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第1回「薩摩のやっせんぼ」

イメージ 1西郷どん」第1回は物語の骨格、テーマが語られました。男にも女にもめっぽうモテたという大らかで優しい“西郷どん”を楽しみたいと思います。
明治311218日、「上野の西郷さん」の除幕式。これに参加した西郷隆盛の三番目の妻・糸さんが「これは旦那様ではない」と言ったという逸話からのスタート。明治維新の立役者がイメージ 6着流しで犬を連れて散歩している像など恰好がつかないと思ったのでしょうか? 黒木華さんの年老いた糸さんは満点でした。

原作は林真理子さんの同名小説。脚本は「ドクターX~外科医・大門未知子~」「花子とアン」の中園ミホさん、ナレーションは西田敏行さんです。
糸さんのつぶやきを冒頭に持ってきたことで、これまでにない人間くさい西郷さんが描かれ、現在につながる物語になると大いに期待しています。(#^.^#)
林さん、中園さんのコメント
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第1回は、1940年、下級藩士の子として生まれ12歳になった“西郷どん”が下鍛冶屋の少年たちと切磋琢磨する様が描かれました。
薩摩藩では年長者(二才)が年少者(男子)に読み書きや武芸、礼儀作法などを教える郷中教育」という町内ごとの集団教育制度があり、そこで厳しく鍛え合ったといいます。イメージ 2
さて、川で魚取りでの喧嘩。下鍛冶屋町の“がき”の小吉(渡邊蒼)と弟吉二郎(荒井雄斗)、有馬新七(三歳年上、伊澤柾樹)、大久保庄助(二歳年下、石川樹)らが、高麗町“がき”大山格之助(犬飼直紀)、お城の茶坊主有村俊斎(池田優斗)らと“わけのわからん”取っ組み合いの喧嘩を始めるというエピソード。
ここでは庄助は弁が立つ子、小吉は喧嘩よりウナギを取ろうというまとめ役、親分肌の子。茶坊主有村俊斎の池田優斗君の演技が光っていた。笑った! のちの姿を彷彿とさせる。
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島津公別邸への胆試し事件。島津藩藩主嫡男斉彬31才(渡辺謙)が行っていた青銅砲の発射試験(失敗)に出くわし村田新八が捕まり、これを放置して逃げた小吉に斉彬が「一番弱い者を見捨てて逃げた。弱い者の身になれんやつは弱い者以下、薩摩ではやっせんぼという!イメージ 5と説教され「ここで見たことを誰にも言うな!」とCangoxinaと書かれた紙に包まれたカステラ(輸出用カステラ?)を貰ったというエピソード。アヘン戦争に感化された斉彬の対外防衛意識と当時のヨーロッパ人にとっての貿易における薩摩の地位の高さを示しています。斉彬の吐くセリフがとても良く、今日でも使えます。 渡辺健さんの斉彬、英邁にして熱いという感じ。ドラマが締まります。

イメージ 8島津家の庭では「斉彬は兵器開発に無駄使いするから藩主の座には付けん」という斉興(鹿賀丈史)。久光(青木崇高)に「あんたが藩主になれ」と勧める由羅。ここでお由羅騒動への布石を置きます。由羅の小柳ルミ子さんがはまり役でセリフが長かった!()

そして919日の妙円寺祭り。関ケ原の敵中を突破した島津義弘をたたえる祭りで、少年たちが甲冑姿で郷中うしの激しい断郊競技を競う。険しい山道を駆け妙円寺への一番乗りを争う競争が繰り広げられるという。青い空の下で繰り広げられる総勢200名によるロケでの競技シーン、薩摩隼人の血はこうして受け継がれている!今日でも高い防衛大学校進学率を誇るという風土を産んでいます。
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この競技で下鍛冶屋が上級藩士の家の尾田栄作が率いる平之郷中に勝ったが、なかに岩山糸(渡辺このみ)が入っていたことではやし立てられる。糸はこの悔しさを郷中教育の先生:赤山靱負(沢村一樹)にぶつける。
糸の気持ちを女装して感じるという“西郷どん”は桁外れに他人を思いやり人物であったというエピソード!() 衣類を男女別に洗うという風習は今でも残っているのでしょうか。
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祭りのいざこざが原因で小吉が栄作たちに襲われ右腕の腱を斬られ刀が持てなくなるという武士にとって致命的な怪我を負う。刀が振れない小吉は狩場で斉彬に出会い「この身体では殿の傍で忠義を尽くせぬ」と訴え「いずれ刀だけの世は終わる。これからは弱き者の声を聞き、民のために尽くせる者こそが真の強き侍となる。お前はそういう侍になればよい」と言葉をかけられこれが小吉生涯の志になります。剣に替わるものとしてソロバンで身を立てる道を志し、これが縁で農民改革から国の改革へと繋がる小吉の人生筋書きがなされました!


テンポのよい疾風感のある曲と奄美の海を感じる暖かくて明るい曲に“西郷どん”の親しみ易さと躍動感を感じ、題字が太いのがよい。
記事 20180109
西郷どん」初回視聴率は15・4% 「春日局」に次ぐワースト2位スタート
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