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第11回「祝言」

第11回「祝言
これまで、ドラマではこの時代を、裏切り、騙し、非道の時代として描いてきたが、ここでの室賀暗殺は、なかでももっと暗い陰鬱な出来事だ。この暗殺を息子の祝言の席を借りて行うという惨さ、「父の策を見抜けなかった」と悔しがり、自分が好きになれないと自分の純粋さに泣く信繁にこの乱世を生きるためどこに救いを求めようとするのか? この苦しみに耐えようとする信繁:堺さんの涙には感動。時代を感じ、考える大河ドラマ、三谷さんの感性に期待です!!
暗殺前の女たちのバカ芝居は、暗殺劇の陰険さを浮き彫りにするための増幅剤として許すことにする。(笑)
 
○徳川の暗殺計画
家康は秀吉と小牧・長久手で戦いの最中で、北条の約束を違えればこの戦を遂行することは叶わない状況で下した家康の決断は真田昌幸暗殺」
家康の暗殺動機は「おれは好かん」。この言葉、まさに戦の原因の冴えたるもの、すべて戦はこれで始まる。徳川・真田の戦は避けられなかった。
 
これを実行するために目をつけたのが、かって信長へのお目見えで昌幸とは仲を違えていた室賀正武
イメージ 3これに付け込むように本田正信は「昌幸の長男、信幸と言いましたかな。あれが真田の新しい当主になったという話を聞いてみたいものですなぁ。室賀殿の口から」とささやく。室賀が可哀想だ。これに、昌幸に建ててやった上田城上田城を預かるのが昌幸のみ)に引っ掛けるあたり、正信の抜け目のなさ。
この時代、目を付けられると逃げられない。幼馴染だから出来んと言うたところで通る訳がない。正信が一番の悪人だ。
 
○昌幸の室賀刺殺
上田城落成式の祝いには室賀正武がやって来る。昌幸は、室賀が浜松へ行った理由を信幸を使って探る。信幸の「肌艶がいいようだがうなぎは体によい。近頃浜松に行ったか」の問いに笑った、アドリブか?
イメージ 1室賀は「浜松に10年行ったこともない」とシラをきるが、10年はおかしい、昌幸と出浦は、室賀が家康と通じていると確信する。
 
昌幸は、信幸・出浦・内記を集め、暗殺を企てる室賀を亡き者にしようとするが、室賀は本当に昌幸を暗殺する気だったのか?
親子でさえ信じることの出来ない時代、ちょっとした騙しで疑心暗鬼に陥る乱世に、室賀の本心を確認しようとする昌幸は、常にライバルではあるが友としての友情を信じると言い、本当の悪人ではないこの男気が魅力だ。
その真意を見極める場として、どこで、いつやるか出浦の進言で信繁と梅の祝言を場を利用することになる
 
信幸は、祝言を血で汚すのはかわいそうだと反発するが、昌幸はすぐに準備を内記に命じる。ただしこの計画は信繁には秘密にすることに決めた。これは父親としての愛情だった。信繁は、祝言が挙げられる事になり無邪気に喜ぶ。
 
・信繁の婚儀
信繁が、昌幸と信幸に、すでに梅の腹に子供がいるという事実婚で側室とし祝言を挙げたい旨話すと両名これに賛同する。これほどに、信繁という人物は真面目で、人の心を大切にする人ということ。
 
この婚儀に母薫が反対、当時の女嫁の価値は人質に出せるかどうかで、地侍の娘梅では気に入らないのは当然。信繁が律儀に妻として婚儀を挙げるというほうが異例のことだ。
 
信繁は、三十郎と佐助を使って百合を贈り、南蛮渡来の香油を使って、薫の心を和ませ話を聞いてもらおうとするが、佐助のこぼした香油が天井から薫の首筋に垂れて“ショック死”するではないかと大失敗。このばかばかしい話、子供の学芸会?
昌幸が薫の説得にあたるが、祝言はしないことに決る。信繁はこのことを信幸から聞き気落ちするが、梅の提案で自宅で祝をすることにする。ところが急遽、昌幸、信幸の賛意で祝言を挙げることになり、信繁は陰謀を知ることなく無心に喜ぶ。
 イメージ 4
・正武刺殺
信繁と梅のひそやかな祝言の儀式が終わり、大広間では酒宴がはじまる。室賀は昌幸と囲碁の勝負をはじめ暗殺の機会を待つ。昌幸の後方には信幸が、隠れ部屋には出浦と内記が控えている。酒宴では酔った作兵衛が裸踊り。緊張感が走る。
 
昌幸が正武に「その懐に隠し持っているのは小刀か?」に「何の話だ」。「わしを殺しに来たんだろう、自分を殺して上田城をもらうつもりなのか」と迫り、「徳川の随伴者ふたりはすでに始末した」と告げる。
 
何もかもばれていると動揺する室賀。昌幸は碁を打ちながら、室賀に家来になるよう促すが、室賀は「家も近くで同じ道を歩んだ。劣っていると思ったことは一度もない」とこれを拒否。
「暗殺計画がばれている」と諦めの表情を見せて懐から取り出した小刀を碁盤の上に置き「帰る」と立ち上がった。
そして帰り際、右脚に隠し持っていた小刀で「おぬしの家来にはならぬ」と襲い掛かるが、出浦が手裏剣で、信幸・内記が飛び出して室賀を斬りつけ、出浦がとどめを刺す。イメージ 2
「相手に申し開きの機会を与えての刺殺」というのは、友情、武士の面目を立てる配慮で、昌幸の情けのある配慮だ。
 
・信繁の胸のうち。
出浦の「徳川にそそのかされ昌幸を暗殺しようとしたので返り討ちした」に信繁は「読めました。それで祝言を」と言う。
父昌幸が「室賀がいては困る。全ては真田が大名になるためじゃ!」に信繁の顔色が変る。
兄信幸に「父上が見事に成し遂げたことに怒りはないが、策を見抜けなかったことが悔しい。そんな私が好きになれない。梅のために怒り泣いたのは私ではなかった。私はどこに向かうのですか。」と言い涙し、この時代をどう力強く生きるべきかを模索している。
 イメージ 5
婚礼の席での惨事に、梅のために怒り泣いたのはきりだけ。確かに悲惨だ!!、しかしこれはこの時代耐えなければならない試練。彼女はこのドラマを現代の目で見るという役目を与えられているようだ。

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