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「大怪獣のあとしまつ」(2021)松竹と東映が創設以来のタッグを組み、さらに特撮映画のプロたちのタッグ作品、その結末は!

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タイトルで観ることにしました。「シン・ゴジラ」(2016)の後始末?という感覚で臨みました!

故に、結末を面白かったというべきか、バカバカしいというべきか?判断に迷いました!(笑)

作品が松竹と東映が創設以来のタッグを組み、さらに特撮映画のプロたちのタッグによる作品であることに、その答えがあるようです!

監督・脚本:時効警察」「インスタント沼「転々」「音量上げろ!タコ」の三木聡さん。これらの作品は観ていますが、よく分からない?という感じ(笑)。VFXスーパーバイザー:野口光一、撮影:高田陽幸、怪獣造形:若狭新一、特撮監督:佛田洋編集:富永孝、音楽:上野耕路

出演者:山田涼介、土屋太鳳、濱田岳ふせえり、六角精児、岩松了田中要次嶋田久作笹野高史菊地凛子松重豊オダギリジョー、他。この豪華さ!アドリブで演じられる役者さん達が、脚本通りに喋ったというから(監督が許さない)、これだけで笑えます!

あらすじ:

人類を未曽有の恐怖に陥れた大怪獣が、ある日、突然、死んだ。国民は歓喜に沸き、政府は怪獣の死体に「希望」と名付けるなど国全体が安堵に浸る一方で、河川の上に横たわる巨大な死体は腐敗による体温上昇で徐々に膨張が進み、ガス爆発の危機が迫っていることが判明。

大怪獣の死体が爆発し、漏れ出したガスによって周囲が汚染される事態になれば国民は混乱し、国家崩壊にもつながりかねない。

終焉へのカウントダウンが始まった。しかし、首相や大臣らは「大怪獣の死体処理」という前代未聞の難問を前に、不毛な議論を重ね右往左往を繰り返すばかり…。

絶望的な時間との戦いの中、国民の運命をかけて死体処理という極秘ミッションを任されたのは、3年前に突然姿を消した過去を持つ首相直轄組織・特務隊の帯刀アラタ(山田涼介)だった。

そして、この死体処理ミッションには環境大臣の秘書官として、アラタの元恋人である雨音ユキノ(土屋太鳳)も関わっていた。果たしてアラタは爆発を阻止し、大怪獣の死体をあとしまつできるのか!?そして彼に託された本当の<使命>とは一体——!?(HPより抜粋)

感想(ねたばれ:要注意):

ここまでで、だいたいどんな作品かお分かり戴けたのではないかと思います!こんなことを知らずに観ました!(笑)

冒頭、「日本各地に甚大な被害をもたらした怪獣は、突然現れた巨大な光に包まれたあと活動停止。不可解な死を迎えてから10日後、静寂な日常が戻ってきた」というナレーションから、物語に入る。

総理秘書官の雨音正彦(が濱田岳)は特務隊出身で、妻ユキノやアラタは元同僚。ユキノの母は「ユキノはアラタと結婚するもの」と思っていたが、癌でなくなったという。アラタ、ユキノ、正彦がこの事件で出会ったらどんなことになるか?(笑)

雨音が総理・西大立目(西田敏行)室に顔を出すと、呑気に鼻歌を歌いながら(笑)、「デウス・エクス・マギナ、これだよ!いないか?」と問いかけた。

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実は、ここまでで、作品全体に掛かる伏線、結末が見えているのですが、これが見抜けずに作品を観ると頭にくるかもしれません!(笑)

誰が処理を担当するか?政府作戦本部で各大臣が論議。自分(各省)都合ばかり。俳優さんはしっかり駄洒落を演じてくれるのですが、眠くなる。これ名演技ですよね!ところが環境相の蓮佛紗百合(ふせえりが主導権を撮りたがる。名前見てください、〇〇知事に似ていませんか?(笑)「首相もそろそろ・・」と言い出す蔵相の財前二郎(笹野高志)なんか〇〇元蔵相にそっくりだし、山高帽子と言い、発言内容までそっくりでした!笑いました!

