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「スノーデン」(2016)

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この作品を観る理由は、これまでのいくつかの作品を観てきましたが、オリバー・ストーン監督作品であることです。
アメリカの国際的監視プログラムが暴露され、その情報を提供したのがたったひとりの29歳のNSA職員であったという衝撃的なニュースはまだ耳に残っています。

本作はこの人物エドワード・スノーデンが何故、恵まれた処遇を捨ててまで、この決断にいたったかが描かれ、彼の行為が英雄なのかそれとも国家の裏切り者なのかが問われます。本作も「プラトーン」「7日4日に生まれて」作品にみられる米国の良心を問うというもので、監督の考えが明確に表現されています。
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物語は、2013年6月3日、NSA(米国国家安全保安局)の最高機密を盗みだしたスノーデンが、政府から追われ緊張した状況のなかで、香港のホテルで、ドキュメンラリー作家ローラ・ポイトラスと、ガーディアン紙のコラムニスト、グレン・グリーンウォルと出会い自らの経歴を語るシーンから始まり9年間の彼の秘密諜報活動が語られます。

アメリカ政府が対テロ諜報活動の名のもとに世界中のメール、チャット、SNSを監視、膨大な情報を収集して対テロ以外の経済活動、個人生活さえも侵しかねない諜報活動を行っている実態が明らかになります。彼はこのことで祖国を追れロシアに亡命、自らTV出演し秘密情報暴露という行動の是非を全世界に問います。

スノーデンが関わった情報活動の告白がメインでドキュメンタリーのように展開しますが、彼の決断に重要な影響を与えた恋人リンゼイ・ミルズとのなれそめから彼を支え苦しむ姿が描かれることでヒューマンドラマとなり、私生活が監視される恐怖に襲われストレスに苛まれるふたりが自由に生きて行こうとすることに感情移入でき、彼の採った行動に共感を覚えます。
現在まだ継続中の事件だけに、予算的な制約あるいは詳細を描くことは難しいとも思われますが、うまく作られた作品だと思います。
 
スノーデン役のジョセフ・ゴードン-レヴィットの知的で繊細、誠実さを感じさせる演技。恋人リンゼイ役シャイリーン・ウッドリーの明るく、カメラやダンスを楽しむというクリエイチブな人柄を表現する演技は、この物語の説得力となる「自由でありたい」を象徴しており、作品にふさわしいキャステイングであったと思います。
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物語、
2013年、香港の高級ホテル。「どうワニはどこ」とある男を待っているドキュメンタリー作家のローラ・ポイトラス(メリッサ・レオ)とガーディアン紙の記者グレン・グリーンウォルド(ザカリー・クイント)の前にルービックキューブを持った男が現れ、彼に案内され秘密の部屋に。やっと会えたと挨拶もそこそこに、盗聴されると携帯を取り上げ電子レンジの中に保管し、私の名はエドワード・スノーデン29歳、身分証明者を提示しNSAの契約社員、かってCIAに所属し・・と9年間の活動を、この間にも彼の行動を監視しているかのような電話が入りこれに怯えるように、話し始めます。彼の告白は・・・

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〇陸軍での特殊部隊訓練
2006年、9・11同時多発テロで危機感を抱き国家の役に立ちたいと陸軍に入隊し厳しい特殊部隊の訓練を受けているさなか、疲労骨折で両足を骨折して除隊となります。彼は根性のあるやつのようです。なんとか国家に尽くしたいと今度はCIA職員の試験を受けるという愛国者です。
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ここではポリグラフを使っての面接試験。「好きなことは」に「テクノロジーと外国語だ」。「なんでCIAを」に「極秘情報を取り扱うのが恰好いい」と答えると「不合格」と判定されるがが「今は平時でない。テロを見つけるにはお前がいる」と指導官のコービン・オブライアン(リス・エヴアンス)に資質を見出され“ザ・ヒル”と呼ばれる訓練センターに送られます。
 
