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第23回「寺田屋騒動」

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久光の「下関で待て」を無視して、吉之助は血気にはしる有馬らを抑えに京に向かった。これが久光の逆鱗に触れ、「切腹!」を命じられる。正助は久光より一足先に京に入り、吉之助を探し回る。
 
繁の家。吉之助は、久坂(二神光)や吉村(兼松若人)、小河ら雄藩の面々と会いその動きをけん制しようとしていた。吉之助(鈴木亮平)は彼らと会い、何も話さず膳の料理に舌鼓みしている。有馬(増田修一郎)と慎吾(錦戸亮)に促され、吉之助が「おいたちはみんな、考えは同じ。やるときは一気にとことんやり、この日本を変える」と話せば、みなが頷く。吉之助は時機を待って一気に倒幕という考え方を示す。いつからこうなったのか?
じゃ一献と杯を勧め、島で覚えた踊りを踊ろうとしているところに、鬼の形相の一蔵(瑛太)が現れる。
 
席を変えてふたりで話す。一蔵が「久光様(青木崇高)の逆鱗に触れて、腹を斬れとの命が下った。おはんを刺す、おはんはおいを刺せ!刺し違えるしか道はない」。一蔵は腰の短刀を抜き、「刺し違えて死のう!」と迫る。吉
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之助は「おいは死なん! おいは3年の間、おはんのことばをず~と考えていた。おいは、おはんにより天に生かされた。おいは死なん! どうしてもと言うなら、よか。おはんにもろうた命じゃ、やれ!」というが、正助は斬れない。「どこにも逃げん、国主様の前に連れて行け!」と吉之助。
奄美での生活を経て、吉之助の死生観は一蔵よりひとまわり大きくなった!
 
吉之助たちが座敷に戻ると、有馬と新八(堀井新田)を残して誰もいない。芸奴もおゆう(内田有紀)だけだ。おゆうが酒を準備するというが無粋に一蔵が断る。そこに、海江田(高橋光臣)と大山(北村有起哉)が飛び込んでくる。
海江田が土下座し「許してくんやんせ!」と謝り、「大坂で久光様に、吉之助が他藩の志士たちに崇拝されていると語ったことが不興を買った」と詫びる。海江田が「平野國臣から聞いた話、志士たちが吉之助に会いたがっている」と話題にしたのを聞いた中山尚之介(天野義久)が「忌々しい、倒幕を目論むなど」と久光に進言、これにより久光は「切腹」と決めたというのが真相のようだ。史実をしっかり追ったドラマになっている。
 
海江田が泣いて謝る。吉之助は「もう言うたこと」と気に止めない。有馬は「何故、吉之助が死ななきゃならん!」と一蔵に怒りを向ける。
 
吉之助は「おいはまだ生きている。もういい、行きたいところがある。喧嘩は鰻とりで決着をつける」とこの場を収め、鰻とりに向かう。
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吉之助が川に入ると、大山、新八、有馬、そして慎吾も川に入り、鰻を探す。まるであの頃に戻ったようだった。慎吾がやっと仲間に入ったと喜ぶ。
 
取れた鰻を丸焼きにして川原で酒盛りをしたあと、吉之助は酔いつぶれた慎吾を背負って皆と宿に向かう。鍵屋には、中山尚之介が数人の捕り方を連れて待っていた。有馬が吉之助を逃がそうと刀を抜くが、吉之助はこれを制し、「慎吾は身の処し方がわかってない。慎吾を頼む。今日は楽しかった」と捕り方に向かって歩いて行く。有馬が「吉之助、死ぬな!」と声を掛ける。新八も吉之助に従う。
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遂に、久光が1000の兵を率いて京にやってきた。捕縛された吉之助は薩摩藩邸の広間に引き出され改めて切腹を命じられた。一蔵が、「勤王の志士たちの暴発を抑えるためだった」ととりなすが、久光はとりつく島もない。
吉之助は「政は、一刻一刻と変わる。わしのやったことは薩摩のためになる。国主様、もう斉彬公はいない。これからは国父様自身の目で日本を見つめ、日本を変える策を考えて欲しい。日本を変えるためには、まずは国父様が変わらねばならない!」と意見を述べる。久光は「お前の言葉など聴かん、たった斬れ!」と令する。
これに、小松帯刀(町田啓太)が「西郷は癖のある男。亡き殿によれば、放っておけばただの棒っきれ。使い道を心得れば、こんなに役に立つ男はいない。この男を使いこなせるかどうかで、主君の器量がわかるというものです」と忠告する。一蔵も「国主様なら使いこなせる。西郷を生かして欲しい」と諫める。久光は太刀を投げ捨て、黙って広場を出て行く。「くそ西郷め!」という久光の意地が見える!
 
