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「キングダム2 遥かなる大地へ」(2022)全編、ほぼ戦闘シーン。しかし面白かった!シナリオに一本筋が通ていて、映像が壮大で美しい!

前作「キングダム」から3年、待望の「キングダム2 遥かなる大地へ」の公開、楽しみにしていました。

原作は中国の春秋戦国時代を舞台(BC250)に、大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・信と、中華統一を目指す若き王・えい政(後の始皇帝)を壮大なスケールで描く原泰久さんの漫画「キングダム」。未読です。

監督:佐藤信介、脚本:黒岩 勉 原 泰久、撮影:佐光朗、美術:小澤秀高、装飾:青山宣隆 秋田谷宣博、衣装甲冑デザイン宮本まさ江特殊メイクキャラクターデザイン:藤原カクセイ、特殊造形デザイン統括:藤原カクセイ、VFXスーパーバイザー:小坂一順 神谷誠編集:今井剛、音楽:やまだ豊、アクション監督:下村勇、中国の監督:何釣(フージュン)、主題歌:Mr.Children「生きろ」。

出演者:山崎賢人吉沢亮、橋本環奈、清野菜名岡山天音三浦貴大濱津隆之真壁刀義豊川悦司高嶋政宏高橋努、渋川清彦、小澤征悦佐藤浩市大沢たかお、他。

前作は戦災孤児として育った信(山崎賢人)が王弟・成きょうのクーデターで王座を奪われた王・えい政(吉沢亮)に出会う。天下の大将軍になると一緒に誓いながら死別した幼馴染みの漂とうり二つの国王に手を貸して、河了貂(橋本環奈)や山の王・楊端和(長澤まさみ)と共に王宮内部に侵入し、反乱軍を制圧し王座を奪回するまで(成きょうの乱)。

本作は、成きょうの反乱から半年後の秦を舞台に、隣国・魏の侵攻を迎え撃つ秦軍の歩兵として初陣に臨む信の壮絶な戦いの行方(戦場)を圧倒的なスケールで描くというもの。

一兵卒の信が戦場を通して、大将軍となるためには何を学ばねばならないかを主体に、共に戦う仲間たち、中でも闇の女性剣士との出会いと友情がサブストーリーとして描かれます。

前作との戦闘シーンの違いは、相手が数万の魏軍。戦闘の壮大さがどう描かれるか、楽しみです。


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あらすじ(ねたばれ:注意):

冒頭、秦の王都、咸陽宮の軍議の間。王・えい政が地図で野望を練っていた。そこに朱衣の賊ふたりは侵入し“えい政”の暗殺をもくろんだが、側近・昌文君(高嶋政宏)の判断で信を招き入れ、ことなきを得た。

賊は「“シユウ”さえきていれば皆殺しにできていた」と言い残し息絶えた。“シユウ”とは暗殺一族別名“悲しみの一族”。「城の内部に暗殺者が入ったことが外部に出てはまずい」と口封じしたところに伝令から「魏が国境を越えて進軍中!」の情報がもたらされた。

突端から信・山崎賢人さんの、前作を超えた、軽快な格闘技を見せてくれ、出だしがいい!そして物語は魏との闘い、これに悲しみの一族が絡むことが示唆される。

戦場は蛇甘平原。正規兵と村から集められた歩兵たち戦場への街道を急ぐ。ここで信は村にいたころの知合い尾平(岡山天音)と尾到(三浦貴大)の兄弟に会う。ここで部隊としての編制を組むことになる。部隊の最小組織は伍(5人)。信は初めての実戦参加で顔見知りもいないから、優秀な伍長からの引き合いはない。頼りなさそうだが人の良さそうな澤圭(濱津隆之)の指揮下に、尾平、尾到、正体不明の羌かい(清野菜名)が集まった。

第4軍所属となり縛虎申千人将(渋川清彦)の指揮下に入った。成きょうの乱で共に戦った介壁千人将(満島真之)に出会い「秦の総指揮官はひょう公大将軍豊川悦司)、変わりものだが力がある将軍。相手は戦の天才・呉慶大将軍小澤征悦)だ。この戦で負けたら秦国は存在しなくなる」と聞かされた。

「急げ!」の命令で、休憩以外駆け足で戦場に急いだ。兵はもうへとへとだった。信は丘に上がり蛇甘平原を見た。数万の兵が整然と戦闘隊形を整え待ち構えていた。信はもう手出しできないと思った。

