
シリーズ第3作目。ヴェノムや前作で戦ったカーネイジら「シンビオート」と呼ばれる地球外生命体の創造主である最強の敵・邪神ヌルが登場し、主人公エディとヴェノムが最後の戦いに身を投じる物語。
ヴェノムという奇形生物体のキャラクター、エディとヴェノムの会話やアクションの面白さで前2作を楽しみましたが、第3作はそのラスト。ヌルが登場し壮烈な戦いがあるものと予想して観ることにしました(WOWOW)。
ヌルが出て来ない!予告に騙されたというアクションでしたが、ヴェノムの自己犠牲によりヌルを永遠の牢に閉じ込めるという結末、エディとヴェノムの別れの物語。
大人の事情でこの結末を選択、このシリーズを終えるのだと理解しました。
地球を救うため、生贄としてのエディとヴェノムの別れ!それなりに悲しい、美しい別れで、感動的でした。
しかし、これに至るプロットは少し冗長!といっても、エディとヴェノムの会話の面白さ、ラストで見せるアクションはすばらしい出来でした。シリーズを見て来た人には見るべき作品だと思います。
監督:ケリー・マーセル、原案:トム・ハーディ ケリー・マーセル、脚本:ケリー・マーセル、撮影:ファビアン・ワグナー、美術:クリス・ロウ、衣装:ダニエル・オーランディ、編集:マーク・サンガー、視覚効果監修:ジョン・モファット。
出演者:トム・ハーディ、キウェテル・イジョフォー、ジュノー・テンプル、リス・エバンス、ペギー・ルー、スティーブン・グレアム、ラーク・バッコ、ディ・サーキス、ダークリスト・フェルナンデス
物語は、
ジャーナリストのエディ・ブロックに地球外生命体シンビオートが寄生したことで生まれたヴェノムは、強靭で真っ黒な肉体と鋭い牙を武器に、長くのびる舌で人を喰らう恐るべき存在でありながらも、エディと一心同体となって強敵カーネイジを倒し、世界の危機を救った。しかし、その戦いの結果、政府機関から追われる身となったエディとヴェノムは、メキシコに逃亡していた。そんな彼らの前に、地球外から新たな脅威が飛来する。ヴェノムらシンビオートの創造主であり、いまは宇宙の果てに封じられている邪神ヌルが、ヴェノムの持つあるものを狙い、シンビオートハンターのゼノファージを差し向けたことで、エディとヴェノムは新たな戦いに巻き込まれていく。(映画COMより)
あらすじ&感想:
〇メキシコに逃れていたエディとヴェノムが知合いの弁護士を頼ってNYを目指す。
“バー・ポータルズ”のバーテン(ダークリスト・フェルナンデス)を相手に飲んでいたエディ&ヴェノム(トム・ハーディ)はTVで大聖堂事件の容疑及びマリガン刑事死亡に絡み、サンフランシスコ市警が追っている事実を知った。逃亡生活に飽きたふたりはエディの知合いの弁護士を訪ねたNYに行くことにした。
先ずはヴェノムがエネルギー補給だと大型犬の密売ブリーダーを狙い、ひと悶着起こした。ヴェノムはエネルギーを満たしたが、エディは犬に靴を喰いちぎられ左足は裸足で歩くことになった。(笑)
エディが“バー・ポータルズ”にいたことを嗅ぎつけたストリックランド将軍(キウェテル・イジョフォー)がここを訪れ、バーテンから「ぶつぶつ独り言い、触手が出る危ない男だ」と聞き、バーテンを連行した。
〇政府は国民に秘匿し、シンビオート研究を開始した。
研究主任のテディ・ペイン博士(ジュノー・テンプル)は将軍からのメール「マリガンを輸送中、一刻も早く共生せよ」で目覚め、研究所に急いだ。
車で移動中に「ドレイクは何を持ち帰ったか?たった今、速報です。UFOマニアには悲報です。政府はエリア51の閉鎖を発表、宇宙人研究が噂される有名な場所だけに残念です」というニュースを耳にした。
ペイン博士はエリア51付近で新しく地下に建設した秘密研究施設・エリア55(イベリウム計画シンビオート研究)に到着し将軍に会った。
将軍の部下で科学者のセイディク(ラーク・バッコ)が「マリガンは共生に成功した」と報告。将軍が「マリガンは人間かどうか調べてくれ」と言う。

