映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

第44回「井伊谷のばら」

イメージ 1万千代は前髪のまま、田中城をめぐる戦に参加。家康の暗殺を防ぎ一万石の知行を与えられるという大手柄を上げた。これを機に元服したいと考えるが、これに伴う家督継続について直虎と万千代が言い争うことになる。このような状況のなかで、優椿尼がなくなり、直虎にその命が継がれました。

直虎と万千代の家督相続をめぐる言い争い。万千代のこの態度は? 直虎はなんとしてもこれまで築いた民の安寧を保ちたい気持ちを、若い万千代に伝えたい。しかし、万千代の若さ、一万石の知行を得たというプライドがこれを拒否する。
一万石の裏にある真実。万千代は、自分が今日あるは直虎の人となり、家康と直虎の信頼感があってのことだということに気付いていない。若い人にありがちな自分ひとりで生きているという驕りです。
万千代の、与えられた任務に一生懸命に励むことが大きな手柄に繋がったことには感心させられます。しかし、井伊谷の薬があってこその手柄をどう考えるか。このことは、民への感謝に繋がり、自分は井伊の民に支えられていると想うようになって欲しい。自分は生かされているという想いが必要でしょう。
しかし、虎松がもう少し世間を知れば気付くことになるでしょう。こんなことを感じさせてくれるドラマは良いですね!
ふたりが、大声で言い合うところが、お互い同じような気質を露わにしておりなんとも面白い。怒りの中から良い答えは出ない。直虎も若い()

直虎にとって大切な人母祐椿尼を失うことになりました。祐椿尼はとても芯のある強い人、また苦しい状況には誰よりも優しく直虎を応援する人でした。そのDNAはしっかり直虎に引き継がれています。母が娘に贈る、これを受け取る娘の言葉に泣かされました。祐椿尼の「陰ながら虎松を支えてやるように」という言葉が直虎に届くでしょう。
財前さんの名演技に何度泣かされたことか。感動的なドラマを見せていただきありがとうございました。

藤武助が武田の間者として家康を襲ったことで処刑されましたが、彼は信康の家臣。これに伴う家康の信康への対応、さらに信康に不信感を抱く信長の出方が気になります? これはつらい物語になりそうですね!
***
直虎の反対を押し切り井伊の名で徳川に仕えた万千代と万福は小姓として認められ初陣を迎えることになる。浜松城で家康の臨席の元、「甲冑着初め式」が執り行われ、万千代は「この身を賭し、殿の恩ために戦う所存にございます」と誓う。
これに、祐椿尼は「小姓なら危ない目にもあうまい」という。直虎が「戦ではなにが起きるか分からない」と言い、ハサミでついた指からでる血を見て不安げな直虎を「指をついただけ」と気丈に励ます祐椿尼。と、「年なのですかね」と突然胸を押さえる。
イメージ 2
○万千代、家康を救う
万千代と万福の初陣は駿河の田中城攻めであった。軍議が始まり、聞けるものと思っていると色小姓は邪魔とばかり追い払われる。そこに信康が挨拶に訪れる。万千代、寝所に戻って「殿に元服を願い出た方がいいかも」と話しているところに信康が若い武者を連れてやってきて「薬が欲しい」という。
従者に岡崎城を訪ねたとき小姓であった近藤武助がいる。信康に「お主らまだ前髪か」と言われ、元服の口添えをお願すると「戦に長けた者はほかにもいるから、おぬしにはそれ以外を求められているのだろう」と断られる。薬の調合は武助がするという。

