映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

「バケモノの子」(2015)

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人間界の少年・蓮(幼少期あおいさん、青年期染谷将太さん)がバケモノ界の男熊のようなバケモノ・熊徹(役所広司さん)に育てられ成長していくファンタジーな物語。
少年が成長していく過程が武道の修業段階「守・破・離」に沿って描かれるなかで、親と子のあり方や人と人がつながりの大切さが明らかにされ、幅広い年齢層に楽しめて教えられる作品。(#^.^#)

物語の展開は細田監督の人生そのもの、「スタジオジブリ」で味わった挫折に深く関わりがある。「細田は終わった」と言われながら、採用されることのない絵コンテを描き続け、今日の名声を掴んだ自分の苦しんだ人生体験が作品に生かされている。作中にでてくる“大きなくじら”はスタジオジプリではないかと。()

幼少期、少年は熊徹と喧嘩しながら徹底的に熊徹の技を真似これを凌駕していくなかに“親子”の絆が育っていく描写はすばらしい。が、少年の青年期に入り、知識を求め心の闇と戦い自立した男子に成長していく姿を小説「白鯨」をモチーフに描かれるが、少々唐突な感じがして残念です。しかし渋谷街を泳ぐ「白鯨」と格闘する構図はアニメーションならではの醍醐味があり見どころです。
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おおかみこどもの雨と雪」で出来上がった監督とあおいさんの縁、今回は少年の成長物語ということで、あおいさんの出演はないと思っていたところに幼年時の声での出演、この手があったかと驚きました。(#^.^#)

あおいさんキャストの理由:「彼女の持っているいい意味での頑固さと、九太の持っている頑固さが共鳴して、キャラクターに力強さが反映される。女性が演じることの艶っぽさを出しつつ、きちんと少年の声に聞こえる。それは少年風に演じようとする技術ではなく、彼女の魂がそうさせている。想像以上のはまり具合に感動しました」(監督)。また、役所さんとは気の合った掛け合もすばらしい。
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物語、
昔々、といってもそんな昔じゃねえ、ほんの少し前の出来事だと、ここバケモノの世界渋天街で起こった宗師様の交代劇。あたらしい宗師様には猪王山に間違いないと思われたが、もう一人熊徹がいて腕力はあるが人望がない、ましてや息子などいない。そこに人間の世界からやってきたやつがいるんだ。さあこいつの話を聞かせようと百秋坊。
 
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〇蓮、渋天街に迷い込む。
渋谷スクランブル交差点。蓮は家出して街裏に逃げる。ねずみに会って「お前もひとりぼっち、お父さん、今なにしているの、何故来てくれないの。お母さんが亡くなって、おばさんの家に引き取られることになる。離婚したらしい、これからは一人で生きてやる。叔父さんは大嫌いだ」と呟く。蓮の高い声が、とてもあおいさんの声とは思えない。

チコに励まされていると、向こうから熊徹がやってきて「生きているのか死んでいるのか」と声を掛けてくる。「面見せろ」と近づく顔はバケモノ。「お前一緒にくるか」と言いそのまま去ってしまう。
警察に捕まりそうになり逃げ出す。狭い路地に入ると、そこは迷路で壁に花があって、花を伝って入っていくと道が分からなくなり着いたところは? もう帰る道は見つからない。

そこは渋天街。バケモノに捕まり百秋坊に拾ってもらう。彼は元の世界に送るというが、熊徹がやってきて「やってきたか、弟子にする」という。
渋谷の街から渋天街への入り方がわざとらしさがなく迷い込んだという感じでとてもいい。「千と千尋の神隠し」に似ていますね。

○蓮、久太と名付けられ熊徹の弟子に
「宗師様が跡目を継ぐなら弟子がいる、そこで捕まえてきたのがこいつ」と多々良。「かわいそうに」と百秋坊。
熊徹の家に連れてこられ「泣いたら放り出すぞ」「弟子にする」と言う。名は、年が九歳だから、九太ということになる。「寝るぞ」と熊徹。蓮は悲しくて「ハムオムレツ作ったよ」という母さんの声を聴いて泣いてしまう。