メキシコから採取したという生物をセイディクが試験瓶に入れ、育成していた。
完全気密で隔離されたマリガン刑事は共生に成功していた。
ペインが窓越に「昔よく聞かされたUFOは気球か宇宙ゴミか?月面着陸はハリウッドで撮影した」と話しマリガンの反応を試す。「いい話だ」の答えに「共生は完成している」と判断した。マリガンはシンビオートと話せ、高周波を嫌う。そしてヌルの手下が我々を探しているので地球に避難してきたことが分かった。
将軍はマリガンの話から試験瓶の生物も地球に逃げてきた侵略者で危険な存在だと認識した。
〇エディ&ヴェノムは航空機ですがり付きNYに移動中、グランドキャニオン上空で“蟹状のシンビオート”に遭遇して落下!(笑)

ヴェノムが「シンビオート・ハンターのゼノファージだ、直に仲間が現れる。狙いはネルの幽閉を解く鍵、コーデックスだ。コーデックスは俺とお前を繋いでいる絆で、完全形態のときだで出てくる」と説明した。
地上にはエリア51が閉鎖されると聞いて、その前に宇宙人を見ようと走るヒッピー家族の車が走っていた。
家族は目の前にばらばらの物体が落下し、ひとつにまとまる生物を見て驚いた。
〇地上に降りたエディ&ヴェノムは馬を盗み逃亡!将軍の軍隊に追われコロラド川を下る。
エディ&ヴェノムは盗んだ馬に逃亡する。馬にシンビオートが寄生し制御不能でコロラド川湖畔に。ここで水を飲ませているとことにストリックランド将軍が「男は処分、シンビオートは回収」として発した軍隊がヘリから降下、攻撃してくる。エディ&ヴェノムはコロラド川に逃げた。水中での兵との戦闘、激流との闘いが始まった。エディは拳銃を奪い兵を射殺した。

「コーデックスは死なない!」と滝壺に落ちた。そこにゼノファージが待ち構えていた。ゼノファージと兵士の戦いが始まった。その隙間に、エディ&ヴェノムは岸に逃げ切った。迫力のある逃走劇を見せてくれます。
エディは「軍隊に追われ、3人を殺した。さらに恐ろしいエイリアンに追われている、お前のせいだ」とヴェノムに「NYに着くまで姿を現すな!」と命じた。(笑)
将軍がペイン博士に「別種のシンビオートが現れた!あいつの手先だ!」と知らせてきた。ペイン博士が「サンプル取れる」と聞くと「サンプル取れだと」と将軍は頭にきた。(笑)
ペイン博士が拘置中のマリガンに謎のシンビオートのことを聞いた。
ペイン博士がマリガンを呼び「姿を見せて!」と言うと美しいシンビオート姿で現れた。マリガンは「ヌルが求めているのはヴェノムだ。彼だけがコーデックス、闇の地獄を開く鍵を持っている。鍵を渡してはならない。シンビオートと宿主が生きていればコーデックスは生きているがどちらかが死ねばコーデックスは死ぬ」と話した。
将軍は「部下が死んだ!最強の敵が来ている。今すぐ止める!」と決心した。
〇エディ&ヴェノムは良い匂いに誘われ、キャンプ中のヒッピー家族に出会った。
夫マーティンと妻のノヴァ(アラナ・ユーバック)に長女のエコー(ハラ・フィンリー)、長男のリーフ(マック・クラウド)の4人家族だった。ノヴァが「E.T.ハイウエーに行くところ。エリア51が閉鎖される前にこの目で宇宙人を見るつもりだ」と言う。ヴェノムが「見せてやってくれ!がっかりしないことを祈る」と応えた。(笑)夜、家族と一緒にエディは歌いながら、エコーの運転でラスベガスに向かって走った。
リーフが「チョコどうぞ!」と差出し「宇宙人は怖いn」と話す。エディは「怖くて当然、叔父さんもだ」と慰めた。ヴェノムは「この家族を喰わなくてよかった」と思った。(笑)

