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第10回「走れ竜宮小僧」

朝利斬殺事件は次郎の取りなしと直親の裁定で政次の正当防衛ということで井伊家分裂の危機は幕引きとなる。次郎は両家の和解が進むようにと、また、元康の謀反により絶対絶命の瀬名救援にとがむしゃらに走りまわります。
直親に嫡男が誕生。政次がかっての直満の所領地を虎松に返上したことで、井伊家と小野家の関係は直満殺害事件前の状態に戻り、直親と政次の関係も幼い日に戻たようにみえますが、直親の政次に言う「俺は信じたぞ。鶴。これで検地のときの借りは返したからな」という言葉、ふたりは貸し借りを気にする間柄?これからのふたり、心から信じきれるか、不安です。一生さんの信じようとする繊細な表情演技がすばらしい!
そして、南渓より先に駿河に向かい瀬名を助けようとする次郎の勇気ある行動、一途な思いはわかるが今川氏の恨みを買い井伊谷を襲われる可能性もある。竜宮小僧だからでは収まらない大人の料簡が問われることになりそうです。

〇朝利刺殺の顛末
朝利を刺した政次は失意のなかで龍潭寺に次郎を訪ねていた。そのころ祝田村に戻った直親と“しの”は奥山朝利の亡骸を見てびっくり。しのは「仇を討って欲しい」と訴える。直親は床や壁の低い位置につけられて刀傷を見て“もみ合っての出来事ではないか”と感じ、「このことは心の外に追いやってくれ」と“しの”の気持ちを引き取る。孫一郎が「奥山家としては小野を討つ所存だ」と直親に伝える。

次郎は政次の傷の手当をしながら事件に経緯を聞きます。「朝利は、政次を呼び出し『亥之助と“なつ”を奥山家に戻せ』と迫るが物別れに終わり帰り際に、背後から脇差で襲ってきて腕に傷を負わせ、臥せった政次を何度も脇差で刺しにかかり床や柱に傷を付けながら揉み合っているうちに脇差が朝利の腹を刺さった」と述懐し、「父政直と同じように直親の父親を奪った、直親は俺を許すと思うか」と沈痛な表情。次郎は「何とかせねば!竜宮小僧の務めじゃ」と手負いの政次を寺で匿い、走りだす。

奥山家では、政次を討つと待っているが直次が屋敷に戻らない。中野直由は「逃げたのがなによりの犯人の証拠だ。今川が倒れた今こそ、政次を成敗するとき」と言い出す。井伊家には政次に対する不信感が常に付き纏う。なにかあればこのように噴き出す!!
イメージ 1そこに“なつ”が千賀に付き添われてやってくる。“なつ”は皆のまえで「小野の兄上の名代としてきました。今回の件、わたしが小野家から戻りたくないとわがままを言ったのが原因。兄上さまを通じてこのことを伝えたが、父が聞く耳を持たなかったのが原因です」と政次の無実を訴える。
孫一郎が「亥之助を人質に取られているからそう言うのだろう」と責める。これに“なつ”は「亡き殿さまは、玄蕃様と私に、井伊家の者たちを繋ぐ架け橋となって欲しいと仰っていました。この役目を玄場蕃様亡き後わたしが継ぎたいと思います」と直盛の遺言を伝える。これに千賀も「亥之助のことを考えて欲しい。このままでは父の家と母の家が殺し合うことになり、この先亥之助が生きにくくなります。今回の件は亥之助のために目をつぶってほしい」と懇願するのでした。
この姿を見て直親は「政次は刀を抜いていない。脇差は舅のもので、床や柱の傷から振り廻したものだろう。政次は身を守るために仕方なく斬ったのではないか。悔しいが、わたしはこれを咎めることはできない」と決を下し騒動を収束させます。
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小野家に帰った“なつ”がこのことを政次に伝えると「これからはしっかり亥之助を守っていく」と誓うのでした。難しい立場の“なつ”:山田沙弥加の優しさのなかに凜としたものが見える演技がよかったです。(#^.^#)

“しの”は咎めないという結果を聞いて怒りを露わにすると、直親は「憎むなら俺を憎んでくれ。父上の気持ちをもっと心配すべきであった。」と謝る。これを聞いて“しの”は泣き崩れます。“しの”の言うに言われぬ無念の気持ちがよく伝わる貫地谷さんの演技でした。

井戸端で直親に会った政次はかばってくれた礼をいうと「俺は信じたぞ。鶴。これで検地のときの借りは返したからな」と言う。政次は「亀、父上を済まなかった」と詫びると「あの状況なら俺も同じことをした」と言い去る。
「借りを返した」という言葉、ふたりは貸し借りで繋がっている?心・信頼感ではないでしょうか?

