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「ひるね姫~知らないワタシの物語~」(2017)

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本作は、アメリカの国際的監視プログラムを暴露したスノーデン夫妻(2016映画化)の趣味である「攻殻機動隊」の神山健治監督オリジナルアニメ映画であること、そして舞台が故郷倉敷市でとても楽しみにしておりました。神山監督作品を観るのはこの作品が初めてです。
東京オリンピックを迎えた2020年。岡山県倉敷市に住む平凡な女子高生のココネ(高畑充希さん)は、自動車修理工場を営む父・モモタロー(江口洋介さん)と共に暮らしていが、ある日、父が突然逮捕される。父はなぜかスキャナーリーダー用タブレットを残しており、このタブレットを奪おうとする者が現れる。ココネは真相を明かそうと幼なじみの大学生・モリオ(満島真之介さん)と共に東京へ向かう。
ココネはよくひるねをしておとぎ話のような夢を見る。物語は現実と夢を行き来する不思議な世界観の物語になっていて、タブレットをめぐる争奪戦、これに隠された家族の絆がファンタジックで感動的に描かれています。

現実と夢の交差特に後段での夢と現実が混在することで、ストーリーがぐちゃぐちゃになりわけわからなくなるが、本筋(現実部)がしっかりしており、感動的な結末となっています。就中、エンドロールで泣かされます。(#^.^#)
どなたかと一緒に観られることをお勧めします。そして“ぐちゃぐちゃ”なところを語り合うといい。網のように張られた伏線が回収されていく様はおもしろい。何度か劇場に通うことになりそうです!

現実と夢を行き来するということで「君の名は、」と比較されるでしょう。この作品のテーマは家族の絆(三代にわたる)で、その背後にある社会構造の変化や企業改革に思い至るという(社会風刺的)、とても深みのある作品です。しかし、恋愛要素がまったく感じられない、絵の美しさ、キャラクターのユニークさやロボットバトルもいまいち(テーマに合っている?)。そこにストーリーの“ぐちゃぐちゃ”が加わり爽快感に欠ける。しかしテーマ性でこの作品を高く評価したい。この作品を観て、エンジニアを志す若者がひとりでも増えてくれるといいです。

