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第16回「綿毛の案」

赤毛のアン」ならぬ「綿毛のアン(案)」。井伊の財政を潤す次なる策「綿栽培事業」で、人手集めに奮闘する直虎。持ち前の積極性、勇気、決断、実行力でなんとか人が集まり始める。おそらく井伊を支える大きな事業になるのでしょう。ここでも、直虎は思いついたら諦めない何度でも挑戦する逞しさがすばらしい。
武術で鍛え戦さで育つ城主を描くのではなく、綿栽培事業のための人集めから立ち上がる“おんな領主”の成長を描くという森下さんの発想に拍手です。

面白いのは「戦の情報を求めてやってくる者を誘う」という政次の案に“妙案”過ぎると嫉妬し「政次に後見を譲ってもいい」と見せる弱音。こんなに繊細な人であったか?やはり“おんな“城主です。この弱音がバネになります!
直虎は自分が人を統べる資質にいかに優れているかがわかっていない。ここがいいところなんですが、すばらしい実行力を有する直虎に求められるのは優れたスタッフを持ちこれを活用することです。良い例が方久、政直をうまく活用することですが、そのうち気付くでしょう。
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水場で出会った男。この男の不思議な魅力を、柳楽優弥さんがおもしろく演じてくれました。この魅力が直虎の心を捉え、「人は買え!」という“ひとこと”を受け入れることになりました。この男が統べる龍雲党は金山で働いていた者、木を切る技術をもつ者、船乗りの経験のある者と、とても面白いメンバーで成り立っています。直虎にとって大変な力になるかもしれません。

政次、なつの気持ちを聞いて、井伊のなかにあって味方がいないだけに、嬉しく思ったことでしょう。なつは政次と”しの”を直虎に繋いでくれそうですね!
なつの井伊に尽くすという覚悟の気持ちを作ったのは政次であり、政次の気持ちがなつに時間をかけて通じ合っていく様に感動します。山口沙弥加さんはいい役に巡り合えましたね!
茶屋での賑わいや直虎らの噂芝居(トラランド)、今までにない大河、笑いがありとても楽しめました。
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〇徳政令の次は綿栽培イメージ 5
直虎は、駿河から無事帰還し瀬戸村の方及の屋敷を「銭の力は借りられなんだがやっと帰ってきたぞ」と訪れると、方久がよい話があると「木綿は柔らかく丈夫で温かい。麻に代わる、これを井伊家で作ってはどうか」と綿栽培事業を提案します。直虎は「そなた銭の犬じゃ」とこの案に即座に賛成、実行しようとします。

〇人集めの開始
甚兵衛に綿を作るよう命じますが「売るほどつくるには人手が足りない」と言う。「人手ばかりはどうにもならない」とあきらめかけていると、直之が「戦では人を借りることがある。あくまで戦の時の話だが、平時に借りるなどの珍妙な話は聞いたことがない」と言う。直虎は「やってみなければわからない」と言い、さっそく行動を起こします。
イメージ 7翌日、六左衛門を連れて親戚筋の鈴木重時に当たるが「当方も人手が足りていないので」と断られる。夕食時、見かねて六左衛門が「但馬様の力を借りてはどうでしょうか」と勧めますが、「但馬だけには頼みたくない。」と硬く断るのでした。

〇政次、井伊に帰還
このころ政次も井伊谷に帰ってきて、“しの”を訪ねます。「一筆を頂いたのに、このようなことになって、あの脇の甘い女子のこと、必ずボロを出します」と詫びると、「その脇の甘い女子にしてやられたのであろう。そなたも、今川も!」と横柄に答えるので政次は「あまりあちこちにかみつくと、頼りを失いますぞ」と強く釘をさします。
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屋敷に帰ると、なつと亥之助が居て「新野の家を出て、ここに住みたい」と言う。「井伊家からの風当たりはきつくなるがそれでもいいのか」と問うと、「お役目も励みがいがあるということですね」と笑って答えます。政次は「似ておらぬ姉妹じゃ」と呟くのでした。

その翌日、政次は井伊家の館に今川から戻った挨拶を出向きます。そこには直虎の姿はない。直之に確認すると「六左衛門と物見遊山に出ている」と言う。
政次は、自分の知らないところで何かを始めたのだろうと峰前神社の禰宜に当たり「直虎は綿を育て始め、人手が足らず走り回っていること」を知ります。

〇水浴びする男
直虎は井伊の館に戻ってきて「鈴木に断られ、次はどこに頼もうか」と口にすると直之が「領主にとって百姓は飯の種。貸してくれる人はいますまい」と解ったように言うので、これを聞いた直虎は「最初からそのように説明しないのか」と、いつものふたりの言い合いになる。「もうよろしゅうございます」と直之が引く。
六左衛門が「但馬守に相談してはどうですか」と再度促するが、「政次だけには相談はしない」と突っぱねるのでした。そこに方久から「畑に綿の種をまいたので見にきてほしい」との手紙が届きます。