朝、熊徹が起きだして「逃げたな」と探しはじめ、九太は鳥小屋で寝ていて捕まる。「卵、生で喰え、どうしても喰わないなら口に入れてやる」。「あんたなんか大嫌いだ、あんたの弟子にはならない」と逃げだす九太。とんかく息の合った役所さんとあお
いさんのやりとりがすばらしい。
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逃げようと人間界への出口を探して市場にやってきて、ここで猪王山の子一郎彦、二郎丸兄弟に会う。九太を探しにやってきた熊徹に猪王山が「人間の子だと。弟子はやめておけ。人間は心に闇を持ってる」というと「俺は止めん」と熊徹が引かない。そこで「跡目の決着、ここで着けてもいい」と決闘が始まる。
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決闘には宗師様が禁止していて刀は抜けない。そこで熊徹が盛んに挑発行動にでるが猪王山は空手技を繰り出す。これに熊徹が倒されるが懸命に組み付いて追い詰めると皆が猪王山を応援、誰も熊徹応援しない。遂に熊徹は猪王山に押倒される。熊徹、刀をもっての闘うことに。九太も「負けるな」と声を掛けが倒される。と、そこに宗師様が現れ「わしが責任をとる」と九太の弟子を認める。

熊徹は試合に負け悔しそうに家に帰る。「本当に強くなるなら弟子になってもいいよ」と九太。九太は「これは正味期限があるか」と卵ごはんに手をつけるがえーげーと無理して食べる。これを見た熊徹「しっかり鍛えてやる」と張り切る。こうして、ふたりは心が通じ合うようになっていく。

○九太の修行が始まる。
修行は武道の修行段階「守・破・離」に沿って描かれる。まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる。

熊徹は“よくみてろ”と木刀を振り回す。「やれ」と言われて、九太“やあやあ”と木刀をふるが様にならない。「ちゃんといちから説明してやれ、それが師匠の務め」と百秋坊。「びゅーと持ってぐいーといけ」と熊徹。わけのわからん叫びをあげながら九太が木刀を振るが駄目で熊徹は苛立ち、ふたりがやり合う。「胸のなかで剣を握れ」と熊徹。九太は教えを無視、返事をしない。こんな教え方はないですよね。() 何回も木刀を振ってコツをつかみ、理屈を理解することになる。うまく描かれています。

「弟子は5年10年の修練が必要だ。わかったらここから消えろ。ただ食っていくだけなら人間社会で面倒みてもらえ」と多々良。
熊徹がつきあってくれなくなり、九太は「弟子って何をやるの」と百秋坊に聞く。「まずは掃除、洗濯・・」からだと言うので早速掃除、洗濯を始める。買い物に市場にいき、そこで激しく闘う一郎彦、二郎丸の練習を見る。九太を見て「人間の子」と二郎丸がいじめられるが、一郎彦に助けられる。一郎彦が「立派な父上のように強くなる」というのを聞いて“くそ”と対抗心が沸いてくる。

家に帰ると熊徹が久太の傷をみて「情けない」という。「あんたに言われたくない」と久太が「あいつに勝てない理由は・・、ちょっとしたことで頭にくる、すぐに投げ出す」と熊徹の欠点を言うのでまたまた喧嘩が始まる。熊徹は「精一杯やっているのにあんな言い方をする」と愚痴を多々良に話すところに、宗師がやってきて「自らの努力の姿を弟子に見せて学ばせるのもいいこと。弟子を連れて旅に出ていいものを見てこい」と指示します。

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○熊徹、九太修行の旅に。
山登り、水泳で体力をつける。そして猛者達に「強さとはなにか」と聞いて廻るが答えが見つからない「自分で見つけることだ」と悟る。九太は百秋坊に「感が悪いのかな」と相談をすると「洗濯も掃除もすぐ覚えた、ちょっと教えたらすぐコツを覚える。素直で働き者で物覚えも速い。おまえには才能がある。問題は熊徹だ。あいつは親も師匠もいない、自分一人で強くなった。

しかし、たまになるほどと思うことがある、あいつにも一理はある」と熊徹からの学び方:「意味は自分で見つける」を教わる。
熊徹もどう教えてよいのか悩む。多々良の「餓鬼のころの自分がどうして欲しかったかを考えろ」という忠告に「自らの努力の姿を見せる」ことにする。一方、九太も悩んでいると「やりきる、やったつもりで」の母の声が聞こえる。

