「グレイテスト・ショーマン」(2017)

誰も観たことのない画期的なショーを生み出した伝説の興行師Ｐ・Ｔ・バーナムの波瀾万丈のサクセス・ストーリーを華麗な歌と踊りで描き出すミュージカル・エンタテインメント。

予告編で観たいと感じた作品。すばらしい作品でした。貧乏人パーナムが異才を発揮して夢を掴むが、貧乏人であったが故のトラップに落ち、「本当の幸せとは何か」気付き、彼しか持たない色で染め抜いた大サーカスを立ち上げるという展開が、自分の人生にも重なり、感動的なドラマでした。

荒っぽいストーリー展開、人物描写が大雑把なところがありますが、これを圧巻の歌曲でカバーし、十分すぎるほどに感情移入でき泣けます。まさにザ・ミュージカルです！

監督はマイケル・グレイシー、脚本は「美女と野獣」の監督ビル・コンド、作詩作曲は「ラ・ラ・ランド」のベンジ・パセック＆ジャステイン・ポールです。

パーナムを演じるのはヒュー・ジャックマン、その妻チャリテイをミシェル・ウイリアムズ。パーナムの相棒フィリップをザック・エフロン、オペラ歌手シェニー・リンドをレベッカ・ファーガソン、フィリップと恋に陥る空中ブランコ業師アンをゼンデイア、団員レテイ・ルッツをキアラ・セトルが演じます。

ねたばれ（感想）：

いよいよ公開、その時が来た。すべてを楽しもう、自由の扉が開いたと曲「GRE GREATEST SHOW」で始めるオープニングが圧巻です。もうこれで一気に映画の世界に持って行かれます。

ここから、一気に貧しい仕立屋の息子として生まれたバーナムが、裕福な家の娘チャリテイに恋し、海辺であって約束をして、一時はパンを盗み乞食にリンゴを恵んでもらい、新聞売りをしながら、次から次へと夢を手紙にして彼女に送り、鉄道会社の仕事につき彼女に結婚申し込みをします。

ここからふたりで、次から次へと夢を描いて踊り、会社が潰れても家族と走馬燈を回しながら子供たちと夢を語ります。曲「A MILLON DREAMS」に乗って、とてもテンポがよく、家族の暖かさと夢が伝わってきます。

バーナムは会社の貿易船を担保に銀行からの融資により博物館を買ってはく製の動物を生せる商売をするが客が入らない。

娘が「生きた動物が見たい」と言うに、思いついたのが「人間の見世物」。先ずは小人のチャールズ（サム・ハンフリー）を将軍にでもなれるとうまい話術で勧誘、髭の生えた女性歌手レテイに「ユニークだ」と誘い、空中ブランコ業師アン兄妹、世界一の巨漢、背の高いアイルランド人たちを、曲「COME ALiVE」に乗せて、舞台に上げ、踊りまくる。

会場はブラボーの声が押しかけてくる。新聞は偽物サーカスを書き立て、これに応じるようにショー反対者が押しかける。バーナムのショーにはインチキ臭いところもあったようです。(笑)

興行に成功しても上流階級には「ピーナッツ」としか認められない、下級層出身の彼にはこれが我慢できない。彼はさらに上を目指し、上級階級出のプロデューサー：フィリップに「チケットは売れる、美徳が売りだ！一緒にやりたい」と申し出るがよい返事をしない。

「満たされないなら一緒に行こう」と懸命に説得する曲が「THE OTHER SIDE」。やっと、彼が１０％の取り分で納得する！　フィリップがサーカスを見て、アンに一目ぼれする。

「不快で低俗だ！」との抗議が続くなかで、フィリップのコネで英国女王に団員全員で謁見できることになる。そこでスカラ座のプリマ：ジェニー・リンドに出会う。

バーナムはジェニーを拝み倒して、彼女のアメリカ公演を取り仕切る。「本物の歌を聞かせます」と紹介されて舞台にたつジェニーが「この時を終わらせないで、満ち足りないの、満ち足りないの！」と歌う魅惑的な曲「NEVER ENOUGH」。感動的な曲です,圧巻です！スタンデイングオベーションが起きる。

ショー成功のパーテイー。この席に団員たちを参加できない。これに抗議する団員達は、ヒゲ女を先頭に「私はわかってるから、私たちの居場所はあるって、私たちが最高に輝ける場所があるはず。自分で叩くドラムで歌う」と曲「THIS IS ME」を唄いながら会場を出て居場所「サーカス小屋」で歌いまくる。これに観客が、万雷の拍手を送ります。彼らの心は、バーナムから離れて行く。

会場にいたアンにフィリップの父親が「あなたは恥ずかしくないのか」と言い、アンはその場を去る。フィリップはサーカス場に彼女を見つけ、「気にするな、あなたの心が分からないのだ」と言い「出会うべくして出会った。誰の指図も受けない。ふたりの世界を作りたい。あんたが欲しい」と曲「REWRiTE THE STARS」を唄う。ロープで逃げるアンを追うフィリップ、スタントなしの演技とか、すごいですね！