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宮﨑あおいさんを応援します

「グッバイ・クルエル・ワールド」(2022)久しぶりの激しい銃撃戦、そこに映し出される若者の鬱憤に監督らしさが一杯!

スタッフとキャストで観ることにしました!(笑)しかし、劇場が小さく、1日2回しが上映されない!

観て、その謎が解けました!(笑)

監督:大森立嗣、脚本:高田亮撮影:辻智彦、編集:早野亮、音楽プロデューサー:田井モトヨシ。

出演者(役職)西島秀俊(安西)、斎藤工(萩原)、宮沢氷魚(矢野)、玉城ティナ(美流)。宮川大輔(武藤)、大森南朋(蜂谷刑事)、三浦友和(浜田)、奥野瑛太(飯島 )、片岡礼子(みどり)、螢雪次朗(県知事)、モロ師岡(不動産屋)、奥田瑛二(杉山組組長)、鶴見辰吾(杉山組幹部)、他。

物語は

年齢もファッションもバラバラ、互いに素性も知らない5人組の強盗組織が、ラブホテルで秘密裏に行われていたヤクザの資金洗浄現場を襲い、1億円近い大金の強奪に成功する。強盗たちは金を山分けし、何食わぬ顔でそれぞれの日常に戻っていった。しかし、金を奪われたヤクザが裏金で現役の刑事を雇い、強盗組織を本気で追い始めた。騙されて分け前をもらえなかった強盗組織のひとりも、ラブホテルの従業員を巻き込んで立ち上がり、金に群がるクセ者たちの大波乱の物語が始まる。

社会の歪を描く監督作品を期待しての鑑賞でした。どこか観たぞ!聞いたぞ!という話や映像が出てきますが、話が進むにつれて大森監督の「世相を斬る!」語録が並び、ラストシーンで「あなたの感想は」と聞いてきます。ハチャカメッチャかの作品ですが、痛快でした。(笑)


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あらすじと感想(ねたばれ:注意)

冒頭、派手な外車(フォード・サンダーバード)に乗って、大音響のソールミュージックで、これから始まる大仕事を鼓舞するように、資金洗浄が行われているラブホテルに駆けつける1日限りの5人組ギャング団の面々が描かれる。元政治家秘書の肉体労働者(浜田)、なんでもありの犯罪者(萩原)、元暴力団員(安西)、借金だらけの元会社員(武藤)、風俗嬢(美流)の社会に居場所のない者たち

強盗は大成功だったが、武藤と美流には分配されなかった。武藤が恋人の美流の取り分も含めて、借金の返済として荻原に支払ったためだった。

金を奪われた暴力団(杉山興産)オガタはお抱え刑事の蜂谷に犯人捜しを依頼した。蜂谷は洗浄現場に乗り込み「犯人に知らせたやつは杉山組にはいない、外部だ!」「1億を2億ということにして、犯人たちの中で抗争を起こさせる」と提案した。

ギャングの面々のその後の金の使い方、

安西は妻みどりの親父さんが保有する簡易ホテルに出資し、真面目にホテル業に取り組み家族の信頼を取り戻すことにした。

浜田は「なんぼ働いても金は国に吸い上げられる」とキャバクラの女性に託する!(笑)次の獲物と狙っていた。(笑)

荻原は「お前、2億の仕事をしたろ!」と不動産屋に見透かされ、仕方なく「不動産を買う」ことにした。そこに美流と武藤が「仕事を紹介して!」とやってきた。

荻原は美流と武藤を巻き込んで、宝石店を襲った。荻原は獲物を独り占めするため美流を車で轢いて逃亡、誰もいない丘で武藤を殺害した。

蜂谷刑事はラブホテル受付担当の矢野を観覧車に乗せて事情聴取。(笑)「ホテルを利用する美流に同情し、金が必要なら二階で洗浄やっているから・・」と教えたという。蜂谷は「殺されるかもしれない」と怯える矢野を杉山興産の雑居ビルのバーにかくまった。蜂谷はオガタから礼金を行け取った。

そして、美流を追い、病院で発見して雑居ビルに連れてきて矢野に会わせ、ふたりの処分を杉山組長に任せることにした。

蜂谷はふたりに「お前らは大人にいいように使われ、捨てられた」と伝えた。これを聞いたふたりは強く手を握りあった!“復讐してやる!”

