映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

「舟を編む」(2013)

イメージ 12013年数々の賞を得た作品で、主演松田龍平さんが言うように「みれば見るほどに味が出る映画」です。

主人公は“まじめ”だが人付き合いが苦手な馬締(松田さん)、大家であるタケおばあさんの夕食に誘われての会話、

馬締が「人の気持ちが分らない」というと、タケさん「あたりまえだよ、だから言葉があるんでは」と言い「あんた真面目だから、若いうちに、一生の仕事を見つけて、それだけで、幸せなんだから、あとはずっと行くだけだよ」という。
まさにこの会話どうりのストーリー展開。
 
ここで描かれている辞書編纂作業、数十万にもおよぶが生活のなかで使っている言葉を採集し、これに説明を加える。
そこには、編纂者の個性がでてとても人間臭い作業で、言葉にまつわる人生ドラマがあるんだと辞書を読む楽しみを発見です。イメージ 3
完成までに数十年を要し地味で忍耐力にいる辞書つくりという仕事、なかでも大切な用例を集める段階が感動的でユーモたっぷりに描かれ、馬締(松田龍平)と香具矢(宮﨑あおい)の恋の行方から、「恋」という語彙の誕生はおもしろい。

十数年にわたる辞書つくりの人生、
向上心を持って続けることで辞書作りに引き込まれ、仕事が面白くなる人生。迷ったり、病気したり、妻を失った人も仕事に救われると言う、仕事を持つことの喜びを感じます。生涯でその成果を見ることが出来ない場合もあるが、夢を次の人につなぐというのも仕事。
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宮﨑さん、和食の料理人で辞書編纂に係わりがなく出番は多くはないですが、
馬締との出会いから結婚までのエピソードでは、お互いに惹かれあっても馬締からのラブレターの意味が分からず、香具矢の「言葉で聞きたい」に「好きです」という言葉で結ばれます。
そして、辞書完成直前のミス発見での膨大な見直し作業合宿に出かける手際よい合宿準備、恩師の病気見舞い、持ち店での編纂部の方へのおもてなしなど、馬締が仕事に没頭できるのはこの奥さんの支えあってのことです。
さりげない宮﨑さんの演技が、一層その役割を引き立てています。持つべきは○○妻、そして、ラストの馬締が妻に贈る“これからもよろしくお願いします”の感謝の言葉です。
宮﨑さんは、作品の中では影のような存在で出演シーンは多くはないですが、どのシーンも印象的で、あおいさんの凛とした人となりがよく出ていて、この作品をしったり支えています。
辞書完成を見ずなくなった松本先生に「間に合わなかった」と、ここで初めて妻に敬語を使わないで悔やんで泣く夫、やさしく慰める香具矢。夫婦は大渡海の完成とともに円熟した夫婦になったようにも思えます。
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