しかし、環境相が女性で、この作品では活躍シーンが多いというのはいいと思いました。ふせさんのとぼけ演技が最高でした!

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環境相が現場に出て、怪獣の上に乗っかり、安全を訴えているときに、滑って怪獣の腹部の傷口(よく出来ていた)に落ちで、汚物を浴びるという醜態を演じたことで、事態は一気に動き出す。(笑)

国防軍(2012年に自衛隊が軍に昇格)が、首相の直轄組織・特務隊(和製CIA)との主導権争いで、せせり出てきた。怪獣処理隊の隊長・眞砂大佐(菊池凛子)が凍結作戦を提案。多分に「シン・ゴジラ」に似ていますね!インバウンドの視点から外相、蔵相が賛成して実行に移った。総理はこのふたりには太刀打ちできない。(笑)

自衛隊の軍昇格、特務隊の創設など、最近の話題を取り入れたのも面白い!

結果が、怪獣の体内温度上昇が収まらず、失敗!趙烈な異臭の発生!ウンコかゲロか(笑)と問題になったが、政府は統一見解として銀杏臭とした。(笑)が、対策が急がれた。

ユキノが「海に沈める」という案を環境相に提案。ミツバダムを崩壊して、その流出水で怪獣を海に流そうというもの。環境相がこの案を「特務と組んでやる」と政府に提出したが、ダムを破壊することに総理の許可が出ず遅れたが、実行に移すことになった。

ユキノはこの案をアラタと一緒にやることになり、とても弾んだ気持だった。これを夫の正彦が感づいていた。

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ダム崩壊に発破の名人、元特務隊員でユキノの兄・ブルース(オダギリジョー)に協力を求めて実行。怪獣が動き一時は成功するかに見えたが、海までは押し出せなかった。失敗!

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正彦は町工場長・八見雲(松重豊)の提案による焼肉の排煙玄理を応用した“排煙作戦”で決着をつけようと画策し、官房長と対立したが、「自分が軍を指揮する!」?と強引に推し進めた。この案は正彦のアラタに対する嫉妬作戦だった!(笑)

一方のアラタはブルースから怪獣のガス抜きの急所を教わり、単独で急所にロケットランチャーで穴を開け、ガスを抜くことにして、密かに実行に移すことにした。ユキノは「置いてきぼりにしないで!」と同行をせがんだが「幸せは希望の向こうにある。終わったら全てを話す」とアラタは飛び出した。このセリフは上手い!

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アラタは立ち入り厳禁地区に置かれた怪獣に乗り移り、そのツボにランチャー弾をぶち込んだ。怪獣からの圧抜けで竜巻が発生!(特撮もうまくできていた)この作戦は成功したかに見えたが、正彦の発射命令で国防軍が撃った多連装弾が怪獣の頭部に命中、アラタの姿が消えた。次の瞬間、携帯を掲げたアラタが光の中に消えていった。(笑)

海獣は始末され、アラタ、ユキノ、正彦の三角関係も解消された!(笑)

まとめ:

東映の戦隊・怪獣もの、これに松竹の人間ドラマを載せて、最後に戦隊もので締めくくったという作品でした。(笑)

結末は東宝の「シン・ゴジラ」に対して、東映ならではの結末でした。(笑)

怪獣の死体はよく出来ていて、VFX技術で楽しめるものになっており、しっかり特殊撮影の映像は楽しめました!今の日本映画の力は十分に発揮されていると感じました。

その結末は「デウス・エクス・マギナ頼り!」というもので、第6次コロナ騒動を見ていると、「なぜ日本はこうなったか?」と、頷ける結末だと思いました。

政府の体たらく、大騒動など、痛烈な風刺です!三木聡監督作の中では、最高傑作ではないでしょうか!

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