直虎たちは翌日、瀬戸村に向かう。甚兵衛は「世話をしているのだが、芽が出ない」と言い「方久様に言われた通りやって、育て方は間違っていない。土が合わないのかもしれない」と訴えます。
これを聞いた直虎は「ほかの村なら育つかもしれない。余っている百姓を探すのと一緒に、それも頼んでみよう」と、再び直之と一緒に村をまわりはじめます。
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井伊谷中の村を回ったが余っている人手など見つからない。疲れて休憩中、水を汲みに行くとふんどし一丁で歌いながら水浴びしてる男に出会う。一風変わった風体男で「旅をしている」と言うから「百姓が余っている村はなかったか?」と聞くと「人など買えばいい」と素っ気なく言う。「これで人集めの結論は出た」と、汲もうとしていた水も忘れ、慌てて飛び出していきます。「変わった尼様じゃ」と驚く男、直虎に興味を持ちましたね!

直虎が向かったのは瀬戸村。そこには方久や甚兵衛らがいて、先日は出ていなかった綿の芽が畑いっぱいに出ている。気温が暖かくなってきたので芽が出だしたのです。方久は「お金の匂いがしてきた」と喜びます。直虎も心配していただけに芽が出たことを喜び、「さあ、人を集めはわれの役目」と意気込むのでした
井伊の館では六左衛門が留守番をしているところに政次がやってきて、雑巾で六左衛門の額の汗を拭き頭の上に乗せ、緩やかに脅して直虎の行き先を掴みます。

〇人買いに、茶屋へ
その晩、屋敷で、直虎が「人を買ってはどうか?」と提案します。方久が「人の売り買いが出るのは戦場で、ここで買うのが一番だがこれは無理で、とりあえず私の茶屋にいきましょう」というので、翌日方久の茶屋に。直虎らが茶屋にやってくると、商人や職人、武者、僧侶などいろいろな人が出入りし「吉田城がおちた」「今は松平の酒井がはいった」など世情が飛び交っている。「美濃あたりで戦が・・」という情報が耳に入るが遠すぎると思案しているところに、政次が顔を見せ「ここで噂を流されてはいかが?百姓にとってはうまみのある話を、直接、百姓にとどくように流せば人が集まるのではないか。」と言い去ります。直虎はそっぽを向いて関わらない。

このアドバイスに方久は深く感激し、直之は「嘘を流すのは立派な戦法だ!」と興味を持ちます。直虎が「うわさなど届くかどうかわからない。しかも、どれだけ時間がかかるかわからない」と反論すると「やってみないとわからないというお方が・・」と直之が言い返す。
方久と直之はさっそく「知っているか!井伊ではただで土地を貰えるらしいぞ!」「うむ。嘘と思うなら、瀬戸村というところを訪ねてみるがよいぞ」と噂をすると人が集まり始める。イメージ 1
直虎も、政次のアドバイスに乗るのは嫌だが村人の苦労を思い出し「その瀬戸村とやらの道はいかになっておる」と大声で叫びふたりの噂芝居に加わります。直虎が、やり過ぎて声がかれ、その晩、井伊の館で倒れてしまいます。一方、このころ駿河では寿挂尼が倒れ大騒ぎになっています。びっくりですね!!
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直虎は疲れて寝ていただけで大事にいたらなかったが「これが戦さであったらとても守り切れない」と直之が心配をするのでした。
翌日、直虎が起き上がると外がなにやら騒がしい。なんと、直虎たちが流した噂を聞きつけた大勢の百姓たちが集まっている。これを目にして直之や方久と共に喜ぶ直虎でした。

自信をなくした直虎
人が集まってきたことで、噂を流すのは2人に任せて直虎は龍潭寺に出向きます。政次の作戦が見事にあたったのが悔しくて、「後見は自分がやるよりも政次にしたほうがいいのではないか、井伊は幸せなのでは。そうはさせない、われにもっと知恵があれば」と南渓に漏らします。
南渓は、「但馬守に知恵を借りたらどうか」とアドバイスしますが、直虎は「足元をすくわれる可能性があるから、嫌だ」といいます。
南渓は、「それこそが領主たりものの腕の見せどころか」と、「慌てることでない。ゆっくり考えればよい」と言い、そして「寺も役に立ちたい」と虎松の手習いをすることを伝えます。直虎は南渓の言葉「政次を使う」を心に留めるのでした。

六左衛門が「これより人が入るということを但馬殿に伝え助言を受けたい」と申し出ると「好きにせよ」と許します。六兵衛が訪ねると、政次すでに駿府の今川館に向かっていました。政次は、菅沼忠久から「寿桂尼が倒れた」という思いもよらないことを耳にします。

井伊館では、直之が鉄砲「種子島」を直虎に見せにやってきます。直虎を守るための直之の判断でしょう。「人集」、「種子島」を今川が知ればどうでてくるか、これは大きな問題になりそうです!
            ・・ つづく・・