次郎はこのことで自分を責めているところに昊天がやってきて「日々是好日。良き日もあれば、悪い日もかけがえのない一日です」と声をかけます。これに次郎は「今日を限りに、もう二度とこのようなことは起こらなかったといつか振り返りたい」と応じ、一件落着を喜ぶのでした。
次郎は今回のことで怒りを露わにしている直平を鎮めるために川名に向かい「政次は朝利の怨霊を恐れ写経を始めた」と宥め、政次には「朝利の霊が獲物を探して本堂をうろついているから写経をするように」と、この事態をなんとか収めたいと涙ぐましい努力をするのでした。
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この冬、直親と“しの”に嫡男虎松の誕生。次郎は喜びとともに複雑な心境のようです。井伊家が喜びに沸くなか、政次は祝の品として、かっての直満の所領すべてを虎松に返上。こうして天文13年の直満殺害事件前の状態に戻る。直親は「心イメージ 4得た、但馬守。よろしく頼む」と応じ微笑みます。政次の並々ならぬ決意が見られるが両家の感情の対立は根が深く簡単には収まらないでしょう。

龍潭寺井戸で祈っているところに直親がやってきて、次郎は「井戸に水が湧くようになった。寅松の誕生を祝福しているようで井伊家をよみがえらせる男になるのでは」と喜ぶと直親は「政次がやってきて領地を返納した、これも竜宮小僧のおかげ」と次郎に感謝する。これに次郎は「今日のような日が、日々であるように。これが望みである」と返し、直親は「そのような日を井伊の姫にささげましょう」と誓うのでした。
〇瀬名のために走る次郎法師
岡崎城の松平元康は、今川方牧野成定の牛久保城を急襲し今川氏に反旗を翻すことが明確になる。元康の勢いは留まるところを知らず西三河の国衆は次々と元康に寝返るありさま。
駿河今川館では氏真が元康の謀反を知らされ「松平を皆殺しにせよ」と喚いている。

次郎は佐名や瀬名たちが人質になっているのではと心配し南渓をせっつくと「そんなことはお前に言われんでもわかっている」といつもと違って激怒。南渓も人の子、無茶を承知で瀬名救出に動く。直親に「今川に瀬名の命乞いに行かせて欲しい。元康は手打ちをすると思っていたがあてが外れた。表にはしないで迷惑を掛けない。次郎と一緒に行く。瀬名にとってたった一人の友だから」と駿河行を願い出る。
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次郎は南渓に先立ち駿府に出向き関川館で佐名に会うと「瀬名は今川館に幽閉され、いつ殺されるかわからない」と訴える。これを聞いて次郎は寿挂尼のもとに急ぐ。しかし、寿挂尼は「瀬名のことは聞き入れぬ」と次郎の言うことなど聞こうとしない。そこで瀬名から送られた文を見せ「夫はどうであれ、瀬名様は今川氏への忠誠心に溢れている」と訴えます。これに寿挂尼は「お前が岡崎に行って元康を説き伏せ、和睦が成立すれば褒美に瀬名とその子を助けよう」といつぞやのように交換条件を出してくる。
「それならば」と次郎は「瀬名とその子も一緒に岡崎まで送り届けて欲しい。もし、交渉が失敗したら自分もろともその場で斬り殺していい」と申し出る。この時、「上の郷城が元康の手に落ち寿挂尼の孫鵜殿長照が自害した」という報せが入る。寿挂尼は「せっかく来たのだから、瀬名に引導わたして帰るように」と命じます。

次郎は幽閉されている牢で瀬名と対面。瀬名は次郎が自分の命乞いにきたことを知って涙ぐみます。しかし、次郎から上ノ郷城の長照が討たれたということを聞いて「もう1年、殿に助ける気持ちはない」と覚悟します。そこに役人がやってきて「翌日、竜泉寺にて自害するよう」命じる。
イメージ 6井伊谷では直親と政次が次郎を心配しながら碁を打ってる。南渓を信じているとはいえ?
朝、次郎は食事前に「処刑は寺で行われるから逃げ出す隙がある。元康殿が駆けつけるかもしれない。たった一人の友だから、なんとしても助けたい」と瀬名に読経を勧め力強く励ます。
しかし、元康は現れず、役人がやってきて瀬名を連れていこうとする。井伊谷からやってきた南渓と傑山が今川館門前で見イメージ 7ているなかで、次郎は「寿挂尼様から命じられた引導をまだ渡しておらずきちんと念を払わねば祟りが残る」と騒ぎ立て瀬名を輿に乗せまいと立ちふさがるが役人に振り払われ転んでしまう。その時、猛然と馬が駆けこんでくる。瀬名と次郎の運命は?次週「さらば愛しき人よ」、楽しみです。
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資料 20170313
NHK「直虎」手負い政次に次郎法師奔走12・5%
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170313-01791187-nksports-ent