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宮﨑あおいさんを応援します

第32話 「桜田門外の変」

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幾島(松坂慶子)が去って行くという天璋院宮崎あおい)にとってはとても大切な日。「長い間そちが嫌いであった」「私もあなた様にはほとほと手を焼きました」とお互いの過去を懐かしみながらの別れでした。幾島は斉彬(高橋英樹
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からの贈り物であると薩摩の絵図を置いて去ります。二度と会えないかもしれない、天璋院はこれを見ることで薩摩と幾島を思い出すことにします。ふたりの目一杯の涙での別れは、これまでのことが思い出され泣けます!
 
早速、重野(中嶋朋子)が幾島の任を引き継ぐと挨拶に見える。「私は手がかかるぞ!」と天璋院の口上、これまでのあおいさんとは大きな様変わりです。(#^.^#)
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直弼(中村梅雀)のよる「安政の大獄」は、強き幕府のためとはいえ、あちこちに深い禍根を残しました。家茂(松田翔太)が過酷な制裁を戒めると、「誰が責任を持ってこの政を収めるか?」と言い「御暇願を、信じてもらえないならば」と口にする。家茂はこの憤懣やるかたない思いを天璋院に「おのれの未熟さ、至らなさが情けなる!」とぶつけてくる。天璋院は幕府への信義が失われないかと心配します。
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天璋院の不安は薩摩で現実のものとなろうとしていました。薩摩では。大久保(原田泰造)や有馬(的場浩司)たちが集まり、脱藩して活動を始めた水戸の浪士たちに触発され、遅れをとってはなるものかと勇み立ち、有村次左右衛門(遠藤雄弥)が水戸に加わっているという。しかし、大久保はもう彼らを制ししようとしない、賛同する者を集めようという。
大久保は「久光様(山口裕一郎)に建白書を出したがなしのつぶてで、これでは薩摩の将来は見えない」と帯刀(瑛太)に訴え、「われらが突出すれば何かが変わる。捨て石になればよい」と言い出す。
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帯刀は登城し家光に大久保らの気持ちを伝え「これでは不満が募り薩摩を見捨てる。貴重な人材を失う。考えて欲しい」と訴えます。
 
一方、直弼は幕府の体制を一層確かなものとするため、新たな策略として公武合体というものを考え、この象徴として帝の妹を家茂の御台所に迎えようとしている。
これを知った天璋院が家茂に「御台所のこと、どう思いますか」を聞くと「そんなことより、今一番の関心事は、咸臨丸のこと。来年早々、アメリカに向けて初航海する。その船に乗り込む者たちの話を聞くことになっている」と言います。この話を聞いた天璋院が同席したいと申し出る。
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乗船する者たちとの対面の日。直弼が同席し、軍艦奉行・木村摂津神(小林勝也)、軍艦操練所教授方頭取・勝麟太郎北大路欣也)を紹介する。これに天璋院は露骨に顔をしかめます。()天璋院も強くなりました! 話しは弾み、勝が斉彬の話を持ち出しその見識の高さを称えます。勝の度量の大きさに、天璋院がにやりとします。
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贈りものがあるというので、天璋院が別室に入ると男がひとり平伏して待っている。なんとあのジョン万次郎(勝地涼)だったのです!
薩摩で会って以来8年ぶりの再会でした。万次郎が懐かしさから思いがけない話、「尚五郎さんは天璋院様を好いちょりました」と話します。天璋院は、「知らなかった!あのころが懐かしい」とぽっと赤くなります。
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贈り物としてミシンが贈られます。自室に戻って、早速使ってみます。天璋院が日本で最初にミシンを使った人という記録があります。そしてお守りを出して「そうでしたか、好いちょられましたか」とほほ笑むのでした!
 
薩摩では、大久保らの突出の準備が進み、翌朝決行という知らせが帯刀と久光にもたらされる。久光は「薩摩が何を志、これからどう動くかを示す必要
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がある」として彼ら宛てに諭書を出します。出発直前に諭書が届けられ、大久保が「当家の柱となり礎となって余の至らぬところを支え助けてくれるよう、ひとえに頼みたい」という久光の諭書を読み上げる。
これに一同が感動し、大久保の「突出はこの場を持って中止する」の声で、事態は収まる。ここに集まった同志たちは、より強い結束を求め「誠忠組」を名乗ることになります。
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天璋院は「安政の大獄」で切腹、死罪、獄門を受けた人々の一覧を広げ、言葉を失います。そこで直弼に会うと、直弼は天璋院の糾弾にも心乱すことなく茶をたてる。ひと口飲むなり、天璋院はハッとして、「これほど美味しい茶は初めてじゃ」と直弼のお点前を褒めます。率直な天璋院の対応に、これまで敵対してきた直弼もうれしそうに笑う。
直弼は国を守るためなら、恨みを買うことも、多くの血が流れるのもややむを得ないと「己の役割を果たしたまで」という。天璋院はこの言葉をかって薩摩で調所広郷平幹二郎)から聞いたことを思い出し、「ときどき、私に茶を点ててくれぬか。薩摩では一方聞いて沙汰するなという。そちの考えも折々聞いてみたい」と応じます。
威厳のある梅雀さんに真っ向勝負を挑む若干22歳のあおいさんのお芝居、落ち着き目力があってよいお芝居でした!
天璋院は、お礼に、手製の袱紗を与えます。これを恭しくいただく直弼、「亡き公方様の気持ちが少しだけわかったような気がする」と礼をかえします。どんなことがあっても守りたかった徳川家からのお礼はうれしかったでしょう! 
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万延元年(186033日。江戸は季節外れの大雪。この雪の中、登城する直弼を乗せた駕籠を、水戸藩の浪士ら18人が襲った。そのなかに次左衛門がいる。護衛を斬り倒した浪士たちの太刀が、直弼の駕籠に突き立てられた。ドラマコンクール参加作品として作成され、とても美しい映像で見せてくれます。
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大奥では、桃の節句のお祝に豪華な雛人形が飾られ、白酒が腑妻われていました。天璋院が機嫌よく侍女たちと楽しんでいるところに、滝山(稲森いずみ)が走り込んできて「井伊様が桜田門外でご落命。井伊様の首を挙げたのは、薩摩の者とのことにございます」と伝えます。これを聞き、天璋院は、絶望の淵に追いやられるのでした。走馬燈のように直弼と天璋院の行動が交差しながら語られる「桜田門外の変」、見ごたえがありました!
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駆けつけた家茂に、「井伊の茶を味わったことがありますか」と聞く。分かり合えたのにと無念の涙を流します。天璋院の人としての大きさを表すよいシナリオだと思います。
 
薩摩での「誠忠組」の創設、井伊直弼の死と、歴史的な大きな節目が語られました。天璋院は、家定を喪ったが家茂の力を借りてたくましく毅然と生き、やっと理解しあえるところまできた井伊直弼が薩摩の者の手によって亡くなるという、大きな試練に立たされます。声、表情、佇まいで毅然と生きる威厳をつけていく天璋院・あおいさんの演技に魅せられます!美しさに凄みがでてきましたね!
西郷どん20回「正助の黒い石」、桜田門の変に合わせています。画面の美しさ、どちらでしょうか?
                     ***第32話おわり***