戦場を支配する高地、ふたつの丘を占領していた。第1の丘に副将の宮元軍師(高橋努)、第2の丘に呉慶大将軍が陣取っていた。

戦場に姿を見せたひょう公大将軍、「丘を取れ!」と大号令。これにより縛虎申は「突撃!」を発令した。信は先頭をきって走り、地を蹴って跳び、敵兵の後方に入り込み大暴れ!さらに指揮塔を目がけて突進!魏軍歩兵に動揺が走る。

尾平と尾到、特に尾平は震えて戦いならない。これを懸命に支える弟・尾到。「伍の役割だ」と澤圭が助けにか言ってくれる。しかし羌かいは知らんっぷり。

大軍の中での歩兵戦闘、観る価値があります!信の戦いぷりが面白い!

戦闘は魏に有利に進む。信が指揮塔を占領したとき、遠方に砂埃りが上がった。「逃げろ!」の声。何が起こったか?遠方に二頭立ての馬車が走って来る。戦車だ!信たちは万事窮すと思った。

ひょう公大将軍の陣では、側近が予備の騎馬隊の戦闘加入を進言するか「待て!」と動く気配なし。のちにこの時期での戦車投入は官元軍師の判断間違いだったことがわかります!(対米戦争における真珠湾攻撃で米空母が居なかったと同じ!)

信たちは第1波の戦車蹂躙に堪えたが打つ手なし!呆然としていると、羌かいが「死体を積んで障害を作れ!」という。そこらじゅうの残存兵が力を合わせ死体を積んで、これに敵戦車を引っ掛け、転んだところを剣と槍で襲い掛かった。これで何とか生き残ってた。

ひょう公大将軍に「第4軍の小さな部隊が生き残っている、騎馬隊を!」との進言があったが、大将軍は悠然と「待機!」と動かなかった。大将軍は何を待っていたのか?えい政王にも「第4軍全滅!」という報が入ったが「あいつは生きている!」と全く動じなかった。

官元軍による夜間の残兵狩りが始まった。岩陰の隠れていた信たちも発見され襲われた。ところが驚くべきことが起こった!羌かいがこれまで見たこともない速い身のこなしでバッタバッタと襲い掛かる敵兵をなぎ倒す。このシーンはすばらしくよくできています!

信が窮地に陥ったとき、トーン・タンタン、トーンタンタンと歌いエネルギーを貯めていっき回転しながら敵兵をなぎ倒し、息切れた!これを信が救おうとしているところに敵兵が・・。羌かいと信は崖下に落ちて気を失った。

目が覚めた信が羌かいに「何ものだ!この戦場に何しに来た?」と聞いた。

魏にいる仇を撃つためにきた」と言う。“シユウ”別名悲しみの一族のもの。“シユウ”の名を継ぐ者は各氏族から選ばれた女たちが戦って殺し合い、最後に残った女が継ぐという。羌かいには好きな姉貴・羌象(山本千尋)がいた。羌象は「羌かいを殺したくない。しかし、自分には村を出て街を見て、男を知りたい」という夢があると言っていた。ところが試合前夜、羌象は他の女たちに呼び出されて試合をして、勝ち残った羌象は何者かに首をかかれた。この時、羌かいは眠っていた!

「仇を討ったら死ぬ」という羌かいに信は死んだ友人・漂のために大将軍になるという夢を語って、「死ぬな!夢を追え!」と励ました。

夜が開けた。崖下で再会した伍の仲間たち。秦の負け戦の戦場を見て、尾平らは「帰る!」と言い出す。このころ魏の呉慶大将軍に「敵はほぼ全滅!総攻撃を!」という震源があったが、これに大将軍は返事しなかった。秦の騎馬隊の動きを待っていた。

信は「負けたら秦国は存在しない!第1の丘を取る“と言い出す。これに隣のベテラン伍長・沛浪(真壁刀義)がこの案に賛同し、残兵30人が集まり、第1の丘を目指すことになった。

森林な中を、30人の兵は敵兵を倒して前進を開始した。この様が秦のひょう公大将軍に伝えられた。大将軍は「この兵たちの小さな火が十を動かし、千につながり、万を制す!」と騎馬隊に4軍の戦闘地域への出撃を命じた!縛虎申の騎馬隊は信たちの戦闘に加わってきた。

森林内で騎馬隊の前進を援護するのは歩兵の役割。ここでの羌かいの戦いぶりは凄かった!何故彼女が戦うようになったか?彼女の夢はないか?

「もう死にたい!」と言う尾平に「まだ死んでない!生きているではないか」と敵を斬って斬る姿を見せて鼓舞する羌かいの戦いぷりは何度も言うが凄かった!

