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第1回「船出」

第1回「船出」
第1回視聴率:19・9%
武田信玄の死から9年後、木曽義昌の寝返りでついに織田信長の侵攻を許し、武田家が滅亡するまでの武田勝頼と真田家の行動が、特に信繁、信幸の35年後(大阪夏の陣)における変貌ぶりを見せるよう、描かれています風景雄大で物語に奥行きを感じさせ、映像が美しいです。やわらかい主題歌、ナレーションも透明感があり、さわやかです描くべき事柄が多いためか、さらっと通過した感じで、感情移入。
するシーンは少なかったです。戦術論議は物足りない。まだはじまったばかり、これからの物語の深みを期待したいです。
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冒頭の信繁の物見の行動
徳川勢に囲まれ馬を奪って逃げるシーン、この回を象徴するように、35年後と比較するため、信繁戦術眼が優れていること、やんちゃな性格を強調しコミカルに描かれ、堺さんのメイク、仕草には違和感がありました。彼の成長にともない解消されるとは思いますが。
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上原城での軍議
勝頼が小山田信茂跡部勝資らと軍議中に筆頭家臣の穴山梅雪が遅れて参加、こんなことがあるの、今後のとるべき行動について論議します。
跡部の「まずは木曽義昌を討つべし」案と梅雪の「われらの本拠地である新府に戻り、態勢を立て直す」案に割れ、決めかねた勝頼は、真田昌幸に意見を求めます。
昌幸は、木曽義昌の寝返りにより、領地の西側の守りが非常に弱っている事を指摘し、梅雪の言うとおり「ここはいったん新府まで戻るのが良い」と進言。昌幸の力強い言葉に、勝頼も頷き、武田軍は”いったん新府に引く”ことに決ります。
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梅雪も昌幸を評価し、たとえ自分達だけになったとしても勝頼を守って武田のために尽くそうと声をかけます。
昌幸は控えていた息子信幸に「お前はひと足先に新府へ戻れ。南も心配じゃ。そろそろ徳川勢が攻めてくるころじゃ」と指示します。(このシーンは、先の信繁の行動につながるエピ)
軍議では、軍師による筆で描いた地図で、敵は、我は、地形、勢力と状況全般がわかるような説明のある演出が欲しい。ゲーム地図では分らない。こうすると、新府城岩殿山城岩櫃城の戦術的価値が浮き上がり、昌幸の戦術眼が優れていることが分かります。
新府にある真田屋敷
ここには、真田昌幸の妻・薫、母・とり、長女・松とその夫の小山田茂誠らが暮らしています。
家族の皆は、仲よく、和気あいあいで、和やか。全くの現代風家族で、この時代感覚のなさでは、ドラマが軽くなるように感じます。信繁は明るく和の中心のようで、家族に愛されている様子。とてもコミカルに描かれていますが、現代語での会話には違和感があります。
そこに昌幸から帰還を命じられ帰ってきた信幸に、弟信繁が先日の出来事について「駿河の安倍川の上で徳川の物見に出くわし、徳川は国境に迫っている。今のうちにつぶしておきましょう」と話すと、信幸は「なぜそのような危ない所まで出向いた。勝手な真似をするな!」と怒ります。信繁は不満そうな表情。さらに、信繁の「南が心配だ」に「自分たちは指図に従っていればいい」と強く戒めます。が、これは父の着眼と同じであると驚きます。(このためにあのシーンが・・)
ここでは、信繁にはさかんに戦術を喋らせ、その才能が優れていること、自由闊達に物事を考える才のあること。これに対して信幸は、真面目で、実直、頑固な性格で、父が考えることに従順であることを描いています。大泉さんの演技がとてもこのキャラクターにあっているように思え、堺さんと大泉さんが交代した方がよいのではと思いましたが、これは問題で・・。()
 
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家族会議
昌幸が約1か月ぶりに、高梨内記ら家来たちと共に真田屋敷に帰宅。家族に心配をかけまいとして明るくふるまいますが、女たちは、この日の朝、木曽義昌の母と子どもたちが裏切り者の家族として処刑され、もし昌幸が武田家を裏切るような事があれば、自分たちも処刑されてしまうと不安がります。高畑さんが熱演です?
薫の「武田家はどうなるのです?」に、「安心せい。信長の好きにはさせん。武田家は決して滅びはせん」と力強く言い、家族を安心させます。
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信繁の偵察結果について信幸が話そうとしますが、父昌幸は報告に興味を示さず、「この城を捨てることに決めた、佐久がある、われら一丸になってこの危機を乗り切る」と言う。信幸は父の偉大さについて行けないとつぶやきますが、信繁は、父についていけば間違いないと励まします。
昌幸は、なぜ上原城での軍議でこのことを言わなかったのでしょうか?

