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第25回「材木を抱いて飛べ」

イメージ 2今週のタイトルは映画「黄金を抱いて翔べ」(2012)のもじり。この作品は銀行ギャングの話で、キャッチコピーは「札束より欲しいもの、おまえにはあるか?」です。直虎、龍雲丸にとって材木(札束)より欲しいものは?という第25回でした。見どころは直虎がより大きな決断ができる、氏真と競える領主へと成長したことです。材木の積み出し、中村屋のセット、材木運搬船のシーンも見事で、見応えのある物語でした(#^.^#)

直虎は井伊の経済立て直しのため龍雲丸たちが切った木を気賀で高く売ろうと中村屋を通じて新興の成川屋に売却するが、これが三河の徳川に流れていることが発覚。直虎は「謀反の疑」で駿府に出頭を命じられ、三度目の氏真対決となりました。
この対決よほどのことがなければ許されないと読んでの直虎の決断は「消えた材木を探し出し氏真への忠義立をすることを決意し、毒を飲み時間稼ぎをして探し出す。万一の場合井伊を政次に任せる」という覚悟の上での対決でした。
これまでとは違って自らの命を投げ出す覚悟で氏真を「謀反の疑で問い詰めるより信義を信じることが大切である」と説きます。そこに龍雲丸が材木を抱いて駿河に飛んできて、「これが井伊の忠義でございます!」と直虎への嫌疑が晴れました。(#^.^#)
万一の場合、井伊を政次に託すことなど、難局に対しての直虎の大きな決断力を見せつけました。毒を飲んだ直虎の額に手をあてて語る直虎と政次の会話に、心の通ったふたり、いつでも政次に後見を譲ることができる状況にあるようです。

「札束より欲しいもの、おまえにはあるか?」、考えさせられますね!!この大河はおもしろい。
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直虎のもとに「龍雲丸たちが切った木の売り手を見つけた」と方久がやってきます。方久は、「商売相手は気賀に移ってきたばかりの成川屋で、寺の普請用に集めた木材を火災で失い、その代わりを欲しがっている。高く売れる!」と言う。
直虎は、方久に「急ぎ話をまとめてくれ。高く売れ!」と命じます。井伊では、綿布の方も順調で、これで借金の一部を返すことができると喜びます。武田は嫡男義信を幽閉し今川との同盟を破棄。4男勝頼に織田から姫を迎えた。
これに氏真は「武田を決して海には出さぬ」と決意し、今川は武田に塩留で対抗するが禁を破り密輸を企てる商人があとを絶たず取り締まりにやっきになっていた。氏真が商人が店を気賀に移していることを聞いて「気賀か」と気賀進出に目を向ける。
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龍潭寺では虎松が碁に負け悔しがる。これに直次が手を教えているところに直虎が焼き鏝をもってきて焼き印を手伝えというが、寅松は「碁を考えている。負けてが一生但馬に勝てぬ」と動かない。随分と頑固に育っているようです。これに優しく直虎が「一番働いた者に褒美を出し」というと(寿挂尼がよく使い手)・・。直虎はこうして子供たちまで駆り出してすべての木材に井伊の「井」の焼印を押させました。虎松と碁を打つ政次は直親と打ってる感じだったのでは。
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いよいよ木材の積み出し。木を船に積載するシーン、中村屋での談合のシーン、龍雲丸らの働くシーンがよくできていてすばらしい!
直虎は中村屋を通じて成川屋に材木を売ることにします。ここで、世太夫から龍雲丸がよろず請負をやっていることを聞きます。「雇っているのは元罪人や荷担ぎ、船乗り、牢人や坊主崩れといった流れ者たち。これらを取りまとめ、寝床と食い扶持を与え、それぞれの能力に応じた仕事をさせ気賀の裏のまとめ役。中村屋も利用している」という。

○気賀に今川家が進出?
直虎のもとに政次が訪ねてきて「材木は成川屋に任したのか。あの者たちは気賀にいなかったか?」と聞きます。直虎は「よろず請け合いをしている」と言い今川の動きを訪ねると「今川家が気賀に城を築くという話がある。塩止めにより、商人たちが気賀に流れている。これを取りしまるためだ」と話します。
直虎は、「気賀は商人自らが町を取り仕切るため今川には銭を収めている。道理が通らぬではないか」と言うが、政次が「今川家が力技でくる。いらぬ首を突っ込まないように」と強く釘をさします。

このころ氏真は春に「気賀は誰にまかせようか」と漏らす。これに「三浦様が名乗りをあげたときいている」と春。そこに「徳川に通じている者を掴まえた」という情報が入る。氏真は直次を呼び「そのときが来た。・・・」と明かします。