森を抜ける段階で縛虎申は歩兵を切り離し、騎馬隊で丘に突撃することにした。信は離れ馬を手に入れ、縛虎申とともに突撃した。縛虎申は弓を胸に受けたが、丘に突入し、宮元の首を掻き切って絶命した。秦の旗が第1の丘にたなびいた!

しかし、第2の丘を見ると、呉慶大将軍の軍は丘を下り、戦闘展開していた。「どうみても勝てる状況ではない」と縛虎申の配下は「丘を下ろう」という。そこに少数の騎馬隊で魏軍の中を駆け抜け丘に上がってきた将軍、王騎大将軍が信の前に現れた。

王騎大将軍が信に語り掛ける(教える)「さあどちらが勝利するか?呉慶大将軍が大戦略家、知略の人。一方のひょう公大将軍は野戦の直感で動く本能の人。今眼前に戦況はふたりの作戦計画通りだ。これが将軍!第4軍が窮地に陥ったのもひょう公大将軍の狙いどおりの作戦。あなたは大将軍の掌で踊っただけ!」。信はむっとした。その時、ひょう公大将軍が騎馬隊とともに呉慶軍に突進していく姿を見た。その側後方に呉慶軍の戦車隊が追っている。信は「今が戦機!」と王騎大将軍から馬を駆りた、この馬が走る!走る!丘を降りて戦車隊の中に殴り込みをかけた。大将軍は「ごく大化けするものもいる」と笑って見ていた。

信は戦車に飛び乗り、戦車を横転させ後続戦車を大混乱に陥れた秦の残存歩兵も奮い立ち、矢を戦車の車輪に投げ入れた。このシーンも見どころでした!

ひょう公大将軍は呉慶大将軍の前に出て、「故郷でのない魏のために何故戦うか?」と問うた。呉慶大将軍は「お前ら秦に滅ばされた小国の王族の仇だ!」。

ひょう公大将軍は「それがお前の参戦の理由か!」と剣を構えて、単騎で呉慶大将軍に突っ込んだ。ひょう公大将軍の勝利となり、戦は終わった。戦いを終え、ひょう公大将軍は王騎大将軍に「あの丘にあなたの旗があったから勝てた!」と感謝した。

戦場から帰還した信はえい政王から論功行賞として100人将を命じられた。信はひそかに王騎大将軍を訪ね修行させてもらうことにした。

感想

秦と魏軍の動きが分からないと、感想は描けないとあらすじがすこし細かく長くなりました。全編、ほぼ戦闘シーン。しかし面白かった!

 シナリオに一本筋が通ている両大将軍の作戦計画どおりに物語は進み、最後に王騎大将軍のシナリオで終わるという、これほどの大軍団の戦闘でちゃんとした戦略・戦術シナリオのある戦闘シーンは珍しい。

信は縛虎申から人の上に立つ者の生き様を教わり、第1の丘で王騎大将軍から将軍という大きな目で戦(戦略)を見ることを学んだ。戦略とともに目指す目標の大きさが戦いに決着をつけることを学んだ。ハワイ急襲作戦を思い出します!

呉慶大将軍役の小澤征悦さん、そしてひょう公大将軍役の豊川悦司さん。ともに特殊メイクが面白い!ご本人とは分からない(笑)そして、しっかり役について研究されていて、大将軍にふさわしい風格がありました。これに輪をかけたように王輝大将軍役の大沢たかおさん、前作よりさらに身体が大きくなり、その戦略の大きさを感じるものでした。いいとこ全部持って行って、本作の陰の主役でした。

信役の山崎賢人さん、前作より馬術が加わり、これをうまくこなし、アクションは上手くなっていました。勢いのある演技よかった!まだまだ子供だからこれで良い、これから大将軍になっていく演技を楽しみにしていたす。羌かいの清野菜名さん、当初は何も話さない羌かいが、あの夜を境に、信のために全力で戦うというしっかり感情の入った演技、見事なアクションでした。

戦闘シーンは壮大で中国の作品を観ているようで、見事でした。コロナ禍で中国ロケが出来なかったというが、よく工夫がされていて、特に遠景をしっかり入れてくれ、中国の壮大な物語の雰囲気が一杯で、楽しめる映像でした。こんなに馬が多い作品もめずらしい。レッドクリフ」(08)のチームが担当したとか、かなり中国スタッフが頑張っていましたね!やはりすばらしかったです!

次作を楽しみにしています。

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