夜の当直、万福が居眠りをするので槍でつついて起こす。そのとき廊下の奥に誰か忍んだような気配を感じる。

翌朝、家康の身支度を手伝いながら昨夜の気配のことを報告する。そこに忠次、忠勝、康政が迎えにくる。ついて行こうとすると「ここで休んでおれ」と言われる。「戦いぶりが見たい」と願いでると、「今日は田を刈り役だけだ、怪しいやつが出るかもしれんから捕まえておいてくれ」と家康に言い渡される。
万千代は家康を送り寝所に戻り「俺をここに飼い殺しにする気か!小五郎、犬丸ら小姓はついていってるのに。もう4年も小姓のままだ」と不平を漏らす。
イメージ 7“怪しいやつが出るかもしれん”と、しっかり陣内を見回りし夜に備えた。寝所に帰り、横になって薬箱を見ると・・・。
軍議を終えて家康と康政が寝所に戻ってくると万福がひとりで番をしており、万千代は部屋で寝ているという。家康が部屋に入り万千代を起こそうとするが起きない。そこで万福が薬湯を作れる者を捜して薬湯を持ってこさせると、万千代がその手を掴み毒見を迫る。その者は信康の家臣・武助。武助が短刀で家康に切ってかかるところを万千代が庇い肩を切られる。万千代は万福と協力して取り押さえる。
イメージ 3
万千代は「薬箱の止め紐の掛け方がいつもと違うので薬を調べると薬に混ぜ物がしてあった。自分が薬を出さねば、犯人が自ら薬を入れると思い、寝たふりをして待っていた」と康政に報告する。康政はこの才覚に驚きます。
万福が「あの者はなぜこのようなことをしたのですか」と康政に聞くと、「おそらく武田に通じていたのだろう」という。万千代は気を失ってしまう。()

○祐椿尼、倒れる
松岳院。直虎が花を生けているところに尼姿の“なつ”が万福からの便りでふたりは元気だと伝えにきます。ところが、祐椿尼が倒れる。すぐに寝かせ、昊天を呼ぶと、心臓病という。
南渓に伝えると「年も年ゆえ、天寿と考えてよい」という。直虎が「孫もだかせてやれなかった」と残念がると、「あれは方便じゃろう」という。
病状は楽観できないとなつに、あやめ、高瀬に顔を見せてもらうように頼み、万千代には、話したいこともあり、自分で文を出すことにします。

○万千代に一万石の知行
万千代は、浜松城に帰還し、康政から「武田の間者を討ち取った功績で一万石の知行を与えられる」と聞き驚く。「一万石?寝所で手柄だそうだ。槍で!」と鈴木や都築、田中が噂をしている。これを聞いた万千代は「元服を許してもらわねば」と万福に憤懣をぶつける。万福が「元服となると、正式に井伊の当主になることで、直虎様に家督を譲ってもらわねばなるまい」と言うと「いじわるババアに手綱を握られるとは、万千代一生の不覚」と怒り出す。
万福が「薬を送っていただいているんだから、この際、こちらからきっちり話してみてはどうか」と勧めるが「薬を渡しても家督は渡すまい。渡せば文句が言えなくなるから駄目だろう」と話す気はないらしい。

松岳院の祐椿尼のもとには、入れ替わり立ち代わり人が訪れる。高瀬は生け花を習いに、六左衛門と直之は真桑瓜が手に入ったと届けにくる。方久とあやめは長春という花の種を手土産にやってくる。
“しの”が訪れ、虎松が一万石を賜ったと話します。これを聞いた直虎は驚きます。“しの”が帰ったあと、祐椿尼が南渓を訪ね、「最後に一人どうしても会っておきたい者がいる」と文を渡します。祐椿尼は井伊の再興を気にかけていたのです。

