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宮﨑あおいさんを応援します

「砕け散るところを見せてあげる」(2021)これみて、あなたもヒーローになれる!

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男子高校生がいじめに遭った下級生の女子生徒を助けたことをきっかけに、女子生徒を守ろうとするボーイミツガールズ物語?突き抜けたタイトル、観てみようとWOWOWで鑑賞しました。

原作:竹宮ゆゆこさんの同名小説、

監督・脚本・編集SABU撮影:江崎朋生、音楽:松本淳一主題歌:琉衣「Day dream 〜白昼夢〜」。

出演者:中川大志石井杏奈井之脇海、清原果耶、松井愛莉、北村匠海矢田亜希子原田知世堤真一、他。

平凡な日々を送る高校生の濱田清澄(中川大志)は、ある日、学年一の嫌われ者と呼ばれる孤独な少女・蔵本玻璃(石井杏奈)に出会う。正義感の強い清澄は玻璃に救いの手を差し伸べ、玻璃はそんな清澄に対して徐々に心を開いていく。しかし、玻璃には誰にも言えない秘密があった。その秘密に気づき始めた清澄に、恐るべき危険が迫り……。(はしがき

今、青少年にもっとも求められる正義感が、ボーイミツガールズものか、ミステリーか、はたまたホラーか、そしてファンタジーかと展開されるストーリーSABU監督の会心です!“砕け散る”ところを見て、あなたはヒーローになれるという、ふか~いお話しでした。(笑)

あらすじ:

プロローグ:

夜間、受験勉強中の高校生3年生の俺北村匠海)が「UFOが打ち落とされたせいで死んだのは2人か3人か」と母親(原田知世)と亡くなった父の話をする。父は大雨の日、河に流された車両の人命救助に当たって、数名を救助したが、あとひとりと水中に潜り、激流に流され亡くなっていた。俺はヒーロー変身ポーズをとって、父のようにヒーローになりたいと思っていた。

              

高校生3年生の濱田清澄中川大志が寝すぎて、慌てて登校すると、すでに全校生の朝礼が始まっていた。物を投げられて虐めを受けている女の子がいた。声を掛けると奇声を上げて走り去った。その子の教室を見にいくと机を蹴られて嫌がらせをされていた。清澄は机を元の位置に戻し、睨みを利かせてやった。

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清澄はこの子が気になっていて、店で友達とお茶していて、この子がトイレに拘束されていると聞いて駆けつけた。だれもいないトイレの用具室に水を掛けられびしょぬれでいた。彼女を開放して、自分の服を脱いで着せ、知り合いのクリーニング店のおばちゃん(木野花)のところに連れて来て、制服を乾燥させて、家に帰した。名は蔵本玻璃(石井杏奈)、きつい吃音だが、よく喋り、御汁粉が好きだということが分かった。

町まで送っていく途中で「先輩みたいなヒーローになって、UFOを撃ち落としたい」という。「母は4年前に家を出て行った。父はどこにいるか知っているらしい。家にはお婆ちゃんがいるが何も言わない。父は厳しい人だが、父のせいでなく、こんな自分になったのはUFOだと思っている」と告白した。「決して悪を見逃さない、自分のためには戦わない、絶対に負けないのがヒーローだ」と教えて、「ヒーローになれ!」とヒーローポーズで励まし、別れた。UFOはなんのメタファーなのかが明らかになりました。

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翌日、おばちゃんに「あの子は虐められている。持って行ってやれ」とおはぎ渡され、登校途中のガードレールで待っていると、髪をふわふわにして可愛くなった玻璃がやってきた。おはぎをとても喜んでいたところに、同級生の尾崎(清原果耶)が通りかかり、「トイレで拾った」と玻璃のメガネを渡した。彼女は玻璃が虐められているのではないかとトイレを見に行ったという。これに仲間が居たと玻璃が喜んだ。

清原果那さんの出番は少ないが、その演技力は抜群で、目を惹きます。

 昼休み。尾崎がいじめの標的になりおはぎを投げつけられ、これを玻璃が庇った。これを聞いた清澄が駆けつけると、おはぎが顔面に当たって、鼻血を流した。帰校時、清澄は玻璃にいじめを父親に話すよう勧めたが、もう少し様子を見るという。こうして清澄は玻璃と会うことが楽しみで、次第に好きになっていった。

