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第14回「徳政令の行方」

政令の要請を拒否する直虎とこれを求める農民たち、彼らを裏であやつる政次との戦いが描かれました。直虎の現地に赴き言葉を尽くしての説得と共に働き汗を流す姿勢が農民の心を掴み、政次の企みは敗れるという結末にです。
農民の直訴など剣と馬で踏みつぶす時代に、直虎が家族や農民を思う愛と智恵で危機を乗り越えようとする姿は、今を生きる我々には共感を覚えます。
勇気なくして難事業を実行することはできない。何をも為すことなく亡くなった直親への愛が直虎の大きな勇気になっていることに涙がでます。直親を想うときの直虎:柴咲こうさんの顔がやさしい!
柴咲こうさんの熱演で痛快な女城主の物語になりました。おもしろい!!
イメージ 5裏がありそうで断固とした方策がとれない政次にいらいらさせられます。政次は智恵があるが、今川氏の目付としてどうありたいのか覚悟が見えない。常に他人に振り回されている。自分で自分の人生を作ることが必要だ。政次;一生さんの、直虎にやられて「(おとわの性格は)知っている」と呟く表情が昔に戻ったようでおもしろい。
戦闘シーンに代わって泥まみれになり田植えをするシーン、大河でこれほど田植えを映した例を知らず、土と格闘する農民の苦しみや喜びが伝わります。
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〇政次の策略
政次のそそのかしで、農民たちは祝田村の峰前神社の禰宜に相談して今川氏に徳政令の発布を直訴する。百姓は今川氏の支配を望むことになりかねない事態となります。
政次は瀬戸村の所有者:新野家の娘あやめと瀬戸村の所有者:しのを「直虎は素性のあやしい商売人に土地を売り渡そうとしている」と煽ぐ。このことを聞いたふたりは怒りを露わにします。直次は「わたしを虎松の後見者に任せてくれれば、村を返す」と約束するのでした。
数日後、今川の家臣が書状を届ける。政次はこれを受け取り「家康は三河一向一揆で農民だけでなく家臣にまで刃を向けられ四苦八苦している」と内部からの反逆の恐ろしさを直虎に語るのでした。

〇直虎の策略
直虎は「政次は農民を扇動して井伊家を潰そうとしている」と読んで、ふたつの村を方久から龍潭寺に寄進させます。これは「仮名目録」に書かれている「寺領には守護不入」を逆手にとり今川氏は手出しが出来ないようにしたもの。イメージ 4
一方、政次から入れ智恵されていた直之と六左衛門は「瀬戸村と祝田村を返し、方久を家臣の列から除かないかぎり、直虎を領主として認めない。但馬にやってもらう」と激しく直虎に抵抗します。
政次がやってきて今川氏の書状を「高利貸しから民を助けるために井伊から徳政令を発布して欲しい」と言い添え、差し出します。これに方久が「ふたつの土地を龍潭寺に寄進した」と答えます。
直虎と方久はあらかじめこのことを打ち合わせしていたのでした。政次は「今川の達しをはねつけなさる、駿府にその旨連絡する」と言い去る。これに直虎は厳しい目を向けるのでした。
直之は激しく直虎に抗議する。これに「信頼できない政次より、金もなければ人もいない井伊家を生かすには成り上がりの方及のような才覚のある者に村を託すのがよい」と説きます。が、直之は「村を返さないのであれば後継者は政次だ」と言い席を蹴って帰る。
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政次は禰宜に指示を出し、禰宜から農民に「徳政令を今川が出そうとしたが、方久と直虎が骨抜きにした。そなたらは方及に売られた」と煽る。農民たちに「方久を襲撃し人質にとったら!」と策を授ける。