家督をめぐる直虎と万千代
直虎は近藤に会い、万千代が一万石を賜ったことを伝えます。近藤は「一万石なら井伊は家名だけでなく名実ともに再興したも同然。そなたに領地を任せたいと言ってくるかもしれない。どうする」と聞いてくる。
武家に戻るつもりはない」というと、「万千代が井伊を安堵されたらどうする」と聞く。
近藤に急ぎ万千代の意向を確認すると約束して松岳院に戻ってくると、万千代と万福が訪ねてきている。挨拶をすませたあと、祐椿尼、万福が所要で去ってしまい、直虎と万千代のふたりだけとなる。
イメージ 4
直虎が一万石の件を持ち出すと「松下に面倒を見てもらっている小野の者たちを召し抱え、知行地を見てもらうことにした。井伊には手出しはしない」という。
「井伊を安堵し直してもらうことは考えておらぬな?」と聞くと「おとわ様は井伊が誰のものになろうと、井伊谷のために尽くされるはず。ならば、だれの地となろうが関わりのない話かと」と万千代。とげとげしい会話が交わされます。
直虎が「ここは近藤と自分でうまく取り仕切っているから、それを壊さないようにして欲しい」と言うと、万千代が真っ赤になり「殿には誇りというものがないのですか。近藤は但馬を罠にかけ、ここをかすめ取った当の本人ではないか。井伊のものであったものを井伊が取り戻して何が悪いのですか」と食って掛かる。
直虎に「わかった、そなたがここを取り戻したあとどうしたいのか」と聞かれ万千代は戸惑う。万千代は「祖先の土地を取り戻した万千代はすごい、そう褒められたいのか」と言われ「それがなにが悪い。武家とはそういうもの。力を尽くして戦い、力の証として土地を治める」と言い放つ。
これに直虎が「同じように力を示そうとする者に、土地を奪われるわけか。くだらん!」と言えば「そのくだらんことができなかったのはどこのどなたじゃ」と言い返す。万千代が「殿はできぬことから逃げただけ」と言えば「逃げて初めて見えるものがある」という直虎。ふたりは一歩も引かない。「家督は譲らん」と言えば「望むところ、力ずくで引き剥がすだけだ」と言って万千代は去ってしまう。

○祐椿尼の死イメージ 6
直虎は祐椿尼に万千代に会わせてくれたことを感謝すると、「役に立ててよかった」と喜びます。祐椿尼は「私は何もしてやれなかった。10才で出家させ、男の代わりに家督を継がせ、そのために大変な目に遭い、親として役立たずもいいところ」と胸の内を明かします。直虎は「私はこの身の上を不幸と思ったことはない。望まぬ道を歩まされたなどございません。今となっては、この身でなければなければ知らずに終わったことが山のようにありました。女だてらに後見となり、悲しいこともたくさんあったが、苦労して得た喜びも多い。」と悔いのない人生であったことを話します。そして「これも母のたった一人の娘として生まれ、慈しまれ、母上の優しさを独り占めし果報者でした。ありがとうございました」と感謝の言葉を贈ります。柴崎さんの長せりふ見事でした!
祐椿尼は「ずっと、案じていたいですね。ずっと、ずっと、そなたの身を」という言葉を残しその夜、静かに息を引き取りました。

祐椿尼は皆々に文を残していました。直虎には、「陰ながら虎松を支えてやるように」と書かれていた。
井戸端に赤い花を供えている直虎に、南渓が「なにも手助けしてやらぬか?あいつは若い。まだまだ、知らぬことだらけ」と言うのでした。
イメージ 5
○万千代、家臣の列に!
万千代と万福は、家臣の列に加わることになりる。康政の下知に「また寝所で手柄を立てたか」の声を聴き、片肌脱ぎになって刀傷を見せ、「井伊万千代。こたび、かような寝所の手柄にて末席を汚すことになりました」と啖呵を切る。井伊の家督の問題を残しながらも、身に陽が当たり始めた万千代。しかしながら日が差せば必ず影が落ちる。

岡崎では信康が「武助は市中引き回しのうえ八つ裂きに、一族ことごとく殺せ」という浜松の命を数正から聞く。「当然だ」と信康。その影の中で、徳川家最大の悲劇の芽が吹き始めていました。
                                     ***つづく***
記事 20171107
柴咲コウNHK「直虎」母旅立つ11・4%
イメージ 8