土人からみると、下津井の風景は精密に描かれうつくしい、岡山弁も上品な岡山弁で完璧です。しかし、世界的に有名なジーンズ、最高にうまいママカリ、そして大原美術館が出てこないことに不満です。()
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物語、
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夢1
わたしの知らない物語として、ココネが夢見るおとぎばなしから始まります。まず、これにびっくりです。
昔々、ハートランドという国があって、人々はものを作るためにここハートランド城にある工場に向かっていた。ここは24時間体制で機械こそが人を幸せにすると信じ人が交代制で働いているが、渋滞がひどいため遅刻するのが常態で、交代の時間までに4時間しか働けないこともある。そして「いつまでバイクか、新車に乗れ。文句があるなら給料から天引き」、「新車に乗り換えろ」と常に新車に乗ることが義務付けられていた。すべては国王しだい。しかし彼にも悩みがあった。娘が魔法使いに生まれたことです。これ、昔々の話ではないです!!この作品の面白いところです。イメージ 3
娘エンシェン姫は魔法のタブレットと柴犬のぬいぐるみジョイを持って王様のまえで遊んでいました。6歳で町の車すべてを勝手に動けるように改造したため、大臣ベワンにタブレットを取り上げられる。エンジェンはそれが倉庫にあることをつきとめて取り戻し、大臣に追われベットに隠れている・・・ここでココネが目を覚ます。
西欧のおとぎばなしに出てくるお姫さまのはなしがとても美しい絵で描かれます。
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ココネは学校に行く準備をしている。今日は一学期の最終日。TVで「東京オリンピッイメージ 4
クまであと3日。完全自動化自動車でオリンピック会場に・・・」というニュースが流れている。父森川モモタロウーは車両修理費を電話で催促しているが回収は難しそうです。ココネの料理でふたりは朝食を終え、ココネは下津井の街を駆け抜け学校に急ぐ。イメージ 5
瀬戸大橋を遠望する風景が美しく、街の佇まいがリアルに描かれています。途中で、東京の大学に行ってる先輩佐渡モリオに会う。
モモタローは客の軽トラックに自動運転Naviを付けて「ハンドルだけは握っとれ、俺が捕まるから」と言い、修理費2000円だという。
学校のコトネは、修業中に(-_-)zzz
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夢2
ハートランド国の海に鬼怪獣が現れる。童話桃太郎がモチーフです。この国に生まれた災い。鬼がビルを舐め回す。ゴジラに見えます()
この国では鬼退治のためにエンジンヘッドというロボットを持っている。王はエンジンヘッドに出撃を命じ鬼との戦いがはじまる。そこにオートバイでエンシェン姫の友達ピーチが応援に駆け付ける。姫はハーツ(サイドカーで魔法で変形し人形ロボットになる)でやってきてピーチを乗せて鬼に銃で立ち向かう。鬼は飲み込んだイメージ 7
沢山の車を吐きだしている。姫は「やっぱりピーチ」と彼を下僕にする。エンジンヘッドはスターウオーズのAT―ST、ハーツはベイマックに似ている。そして戦いはスターウオーズ流。監督がスターウオーズの大フアンのようです。(#^.^#) ココネ、先生に揺り起こされて目覚める!
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モモタローが妻の墓参り。墓に「渡辺からタブレットわたさんかったら裁判するいうとるから、東京に行って直接話す」と話し掛け、マスコットのジョイを供えて去ろうとするところに刑事がやってきて連行される。
ココネは先生から父が逮捕されたことを知らされ警察署にいくが「なんにもわからん」と。母の墓に行くとジョイが置かれていて中にタブレットがあることを確認する。家に帰り母の遺影に「お母さんわたしの歳になにやっとったん」と話しながら(-_-)zzz
夢3
エンシェン姫がジョイと遊んでいるところにピーチが「機械に心を与えるプログラムはできたか」とやってくる。姫がタブレットで通信するとロボットが動きだしこれを見たベワンがタブレットを渡せと追ってくる。ここでココネ目を覚ます!
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男はやってきて家探しをしてジョイ見つけ持ち去る。そこにモリオが心配してやってくる。ココネはサイドカーに彼を乗せ男たちを追って、瀬戸大橋を使って、高松空港に急行する。ここまでくると夢と現実が繋がっていることに気付きます。
空港で犯人たちを見つけ、油断している彼等からジョイ・タブレットと彼らのバッグも一緒に取り戻しサイドカーで逃げる。モリオが「タブレットは車のスキャナーリーダーに使っていてメールが出来ない」と言ってるところにモモタローから「車のSNS?」というメールが入る。モリオは「なんであいつらこのタブレット狙ってんだ」と疑問を抱く。そしてバックの中に志島自動車の名刺があり「これは日本屈指の自動車メーカー、父さんからなにか聞いていないか」とココネに聞くと「お母さんは旧姓志島、事故で死んだと聞いている」と言う。モリオは「タブレットに特別な改造テーターがあるのではないか?」と疑いをもつ。ふたりは疲れて、サイドカー(-_-)zzz。
夢4
朝起きると、ココネはエンシェン姫になっている。そこに親友のタキージとウッキーがイメージ 9
「ピーチが敵兵に捕まった。助けて欲しい」とやってくる。サイドカーを飛ばしピーチの戦いに参加する。モリオが「これはお父さんが作った夢物語だ」と言い出す。「あんたにはわからない、これまで夢の中に出てこないから」とココネ。サイドカーは飛行機になって瀬戸大橋沿いに飛んでいたが、突然失速しだす。ここで目覚める!
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ココネ、目が覚めて「ここ、何処」と聞くと「道頓堀だ」。モリオがココネと同じ夢を見たと喜ぶ。「おとうさんがひとりで自動運転プリグラムが作れるのかな?」と話し掛ける。彼はタブレットの中身を理解したようだ。犯人たちにつけられていることを確認して、ガスケツでスタンドに立ち寄りここでモモタロウーにメールすると「こちらにあやしい髭おやじが来ている。いくみ(妻)のお父さんらしい。やんごとない理由があるらしい。駆け落ち結婚を怒っているらしい」。男たちが近づき「タブレットを渡せ」と騒ぐ。
モリオはサイドカーを、男たちをまくため自動運転プログラムをセットし、倉敷に帰す。
大阪新幹線駅で金に困っていると女性がやってきてキップや弁当を買ってくれる。ココネは「おかしい」というが?SNS
新幹線のなかで「いくみは大学で、お父さんとの確執で退学。すごい人だった」という父のメールが入る。お父さんとお母さんはどうして結婚したのかと考えていた。(-_-)zzz
ここまでくると全てが読めた感じです!結末を急ぎます。(#^.^#)
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夢5
ココネとモリオはハートランドにやってくると、鬼が現れ門が閉ざされてしまう。王の命でエンシェン姫とピーチがふたりでエンジンヘッドを作動させ鬼と戦い圧倒しているが、姫と王が言争っていて、次第にエンジンヘッドは劣勢になる。この戦いを観て、ココネが「あの話、私が主人公だと思っていたが、実はお父さんがお母さんのことを描いていた。お父さんに小さい頃抱かれてタブレットの使い方を教わった。おとうさんはお母さんことを何も話してくれなかったが一杯語ってくれていたんだ!」と思ったところで目が覚める!
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新幹線で東京に着く。ココネは、役員の渡辺の謀りで、会長志島には会えなかったが社外のベンチで「母がかって自動運転システムを提案しこれを拒否したため『心根ひとつで空も飛べる』の言葉を残して家出して結婚したこと。オリンピック開会式を直前に自動運転システムで困っていること。社内対立があること」を聞く。会長は「だからわしは鬼を倒さにゃならん」と王様になってハートランドへ。ここからは夢と現実が一体となり、鬼が社内の古い体質や改革への抵抗勢力に見えてきてこれとの戦いとなる。父モモタロウーもやってきて、ポンコツのエンジンヘッドに乗りペタルを漕いで、みんなの力を借りて、鬼を退治するというおはなし。めでたしめでたしでオリンピックの開会式は完全自動化自動車の登場で事故もなく成功裏に終わる。

エンドロール:イクミがモモタローと出会い、ココネが生まれ、自動運転車を作り出し、その車のテスト走行で亡くなるシーンがながれ、イクミの生き方と死の原因に感動することになります。
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       高畑充希が歌う「ひるね姫