〇CIA“ザ・ヒル”での特訓
四方八方監視装置が張り巡らされるセンターにやってきて、エニグマなどの暗号解析機や初代のコンピューターを見せられ「人生の楽しみはコンピューターだ」とコンピューターに関する特訓を受けます。
「再び9・11が起きたらお前らの責任だ」と「各都市を繋いでハッカーを破壊せよ」という課題が与えられ、規定時間40分を38分で終えコービンのお気に入りとなる。
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休暇を利用してワシントンDCに帰り、カフェーで交流サイトで知り合ったリンゼイに会います。散歩しながら語り合う。「仕事は国務省、分析だ」と言い、趣味の話など、ふたりとも日本が好きて「攻殻機動隊」がお気に入りだった。共通の趣味を持っており相性がいい。盛んに彼女はカメラで彼を取ります。街頭で政府批判の署名を求められると彼は「国には反対しない」と断りますが彼女は「国に疑問を持っている。君は一方に偏り過ぎている。わたしはリベラルよ」と言いながらキスをします。明るい、しっかり考えを持った女性のようです。

ある日、教官であるハンク・フォレスター(キコラス・ケイジ)から「逮捕状なしの捜査は可能か」と質問され「新聞は一方しかみない。FISA(外国情報監視法)は我々の味方だ。捜索は合法だ」とインターネット内の犯人捜査法を教わり、同志の証としてルービックキューブが渡される。スノードンはここで恐ろしい国家の監視体制があることを知ることになります。

コービンにネットワーク諜報について聞くと「お前は中東には送らん。真の敵は中国、ロシアだ。智恵が必要だ。政治に賛成でなくてもおまえは愛国者だ」と言われ、2007ジュネーブアメリカ国連代表部に勤務を命じられる。

ジュネーブアメリカ国連代表部に勤務
スノーデンはCIAネットのネットセキュリテイの維持を任されるが、プリズム(通信監視プ
ログラム)でグーグルチャットを検索する現場を目にする。
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彼はパ-テイーでパキスタン人の銀行家で政府に通じている男の紹介を受ける。この男の正体をエックスキースコア(世界中のインターネット上の個人データー収集システム)で見せられる。妻が下着姿になってる映像や15歳の娘の男関係、その男の女性関係などの個人情報を見せられる。スノーデンはこのシステムでテロとは全く関係ない人物の行動を収集しスパイとして抱き込む手口に利用していることを知ります。

スノーデンはリンゼイとセック中にパソコンのカメラが作動していることに気付き、盗撮されているのではないかと不安に駆られます。
ある日オバマの大統領戦演説を聞いて、リンゼイが「彼が勝ちそうだ」と言う。そして「これなに?カメラに絆創膏」。彼は「誰かがリンゼイを監視している」と話し、実はCIAを辞めることを告白します。彼女はわかったと返事し「オバマが勝つね。当確がでた」と喜ぶのでした。
オバマがTVで「情報を隠すことなく公開する」と公約している。これでひと安心し、民間IT企業の契約社員として働いていたスノーデンは、日本には憧れがあり、NSAの要請により日本で働くことになります。

〇東京横田基地勤務
2009年、政権が共和党から民主党に変わったこともあり心機一転、横田で新たな監
システムプログラムを作成します。この映像なかには自衛官の姿が見られる?「このシステムは、国民の監視が違法だと言うが、密かに作り上げられ日本はお終いだ」と言われるもの。G-8を制するために各国の当事者を追跡するよう指示を受ける。スノーデンは「どう考えてもこれはテロと関係がない。俺が守るのは米国の権威だけだ、テロの監視を命じられたときはうれしかった」とこの仕事を志願した頃を思い出すのでした。NSAによる監視は全世界の電話を調べており、それはテロリストや国だけでなく市民にも及び明らかにテロ目的を逸脱するものになっていた。
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リンゼイは一緒に日本にいたが、仕事のことは話せず、ふたりの関係はまずいものになっていった。仕事が終わりに近づき富士山に登る約束を楽しみにしていたが、彼女はメリーランドに帰ってしまい、孤独に悩む毎日を送ることになります。