○九太、熊徹の業を徹底的に真似る
熊徹が一人で練習を始めると久太は熊徹を見て“なったつもりで始める”とすべての動きを徹底的に真似る。これを見た百秋坊「子は親を見て学ぶんだよ」と。九太は真似に徹する。

歩き方から、足の運び方、見てなくても音で相手の動きがわかるようになる。試してみようと、箒で熊徹に挑むと熊徹を倒してしまう。そこで剣の持ち方を教わり熊徹に挑むともう熊徹が相手にできないほどの腕前になって「相手に合わせるんだ」と熊徹に言うまでに上達。
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どんどん強くなって、次郎丸と戦って倒してしまう。二人はこうやって季節の変わりもしらず訓練に熱中。評判を聞きつけて熊徹のところには多くの弟子志願者が集まり始める。この状況に一郎彦は妬み(闇)を持つようになる。熊徹は弟子の久太から学ぶことになり、九太の修行は師匠を破り「破」の段階に。

〇九太、楓との出会い「白鯨」を学ぶ
ここで、九太の声があおいさんから染谷君に代わります。相変わらず熊徹と九太がやりあっている。久太は強くなる方法を探して、あるとき渋谷の街への出口を見つけてしまう。
女の子(楓)に聞くと“くじら“と教わる。これが縁で、悪ガキにいじめられている楓を九太が救うことになり「これなんと読むの、小学校から学校に行ってない」と尋ねると「私が全部教える。わたし、楓」「おれ、蓮だ」とお互いに意気投合する。
 
渋天街を出て、図書館で本を見つけるが読めない字「鯨」を二人は図書館で勉強。来る日も来る日も読書。そして「白鯨について、主人公は自分の片足を奪った鯨に復讐しようとしている。でも主人公は鯨と戦っているようで、自分自身と戦っているんじゃないか」ということを知る。

〇久太、父と再会
九太が「おれには師匠がいる、ちょっと煩いんだ、駄目師匠!」と話すと「私、親と喧嘩したことない、ふたりとも気ついてくれない。私は私自身で自分を見つけなければ本当の私になれない。大学にいって家を出る。そして自分の人生を生きるつもり」と楓が自分の考えをいう。

そこで、もっと勉強したらと一緒に市役所に相談に行く。特待制度を活用するには住民票が必要となり、すでに削除されていたが、父の住所を知った。

そして、どこにいるか分からなかったお父さんが見つかる。偶然、街中で父に出会い「いままでなにもしてやれなくて・・。母さんのことは後で知った」という。
これでおれも普通になれるかなと熊徹に相談してみる。「人間の学校に行きたい。他の世界を知りたい」と話すと「ばか!強くなるのが目的ではないのか」と怒る。
「もうひとつ話がある、父が見つかったそこに行く」と、止める熊徹を振り切って出て行くのでした。

熊徹がたくさんの生徒をどなり散らしている。熊徹は九太がいなくなって気落ちしているのです。
父は「今日はハムカツだ。これまで育ててくれた人にお礼をしたい」という。「急には無理だ」と九太。「これからやり直そう」という父に「父さんは何も知らないのに知ったふりをするな」と激怒するが、九太は自分が何故こんなことを言い出すのか分からない。自分が大嫌いな昔の自分を見る。

九太は激しく動揺し、梢に会って「おれは一体なにものなのだ、バケモノなのか」と聞くと「蓮君だけではない、大丈夫よ」と励まされ、お守りにとミサンガが渡される。

○宗師選抜試合
二郎丸の家に立ち寄って、宗師選抜試合日が決まったことをと聞く。一郎彦に送ってもらっている途中で、「試合の勝敗などはじめから決まっている。熊徹みたいな半端者は半端者らしく無礼をわきまえろ」と襲われる。一郎彦には九太への大きな妬み(闇)があるようです。

