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「ギフテッド」(2017)

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天才少女の葛藤と、彼女の養育を巡る大人たちの対立の行方を綴ったドラマ。ギフテッドというのは特別な才能を持つ子供たちを指します。
監督は「アメイジングスパイダーマン」のマーク・ウェブ、主演は「キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンスと本作で一躍ハリウッド期待の子役スターとなった11歳のマッケナ・グレイス。共演にリンゼイ・ダンカン、ジェニー・スレイト、オクタヴィア・スペンサーらです。

物語は
叔父のフランク(クリス・エヴァンス)と片目の猫フレッドと暮らす一見ごく普通の7歳の少女メアリー(マッケナ・グレイス)。しかし彼女は数学の才能に著しく秀でた天才少女だった。
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小学校に通い出すや、すぐにそのことが発覚し、学校側はフランクに天才児の英才教育で名高い私学への転校を勧める。しかしフランクは“普通の子として育てたい”とこれを拒否する。それは、メアリーをフランクに託して自殺してしまった姉ダイアンの願いだった。ところがある日、メアリーの祖母イブリンが現われ、孫の才能を無駄にすべきではないとフランクと激しく衝突。そのままフランクを相手に裁判を起こしてメアリーの親権を主張するのだったが…。<allcinemaから>

本作のテーマは世界的な評価を受けるほどの学者に育つかもしれない天才少女メアリーにとって、何が幸せか、いかなる生活・教育環境を与えるべきかが描かれ、一番大切なのは愛する力を与えることだと説かれます。
全く映像に現れることのないメアリーの母ダイアンの想いを読み解くことが問題解決のキーとなります。

この問題は天才少女の問題だけではなく、子に夢を見て様々な習いごとに参加させる世の親御さんへの提言でもあります。が、「言ってることは分かるけど」となるかもしれませんね! マッケナ・グレイスちゃんの熱演を観る作品でした。()
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メアリーの天才度、生活態度は、
普通の子が教室で1+1を教わっている段階で、57×135をトラハテンベルク暗算法で一発回答、数学教授が与えたランダム方程式を難なく解く力をもっている。
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一方「入念」の意味がわからずフランクに聞くが、彼は学校で習えと撥ねつける。大人びていて小癪な女の子ですが、フランクには従順。数学が好きでPCで楽しむ子です。

学校では数学の時間は退屈そうですが、作文の時間には自作を進んで発表など数学以外では普通の子。正義感が強く、いじめを目にすると鉄拳を下す子。() 隣の黒人女性ロバータおばさん(オクタヴィア・スペンサー)とは大の仲良しでジャズを唄い踊る仲です。
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本人はフレッドと一緒にいて今の学校に行きたとこの生活環境に不満はない。不満といえばピアノを買ってもらえないことぐらい。

一方フランクはボストン大学の哲学準教授でしたが、今はフロリダ海辺の街でボート修理をしながらメアリーを引き取り7年間暮らしている。
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姉でもあるメアリーの母ダイアンの遺言を守りメアリーに普通の暮らしをさせるために“学校は公立”と決めていた。
よく海に誘い「友達を作れ。特技を光らせるな。人を愛することが大切」と生活指導をしている。隣のロバータに預け面倒をみてもらうこともある。
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姉ダイアンはマサチューセッツ工科大学教授で「ナビエーストークス方程式」(流体力学の基礎方程式)の研究者でした。この研究がミレニアム懸賞問題として取り上げられるが、ダイアンは論文を完成したが懸賞に応募しなかった。ダイアンは夫と別れ妊娠を機に母親に縁を切られていて、「論文は母が死んだら公表して」という言葉をフランクに残して自殺する。フランクはこの言葉を母イブリンに伝えなかった。

ここに、メアリーの祖母イブリンがメアリーの才能を知り、歴史に名を残す数学者になっていたはずの娘ダイアンに変わって、偉業に挑戦させたいと現れる。イブリンもかって数学者であったが、その夢をかなえられなかった。
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フランクは姉のような天才ではないが学者であり、学問で挫折しており、自殺した姉の苦しみを知るだけに、天才といわれるメアリーであっても必ずしも賞を取れるほどの数学者になれるという確信を持てない。姉のような悲劇にならないように生きるには何か必要か。それは姉のいう普通の生活ができることだと理解し、メアリーが何をしたいかを求める12才位まではこのままでよいとイブリンの提案を拒否した。

お互いが譲ることはなく親権を裁判で争うことになった。裁判は、天才をどう育てるかで争われるのではなく、ボート修理というフランクの職業(経済的安定性)や住む住宅環境などで判定され、フランクは破れた。

不本意ではあるが、学校に行かせてもらうこと、猫フレッドと一緒に過ごせることを条件にメアリーを里親に出すことに同意した。
しばらくすると、フレッドは捨てられ、メアリーは落ち込む。こんなメアリーを見るに耐えられなくなったフランクは回収したフレッドと姉ダイアンの論文をもってイブリンを訪れ「論文を公表してもよい。その代りダイアンのいうように普通に育て欲しい」と要求した。

イブリンは論文とともに持ち込まれたダンボール箱一杯の破棄ペーパーを見て、メアリーの教育をマサチューセッツ工科大学に願い出ることを諦めます。イブリンはこの山のような破棄ペーパーに、天才と言われた娘の苦悩を見たのです。娘は論文は完成したが、本当に幸せだったのか?。
この結果、メアリーは午前中に大学レベルの授業を受け、その後、ポニーのいる公立学校で友達たちと過ごすようになります。明るく振る舞うメアリー:マッケナ・グレイスの笑顔を見てほっとします!
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