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第5回「亀之丞帰る」

イメージ 1亀之丞が帰って来ました。すがすがしい、いい男になって、見惚れます!!
亀之丞との長きにわたる断絶のなかで次郎の「家督相続」に対する考え方の変化そして亀之丞が快活な若者となって次郎の前に現れましたが、会えたという喜びがあっても「一緒になること」をすんなりとは受け入れられない次郎の心情が描かれました。次郎にとって「はたして一緒になることが、井伊家・領民の安寧につながるのか?答えはひとつではない」と考えているのでしょうか。
次郎の厳しい出家修行、井伊家と政直の確執の原因等が描かれることで次郎の心情をしっかり読むことができるストーリー立てが良いです。これを演じる柴咲コウさんの演技も、新井美羽ちゃんのおとわからしっかり引き継がれ明るくて闊達で、特に亀之丞を待ちわびる心情、再開し取り乱した姿に女の子らしさが出ていてとても良かったです。
高橋一生さんの政次も父親や次郎に対する目線は変わらず、小林颯ちゃんからしっかり受け継がれています。わからないのは亀之丞、健康で闊達、どのように成長したのかはこれから見ることになります。政直の威厳のある変貌には、長年にわたる苦悩が出ていて驚きましたが、亡くなってしまいました。吹越さんご苦労さまでした。

阿部サダオさんの家康、13歳ですか?今川家の男子が蹴鞠に興じている中で、一人で黙々と囲碁に集中する姿から、ただのボンヤリではないという事が窺える。。そして菜々緒さんの瀬名、これまた癖のありそうな女性の演技、おもしろい。
今川氏・北条氏・武田氏それぞれの勢力拡大競争により井伊谷にも大きな変化が起きそうで、家康と佐名、今川氏真の登場は物語をおもしろくすると楽しみです。
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天文23年(1554)春。次郎は農民たちとともに作業をしたり、草履を与えたり、その場で起きた夫婦喧嘩を仲裁するなど、竜宮小僧のような働きをみせるようになっていました。経を唱えながらの寺への帰り道、女の子がひとり男の子ふたりで遊ぶのを見て、幼いころの鶴丸と亀之丞と遊んでいたころを思い出し、亀之丞への思いを募らせます。
○混迷する井伊家の家督相続
このころ今川氏は武田との同盟を後ろ盾に領土を西方に位置する三河の平定に乗り出そうとし、その勢いとどまるところを知らずの状況。井伊家でも今川よりの家老小野和泉守の力が益々強大となっていました。イメージ 3
亀之丞が行方不明になってすでに10年の歳月が経っていた。小野政直は「そろそろ次の家督を決めるべきだ」と直盛に迫ります。
薪わりをしている次郎のところに政次(鶴の元服名)がやってきて「殿から内々に奥山殿から嫁を貰い、その子を殿の養子にせぬか。つまりこの子が次の当主」と言う話しがあったことを伝えます。
その話を聞いた次郎は「それは名案だ。そうなれば井伊家と小野家の血をひいた子が家督を継ぐことになり、それでわだかまりが解けていくかもしれない」と賛意を示します。政次は「亀のことはもういいのか」と驚きます。次郎は「亀がいなくなって10年が経ち、仮に生きていたとしても、亀にも別の暮らしがあるかもしれん」と言い「もう子供ではないぞ」と自分の気持ちを明らかにします。
・政直の次の当主案に対して朝利が「小野の息子とうちの娘だと」と反意を示し、直平は「お主の仕業か」と政直を烈火のごとく怒る。政直は「決めたのは殿だ」と言い逃れる。これに直盛は「亀之丞が居なくなって10年、もう見切りをつけ、政直の孫を当主にするのがいい」と発言。
朝利は「娘はやれん」と喚くので政直は「政次夫婦の子が家督を継げばそなたは外祖父ということになる。だめなら新野殿にお願いする」と言い出せば「しばし待て」と朝利。政直は「返事を待っている」と言い残して去っていくのでした。

・政直が帰ったのを見計らって、直平は「亀之丞のことはどうするのだ」と直盛に問質す。「亀之丞のことはもう希望を持たないほうがいい」と言い「今川氏の勢いは増すばかりで、政直はこれにうまく取り入っている。だから亀之丞を戻す機会はおそらく訪れないだろう」と答えます。直平はこれを聞いて「わしは認めん!」と反対し出て行ってしまう。
