龍馬(玉木宏)は手に怪我をした程度で最悪の事態を免れ、伏見にある薩摩藩邸にかくまわれた。「おいひとり斬ったところで、時の流れは変えられん。それが分からんのが今の幕府の愚かしさ」という龍馬を帯刀(瑛太)が薩摩に連れて行きます。
江戸城大奥では、重野(中嶋朋子)から上方に知人が多いという中臈「唐橋」(高橋由美子)の紹介を受け、天璋院は「大阪城にいる家茂も様子知ることができるかも」と喜びます。しかし、家茂からの知らせはなく、長く家茂と離れたまま、生母を無くした和宮も気にかりる天璋院でした。
「なぜ薩摩は長州に味方し、幕府に従わない」と聞くと、「時代がかわりつつあるということ。家康公は徳川家の力で泰平を保とうと幕府を開いた。が、異国と向き合うようになりこのままだと日本国はよくならない。強くもなれないと皆が気づき始めたのです。もはや世の流れには逆らえぬかと」。この話に、天璋院は「それでも私は徳川家を守らねばならぬ。家茂は息災でいるのだろうか」と胸騒ぎがするのでした。
帯刀はその夜、お琴のことを打つ明け、「必ず別れる」と謝るのでした。これを襖の向こうで龍馬とお龍が聞き耳を立てていて「お近さんは容易に小松さんを許さんぞ」と。
帯刀とお近さんがぎぐしゃくしたまま、皆で霧島の温泉に湯治に出かける。お湯につかりなから、龍馬が「武士が刀を振り回す時代はもう終わる」と、これに帯刀が「それでは誰がこの国を引っ張っていくのか」と問うと「小松さんがやればいい」という。
同じころ、お近さんとお龍は女同士酒を酌み交わしていた。お近さんが「夫には好きなお方がいました。於一様と仰せでした」と話せば「ほれたはるんどすな。でも何があろうとよいではありませんか。ほれた相手が生きてさえいてくれれば」と返します。敵の刃をくぐり抜けてきたお龍の言葉に、お近さんのわだかまりも溶けていくのでした。( ^)o(^ )
療養を終えた龍馬は下関に向かう。別れに帯刀は剃髪することを龍馬に伝える。そしてお近さんはお琴のことを認めるのでした。(笑)
長州との闘いは、家茂が上洛して1年以上も過ぎた6月に始まった。長州軍は兵の数こそ幕府軍に劣るものの、薩摩を通じて購入した新式の小銃と西欧式戦法を用い、戦いを有利に推し進める。出兵を命じた諸藩は幕府に従わず、日和見を決め込んだ。
大阪に着いた勝は、病床の家茂と会う。家茂が「徳川を任せられるのはそちだけじゃ。母上と和宮をそちに頼みたい」と弱気。これに勝は「なんと着弱い。病など吹き飛ばしてくださらねば」と励ます。家茂は天璋院と和宮の写真を手にとりじっと見るのでした。家茂を支えているのか母と妻の愛情だった。大奥では天璋院と和宮が家茂の回復を必死で祈願し続けていました。
7月20日、家茂の容態が急変した。勝が枕もとに駆けつけると、「わしは何事かをなしえたと言えるのであろうか。将軍として何か、男としての何かを。悔しいぞ!」と家茂が漏らす。
家茂は21歳、この若さで、徳川幕府最大の難題に取り組み、志半ばにして病に倒れた。
「宮様」
「もしや・・」
家茂の死により、日本は一挙に維新へと走り始めるのでした。
***第42話おわり***