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第30回「怪人 岩倉具視」


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一橋慶喜松田翔太)に見切りをつけた吉之助(鈴木亮平)は倒幕を向かって動き出した。吉之助は慶喜松田翔太)と朝廷を切り離すべく公家の近衛家の力を借りようとしたが、忠煕(国広富之)の息子忠房(大窪人衛)は「今や帝(中村児太郎)は慶喜に頼り切りでほかの者の意見を聞かない」と顔を曇らせる。
吉之助は「このままでは日本は一橋様の思うがまま。なにとぞお力添えを」と懇願するが、返事を渋る。吉之助は孝明天皇慶喜のを関係を知らなかった。
 
そこに、「ヤモリから」と従者が文を持ってくると、忠煕は「岩倉具視」の名を見て、笑い飛ばし、読みもせず文を放り出してしまう。一蔵(瑛太)は、「殿から」と金を届けて、岩倉を支援していた。
 
藩邸に戻り、吉之助が拾った文を読むと「天子様は親であり、民草はなべて天子様の子である。身分に違いはない。そういう世にしなければならない。それがために朝廷と幕府が離れることになるかもしれぬ」と書いてある。
吉之助は自分と同じ考えだと感動し、一蔵に会いたいというと、「その先を読め、金の無心じゃ。あんなヤモリのように成り果てた公家を誰が頼るか」と。
 
岩倉は帝の妹和宮と将軍家茂の縁談をまとめ、公武一体を推し進めた人物だったが、その後、尊王攘夷の公家たちが台頭し、岩倉は朝廷を幕府に売った大罪人と見なされ朝廷を追われたのでした。
 
吉之助と一蔵は岩倉が住んでいる庵にやってきて、朽ちたゴロボロの門の屋敷を見て驚く。中にはいると、曲者よけの仕掛けてあった罠に引っかかる。「見事に引っかかった」と岩倉が歓迎してくれる。()
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食事を作って出してくれる。「ええ喰いっぷりだ!それ毒が入っている」と脅し「人を雇う金がないので自分で作っている」と言う。
そして、岩倉は「あんたさんのことはしっかり調べてる。長州を破った不思議なひとや。あんたが助けた女が一橋の側女になっている。一橋の時代は終わる」とにやりと笑う。
吉之助が岩倉の文を取り出し「天子様と書いてあるが、幕府とは書いてない。幕府はいらんということ、力を貸して欲しい」と言えば、「まろもそう思う。そんな話か!」。鶴瓶さんのまろは合わない。()
「”まろ”が力になってやろう。ゆっくりして行け。”まろ”に尽くせばいいことがある」とえらい自信たっぷりに話す。()
岩倉がそのままうたた寝。一蔵がその手帳には「強み、弱み、女のことなどが書いてある」という。吉之助が一蔵の弱みはなにかと聞くと、「・・・」。困った一蔵でした。()
 
岩倉は夕暮れ時になるとむっくり起き上がり、「昔から貧しい公家は屋敷で賭博を開いて寺銭を稼いでんのや」と離れで賭博を開く。
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一蔵は手を出さなかったが、吉之助は岩倉に乗せられ丁半をやり、大負けしてしまった。吉之助がひとり勝ちしているほっかむりの男、桂小五郎玉山鉄二)に気づくと、桂が外に逃げ出す。
 
吉之助が桂を追い「ご無沙汰している」と挨拶し、屋敷にもどり「こんなところで、博打が強か」と問うと「俺はただのお尋ね者。禁門の戦を起こした大悪党。あんたは日の本の英雄だ。」という。
「君とはなれ合うつもりはない。長州を助けてくれたことに礼を言う」と言って帰り始める。吉之助が「幕府は再び長州を攻める。薩摩は長州と手を組みたい。そして幕府を潰したい」と言い出すと、「だれがそのような言葉を信じる。禁門の苦しみを思うと、薩賊なんぞ、死んでも手を組めるか!」と拒否する。
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これを見た一蔵が「天子様、天子様というてすがる長州は、つれない男に女がすがりるようなもん」と長州を愚弄すると、桂が一蔵にあわや斬りかかろうとしたところに、岩倉が「そこまで!帰ってくれ。あんたは長州の桂というな。あんた(吉之助)の話も聞かせてもろうた。朝廷と幕府を離し、薩摩と長州が一緒になって潰す、結果はわからんでいい。サイコロの目がどっちに転がるか、勝ち方聞きたかったら金よこせ」と仲介に入った。()
桂は刀を収めて帰っていき、吉之助は博打の借金のかたとして、岩倉の家で働くことになった。
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慶喜のとろに松平宗秀(山田明御)と阿部正外佐藤尚宏)が訪れ、慶喜を江戸に戻し、代わりの者を京によこすという将軍の命令を伝えていた。これに慶喜は「俺が京にいるのは天子様のお望み!」と命令書を破り捨てる。(笑)
 