イメージ 4・一方、小野家の屋敷では政直が、政次と弟の玄蕃を前に「直平が吼えたところで朝利は乗り気になるだろうし、10年前とは自分の立場も違えば今川氏の強さも違うので、父に感謝せよ。政次お前は次の殿の父親、井伊はお前のもの。奥山、あの草鞋に似ている男のものにはならん」と井伊乗っ取りに自信を示す。突然、政直が苦しみ始めます。
・そのころ龍潭寺の次郎のところに関口の瀬名からの文が届きます。目出度いことがあったので知らせるというもの。
今川氏真に北条の姫(のちの早川殿)が嫁いでくるというもので、これで今川氏が武田氏及び北条氏と縁戚になったという。幼いころ氏真と交わした自分を妻にするという約束が裏切られた憤懣やりきれない気持ちが伺えるものでした。
イメージ 5「我が世の春の今川にあわれ打ち捨てられたるは瀬名と三河のぼんやりばかりなり」と詩文が添えられていました。竹千代(のちの家康)は何事もなかったかの如くひとり囲碁に熱中のようです。()
瀬名が能舞で氏真の約束違反に怒りを見せる演出。また、瀬名の強情そうで氏直に見せる眼つき、文の内容などの描き方がユーモアにあふれています、違和感はない。
○政直の遺言
・政直が倒れたと聞いた直平は次郎のところにやってきて「伊豆が倒れた。伊豆が早く死ぬように祈願してくれ」と頼むが「そんなことは山伏に頼めば」とはねつけます。()
次郎が「流れ者の小野家を召し抱え取り立てた直平がなぜ政直を毛嫌いするのか分からない」と、その理由を直盛に聞くと「その発端は佐名だ」と言う。「まだ次郎が物心つかないころ、突然今川氏は佐名を人質にさしだせと命じて来た。人質のやりとりはよくあることではあるが、問題は直平のひとり娘である佐名を名指しできたことだ。このことで、政直が今川氏へ自分の覚えめでたくするために佐名を売ったのだと直平が信じていることだ」と教えます。

これを聞いた次郎は、小野家の屋敷に出向き短刀直入に佐名の人質について尋ねます。病状がかんばしくないなか身を起こし「あのころは今川氏と北条氏は湖東の乱を戦っているときで直平が『今川を西から挟み撃ちにして欲しい』という北条氏の誘いに乗ろうとしていた。その時の大師様の怒りがすざましいものだった。これを収めるには絶世の美人と評判の佐名を差し出すのが最善であった。誰も信じまいが、これも井伊家の爲だった」と語るのでした。井伊家と政直の確執がやっと明らかにされました!!
これに次郎は「一本の旗が揺れていた。これを見て、あるものは旗が揺れていると言い、ある者は風が揺れていると言争いになってしもうた。そこで、あるお方がこう言ったのです。揺れているのは見る者の心だと」と物事は見る人の心によって変わるものだと説いて去ろうとすると「政次がわしのようイメージ 6に今川氏の犬にことはない。井伊家のために粉骨砕身する、なにとぞこのことをみなに伝えてください」とつらい身体を押して泣きながら訴えるのでした。
見送りに出た政次が「父の言葉を伝えないでいい、誰も信じないないから」と言うが次郎は「父にはそれとなく伝えておく。われは竜宮小僧だから」と告げて去って行きます。
・政直は次郎を送った政次に「おまえはこうならぬとわしを蔑んでおろう。おまえは必ずわしと同じ道を辿ることになる」と予言めいたことを言う。政次は「おれには南渓和尚様の心使いで、次郎や亀之丞との間に育んだ幼いこイメージ 11ろの絆がある、井伊家の縁戚となるからには井伊家のことを第一に考え、そのなかで小野家はさすがに頼りになるといわれることこそが、真の勝利だ」と言い返すのでした。「おまえは目出度いやつだのう」と言い残しこれからまもなくして、小野政直は息を引き取りました。次郎は政直の言葉を父に伝えます。直盛は「政直に押し切られたのではなく、政次が優れているからだ」と自分の考えを明かします。
政直:吹越さんの筆頭家臣としての9年間の苦労がいかばかりであったかを見せる演技は見事でした。ご苦労様でした。
○亀之丞の帰還イメージ 7
その年の夏、今川義元の息子・氏真の婚姻とともに、駿河・相模・甲斐の甲相駿三国同盟が締結される。これによって今川氏・北条氏・武田氏はそれぞれ領土を拡大していき、武田氏は南信州に攻め入った。そしてこれが井伊家に思わぬ波紋を及ぼすことになる。諸行無常です!!
