「。」は、前作ドラマとは全く別物であることを示しているのでしょうか。
とにかく映像がうつくしい。美しい風景、キャラクターの感情とRADWIMPSの曲がマッチして物語に疾走感があり、災害国日本の知見やうつくしい日本の心（言葉）がちりばめられ時代を超えた人と人のつながりを感じます。が、タイムスリップして体が入れ替わることで時系列での整理、理解に難しさがある。このことがリピーター増を促し観客動員を増やしているのではないかと。(笑)
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物語、
オープニング、星が降る黄昏のなかでのふたりのつぶやき。「朝、目が覚めるとなぜか泣いている、そういうときがときどきある（女の子）。
みていたはずの夢は、いつも思い出せない、ただずっと何かをだれかを探している（男の子）。・・・あの日、星の降った日、それはまるで夢の景色のように、ただただ美しい眺めだった」に続き、ふたりの住む東京と飛騨の風景。精緻な描写と色彩による画像の美しさに圧倒され、セリフからふたりの想いが伝わるように物語に引き込まれていきます。
○身体が入れ替わる
携帯の音「タキ君、覚えてない」で目を覚まし胸をさわるとすげ～、本物だと驚く東京に住む男の子・滝
一方お姉ちゃんごはんと妹に起こされた女の子・三葉、鏡で見る顔は男（瀧）！！
彗星が落下する１か月前、三葉は登校中に町長に立候補して演説中の父から「ちゃんと歩け」と叱られていやな気分で学校に。国語の時間に「たそがれ」の語源は「誰そ彼」（お前は誰だ）で“カタワレ時”（夕暮れ時）とも言われることを教わる（感情が変化する＝体が入れ替わる？）。今日は覚えられる、昨日のことは覚えてない、別の人生を夢
見ていておかしかったと思う。
彼女は、お父さんとは別居お母さんは亡くなっていて、宮水神社の神官であるお婆ちゃんと妹・四葉と一緒に住んでいる。週末にはお婆ちゃんのお手伝いに妹と一緒に巫女となり、奉納踊りやお供え米を噛んで吐きだし“口噛み酒”を造ります。でもこれを見た学友からは“いやだね”と蔑まれます。奉納物として“組紐”を編み、お婆ちゃんの「糸の心を聞きなさい、糸は糸守（町名）千年の音が聞こえる」と神と人、人と人の結ばれ方の
話を聞きます。でも、ここでの暮らし町には何もないことで「次に生まれるときは東京のイケメンの子になりない」とすごく東京に憧れる女の子。
カタワレ時、口噛み酒、組紐、そしてお婆ちゃんの語る言葉が物語の重要な伏線で、みごとに回収されていくのも見どころです。
携帯の音で起きた滝、胸をさわり、あそこも変。父と二人の父子家庭。みそ汁だけでも食べていけという父の言葉を無視して登校。トイレで見るとリアル。瀧（三葉）は美しい東京の街を見る。
友達の司が「お前寝ぼけているのか」という。楽しいことばかり。アルバイトはイタリアン料理のウエイター。失敗でお客さんからクレームつけられているところを先輩の奥寺さんに助けられ、その際切られたスカートを繕って刺繍をつけてあげると「滝君、女子力つよいな」と気に入られる（あたりまえ、女の子になっているんだから）。目が覚めて、よくできた夢やなと「お前はだれや」とメールする。次の日、司が「今日は普通だ」と言う。
三葉は、今日はおっぱいを気にしないで学校にいくと、何か視線を浴びるし、内緒ばなし。「あれって私のこと」？ 滝君と自分が入れ替わっている。これは大変なことになるとお互い守るべきことなどを記録に残すことにする。それでも心配！！
“デイアマット彗星”接近のニュースの日、三葉（瀧）は、お婆ちゃんと妹と一緒に美しい紅葉の中を“おむすび”と“口噛み酒”をもってご神体のある“宮水神社”に出かけます。ご神体に着いて、お婆ちゃんは「むすびは人をつなぐ、時間が流れるのもむすび、組紐は時間の流れ、とぎれてまたつながりむすび、それが時間」「水でも食べ物でも体に入るものは神様とのむすび」「ここから先はあの世、戻るには一番大切なものをお供えしなければならない。この“口噛み酒”、これは半分半分やで」と教えてくれます（ここでは時を超えて出会うことができる？）。もうたそがれや、うつくしい、たそがれや！！
瀧は奥寺先輩とデート。先輩が「滝君、今日は別人みたい。むかしは私が好きだったでしょう。今は好きな人がいるの」と言う。三葉は「滝君うまくデートしてるかな」と心配しながら髪を組紐で束ね友達のテシーらとお祭りに。そこで流れる美しい彗星を見ている。
瀧はデートが終わって三葉に電話しようとするがつながらない。そして、この日から体の入れ替わりが起こらなくなる。どうしてなの？
