夕日の穏やかな海、島唄。「もうすくお前の夫がやってくる、海の向こうから。しかし、災を連れてかも!」というユタ(秋山菜津子)の言葉に「災い!」と不安げな“とぅま”(二階堂ふみ)。そこに一艘の舟が海岸に着く。入水自殺で生き返った吉之助の再生物語のオープニング。「すらちまいあがれぃ なだこぼさず あぶぃてぃ うらんなりゅんちゅんきゅぬ うむいー ヨーハレィヨハレィ かなむあふりてぃゆぬたむぃじ」と二階堂さんの歌?が良いですね!
収穫は村人、家族総出で行い、腹を空かし子供が甘い汁を吸うのを見て、「それは地獄ぞ!」と叱るありさま。
吉之助は何度も自殺しかけるが正助の「天が生かした!」という言葉を思い出し止まる。しかし、「それは嘘だ!何が天か・・」と暴れ回る始末。誰も近寄らない。
帰宅すると兄富堅(高橋努)が「薩摩から押しつけられた、何者だ?」と言う。女たちは「アンゴを押し付けるがみんな追い返された」と噂する。龍佐民が「死なせるわけにはいかん。とぅま、頼む」と吉之助の面倒を見させることにする。
が、とぅまが食べ物を運んでも手の入れ墨を見て「その手で作ったものは食えぬ」と拒否する。とぅまは海の神に「こんな男には災いを与えてください」と祈るのでした。(笑)
そんな折に、薩摩から砂糖船がやってくる。収穫した砂糖は全部薩摩に差し出す。貨幣ではなく、米と交換するが、薩摩の意のまま。苦しい生活を強いられていた。
そこに吉之助が木刀を持って現れ、喧嘩になる。「浪人風情が、タダではすまんぞ!薩摩に刃向かうも同じぞ」と役人。龍佐民が「何かあったら我々が罰を受ける」と吉之助の行動を止めに入る。
とぅまが食事を持ってゆくと吉之助が「あの子供がどんな悪いことをしたか」と聞く。「砂糖を舐めた。ここではそれが罪。薩摩の殿が湯水のように金を使うから苦しんだ。殿が死んだときは島中が喜んだ。しかしなんにも変わらん」と話す。「民のことを思う殿であった」と怒る吉之助に「私ら、民のうちに入っとらん」ととぅま。この言葉は吉之助の心に響いた!吉之助の小屋には沢山の本や米が届いていた。とぅまは海の神に「あの男に災いを与えて欲しい」と祈るのでした
「この国は変わらねばならん」と叫びながら左内が処刑されたことが書かれていた。佐内のことを思い出し、暗闇の外に出て「俺を殺せ!」と泣き叫ぶ。佐内はしっかり描いておくべきでしたね!
この苦しみがわからない。
翌日、倒れている吉之助をとぅまが発見する。家族を呼び家に運び、龍佐民の「死なせてはならん人だ」の指示で、ユタの祈願のもと懸命に介抱するとぅま。「魂が抜けてくるかもしれん」というユタの診立て通りに、吉之助は激しい震えに見舞われる。「戻って来い!、戻って来い!」ととぅまが介抱する。吉之助が夢のなかでとぅまの声を聴き、死の淵から戻ってくる。
目を覚ますと、とぅまの差し出すソテツ粥。「夢の中であの娘の声を聴いた」と感謝する吉之助に、龍佐民が「とぅまの父親は薩摩に出向き帰って来ない。薩摩を憎んでいる。この人を助けてくれと首にしがみつき祈っていた」と聞かせる。
吉之助は「この島のことを知らない。薩摩は砂糖で大藩と言われる。しかし、砂糖のことを何もしらない。藩の金を湯水のように使った。島のことを教えてくれ。頼む」ととぅまに教えを乞う。
「わかった、ついておいで!」と手をとって海の方に走る・・・。
自殺未遂のひとがどう再生されるか、大きな愛のなかで癒されていくのだとは想像します。
奄美という南の島。とてもうつくしく、ここでの歌や踊りなどこれまで知らなかった文化に触れ、これだけで癒され再生されるなと思われる。それだけに、しっかり現地でロケした結果がその空気をしっかり伝えてくれ、一度訪ねたいですね!
そして、二階堂ふみさんという稀有の俳優が愛らしくしっかり演じてくれるので、西郷が見事に生き返った謎がこの島にあったと信じられます。( ^)o(^ )
発熱のなかで、とぅまの声で死の淵から返るというシーンは、心うつものでした。島の苦しみを知り、吉之助が原点から再出発することに納得です。この話、何話続くのか?このスピードで大丈夫か。西南戦争まで描けるか、心配です!
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記事 20180514