映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

第22話 「将軍の秘密」

イメージ 1
一橋派と紀州派の対立が激化している。大奥は本寿院(高畑淳子)をはじめ紀州派、阿部老中(草刈正雄)が唯一の篤姫宮崎あおい)の頼りでした。
 
お志賀(鶴田真由)と釣りに興じている家定(堺雅人)の
イメージ 2
姿を目にする篤姫。あれは仮の姿と思うが、お志賀の言葉を思い出し、「上様の本当の姿をどうしても知りたい、今和泉の父と母のような仲睦まじい夫婦になりたい」と願うのでした。幾島(松坂慶子)は「自分の立場を忘れないよう」にと忠告します。
 
イメージ 3
江戸一橋邸。一橋慶喜平岳大)を次期将軍に擁立しようとする斉彬(高橋英樹)は、阿部老中とともに慶喜と対面します。「次期将軍になって戴きたい」と申し出ると「火中の栗を拾えと申すか。天下を取るほど骨の折れることはない」と乗り気でない。「国難を乗り切ろうとする気概が感じられない反面、妙な自信が透けて見える。他にふさわしい人物もいない」と一抹の不安を感じながら一橋慶喜に賭けることにします。
 
安政4年(18575。尚五郎(瑛太)は斉彬のお供で薩摩に戻ってきた西郷(小澤征悦)に「慶喜公を推すのが殿であり、これに篤姫様が巻き込まれている」という噂を確かめようとするが西郷は「自分からは言えない」と答えてくれない。
イメージ 4
斉彬に召し出された帯刀がこの話を持ち出すと「公方様はうつけではない。篤子が申している言葉以上に確かなものがあろうか。篤子は自分で子を産んで見せるというている」と。帯刀はこの言葉に篤姫の人としての大きさを感じるのでした。
イメージ 5
阿部老中が篤姫を訪ねてきます。慶喜の人となりを聞くと「聡明にして英邁。目から鼻に抜けるがごとき人物」と評します。父斉彬の見立ても同じと聞き「慶喜を次期将軍に」と家定に申し出ようと思うが、「子をなすことを諦めてはおらぬ。男を授かれば間誤うことなきお世継ぎじゃ、慶喜殿はいらなくなる」と妻としての意地を告げます。
幾島が「大奥は水戸嫌い、阿部様が頼りです。大奥での人気は凄しい」と後押しをお願いすると、「老中として何事も考えぬ、何も云わぬ老中だから」とことの難しさを吐露します。
阿部老中の「多くの者の声を聞いてきたが多くは自分のことだけを考えている。お父上のように本気で国のことを考える人はごく僅か。わたしは何も考えていない老中といわれている」を聞いて、『言えばよいではないですか。「迷うた時は何も考えずただ感じよ」と母から教えられてきました。武家の頭領は上様です。上様を支えて差し上げるのはこのわたくしと阿部殿の他にはおらぬ。言うべきは言い、やるべきはやって上様とともにこの国を盛り立てて参りましょう』と阿部中老を激励します。これを聞いて、阿部老中の顔に笑顔が戻ってきます!
 
朝のお祈り。「お渡りを」と願い出ると「今宵はお志賀のところ」と出て行く家定。篤姫は大きな不安を感じます。
イメージ 6

安政4年(1857526、下田。下田条約の締結。斉昭(江守徹)が「だれがこんなことを。腹を切らせよ」と堀田備中守(辰巳琢郎)を責める。「英国は今清国を攻めており、いずれ大挙して日本に来る。ハリスが面会を求めてきている」と阿部中老が諫めるが、聞こうとしないので「戦をしても勝てぬ!われらが力を合わせれば開国を防げるかもしれない」とこれまでになく強く諫める。幕府の外交についてきちっと触れられているのがよい。「西郷どん」には全くない。
 
617日阿部老中が亡くなる。このため慶喜を次期将軍とすることを堀田備中守に受け入れさせることが急務となる。一方、井伊直弼中村梅雀)はこの機に家定に紀伊慶福を次期将軍に認めてもらうために上京するという。阿部中老が大奥に与えた影響がいかに大きかったを描いているところがよい。これが、「西郷どん」にはない。これがしっかり描かれないと、将軍継嗣問題、篤姫の苦しみはわからない!
 
阿部老中の死に、滝山(稲森いずみ)は「嵐が来る」と不安がる。篤姫と幾島も大きな支えを失い、ことは急がねばとあせるのみ。何度も御渡りを願うが、家定には一向に届きません。
斉彬は「頼るべきは於篤しかいない」と言い、篤姫に大きな期待が掛けられます。
イメージ 7

篤姫は「何よりも妻になりたい。妻として夫と向き合いたいのです許されないことなのでしょうか」と普賢菩薩を手に、母の教え「迷った時は、考えるのではなく感じる」を思い浮かべ、祈るのでした。そんな篤姫のもとに上様奥泊りの知らせが届きます。
イメージ 8
寝所で篤姫は、「わたくしは薩摩の分家から本家の姫になり公家の娘、御台所になりました。わたしは成り上がり者で、ある使命を帯びて上がりました。慶喜公を世継ぎにせよと」と己に課せられた密命を告げます。目を離さず、自らの身を晒し、懇願する姿は気迫迫るものでした。
「わしも困っている、阿部が死んでしもうて。いつまでもうつけの振りをしていられなくなった。阿部は譜代も外様も関係なく力のある大名が集まってひとつの国になることを考えていた。それなら将軍などいらん、だから任せていた」と理論整然と話す家定に驚きます。さらに「一橋は好かぬ」と告げ「今のままでは幕府は滅びる。徳川総家も消えよう。開国すれば国内の分裂、攘夷なら外国の砲撃。幕府には抑える力がない。阿部のいうひとつの国になれば徳川もひとつの大名だ、将軍家は役割を終える。だれが将軍になっても同じじゃ。一橋にこの国難を乗り切れるとは思えん」と話します。
 
最後の将軍となれば世継ぎはいらん、どうでもよいことじゃ」と寝込む。篤姫が「上様、英邁なお方と分かって申し上げます。上様はあまりにも身勝手」と迫ると「そなたに何が分かる。わしは九男に生まれ何度も毒を飲まされた。わしは長くない、わしの運命を笑ってやりたかった。わしを将軍にしたところでこの国はどうにもならぬ。それを天に分からせてやりたかった」と感情をぶちまけます。
イメージ 9
すべてを知った篤姫は「わたくしがお助けします。私はあなた様の妻です」と涙ながらお支えすること誓います。家定は「わしはだれも信じぬ」と固く心を閉ざしてしまう。家定の深い心の闇に茫然とする篤姫でした。
 
篤姫“第22話「将軍の秘密」は、老中阿部正弘の死による継嗣問題の行方に吉之助が江戸に走る“西郷どん”第13回「変わらない友」に該当します。”西郷どん”とリンクして観るととても面白いですね!

老中阿部正弘の死で将軍跡継ぎ問題が切羽詰まったところに追い込まれ、これを乗り切ろうとお泊りを願い出て本心をぶつけ、愛で家定の心を開こうとする篤姫の姿には、これまで彼女が積み上げてきた人生が見えます。あおいさんが全身全霊で演じる演技に心が痛みます!
                          ***第22話おわり***