杉山組長は、よく分からなかったが(笑)、「海の臭いがする、ぶっ殺してこい!」とふたりに命令した。奥田瑛二さんのドスの利いた演技は怖かった!(笑)

 

安西は、ホテル業が軌道に乗りかかったところに元舎弟の飯島が現れ、「ヤクザであったことを明かすぞ!」と脅され「言うな!」と約束して彼を雇ったが、バーでヤクザであったことをばらされ、町内会から追われるという危機に陥っていった。ここでの奥野瑛大さんの安西を脅す演技がまた怖い!

 矢野と美流は蜂谷に車で送ってもらい、ビニールの雨衣をつけて散弾銃を持って、萩原が屯する喫茶店を襲った。ふたりがところかまわず散弾銃をぶっ放す!鮮血が飛び散る。美流はじらすように荻原を追い、ぶっ殺した。

ふたりを雑居ビルに連れ戻した蜂谷は、オサダの「安西をやる!」と聞いて、「この役を降りたい!」と言うが「吸い取るやつからは、必ず吸い取る!」と認めなかった。オガタは拳銃を蜂谷に向けたが、(まだ使えると)止めた。「もう嫌になった!」と矢野と美流が踊りだし、蜂谷もこれに加わった!ここでの点滅するライトには参った!気分が悪くなった!

浜田はかって自分が秘書だった県知事の汚職に目をつけ、「金を毟り取るためのリーダーになってくれ」と安西を誘った。安西はオガタから「戻らないか!」と圧力を掛けられていたが妻子と別れ、浜田の誘いに乗った。

県知事から金を受け取る山梨県の石油スタンド。浜田は安西に先んじて乗り込み屋上から見物することにした。

安西が白い車で乗り込んできた。そこに、浜田のチンピラが乗り込んできた。安西が金を受け取り車に積もうとしたところを浜田のチンピラが銃を突きつける!そこに、オガタの命令で矢野と美流が黒い車でやってきて散乱銃をぶっ放す!美流が石油スタンドのガソリンを撒く

爆発!火炎の仲を逃げる矢野と美流の姿!

浜田が屋上から降りてきて「金は?」と聞く。安西が浜田を撃った。「誤解してないか?」と浜田。安西は「誤解しているかも」と応えた。浜田が「俺とオカダで、雲の上のあいつらを引き下ろす!」と言う。安西は「俺は家に帰る!邪魔するな!」とこの場を去った。

雑居ビルのバー。蜂谷はオサダに撃たれ、血まみれで転んでいた。起き上がりオガタを撃った。そして、安西を追った!

まとめ

久しぶりに邦画で激しい血の流れる銃撃戦を観た!後半は息を吞んで観た!

吸い上げる者と、吸い上げられる者。二極化した社会の中で、底辺の潰し合い。その中でも、数にも数えられない若者の悲哀。この国の現実。一本筋の通ったエンタメ作品だった。

ストーリーが面白い。物語の展開は予測不能!ハラハラドキドキ。エピソードが色々な映画や小説のオマジュになっているが、後段になって、安西がヤクザ組長のオガタ、知事の元秘書の浜田と対峙することになって、会話が家庭や地域問題からさらに国レベルの問題へと膨らんで、会話が楽しめ、監督らしい作品になってきます。

作品はあくまでもエンターテイメント。派手な銃の打ち合いが見せどころ。そして、札束が燃えるという石油スタンドのシーン。ふたりの必死に逃げるシルエットが実に美しかった。

その後の、ぐったりとした美流の姿に、脈を取って狂ったように跳ね、踊り、喚く慟哭の矢野。氷魚さんの熱演だった!

ラストシーン、まっさらの青い空の下、海辺で再会した安西と蜂谷。近づいてくる暴力団員たち。安西は「疲れた!」と持っていた拳銃を投げ出し笑った。蜂谷も笑った。カメラが引かれてふたりの姿は見えないが、1発の銃声。誰が誰を撃った!

「空を撃った!」と解釈!ふたりにはこれからやるべきことがある、死んでもらっては困ります。(笑)コロナ禍、カルト教と政治の問題やオリンピック収賄疑惑など我が国の現状を憂う。

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