ここまではふたりのラブストーリーだった。

清澄はテスト資料を渡そうと玻璃を家に招いた。そこに清澄の母(矢田亜希子)が勤め先の市立病院から戻ってきて、すっかり玻璃が気に入った。時間制限があるというので、玻璃の家に車で送っていく途中で、玻璃の父親(堤真一)に出会った。突然車をバックさせてくるという、とてもぶっきら棒な人で怖かった。でも母が色々と聞きたがった。お婆ちゃんが病院にいるというので病院名を聞くと市立病院だと言った。

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この日を境に玻璃が学校を休んだり、話しかけても奇声を発するという元の玻璃に戻った

玻璃は何故嘘ついたか、何があったのかと、玻璃の家を訪ね大声で叫んでも返事がなかった。清澄は玻璃に大きなUFOが降りて来たと感じた。

夜、勉強していると、突然ドアを叩く音。真っ黒のコートでフード被り、顔に傷をつけた玻璃が現れた!「UFOが来ている!先輩もお母さんも逃げて!」と叫ぶ。「父にここの住所がバレた!」という。実は父がお婆ちゃんを殺して湖に沈め、それを玻璃は見ていて、父がお前も共犯者だと言ったという。

「俺たちを救ってくれるなら、お前はヒーローだ!俺たちはヒーローだ!」と清澄の出番となった。

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清澄は友人の田丸玄悟(井之脇海)からフロートを借りた。田丸が「玻璃はあっちの人だから止めとけ!」と忠告してくれた。これを無視してお婆ちゃんが沈んで湖に潜って、バックを引き上げた。バックの中には玻璃の母親の指輪しかなかった。玻璃はお母さんも殺されたんだ!と驚き、泣いた!

何が起こっているのか?これ、ミステリーだよ!

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 警察に連絡しようと湖に近い玻璃の家に急いでいて、玻璃の父に出会った。父がゴルフクラブでふたりを殴り倒し、部屋に連れ込んで、石油をぶっかけて焼却しようとする。清澄は意識があったが血液で見えない。玻璃が血まみれで倒れていた。

もうホラーだよ!

 玻璃が母の指輪を投げてそっちに父を誘い、手を高く上げてヒーローになって、父親が落としたゴルフクラブを拾い、父をメッタ討ちした。血液が飛び散った!清澄は真っ赤なヒーローを見ていた。

清澄は病院のベットで、母やおばちゃん、友人が見つめる中で、目覚めた。警察が池を捜索し、事件は終わった。玻璃は消えた。全部上げたいと思っていた玻璃が消えた。もう忘れようと思っていたら、新しいUFOが現れた!

3年後に、街中で名前の変わった玻璃に出会った。結婚する前に自分のUFOを紹介した。彼女も見えていると言った。ず~と空からUFOが消えてくれない。

そんな中で、大雨の日、増水の河に車が転落。清澄は救助のために河に飛び込んだ!

このとき彼女は出産のために入院していた。

清澄はずっと玻璃を救えなかったことを悔いていて、今度こそはUFOを撃ち落として、美しい世界を彼女に見せてやりたいと思っていた。

最初の人は救い出したが、あとひとりに手が届かない!あのときもそうだった!

そのとき、産まれてくる子の産声が聞こえた。清澄はUFOに手を掛け、攻撃した。病室の彼女は飛び散る光を見ていた。清澄の魂は彼女と一緒に生きることになった。年取った清澄は「もう物理的な性欲はないが、時を超え、会いに行ける」と息子を見守っている。

これファンタジー

 エピローグ:

俺(北村匠海)がヒーローのポーズをすると母が笑う。母には俺の後ろで俺の真似をしている父が見えるらしい。

「いつになったらヒーローになれるかな?」と聞くと母は「大人になって!」と笑う。「それでは母さんが年取ってしまう」というと「そうねえ」と笑う。俺は母がいて父いて、“愛には終わりがない”と信じている。

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母さんは、虐めを止めてくれた次の日、ガードレールに腰かけて待ってくれた父の姿を思い出していた!

感想:

テーマは“愛には終わりがない”だったが、「何を見せてくれるんだ!」と驚きました。凄い愛情に納得です!(笑)

ラストシーンでほっとしました。玻璃には虐めを庇ってくれた清澄のヒーローぶりが、飛び散るヒーローまで頑張らなくても、最高だったんだ!これなら誰でも実行できる。みなさん、虐めを見たら、戦いなさい!

 この結論に辿り着くまでが大変でした!(笑)

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