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「シェイプ・オブ・ウオーター」(2017)

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今年のアカデミー賞で作品賞、監督賞を始め最多13部門にノミネートされ話題沸騰中の作品。その行方を見守るためと早速観てきました。
監督はギレルモ・デル・トロさん、「パシフィック・リム」しか観ておらず、監督の作品傾向など知らずの素人鑑賞記です。(#^.^#)
 
冒頭、藻がゆらぎ泡が上がる水中のなか、カメラが主人公盲目の女性イライザが住んでいた部屋近づくなかで、「あのことについて語るなら、何を話そうか」というナレーションから物語が始まります。
ナレーションは「ハンサムな王子の時代は終わり、声を失ったプリンセスのこと。また、警告しておこうか? 真実と・・・愛と喪失の物語について。そして、すべてを壊そうとしたモンスターについて」と続きます。

本作のテーマはこのナレーションで示されています。秀逸なナレーションだと思います。

物語は1962年版「美女と野獣」の“大人のお伽語”であること。そこには真の愛とは何かが描かれ、何がそれを阻害するか。マイノリティが虐げられ、米ソのくだらんせめぎ合いの犠牲になっていて、今も続いていると訴えています。
 
物語は、
1962年、アメリカ。口の利けない孤独な女性イライザ(サリー・ホーキンス)は、政府の極秘研究所で掃除婦として働いていた。
ある日彼女は、研究所の水槽に閉じ込められていた不思議な生きものと出会う。アマゾンの奥地で原住民に神と崇められていたという“彼”(ダグ・ジョーンズ)に心奪われ、人目を忍んで“彼”のもとへと通うようになる。
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やがて、ふたりが秘かに愛を育んでいく中、研究を主導する冷血で高圧的なエリート軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)は、ついに“彼”の生体解剖を実行に移そうとするのだったが…。<allcinema
 
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1962年のお伽ばなし。ここで登場する王子様:半魚人と掃除婦イライザのキャラクター、その演技がすばらしい!
イライザは夜間掃除婦として働くため、昼過ぎに目覚め、お祈りをし、バスタブに水を入れながら、TVをつけ、料理し、その後バスでオナニーをして、隣に住む貧乏画家でホモのジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)にサンドイッチ弁当を届け、談笑して、バスで出勤するという超リアルな娘さんです。()
イライザは阿川佐和子さん似で、とても親しみがもてました!()
 
出勤すると唯一のお友達、「亭主の良いところは絶倫!」と宣う黒人のゼルダオクタヴィア・スペンサー)と一緒に研究室の掃除をします。
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この物語には下ネタも含み、ユーモアが一杯で大笑いします。大人のお伽ばなしは面白いです!

イライザらを管理している高圧的な男ストリックランド。手を洗うやつは軟弱なやつと、
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トイレでは手を洗わない。家庭では奥さんと野獣のように交わる男です。マイノリテイを弄る代表者です。()
 
捕らわれ研究所に連れて来られた半魚人。これが秀逸なモンスターなんです。大きくて青色をしている。身体にゴツゴツしたヒレがあり、鋭利な爪を持つが、目が優しい。これならイライザが惚れるのも分かります。()
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この作品では色がポイントで、青は未来を、赤は生命を、緑は破壊を暗示しています。イライザの部屋には、北斎の「神奈川沖浪裏」の青が使われているんです!
色の他にTV・映画館で映し出されるドラマや音楽、イライザが踊るダンスなど、過去の映画・音楽作品が数多く持ち込まれ、それぞれが意味を持っているのでしょうが、私は十分理解できなかったようです。()

イライザと半魚人の恋は、イライザのひと目惚れから始まり、茹で卵を与え、音楽を一緒に聞き、手を握り、キスをするというように、言葉でなく、好きだという感情で結ばれていきます。
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その過程が、サリー・ホーキンスの生きいきしてくる演技と、色が赤に変わり、実に手際よく描かれます。イライザが彼の“あれ”を手話でゼルダに教えるところが面白い。()
 
このようななかで、研究所ではこの半魚人を新兵器開発のため解剖研究することが決まる。ホフステトラー博士(マイケル・スタールバーグ)が生かして人間の代わりに宇宙へ送るのがよいと反対する。
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彼はソ連の秘密要員につけ狙われている。当時のスパイ合戦です。が、いまも大きな問題になっています!
 

イライザはどうしても半魚人を生かしたいと、密かにジェイルズ、ゼルダ、ホフステトラー博士と図って、脱出作戦を練る。
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彼を、自室に水を入れ水槽のなかで愛するという発想、大笑いです。脱出作戦はミステリアス、アクションありでこれまた楽しめます。
 
ラスト、ストリックランドに追われるふたりは、遂に傷つき、海に身を投げ、ポスターの絵のように抱擁で過ごす。水中で息を吹き返すというハッピーエンドです。イライザのドレスが赤で、靴が脱げているのが色っぽい!

至る所にアイロニーが隠され、大変面白い作品でした。アカデミー賞をとれるか? 楽しみにしています!
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