直平はうれしそうに次郎のところにやって来て「亀之丞を呼び戻すぞ」と喜びを伝えます。
直盛は政次に亀之丞が帰ってくることを告げ、奥山家の娘との縁談も消滅することを伝えます。政次にはなんとも言えない感情が伺え、無念さが一生さんの表情によく読み取れます。
・政次は縁談の取り消しを次郎に伝えます。次郎は「亀之丞が帰ってくる日が来ぬと思っていたので心構えがない」と言い「亀が戻ったところで出家の身なのでなんのかかわりもない」と平静を装うのでした。政次は「亀之丞の竜宮小僧になるのではなかったのか」と揶揄するのでした。「あんなものは子供の戯言じゃ」と言いつつも気になるようで、政次は「直満にそっくりになっているのではないか」と冷やかすと次郎は「そうとは限らぬ」と反発。直次に指摘され自分の煩悩に唖然とし、煩悩を振り払うように一心不乱に修業に励むのでした。
次郎は夢で亀之丞に抱き締められるがその亀之丞が直満そっくりで悲鳴を上げる始末です。()邪気を払うように一心に修行に励むのでした。イメージ 8
・井伊一家が亀之丞の帰りを心待ちしているところに、亀之丞が井伊谷に帰還しました。亀之丞は出迎えの一堂に堂々たる若武者ぶりで「井伊亀之丞帰参いたしました」と挨拶、満面の笑顔を見せます。直平が抱き寄せ、そして直次との再会を喜びます。あまりの変化にお互いに戸惑っているようです。
そして、亀之丞の帰還を祝す宴が井伊家の居館で開かれ、亡命先の南信州の松岡氏や亀之丞の元服の話などしながら一同、祝いの夜に酔いしれるのでした。
亀之丞の元服の儀が話題になり「井伊家で行う」と言い、烏帽子親は新野と決まります。亀之丞は席から抜け出し龍潭寺に急ぎます。イメージ 10
・山籠りから疲れて戻った次郎は差し出された足だらいと掛布を受け取ると足を洗いはじめ、山籠りの感想を聞かれ「動揺せずに合える気がする」と答える。頭を挙げると、なんと亀之丞が。不意に亀之丞と再会した次郎は突然のことで思わず顔を伏せてしまうのでした。
イメージ 9ふたりは昔のように話し始めます。亀之丞が「おとわが縁談を断って出家し、自分の竜宮小僧になるということは南渓和尚の便りで知っていた」と言い「どんな苦難もおとわの顔を思い浮かべて乗り越えてきた。おれが戻ってこれたのはおとわの御蔭だ」と話し掛ける。と、次郎は「本当に感謝してくれているのならば、父を助けて欲しい。父の養子になって家を助け、妻を娶って子をもうけ、両親や井伊谷のみんなを大いに喜ばせってやってほしい。われはここで竜宮小僧しておる」と一気に想いを口にするのでした。長く離れて生活し、お互いに思い合う気持ちはあっても、現状を理解し得ないもどかしさがあります。すると亀之丞は「還俗をして、夫婦になろうではないか」と言い寄るのでした。さあ、次週「初恋の別れ道」、楽しみです。
記事1 20170206
NHK「直虎」いよいよ柴咲コウ登場16・0%
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170206-01774763-nksports-ent                      *******