○離反の疑いをかけられた直虎
直虎は方久に「今川の手が気賀に入る。考えていたより銭を取られるかもしれない」と話していると、政次が今川の重臣関口氏経を伴って直虎のところにやってくる。
氏経が「太守様からのお下司を知らせる」と伝え、氏真からの書状を政次が読み上げる。「井伊に三河と内通したる謀反の疑いあり。ついては駿府に申し開きに参るように」。
直虎は、「一体なんの御咎めでしょうか」と氏経に確かめると政次を介して「三河に成川屋を通じて材木を流したことだ」と理由を告げ「明日、駿府に戻るので同行するように」と命じるのでした。政次は今川の目付として厳しく直虎を問い詰めます。「伺いも立てずにやるからこのようなことになる。忠義が足らぬ」と氏経から叱責される。これに直虎は耐えます。

直之は、「商人の売り先まで責めを負えというのか」と怒ります。直虎は、「今川は井伊を政次に渡したいのだ。ことを慌てふためいては相手に踊らされているも同じ。かような姑息な手に、道は必ずある」と諭します。直虎はひとりで碁を打ちながら考える。これを見て、南渓は「ひとりではない」という。政次も碁をうちながら思案中。直虎と政次はお互いの気持ちを思いやっていました。
小野の館では、夜、なつが政次のもとにやってきて泊まっている氏経を欺くように政次を抱き「これなら見られても疑いは持たれません。関口様の目があり身動きが取れないのでは。私は殿にお仕えします」と話します。「気持ちはありがたい。どこに間者がおりかもしれん(だから出て行けん)。殿はきっと切り抜けぬけられる、大事ない」となつの手を離す。なつは辛い思いをしている政次を慰めますがなつはいつまでもこの状態でいたかったのではないでしょうか。ちょっと切ないシーンでした。
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○井伊の材木を探せ!
直虎は、方久と六左衛門・方久に、「何としてもこの状態を切り抜けねばならない。忠義が足らぬというなら有り余る今川家への忠義を見せるため、成川屋から木材を買い戻す。それがもし失敗した場合は、気賀でありったけの材木を買って「井」を入れる。それも難しいなら、龍雲丸らに木材を取り戻す手助けをお願いする」と命じ、翌日、直虎は駿府へ向かいました。

六左衛門と方久は、さっそく成川屋に出向くとすでに船は出港しており、買おうにも気賀の木材も明らかに数が足りない。
そこで、六左衛門と方久は龍雲丸らの元にやってきて頼みますが「船の行方がわからない。明日には取り戻せと言っても無理だ」取り合わない。よろず請け合いの彼等が知らないわけがない。「直虎の首が斬られるかもしれない」と頼むと龍雲丸が、動き出す。「船を探し出し材木を抱いて駿河に飛べ」です。
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○直虎、毒を飲み時間稼ぎ
直虎は駿河に向かう宿舎の寺で劇薬を飲み、わざと高熱で倒れます。政次はこの状況を氏経に伝える。様子見にやってきた政次に直虎が「さすがの但馬も寺では殺生はせんじゃろう」と直之に席を外させ「これで2~3日は稼げよう。もし、策がうまくいかなかったときは井伊を頼む」と託すと政次は驚きうなずきます。さすがに寂しそう!
直虎が目を閉じた直後、額に政次の手が。「俺の手は冷たいだろう」という。「血も涙もない鬼目付。政次は昔から誰よりも冷たい」と言う直虎、心がひとつになった瞬間でした。
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龍雲丸らとともに六左衛門、方久は井伊の材木を積載した船に乗り込み「太守様の命、これより駿府に向かえ!」と指示。「頭は何でこんなことをするのか」というゴクウ、映画「タイタニック」のローズよろしく帆柱で風を受け駿河に向かう。
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○三度目の直虎と氏真対決
3日後、直虎の熱は下がり直之と共に駿府に出向き氏真の面談を待ちます。20年ぶりに氏真と対峙した直虎は、「成川屋が三河と通じていたことは井伊も中村屋も知らなかったこと」と申し開きし「新野家の桜が今川家の重臣・庵原朝利とのありがたい縁談をいただいたばかりで井伊が離反などを企んだりしない」と弁明します。これに「遠江で最も早く三河と通じようとしておった井伊であるからのう」と直親の例に持ち出し嫌味を言われる。
イメージ 6政次が「殿はすでに決めておられる」と言葉を繋ぎます。これに直虎は「井伊と今川に遺恨がないと言えば偽りになりましょう。家督を認めていただいてからは心を入れ替え、尽くそうとしてまいりました。弓を引こうとしたことは一度もない。間者と気付かなかったことは、自分にも落ち度がある。しかし、このようなやり方は真に忠義をもって仕えてきたものを失うことになるのではないか」と強く言い放ちます。直虎:柴咲さんの悔しさの眼光が光ります。
「最後まで忠義を尽くしたものこそ、敵にすら惜しいと思うてもらえるのではございませんか」という桜の夫庵原助右衛門朝昌の言葉を生かしましたね!
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○龍雲丸、直虎を救う
そこに今川の家人が駆け込んできて「おびただしい材木がこちらに向かっている。すべてに「井」の印がついている」と知らせます。
直虎は「井伊の心を示したく、三河より一本残らず取り戻すよう、わが家臣に命じています。これが井伊の忠義でございます!」と釈明します。
                       ****つづく****
記事 20170626
柴咲コウNHK「直虎」政次と急接近?12・3%