○三年前の“あの日”の出会いと別れ。
瀧は三葉から聞いたことを絵に画いて眺める日が続く。思い切って司と奥寺先輩と旅にでて直接三葉に会うことにする。絵だけが頼りでなかなか見つからない。“高山うどん”を食べているときに女将さんが「それ、糸守や」と叫ぶ。３年前に彗星が落下し全滅した町。クレーターの底にある糸守に町に来てみると全てが破壊されていた。図書館で調べると「千年周期で彗星が落下し、その日は祭りで賑わっているところに落下し生存者はいない」と。死亡者名簿に三葉の名が載ってる。瀧はそれでも信じられず三葉が語ったことを思い出そうとする。奥寺先輩に腕につけている紐はなんなのと聞かれるが思い出せない。
眠っていて「組紐は時間そのもの、折れたり、曲がったり、ねじれたり」という三葉の言葉から神社を思い出し、ラーメン屋の主人に車を走らせるもらう。雨にあい、より集まって、つながって、それが時間、遂に祠のなかの神社にたどり着く。時間が戻るならと供え物の“むすび““口噛み酒”を飲んで転んで頭をうち３年前の三葉に入れ替わって流れる彗星を見る。
そして時間を旅して三葉が生まれ育っていく様子、家族が崩壊するシーンを見る。そこに「ちょっと東京にいってくる」という三葉がいる。三葉は生きている！。
「今夜彗星が落下する」とニュースが流れ、四葉は「やばい、先に出る」と言い、お婆ちゃんに「お前は三葉でない。夢はめざめれば消える。夢を大切に」と言われる。
「お婆ちゃん、彗星が落下するとみんな死んでしまう」と学校に走って放送部の友達と買い出しや学校無線で避難放送を流す準備をする。（ダイナマイトで発電所を爆破しその間に町内放送をジャックして避難放送するというもの：昔、東北での大津波時地主さんが稲の束に火をつけ津波のくることを知らせたという故事によるもの）
町長にこのことを話すが信じてくれない。「三葉（瀧）、お前はバカか」と言われる。お祭りに集まっている子供たちに町から出るよう勧めるが信じてくれない。四葉が「お姉ちゃん、昨日は東京に行っているし、おかしいよ」というのを聞いて、“三葉は生きて“宮水神社”にいる“（生と死の堺）と自転車で急ぐ。
そこに三葉がいて「わたし滝君になっている。町が無くなってあの時死んだの。瀧君覚えてない、わたしはあの日東京に行ったんだけど、滝君はデート中で急に尋ねたら嫌がると思って、電話はかからない、会えばわかると電車に乗るとそこにメモカードをめくる滝君（３年前）がいて声をかけても知らないと言うの。それで髪につけていた組紐を渡したの」と声はするが姿が見えない。ふたりはクレーターの淵を彷徨しすれ違う。「３年前、お前は俺に会いに来たんだ」と滝。
カタワレ時が訪れ、ふたりは生身のままでの初めての対面。瀧はお前に会いに来たんだと３年間持っていたミサンガ（組紐）を渡し、「三葉にはまだやらねばならないこと（彗星落下時の対策）がある。目が覚めても守れるように名前を書こう」と手のひらに名前を書く。カタワレ時が終わり、お互いの姿が確認できなくなる。
「世界のどこにいようと会いに行く。君の名前はミツハ。」「お前は誰だ、俺は誰だ」「誰に会いたい。大事な人、忘れてはいけない人」と滝の記憶が薄れる。
三葉は、途中で爆発音を聞き、町のすべての火が消えるのを見る。計画通り“避難せよ”の放送が始まると役場は“放送を止めろ”と言ってくる。役場は（隕石が）地上に着くまでには消え尽きるから「その場で待機」と放送する。三葉は「避難」を放送してもらうよう父に伝えるために走る、走る、そして転ぶ。あの人の名前を思い出せない。手のひらを見ると「すきだ」と書いてあってこれでは分からない。役場にやっと着いてお父さんに・・・・。
○再会
それから５年後、就活で電車に乗っていた滝は赤い髪紐を身につけた女性を見て代々木駅で降りる。「なにやってんだ、みつからない。いつも何かを探している」。（ぼんやりしていて）就活中だが内定が決まらない。奥寺先輩はスーツが似合わないからだという。
司や奥寺先輩と一緒に旅をしどこかに泊まったことを思い出す。彗星の破片が糸守町を襲ったが、その日糸守町では偶然にも町を挙げての避難訓練で町民の大半が被害範囲のそとにいて、被害がなかったことを知ります。消えた糸守の本を読み、いまはなくなった糸守の風景に何か心を締め付けられる。
ある日。電車に乗っていた瀧が窓を見ていると、別の電車と並走。並走する電車の三葉と目が合います。瀧は電車を降り、三葉の姿を探します。奔走する瀧、ついに二人は住宅街の階段で出会い、瀧が「俺、君をどこかで？」と声を掛けると、「私も」。 大きな青い空。 ＥＮＤ
ＲＡＤＷＩＮＭＰＳ 前前前世ＭＶ
