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「ライフ」(2017)

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あさイチ、今週の「特選!エンタ」(7・14)で青木さやかさんが「夏にぴったりのホラー映画」として紹介してくれたのが観るきっかけです。「地上から離れた密室の無重力空間で、人類と未知の生命体との生き残りをかけた戦いが幕を開け、絶対にラストは明かせない!」というもの。
フライヤーには「人類の夢も未来も砕かれる。その生命体は人間を餌に進化する」“SFホラー”作品とあり、覚悟して観なければと思っていました。
 
美しいとさえ思えた小さな生物体が電気ショックで脳、目、筋肉をもつ得体の知れないものに成長、人を喰いちぎって大きくなるところは、グロくもあり、怖かった。しかし中段に入ると、事態がふくそうし、慣れもあるのか、その恐怖が伝わらない。しかし、ラストシーンは想定外で衝撃的でした!
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特に良かったのは、国際衛星ステーション(ISS)内施設、無重力空間での作業がとてもリアルで、宇宙活動の現場を覗いたような感じでした。
 
監督はダニエル・エスピノーサ。出演はジェイク・ギレンホールライアン・レイノルズレベッカ・ファーガソン真田広之、リヨン・バカレ、オルガ・ディホヴィチナヤらです。真田さんはしっかり活躍しています。もっと宣伝されても良かったのでは!
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物語は、
ISSが宇宙ゴミの衝突で揺れるシーンから始まります。ちょっとヒヤリとします。ISSの目的は火星生物の調査研究(ピルグリム7計画)でこれに6人のクルーが挑みま
す。
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火星の土壌を採取した無人ロケットを、宇宙ゴミで狂ったISSの軌道修正を行いロボットアームで見事に回収します。司令官はロシア人女性のキャッド(オルガ・ディホヴィチナヤ)で的確な指揮です。米国人航空エンジニアのローリー(ライアン・レイノルズ)が外部で監視。オペレーターは日本人のシステムエンジニア ムラカミ(真田広之)。
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ピルグリム7計画の2日目。実験室の培養器のなかでピンセットを使い英国人生物学者ヒュー(アリヨン・バカレ)が検体の蘇生に挑戦です。環境を地球環境に近づけやや酸素が多い状態で長い繊毛を持つアメーバー状の生物(クリーチャー)が見つかります。大歓声です! 「新しいLIFE」と見つめるのは英国人検疫官ミランダ(レベッカ・ファーガソン)、この生物を地球に持ち帰ることの是非を判断する役割を背負っています。「火星で生物発見」のニュースは早速地球に伝えられ、大歓迎のなかで子供たちによって「カルビン」と名付けられます。
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ここで、米国人医者ジョーダン(ジェイク・ギレンホール)の健康チェック風景、娯楽室での遊び等クルーの生活やちょっとしたクルーのキャラクター説明があります。しかし、目に付くのはムラカミ(真田広之)に赤ちゃんが誕生するというエピソードぐらいで、個々の人物のキャラクターや人間関係を説明するには不十分です。
 
ピルグリム7計画の7日目。カルビンは活発に動き分裂を繰り返し大きくなる。すべての細胞に脳があり目があり筋肉がある。ヒューが指で触り「父親のような気分だ」と感激です。この感動にムラカミに子供ができたことがリンクし船内は大興奮です。
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ピルグリム7計画の25日目。ヒューの感激の高揚感に油断がありました。ヒューの培養器内環境テェックミスで、ヒトデのように成長したカルビンが運動しなくなっている。責任を強く感じているヒューが強い電気ショックを当てえると、動き始めヒューの指に噛みつき、腕を器内に引き入れ噛み砕く。ヒューは失神状態になる。カルビンはこの隙に実験室に這い出し実験用ラットを喰い、さらに大きく成長します。
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ここでの状況判断。ミランダの「カルビンを培養器に戻せ」という意見具申を押し切ってローリーが実験室に入りヒューを実験室外に救出します。キャッドはムラカミに意見を求めローリーに「カルビンの焼却」を命じます。ローリーが消火器で焼却し始めるが「燃料切れ」で中断、逆にカルビンがローリーの口から入り内臓を喰いちぎります。ここが見せ場でしょう。血液は空間に飛び散ります。キャッドはカルビンを実験室に封じ込めるよう「密閉」を指示します。
実験での最初の事故、しっかりした対応が求められるところですがキャッドの状況判断が曖昧です。
国際的なクルーのなかでの指揮関係がどうなっているのか面白いシーンなのでしょうがよくわからない。
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カルビンが見つからないことで船内に不安が走る。緊急事態を地球管制センターに報告し援助を受けようとするが、トランスミッターの故障で通信できない。船外での修理作業が必要になる。皆が反対するが、キャッドは「カルビンのことより本部との通信確保が大切。ここは、私しかいない」と船外での作業にかかる。排気口に隠れていたカルビンにつかまり冷却剤を喰われ、宇宙服ヘルメットの窓に水滴が付着し視界がなくなり、作業が困難になる。
仲間が船に戻るよう勧めるが、キャッドはカルビンを道連れに宇宙ゴミになると決心して船内進入扉を閉める。ここでのキャッドの判断・行動はローリーを失った責任を感じていたのでしょう。
 
キャッドが亡くなり宇宙に消えますが、カルビンは船体にくっ付いていて姿勢制御噴射口から船内に侵入しようとする。ムラカミの機転でノズルを吹かして排斥しようとするがこのままでは燃料切れになりISSが下降軌道に入ると中止する。この隙にカルビンが船内に侵入。
 
ジョーダン、ミランダ、ムラカミに怪我をしているヒュの3人。カルビンを船内の一室に、潜水艦が魚雷の攻撃を受け浸水を防止するように、部屋と部屋を繋ぐ連接扉を閉めて封じ込めます。しかしカルビンはヒューの足に喰らいつき身を隠して生存していたのです。このシーンにはぞっとさせられます。ヒューは「ごめん」と言って亡くなり、3人を救おうとしたのでしょう。
ムラカミは実験室にジョーダンとミランダは別の部屋に避難し、空気を抜いてカルビンを隔離します。
閉鎖された狭い空間で、どこに現れるかわからない見えないカルビンとの戦いに恐怖を味わうことになります。しかし、同じようなシーンが続き、慣れもあり、その恐怖が伝わらない。
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ISSの異変に気付いて地球管制センターが発射した救助艇がISSに衝突する。ムラカミが、救出にきたものと判断しハッチを開けてカルビンに襲われ命を落とします。
ミランダが「救助しに来たのではない。隔離しにやってきたのよ」と言う。ISSの生命維持装置が故障し、降下軌道に入ったらしい。「もう助からない」とミランダ。このまま大気圏に突入すればジョーダンとミランダが命を落とすだけでなく、カルビンを地球に解き放すことになる。
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ジョーダンが緊急脱出用ソユーズがあることに思いつきます。
ジョーダンが「カルビンが酸素を求めているから酸素キャンドルで誘ってソユーズに乗せ(手動で運転し)宇宙に放つ」、そして「あなたはもう一台のソユーズB(ボタンを押せば地球に戻れるようにセットされている)で脱出して、80億人のバカがいる地球に戻りなさい」と指示します。
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ジョーダンがソユーズAに乗り発進するが、カルビンがまつわり付いています。ミランダも発進、宇宙ゴミに衝突したので念のためにと「カルビンに4人が殺された。地球を守るために生命を捧げます。火星の生物は危険、地球に着いたら駆除してください」と録音を残します。
パラシュートでひとつのソユーズが海に落下、これを回収に走るボート。そこで見たものは・・・。このラストシーンで、締まりましたね!!
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