〇直親の力を借りる
直虎の目に隈が出ている。寝ずに考えた結果、母祐椿尼に「母上の化粧料地をあやめと“しの”に与えたい」と願い出ているところに、「方久は拉致された」と伝えられる。
直虎は「おのれ!政次」と飛び出す。力強い男のような直虎、柴咲さんに似合っています。(#^.^#)
瀬戸村に甚兵衛を訪ねるが姿が見えない。これを逃散と言うらしい。この言葉を知るだけでもこのドラマは役に立つ。() 寺では傑山と六左衛門が心配している。
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直虎は村中を回ったが誰も居ない。田の水に手を入れると悔しさがこみあげてくる。万策尽きた直虎は百姓たちの要求を受け入れることにして、峰前神社で徳政令の発布文を起案する。百姓のふたりがこれを覗いている。
書き終わると、そこに亀がやってきて徳政令文の上に乗っかり、どけない。むかし「喜びに満ちた日々が続くように」と言うと「それがしは、さような井伊谷をおとわ様に井伊家の姫に、捧げましょう」と答えた直親のことを思い出します。直虎:柴咲さんがとてもきれいな顔になっています。

〇直虎の農民説得
直虎は発布を取りやめ、瀬戸村にとって返しそこで発見したものは、苗代で田植えを待つ稲の苗でした。寺に帰って傑山に「これから瀬戸村を取り返す。今は田植え時期、苗を植えなければ百姓にとっては悔やむ。田植えをする姿を見れば必ず出てくる」と話し、共に夜間、瀬戸村に出発する。この話を聞いた村人たちは「苗が育ちすぎて困る」と田植えのことを心配しだす。
 
禰宜が「直虎は書状を書かずに帰った。田植えの時期で戻りたい者がでている」と政次に伝える。政次は「農民が動いている」という報告を受け「小野村から人を差し向ける」と嘯く。
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直虎らの夜間に瀬戸村に入り田植えが始まる。これを聞き戻ってきた甚兵衛らは「こんなことで騙されないぞ。方久に土地を売った」と抗議する。これに直虎は「たしかにわたしは、瀬戸村と祝田村は方久の土地とした。だが、それは井伊家の借金を返すものではなく、おぬしらの返済のためでもあるのじゃ!」と話し始める。しかし、農民たちは「それでは借金がなくならん。徳政令の方がいい」と言い張る。
イメージ 7直虎は「目先の話ばかりするな!徳政で謝金は消えるがその後はどうなる。凶作になったらどうする。方久は欲深い。借金を棒引きにはしなかったが、村を任せればいまより潤い、おのずと借りが返せるような仕組みを作ってくれる。われと禰宜のどちらを信じる。方久はまことのところわからんが、銭の犬。むがいなことはせん。われは信じている」と説得にあたる。柴咲さんの熱演でした。

〇説得に成功
直虎は「清風払明月、明月払清風。風と月は対立するのではなく、一体である。我もみなとそうありたいと思うておる。われは、みんなとそういうふうに村をつくりたいと思うている。みなもわれとそんな風にやっていきたいと思うてくれないか」と諭します。
イメージ 3これを聞いて「申し訳なかった」と村人が田植えに加わる。甚兵衛が「生涯尽くします」と謝る。直虎も泣きながら礼を言い涙を拭くと顔に泥がついて、笑いで一体感がでて、これを見る六左衛門も田に入り泥だらけになり、みなさん熱演でした。こんな百姓を描いた大河ドラマを知らない。(#^.^#)
これを見る禰宜は政次に「やっかいなことでございます」と言うと政次は恨めしそうに「知っておる、昔から」と漏らします。

農民に何かないかと希望を聞くと「字も教えてくれ」と言い出す、直虎はあの願い文の拙い文字を思い出す。方久はまだ括られたままでした。()
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祐椿尼があやめとしのに自分の化粧料地を与えることを伝えます。あやめは喜ぶがしのは祝田村に拘ります。なつは姉しのの態度に困惑するのでした。

龍潭寺の南渓と直虎。直虎は「徳政令を書こうとしたところに亀が出てきて、書くのを止めた」と話すと「竜宮小僧ではないか?亀を放ったのは」と答える。これを聞いて直虎は「また手助けしてほしい、一番大切なことが残っている」と言うのでした。

〇今川氏の怒り
駿府の今川館では寿挂尼が「出家あがりの女子に手を焼くとは」と政次を責め「二度までも沙汰に背くとは、これは謀反の意ありと疑われても仕方があるまい。直虎を駿府へ申し開きに来させよ」と命じます。
かっての直満や直親に起こったような悲劇が、直虎のもとにも訪れようとしているのでした。          ・・つづく・・
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記事 20170410
おんな城主 直虎>第14回視聴率は12.9