「そこまで・・」と口を挟むと「将軍の御台所となれば東西唯一のものでないとだめ」と受け付けない。無茶な要求のようであって、この姫のためにという幾島の意地が見えます。
一方、家定(堺雅人)は近衛家の養女として輿入れするのがよいという阿部中老(草薙正雄)の提言を「任せる。それよりこれ」と自作のカステラを吟味させる。「姫の人となりなどどうでもよい」と聞こうともしない。聡明な姫というと紹介されても「賢さなど役に立たない」と興味を示さない。
西郷は篤姫の持物を見せて欲しいと訪ねてきます。そこに幾島がやってきて、「英姫様が自分のものを下げくださる」とえらい剣幕。篤姫は「母上様がくださるというのであればありがたい」と言うと、「そのような!」と悔しがる。西郷がその道具を見て、「これが品というものですか」と感じ入ると「五摂家筆頭の近衛家から将軍家に輿入れにふさわしいものを準備するように!」と命じます。英姫(余貴美子)は篤姫が喜んで受け取ったと聞いて「あの姫らしい」と感心するのでした。
篤姫は尚五郎が江戸に着いたことを聞かされ直ぐに会いに行こうとすると、幾島に「嫁がれるものとしてはしたなきこと」と戒められます。(笑)
尚五郎は兵学などの講義を聞き、毎日があっという間に過ぎる日々。そんな折に、斉彬に呼び出され、「清猷(沢村一樹)が亡くなった。小松家に養子に行って欲しい、家が絶える。家老になれる家だ。直ぐに帰ってくれ」。「養子に行きます」と答えると「もうひとつ、娘と夫婦になって欲しい」と持ち掛けます。尚五郎は「即答は?」というと、篤姫のところに案内します。
斉彬の配慮で碁盤が運ばれ、久しぶりに昔に戻って囲碁を楽しみます。篤姫が「御台所になる気持ちを決めて2年が経ちます。しかし、自分というものが無くなっているように思う。今のままで御台所になれるのかと怖い」と話すと「あなたらしさは失われていない。あなたは大丈夫です。どこに行ってもやり抜くことができます」と励まします。「尚五郎さんに云われると本当にそう思えます。またお会いできますか」「いつかまたきっと」。ふたりはお守りを見せ合い、別れを惜しみます。
西郷は支度品の準備に奔走し、幾島が驚くほど見事にその任をやり遂げ、篤姫も喜びます。
***第17話おわり***