西洋かぶれの慶喜はフランス製の石鹸をふきに渡し、「幸せそうでないな。お前を見ると西郷を思い出して仕方がない」と西郷への怒りを露わにすると「私は恨んでいません。拾ってもらった恩があります」とふき。
 
吉之助は岩倉の屋敷に残った。朝廷と幕府を分断するには、今では岩倉に頼るしかなかった。岩倉が母屋で昼寝の最中に、納戸を開けて見ると、きれいに畳まれた狩衣が吊るされ、奥に黒光りのする長持ちある。
蓋を開けると公家や薩摩・長州・土佐藩などに宛てた文がある。読むと「異国が迫る今、朝廷が早々に日の本を一つとして国難に当たるべし。幕府が朝廷を悪用するようなことがあれば倒幕もやむない」と書かれている。
 
そこに、目を覚ました岩倉が立っている。「なぜこのようなすごい考えを、このようなところに眠らせているのか」と問うと、「ただの夢物語や、かなうことはない」という。
「かなうかかなわないかは、天子様を動かせるかどうか。天子様はあなたを無二の友と慕っておられるのでは?」と問うと「やかまし! そうなら、なんでこんな洛外にいる。息子も朝廷から遠ざけられてしもうた。もうおしまいや」と岩倉は怒って出て行こうとする。

吉之助は「あきらめてはいかん。島に流され死の淵を歩き、多くの人に生かされた。生かされたのはやらねばならぬことがあるから。天命と信じています。この国には、岩倉様の考えがいります」と諫める。「わしは天子様に忘れられた」と岩倉は暴れる。
 
一蔵は止めておけというが、吉之助は必ず蘇ると言い張る。
 
一蔵が金を持って岩倉を訪ね、「これが最後だ」と吉之助の借金を返済する。吉之助の借金より自分の不始末処分でしょうか。
 
吉之助が新八(堀井新太)や半次郎(大野拓郎)、慎吾(錦戸亮)など若い藩士を大勢引き連れて、岩倉の家を再訪した。
新八らは「岩倉様の文を読み、どうしても話をお聞きしたい」とせがむ。意気消沈している岩倉を元気つける吉之助のたくらみ。
「もう天子様に忘れられてしもうた」と話す岩倉の前に、一人の少年が進み出る。岩倉の息子周丸(福山康平)であった。
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「やっと天子様より、お許しを賜れ、父への言葉まで賜ってきました。決して父上を忘れてはいない」という。
岩倉は感涙しながら御所の方を向いて平伏し、「天子様。すぐにでも御側に帰りたい」と正座し声を上げて泣く。そして「あんたがたに話をしよう。木戸賃はもらう」と上機嫌で「”まろ”はこのままでは終わらん!天子様の必ずおそばに戻る」と誓う。
 どのようにして子供が天子様の言葉を賜わり、戻されたかが描かれていない。吉之助が岩倉に放った罠なんでしょうか。()
 
この岩倉との運命的な出会いが、吉之助の心をいよいよ倒幕へと進めていった。
 
岩倉が西郷の出会い。これまでに、岩倉に関わる朝廷から追われた経緯などが簡単なナレーションで示され、史的背景を鶴瓶さんの演技に丸投げした感じでしたが、鶴瓶さんの熱演でよく分かったという感じです。(笑)
 
横柄な態度と口先だけの人物のように見え公家の品位がないようで、落語で鍛えただけに、公家の所作がちらっと見え、公家としての自信が見え隠れする演技がよい。岩倉の凄はまだわからないが、人一倍の感激家であったことに感動です。鶴瓶さんの演技はよかった。岩倉が本当はどういう人物だったのか気になりますね!
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記事 20180713
鈴木亮平主演の大河「西郷どん」第30話は10・3% 前回から1・3ポイント減少