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第12回「おんな城主直虎」

今川氏の罠により直親を次いで直平ら井伊直系の男子を失い、次郎は深い悲しみの中で直親の心をわが心として城主直虎として生きることにしました。深い悲しみから立ち直り強く生きようとする直虎:柴咲さんの演技に感動しました。
おとわは人の痛みのわかる純真で“がっつ”のあるが、全く政治、外交、まして軍事に経験のない人。祈りだけで城主は務まらない、なにを心の支えにどう変身するのか、今回がドラマのターニングポイント、力強いドラマになって来た感じ!!楽しみたいと思います。
政次が今川氏の目付として太々しく大きく変化して帰ってきました。「その面でよくぞ帰ってこれたな!」と思いますが、彼の言い分もわかります。今回の井伊家、直平、直由、左馬助の死に様をみていると情けない。(でんでんさん、筧さん、刈谷さんご苦労さまでした)
政次が、この井伊谷をどう生かすのか、領主直虎との関係においてその才覚をどう発揮するかと注目しています。
“しの”の悲怒りをどこに持ってゆけばいいのかわからない悲しみ・苦しみ。次郎に投げかけることば、忘れかけていますが、前大戦ではよく見かけた光景であるだけに身に詰まされます。
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〇直親、無言の帰還イメージ 2
駿河に向かう途中掛川城の手前で、井伊直親の一行は今川の手の者に不意を襲われる。一方、次郎は直親の無事を祈り、一心不乱に水垢離をしていました。直親の出番の最期、しっかり戦闘シーンが描かれました!直親の最期、井伊谷に向かい祈るように亡くなりました。次郎はそんな直親の幻を見た直後に意識を失い倒れてしまいます。
その日の夕方、傷を負った直親の従者によって「直親が討たれた」という訃報が伝えられ、これを聞いた直平は「弁明の余地も与えられないとは。最初から切腹を命じればよいではないか」と激昂します。
倒れた次郎は死地を彷徨っていた。訪ねて来た裕椿尼は次郎をあの世の直親が連れていこうとするのを感じ「直親、次郎の手を離せ」と懇願するのでした。

・南渓は傑山たちをつれて掛川に赴き、野ざらしにされていた直親らの遺体を井伊谷に連れ戻す。むごい殺され方に南渓、傑山がいままで見せたことのない怒りを爆発させる。悲しみが一気に伝わるシーンでした。

一方、次郎は三日三晩、生死の境を彷徨って目を覚まし、「殿のおかえりじゃ」の声にふらつきながら境内に向かう。
次郎が直親の遺体に近づき触れようとすると“しの”に手を払われる。「みな、すべて、なにもかも、そなたのせいではないか。よう、のこのことそのイメージ 3面をさらしておれるのう」と罵倒されます。なつが「姉は正気を無くしている」と謝りますが、次郎はその通りだと思い自分の部屋に閉じこもってしまう。
後日、葬儀が龍潭寺で営まれる。音楽がもの悲しい。次郎は憔悴のあまり参加できず井戸端で直親のために経を唱えるが、直親の「経を上げてくれ」が思い出され声が詰まるのでした。

〇氏真、井伊家に対する出兵命令
葬儀が行われているところに、今川から虎松の殺害を命じる文が届く。直平を始め家臣たちは虎松を逃がそうとするが“しの”がこれを拒む。そこで、佐馬助が“しの”に「一度虎松を預けなさい」と諭して、自分の命と引き換えに虎松の命乞いをするため駿河に向かう。

井伊の謀反に激怒している氏真はこれを許さず、切腹して詫びようとする左馬助に「元康の首をとれ」と命じる。井伊家は虎松を救うためにこれに従うことになります。この策はすべて政次が授けたものでした。
政次は「上宮寺で元康の家臣が狼藉を働き一向宗門徒たちの怒りを買っているという報告が三河の寺社から入っていて、この動きを煽れば元康の足をすくうことができる」と氏真に助言します。
イメージ 4すると、氏真が「おまえは悪いやつだのう」と褒めれば嬉しそうに微笑む政次でした。その後三河一向一揆が勃発し、元康は僧侶や門徒のみならず、家中の一向宗徒にも背かれることになり、元康の勢力は削がれ今川にとっての幸いとなったのでした。

