は、幼くして父母を失い、飼猫ピートとともに亡き父の友人でAI開発を進めるFEW社社長・松下功一に引き取られ育てられた。功一には娘・璃子(清原果那)がいた。

そのうちに功一も事故で亡くなったが、璃子は功一の弟・松下和人(眞島秀和)に引き取られ、宗一郎は和人とともにFEW社を継ぎ、AI開発の研究に没頭していた。璃子と愛猫のピートに囲まれ、優秀な科学者として穏やかな日々を送っていた。

1995年3月1日、宗一郎が新しいAI設計図を描いているところで、璃子がそれとなく大学に入るとここに来れなくなることを嘆いていると、秘書の白石鈴(夏菜)が訪ねてきて、FEW社の株式譲渡書類に承認を求めるシーンから始まります。

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1995年3月8日、AIの販売戦略を巡り社長の和人と対立、白石鈴に裏切られ、会社経営から外されてこれまでの膨大な研究成果も失ってしまった。

「俺の人生は失う人生」と、璃子が20歳になったらとFWE社株を譲渡するという遺言を弁護士に託し、30年間の冷凍睡眠保険に加入した。しかし、嘱託医師から動機が前向きなものになったらと睡眠に入る時期はペンデイングされていた。

3月9日、研究資料を取り戻そうと、和人邸を訪ねたところで鈴に出会い、彼女によってインジュリン注射を打たれ、眠っている間に別会社の冷凍睡眠保険で2025年の未来へ送られてしまった。

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30年後の2025年2月28日。冷凍睡眠から目を覚ました宗一郎は、医者にピーターはどうなったかと尋ねると、代わりに現れたのが男性アンドロイドのPETE(藤木直人だった。璃子から蘇生時期を知りたいと保険会社に連絡があったと知らされた。

すっかり変わった東京の風景や生活に驚きながら、宗一郎はPETEの助けを借りて、璃子を探し出すことにした。落ちぶれてすっかり変わった風体の鈴に会い、璃子が亡くなったと聞かされた。宗一郎は信じられず、図書館でFEW社の遍歴を調べ、今では社名をFEW&ガーデイアンズに代わった会社を訪ねた。

社長坪井剛太(浜野謙太)からプラズマ蓄電池搭載AIの初号機の開発者名は高倉宗一郎、それ以降鈴木璃子となっていること、坪井が「子供のころ貴方に会った」という話を聞き、また会社の株主に弁護士の佐藤太郎(原田泰造)や佐藤璃子の名があり、「自分の黒幕がいるのか、いや自分が黒幕としたら」と連想し、1995年2月28日に戻って過去を描き直すことを思いついた。

1995年にどうやって戻るか、すると研究者として育ててもらった恩師の物理学者・遠井準之助教授(田口トモロヲ)を訪ねると「時間転移装置」の開発に成功していた。時間を逆転出来ないので2025年3月9日までに戻ることを条件に、宗一郎はPETEと共にこの装置で1995年2月28日に戻った。そこで宗一郎は過去をどう書き直し、璃子との運命は如何に!

感想:

常に不幸が付き纏うと、会社を追い出されたことで人生を諦めかけた宗一郎が凍結睡眠で2025年に目覚め、亡くなったという璃子を探すために、自らのシナリオで過去を描き直すと’95年に戻り「自分の人生を歩き出す」ところがテーマ。その行動が璃子にどう伝わったか、宗一郎が2025年の2度目の目覚めでその姿を目にするという、うまい結末でした。

時代設定、

原作が1970年から30年後の2000年に飛び、2000年の世界をどう描くかというSFもの。原作は時空もののはしりでしたから、これに面白みがあったのだろうと思います。今では、時空ものは沢山あり、未来をどう描くなど考えていたら大変な作品になるでしょう。

本作は1995年から始まります。高倉宗一郎の生い立ちを語る際に、3億円事件や阪神地震が写し出されます。この時代設定、

1995年という多くの日本人が分かるあるいは体験した時代から、ほぼ今に時代、2025年に設定して、30年の時空を経た愛の物語にしたのは、SFとはいえ“、肌で感じられる物語”になっていてよかったと思います。

そんなわけで見どころは山崎賢人さんと清原果那さんの演技が見どころとなります。

95’のAI研究者・宗一郎の研究室、まだパソコンを設計には使わない、黒インクで図面引く作業着の宗一郎。山崎さんの演技で性格の真面目さ、仕事への情熱がしっかり伝わるが、璃子とは兄妹の関係で、愛というものにはほど遠いという感じ。一方の話しかける制服姿の璃子清原さんの清潔さや芯の強さ、そして宗一郎への想いが募る。この出だしシーンが、ラストでどう変化してくるか、感情の入った演技が楽しめます。

1995年の出来事をどう書き直すか、

これが物語の核心しなります。そこで、3月8日までの宗一郎と璃子の行動が過去の書き直しの伏線となります。

和人の邸宅に鈴が訪ねて和人にFWE社からの宗一郎追い出しを迫り、これを聞いた璃子が宗一郎に伝えようと走り出て会社の車にぶち当たりそうになりながら、走り続ける。

璃子の行動を知らず、邸宅に走り込み、鈴にそそのかされてインシュリン注射を撃たれ、眠りに入りながら逃げ回るピートの行動を追うシーン。どう書き直すか?曖昧にして書き直せるように工夫されています。😊

2025年の世界、

‘95年から2025年への移行は風景がどんどん変化していく様で表現され、よく工夫されていました!2025年の東京、肝になるのは冷凍冬眠装置と時間転移装置。運用も含めて、ほぼ想像の範囲で、物語には入って行けたと思います。

 特筆すべきはアンドロイドのPETE。やさしさやひょうきんさが良く出て、ロボットらしい動きで、物語上からもそうなんですか、主役という感じが出て、藤木直人さんの演技がよかった!😊

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 書き直された1995年、

3月8日、宗一郎に会社から追い出されることを伝えようと走る璃子を掴まえ、これから彼女が生きて行けるよう株券の確保や佐藤夫妻との養子縁組を手配して、「好きだ!」という璃子に「璃子がまだ17歳だ、学校に行って多くの人に出会って、勉強すること、俺だけではない。30年後を待っている。後悔するな!」と声を掛けるシーン。

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2025年後の璃子との再会、

璃子は宗一郎を別れたあと、大学に入り、科学者となり、沢山のプラズマ蓄電池内臓のAIを開発し、冷凍睡眠で眠りに入り、2025年3月9日、宗一郎とともに睡眠から目覚めるカタルシス。そのときふたりは同年齢であった。ふたりの目覚める映像が美しいです!

30年の時空を経ての物語といっても、冷凍睡眠といううまいSF設定で、ふたりが歳をとらないというその結末がとても美しい物語になっていました。懐かしい、しかし芯のあるうつくしい愛の物語だと思いました。人生計画を持つことが、人生を楽しむには必要ですね!

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