2011年、メリーランドのリンゼイを訪ね自分が変わると約束して再び生活を共にすることにし、CIAのコンサルタントに戻りました。コービンから「中国の監視だ。現代の戦場はここだ。秘密が勝利につながる。ハワイではおまえのアクセス権がもっと広がる。サイバーテロ対策について欲しい」とハワイにあるNAS工作センターへの勤務を持ちかけられ、ポリグラフテストを受ける。
リンゼイにハワイ勤務を話し合意の上でハワイ勤務を受諾することにしますが、料理中に倒れ、てんかん症と診断される。医者にストレスを減らせと忠告されます。

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〇ハワイにあるNAS工作センター勤務
2012年、ハワイ・オアフ島にあるNSA暗号解析所(トンネル)に出勤すると、友人トレバー・ジェイムス(スコット・イーストウッド)に会い自分が横田基地で開発した監視システム:エビックシェルターがドローンによる爆撃のシステムとして使用されていて、ここではハートビートと呼称されていることを知り「もっと別の目的に使っていると思っていた」と不満を口にします。
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ある日リンゼイとハイキングに出かける。例のように彼女は沢山の写真を撮る。「薬は止めた、2か月前だ、だから頭がぼ~としているんだ」と話すと健康を気にしてひどく怒り出し口論となる。「政府は中国ハッカーに何億ドルもかけている。この仕事は俺がやらねば誰もやらん」と説明しても聞き入れない。「議会では民間情報を収集しているのが問題になっているよ」と彼女が言うので「国内情報はロシアの2倍だ」とその実態を口にする。

夜のパーテイーで、スノーデンが「仕事でも犯罪なら捕まる」と話しているところにドローンが突然落下して、これは俺の全部が収集されていると気付き卒倒する。このことでコービンを訪ねると、中国のハッカー潰しを褒められが「ハートビートのことを話したか」と問われる。「言わん」と返事すると「前回のポリグラフでは捕まっていない。FISAの話はしたな、うそはいかん」と言われ「国家情報局長は嘘をついている」と答えた。

「無許可アクセスをしたか」と問われ「した、ジュネーブで。リンゼイのことをねたんでやった」と白状すると「リンゼイのことは知っている。彼女は他人と寝たりはしない」と言う。ここで、スノーデンはジュネーブ勤務以来自分の私生活が当局の監視下にあることを知る。
帰宅して彼女のパソコンと携帯を点検し「君は監視されている。この家も監視されている。CIA長官だ。話せば君が危険になる、君を道連れにしたくない。しばらくメリーランドに帰れ」と告げます。しかし彼女はこれを拒否する。
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遂にスノーデンは政府を告発する決心を固め、トンネルに出勤すると、すでに軍関係者が訪れパソコンを調べている。異変を感じ、自分のパソコンのメモリーを取り出してルービックキューブに隠し、警備を巧みに潜り抜け持ち出しに成功、晴れやかな笑顔を見せるのでした。
当局の追跡を逃れたスノーデンは、香港でローラ・ポイトラスとグレン・グリーンウォルに会い、冒頭のシーン、「自分のやってることが間違っているか世間に問いたい」と自分の関わった情報を説明します。

2013年6月6日ガーデイアン紙で米国が秘密裏に構築した国際的な監視プログラムの存在が暴露され、6月7日オバマ大統領はこのプログラムを防護する声明を出す。イメージ 10
6月9日自らTVに出演し「自分は今高給取りだがこれを捨てて機密情報公開に踏み切った行為について、皆さんの判断を仰ぎたい」と語り掛けます。
6月19日、香港を脱出しロシアに亡命。講演会に登場し、「国の安全を守るためには基本を守ること。ネットは自由であること。ハワイを出て全てを失った。安定した生活、恋人、全てを失った。しかし、新しい生活が私の幸せ。明日を心配しない自由を得た」と晴れやかな顔を見せるとその勇気に万雷の拍手が送られます。

追記:スノーデンは現在ロシアで妻リンゼイと共に暮らしていますが、オバマからトランプへの政権交代で、ロシアが米国に引き渡すのではないかとの憶測が流れています。この事件からまだまだ目が離せません。
*スノーデン容疑者の弁護士、米への引き渡し検討報道を否定
20170212 13:22 発信地:モスクワ/ロシア

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