勝頼・昌幸・梅雪3人の寺詣での密談で、勝頼は、父・信玄が築きあげた武田家を滅ぼしてしまうかと自身の不甲斐なさを嘆くが、梅雪は信玄の御霊が守ってくれるから心配無用と労う。また、昌幸も「富士山や浅間山が噴火しない限り武田家は安泰だ」と諭します。が、それから数日後、武田家の滅亡を暗示するかのように48年ぶりに浅間山が噴火。
事態に不安を感じる中でも、信繁は「火山だから火も噴く」と平然と言ってのけます。このあたり、信繁の人の大きさがでているように思います。
浅間山の噴火から11日後の225日、穴山梅雪が、突然織田に寝返りますさらに梅雪の手引きにより、武田領内に徳川勢が侵入。武田家は絶体絶命のピンチに立たされます。
緊急事態対処の軍議(新府城
梅雪の裏切りは計り知れなく、緊急に軍議が開かれます。
跡部が新府籠城案、信茂は全軍で攻め、華々しく散ろうという案。これに対して昌幸は、「捨て鉢にならず、最後まで望みを捨てなかった者にのみ、道は開ける」と岩櫃城での再起案を進言します。勝頼は前向きな昌幸の提案を受け入れます。翌朝、昌幸はひと足先に岩櫃城に向かう。

この案に反対の跡部と信茂の説得で、勝頼は、悩んだ末に岩櫃城行きをやめ、岩殿城に向かう事を決意します。
勝頼が真田屋敷に、イメージ 4
兄弟は将棋を楽しんでいるようですが、兄信幸はなにか別のことを考えている様子。信繁は兄の将棋は常識すぎて面白くないと言い、ここにも兄弟の個性が見えます。
突然勝頼が訪ねてきて、「甲斐を捨てられん、落ち着き場所を岩殿にする」と言い、昌幸にはわるいことをしたと詫びます。
また、
「信幸・信繁には昌幸に従い岩櫃城へ向かうように。武田家の人質を免ずる」さらに「小山田氏の人質となっている姉・松も連れて行くよう」言い、「護衛として勝頼の手勢を100人をつける」と約束します。が、
信繁は岩櫃城行きを再度進言するも聞き入れられず、先行きを見通して「信玄公はもうおらぬのに」(先がない)と残念がります。信幸は「護衛兵を返すので使って欲しい」と申し出でます。ここにも二人の考え方(思考の大きさ)、性格が出ています。
勝頼にはすでに武田の末路が見えているようで、平さんはこの雰囲気をうまく演じています。
家族の岩櫃城帰還へ
信幸と繫信は早速、薫と“とり”に人質を免ぜられたことや松も真田家に戻ることを伝え、忍の佐助に事の顛末を書いた手紙を岩櫃で待つ昌幸に届けるよう命じるます。
岩櫃に帰る途上の危険について、母や薫は不安を隠せないが、必ず守ると約束することで安心させ準備を急がせます。
勝頼一行を見送って、家族は新府を発って3日の行程で岩櫃に向かう。すでに新府城が炎上、もう戻ることは出来ない。
真田家族は、農夫たちに追われ、切り合いながら岩櫃に急ぐ。(ロケ映像はきれいでした)
勝頼は新府を出て岩殿へ
33日、勝頼は岩殿城へ向け出立、その隊列はうつくしい(映像)。勝頼を目礼で送る信繁に寂しさが見え、松と夫・小山田茂誠の別れは切なかった。
離反する者が多く笹子峠付近では、当初の600が100切っていた。ここで小山田信茂は出迎え準備をすると先行。実は、峠の関所の木戸を閉じ勝頼を通さないためだったのです。
関所で、茂誠の「小田方に加勢することになった」を聞く秀頼、すでに諦観した表情。平さんの、滅びゆくものの潔さと悲しさと美しさが全身に感じられる演技には存在感がありました。
戦国という大海原を、小さな舟が漕ぎ始めた。
舟の名前は「真田丸」。
波瀾万丈の船出であった。
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