大競技場で熊徹と猪王山の試合、渋天街の新しい宋師を決めるための試合が行われよう
としている。
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圧倒的な猪王山人気。試合開始、熊徹が押している。熊徹が猛然と突っかかるが往なされる。次は猪王山が猛然と突っかかり熊徹はへとへとなり倒れる。
ここで九太が立ちあがり「立て、さっさっと立て」と気合を入れると熊徹が剣を持って叩きつける。「九太と練習している感じ。ふたりならこの勝負、わからんぞ」と宗師。ここぞというときに猪王山の剣は粉々になり、拳コツで熊徹が猪王山を倒す。
「勝負は決した、熊徹」の判定に、ハイタッチを交わして喜ぶ熊徹と九太。これに嫉妬した一郎彦の剣が熊徹の胸に突き刺さる。九太も剣を抜いて切り付けようとするが、ここでは自分を抑える。

熊徹の病室に駆けつけると熊徹は生死の間を彷徨っている。一方、一郎彦は人間界(渋谷)を彷徨している。一朗彦は人間で、猪王山に拾われ育てられていた。「自分が育てれば闇をもたず育つ」と思っていたが、猪王山は不安になり「一郎彦とはもう過ごせないのでしょうか」と宗師様に願い出る。
「一郎彦はどこかを彷徨っている。あの闇を追い出さないと何事もありえん」と総師は助言します。

これを耳にした九太は、百秋坊が激しく久太の報復を叱るが、「わたしは出て行く。叱ってくれてありがとう。おかげで背筋がちゃんと伸びた。仇討ちとは違う、自分は一郎彦と同じで俺が間違えていたら一郎彦みたいになっていた。一郎彦の問題は自分の問題でもある」と剣を忍ばせ一郎彦を追っかける。このころ、病室で熊徹が意識を戻していた。

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○九太、人間の闇との闘い
人間界に戻り、梢に“白鯨“の本を預け「勝てるかどうか分からない、決着をつけなければならない。一緒に勉強出来てうれしかった」とこれまでの出会いに感謝する。
そこに「九太許せない」と一郎彦が現れ、一郎彦との決闘が始まる。九太が負傷を負い楓と一緒に逃げるが一郎彦はくじらの影となってこれを追う。
鯨が大通りを泳いでいて、車の衝突事故で大火災が発生。九太と楓は地下鉄に乗り込む。九太は「あいつに対決するにはどうするか」と考えていると楓が一緒に戦うと言い出す。

渋天界にもこの騒ぎが伝わり、「あの二人の騒ぎに何故巻き込まれなければならないのか、人を引き入れたことが間違いだった」という声が起こり、そこに身体中包帯だらけの熊徹が現れ「あいつはまだ未熟だ、あいつの役に立ってやる、あいつの胸を埋めてやる」と言い出す。

宗師は「今は熊徹が宗師じゃ、一度決めたら後戻りできんそれでよいか」と確認し、熊徹が神様に転生することを認める。これで熊徹は九太の胸の剣となり生きることになる。
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逃げる九太と楓に、くじらが天にあがり襲い掛かろうとする。九太が「お前の闇を全部取り込んでやる、おれと一緒に消えて無くなれ」と剣を取り出すと「そいつは熊徹だ」という百秋坊の声を聴く。
「お前のなかの剣になるんだ」と熊徹の大きな笑声が響き、久太はこれを聞いて泣いて感謝する。「そこを迷わず向かい撃て。いまだ行け」と熊徹の声。

一郎彦が倒れ、九太がくじらを鎮める。戦いが終わり、九太は「一郎彦、お前は俺と同じだ。バケモノに育てられたバケモノの子だ」とミサンガを渡す。「ここはどこ、父上母上二郎丸、これは九太のミサンガ」と一郎彦がバケモノの世界で目覚める。

熊徹が「九太、いいな。わしは、これといったら負けない性分だ、ふらふら迷うな!」と言えば「おれのやること黙って見てろ」と九太。熊徹が去ってしまう。
TVが「渋谷の交通事故」を伝えている。くじらの影を見たという人がいるが何も残っていないと。

渋天街ではくじらを倒した九太を祝う宴が楓も招かれ盛大に執り行われた。九太は渋天街を出て、二度と剣を持つことはなかった。胸に熊徹という剣を持ってだれよりも強くなった。「よかったね、蓮」と母さんの声。熊徹は嬉しそうに大笑い。
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記事1 20160722
<バケモノの子>“夏のアニメ映画の王道”が放送 細田守監督、宮崎あおいが明かす思い