数日後、藩命に背いた“罪人”として吉之助は島送りの沙汰が下され、同罪の処分を受けた新八とともに、薩摩に送還されることになる。
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見送りに来たのは一蔵と大山、海江田。有馬と慎吾がいない。吉之助が「すまんかった。必ず戻る!」と一蔵に。一蔵は「申し訳なかった、必ず引き戻す」と無念がる。大山が「慎吾のことは任せておけ」と声を掛ける。女中のお虎(近藤春菜)が駆け、熱演で、泣いて見送る。()
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吉之助が京を離れた数日後、久光は島津家と縁の深い近衛家から呼び出され帝から浪人取り締まりが下されたと近衛忠煕国広富之)から聞かされる。久光は天子の言葉と喜び、兵を京の都に引き入れ、過激な志士たちの制圧に乗り出す。追い詰められた志士たちは有馬のもとに集まりだす。慎吾は決断を迫られていた。そして、文久2423日、事件が発生する。いわゆる寺田屋騒動。
 
吉之助が送還されたあと、「不逞の浪士たちが集まり有馬が煽動している」と聞いた久光が激怒し、「天下に恥、討ち取れ!」と命じる。一蔵が「それでは同士討ちになる」と反対し、説得を命じて欲しいと願い出るが、「従わないものは斬る。お前には出来ん」と断り、大山ら腕の立つ藩士8人を使者に選び、説得に応じなければ討ち取るよう命じる。一蔵は呆然とする。「おまえにはわしの側にいてもらわねば」と宥められる。
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大山格之介が、有馬と向かい合い「藩邸に帰れ!今なら間に合う。俺が許しを願い出る」と説得する。これに有馬が「おいは天子様の許しを得て、一気にかたずける。おいは宮が好きだ。あの方は好かん!」と聞き入れない。大山:北村有起哉さんが、いままでの呑気な大山から見違えるほどの気迫で迫る。有馬・増田さんとの演技がすばらしい! 慎吾が「わからんが、こげんことしてはいかん!兄がいたらこげんことにならん!」とオドオドしている。()
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ここでいきなり斬り合いになる。最初に斬ったのは道島(鈴木有史)。慎吾が「なにごて、こないなことに」とべそをかく。
有馬が道島と斬り合いになるが刀が折れ、彼を壁に押し付け「おいごと突け!」と橋口に指示、橋口の刀がふたりを突き通す。
これを見た大山が刀を引き抜き、有馬を抱きかかえ、「もうやめ!もう沢山じゃ!」と泣き叫ぶ。ことが終わった現場に現れた一蔵が、戸板で運ばれる有馬の遺体を見る。大山が血の付いた懐紙を有馬の胸にねじ込む。お前は何をしとった!
斬り合うシーンは、おおむねもの書きにあるとおりのシーンでした。有馬の何事もなしえず死んでいった死様に涙がでます!
 
薩摩のみすぼらしい漁師小屋に監禁されている吉之助と新八のもとに、吉二郎(渡部豪太)と熊吉(塚地武雄)が、一蔵からの文を届けにやってきた。新八が「ないこて、こげんこつに」と泣く。
吉之助は笑う有馬を思い出し、どうしてこうなったと咆哮する。吉之助の説得に応じた有馬だけに、その悔しさが伝わります。
 
先週、今週の展開はとても面白い展開。いよいよ幕末!という感じ。寺田屋騒動の殺陣シーン、有馬・増田さんの真剣にぶつかり合う演技に、ふたりが友であったことが思い出され、無念さが伝わります。
吉之助の志や死生観に、一蔵や他藩志士に比して達観が見え、大きな男になっている(セリフ)。が、佇まい、表情にあらわれていない。
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記事 20180618
西郷どん>第23回「寺田屋騒動」 視聴率は13.4