〇直平、左馬助、直由の死
何も手につかないうわの空の次郎が、農民たちが竜宮小僧の手を借りたいという願いを昊天が断り農民が去って行くのを見ていると、南渓が「大爺様が戦に出るので届けて欲しい」と酒を持って訪ねてきます。イメージ 5
次郎が訪ねると直平、直由、左馬助が豪快に笑いながら酒を飲んでいる。次郎が「なんで戦に出る」と聞くと「元康の首を取って参れだ。われらの出番だ!」と気炎を上げている。「みなが亡くなったら井伊家はどうなるのじゃ」と問うと直平は「そうなった天命じゃ」と言い直由は「守るべきものを守るために死んでいける男は、果報者でござる」と言う。
直平は次郎に「一緒に飲みたかった。しかし、次郎が女でよかった、これで逆縁にならずに済んだ」と酒を注ぐのでした。
すっかり酔っぱらった次郎は井戸端で「井伊の一人子でありながら、男子でなく、誰かを守るでもなく、守るべき愛し子もなさぬ。無用な長物じゃ」とくだ巻いているところに南渓がやってきて、次郎の頭を撫ぜ憐れむのでした。
その年、直平は今川氏に謀反した天野氏の討伐に向かい陣中にて不審な死を遂げ、また、左馬助と直由も反乱を起こした引馬城を攻めて戦死しました。

〇政次の帰還
・政次が新たに指名された目付、近藤康用鈴木重時菅沼忠久を連れて井伊谷に戻ってくる。政次は「今川氏に捕られつらい目にあったが、直平・左馬助・直由による忠義が認められ戻ってきた」と挨拶します。
祐椿尼が「出来過ぎたはなし」と訝ると「太守様より虎松の後見となるよう命じられている」と立場を明らかにする。これを聞いた祐椿尼は南渓のもとに急ぎます。イメージ 6
・政次は井戸端で酒を飲んでいる次郎と再会し「直親の内通で長い間今川に捕らえられていたが、いよいよ井伊谷に統治者がいなくなったので戻された」とこれまでとは打って変わった高飛車な態度で話します。この態度に次郎は違和感を感じ「みんなが死んだのに政次だけがどうして助かったのか。直親は虎松が生まれこれで井伊を継げると喜んでいた。おまえが計画的に裏切ったのか、それとも裏切らざるを得なかったのか」と問う。直次は「恨むなら直親を恨め。へたを打ったのはあいつだ」と嘲笑し「何度も同じことを繰り返し井伊家は終わるべくして終わった」と言い去る。これまでと違った、大きく変化した太々しい政次を演じる一生さんの演技いいですね!

〇女子でこそあれ次郎
・南渓を尋ねた祐椿尼。祐椿尼が「虎松の後見になって欲しい」と申し出ると「“次郎名”は井伊家の家督を継ぐ名だ。あれは女子でこそあれ次郎、次郎の器じゃと思わぬか」と言う。
次郎は政次を討とう昊天の槍を持つが、南渓に「行くぞ」と急かされると「直親は死んだ、我は最悪をもたらすだけ。これ以外われになにが出来る」と地に槍を叩きつけ(自分では討てぬと)無念がる。寺の小僧の「次郎さまは井伊谷の竜宮小僧ではないのですか」というひとことで思い止まる。帰還した政次の物の言いようからすればこのくらいの怒りを感じるだろう。大きく変化していく次郎の心が読めるようです。
ここで、次郎は「自分を責めたところで死んだ者は帰らない。偲ぶことで生きている者は死んだ者を自分の中に生かすことが出来る」という南渓の説教にはっとする。
自分が竜宮小僧になることを喜んだ亀を思い出し、「亀に、この身を捧げる。亀の魂を宿し、亀となって生きていく」と決意するのでした。
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南渓によって虎松の後見は井伊直虎が継ぐことが発表になる。聞いたこともない名に家中が驚くなか、祐椿尼がおとわが夫婦約束が決まったときにと準備した華やかな衣装で直虎こと次郎が現れる。直虎誕生です、さあここからどう領土を治めるか。つづく
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記事 201170327
NHK「直虎」直親死す、おんな城主誕生12・9%