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第8週「京都、最後の贈り物」

第8週「京都、最後の贈り物」
8週視聴率:24.0
8週連続大台超え 47話(梨江からの最後の贈物)25・0%で自己最高です。一週間を通して観ると、軽快なテンポで伏線が回収されて、会話に、映像に無駄がなく、物語に吸い込まれます。笑いあり、涙ありで、人を想いやり、やさしい気持ちにさせてくれるすばらしいドラマです。
祖父忠正が病気になって、はつ、あさが駆けつけますが、はつの着物はだぶだぶで(母の借りもの)、顔は良く日焼けして、うまいメイクで、あさも九州から顔に墨をくっ付け仕事着で“ドタドタ”と(いう足音で)駆けつけ「おじいちゃん生きていてほんまによかった」と。家に帰ってくると、二人は輿入れ前と同じ気分ですが、この服装にはこれまでの二人の人生が沁みており、特にはつと母梨江の会話にかって助けてやれなかった母の気持ちが思い出されその想いはいかほどかと涙です

はつとあさ、梨江の心づくしで、うつくしい仲のいい今井家の姉妹に戻って。今井家みんなの思い出のなかで、忠政はしずかに逝ってしまいました。はつには「人に優しゅうするのは、強いもんにしかでけへん」、あさには「やわらかいなあ、きもちええなあ」という言葉を残して二人は、祖父を想う度にこの言葉を思い出すことになり、忠政は二人の孫の心のなかに生き続けることになりますイメージ 1
大阪に帰る“はつ”に、母梨江は“はつ”を不憫に思いそっとお金を渡そうとしますが“はつ”は断ります。これまでの“はつ”の生き方からすれば当然ですが、しかし母の涙を見て、子供を持つ身になって子に何もしてやれない不甲斐なさを知り、「“あさ”はお家のためにしっかり働いているのに、なんでうちはこないなんやろて、情けない」と本音を漏らし、嫁ぐ際に貰ったお守り袋を取り出し、このお守りで母に守られていて十分生きていけると、お金はいらないと断ります。
母梨江の“はつ”へのあのとき助けてやれなかった心残りからの涙、母の気持ちを十分にしりながら自分の生き方をつらぬく“はつ”。寺島さんとあおいさんの繊細な表情、お芝居に涙でした。
嫁がせた責任のある忠興は、二人の会話をどのような気持ちで聞いたかと思うと、ここでも涙です。
あさは「銀行は両替屋と違って、主な仕事は金銀の両替ではなく、金を沢山集めて、その金を貸すことで儲ける」という父の話に、新次郎の秘密を知るだけに銀行経営に疑問を抱くが、五代のいう「お金は使い方を間違えると人を苦しめ命を奪うことにもなるが、人を救うことにもなる」ということに興味を持つ。

惣兵衛とはつ、藍之助を囲んで、貧しいけれど本当に幸せそうです。二人目の子ができて、これからのことを考え出した惣兵衛、小さな土地で百姓したいと言い出し、“はつ”はこれに微笑みで答える。“あさ”とは違って、二人で共にする再出発、小さな夢でも“はつ”の笑顔に大きな幸せが見えます。
イメージ 2 母梨江は加野屋の“あさ”を訪ね、和歌山の土地証文をはつに渡して欲しいと頼みますが、そこに漬物を届けに“はつ”が見えてこれを渡すことになりますが、“はつ”は「お家が崩壊したのは自ら招いた災い(嫁として何もできなかった自分のせい)。「意地でも今井家の施しは受けない」と頑なに拒否。しかし“あさ”は早速銀行の話を持ち出して「貰うのではなく借りて何倍にもして返せばいい」と母を掩護します。
はつは「わたしもお父さんもあんたに貸して“あんたら親子”がどう生きるかを見たい、“これが母の最後の願い”」と言う大きな父母の愛に感謝して受け取りました。父忠興の、厳しい人だけに自分では言い出せなかった、“はつ”への想いが伝わってきて泣けます。あおいさんと寺島しのぶの重厚なお芝居でした!!
母の贈り物を拒むはつを銀行の理念「志ある人へ応援として貸してもろたと思えばいい」と納得させたということで、舅正吉に加野屋の銀行転換を提案しますが、加野屋には加野屋のやりかたがあるとあさの提案は時期尚早と断られました。いずれ銀行設立はおおきな問題になるでしょう。

父忠興は東京移転で京都を去るにあたって五代らへの挨拶に訪れ、あさにも会い、「はつに漬物うまかったでと伝えて」とはつへの言葉を残します。これが京都最後の贈り物でした。

記事:宮崎あおい寺島しのぶの重厚な芝居。いいもの見た「あさが来た」47