ラスベガスは花火が上り、イルミネーションが輝く派手な街だった。マーティンが「お別れに!」と20ドルと靴をプレゼントしてくれた。
〇エディ&ヴェノムはラスベガスのカジノで稼いでNYを目指すことにした。
エディはホテルマンを誘い出して張り倒し、その服装を盗み、紳士に化けた。そしてマーティンに貰った金マシンゲームに挑戦。しかし、すってんてん!そこに店主のミセス・チェン(ペギー・ルー)が現れた。エディが小便漏らして服が濡れていると話すと「私の部屋でシャワー浴びてパーティーしよう」とホテルに誘われた。(笑)
〇チェンの部屋でパーティー中にゼノファージに襲われ、これを追って来た特殊部隊に囚われた。(笑)
チェンがエディをダンスに誘う。ヴェノムが「ダンスは大好きだ」と言い出す。エディkが「奴らに見つかる」と窘めたが、チェンが「軽く踊るだけ!」と誘う。「お前は俺の鶏を見捨てた!」とヴェノムが姿を現し、チェンと踊り出した。

ゼノファージが天井を破って侵入してきた。ヴェノムが「今、コーデックスは見えない、じっとしていろ」と言う。ゼノファージが大暴れ、そこに将軍の指揮する特殊部隊がヘリから降下して部屋に侵入、エディ&ヴェノムは捕われヘリでエリア55に移送された。
マーティン家族がエリア51に到着し宇宙人の姿を探し始めた。
〇エディ&ヴェノムはエリア55の研究室に運ばれた。
ペイン博士はエディ&ヴェノムが弱っているのでマリガンと一緒にさせた。エディが「生きていたか!」と問えば「狙われてる」とシンビオートに変身し「お前が持っているものを闇の力から、コーデックスを守れ!シンビオート軍がここにいる。共に戦いヌルを永遠に幽閉しなければならない」と答えた。
そこにストリックランド将軍は来て、ペイン博士に「この計画は君の手を離れた。君は家に帰れ!コーデックスは片方が死ねば消える。部下を殺した罪を問う」と言い放った。
そこにゼノファージが侵入してきた。
エディがヴェノムに変身し「大間違いだ」と叫ぶとマリガン・シンビオートが「逃げろ!」と指示し、シンビオートに変身したセイディクとともにゼノファージに向かって行った。試験瓶で育成されていた生物が一斉にシンビオートに変身して戦いに参加。ゼノファージがこれらシンビオートを喰い散らかすという壮絶な戦いが始まった。
〇マーティン家族が見ているエリアでゼノファージ対シンビオートの戦闘が始まった。
エディがマーティン家族の元に走り「君らを助ける」と励まし、そこにペイン博士が車で駆けつけ救出した。
シンビオートがストリックランド将軍に「我々は敵ではない」と告げ、特殊部隊がシンビオート側として戦闘に参加。
ゼノファージが「コーデックスを奪え!」とヴェノムを追う。エディがオートバイでゼノファージを誘導、これにシンビオートが攻撃を加える。が、エディが捕まり腹に傷を負った。

エディとヴェノムは待機ヘリに退避し語り合った。
エディがヴェノムに「俺たちのリーザルプロテクターはもう無理か?」と聞くと「今こそ必要だ」と答えてヘリを跳び出し、ゼノファージを引き付け、エディを解放した。これをペイン博士が見ていた。ヴェノムが「さらばだ!」とゼノファージに立ち向かった。
ヴェノムがエディを鉄檻で防護し触手で「さよなら!別れじゃないぞ!」と伝え、ゼノファージと戦闘開始した。ペイン博士が緑石でシンビオートとなり、負傷したセイディクを救出した。
エリア51は火の海になった。
マリガンはエディに「彼はもう戻らん!」と呟いた。
〇ゼノファージとの戦いが終わり、エディはサンフランシスコ市警署長から事件の全記録が抹殺された。街を歩きながらヴェノムとの思い出に浸っていた。
まとめ:
「さよなら!別れじゃないぞ!」という言葉を残して強敵ゼノファージとの戦いに身を投じるヴェノムの自己犠牲で終わる。この終わり方には泣けます!
主敵ヌルとの闘いはなかったですが、マーベル作品全般に関わること。こういう終わり方しかなかったのだろうと推察。
エンデイングで流れるエディとヴェノムの出会いから数々のエピソオード、戦い、もうこれでふたりの関係は終わりかと思うと寂しい気持ちになります。
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