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第43話「嫁の決心」

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慶応21866)年7月。長州征伐のため、大坂城に詰めていた徳川幕府14代将軍・徳川家茂松田翔太)が薨去した。
天璋院(宮﨑あおい)は「なさぬ仲とはいえ、息子を失うということが、これほどに悲しく、苦しいものだとは、生きながら身を裂かれる思いじゃ」と深い悲しみのなかで、「なにをしても心が動かぬ。宮様はどうしておられる」と和宮を気遣うのでした。
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徳川家は、開国か攘夷かをめぐる一連の騒動で、将軍家としての威信が揺らいでいる。亡き家茂は万一にそなえ、上洛前に、田安家亀之助(小林海人)を次期将軍とするよう言い渡していた。
松平老中(松澤一之)が「一橋慶喜殿(平岳大)を次の将軍に」と押してきたことに、天璋院は激しいい怒りを露わにするが、「この危急の難局を乗り切るには亀之助様では幼すぎます」という老中に意見を聞き入れ、「慶喜殿の次は亀之助殿を将軍にする」ということで同意します。こうして慶喜は徳川宗家を継ぐこととなった。
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慶応21866)年96日。家茂の亡骸が江戸城に帰った。天璋院の悲痛な面持ちもさることながら、御台所である和宮堀北真希)の愁嘆ぶりも痛々しい。
 
「公方様から宮様への京土産にございます」と滝山(稲森いずみ)が、家茂が土産にすると約束した、みごとな西陣織を差し出す。和宮西陣織を抱え、その場に泣き崩れるのでした。
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一方、薩摩では帯刀が、久光(山口裕一郎)の命で、西郷とともに、近さんに「公方さんが亡くなられ、戦にはならん。お琴(原田夏希)とは別れる」と言い残し京に上る。ところが京に着くと、赤子が泣いている。お琴に聞くと「帯刀さんのお子なんどす」という。() の小ささに安千代と名づけるわが子の誕生に、別れ話はうやむやになったまま、となんとお琴に子供が・・・。()
 
同じころ、勝(北大路欣也)が江戸に戻り、江戸城に登城し天璋院にと対面します。勝は「まるで眠りつかれるごとき穏やかなお顔であった。母上と宮様を頼むと言葉を残されました」と伝える。天璋院は「おふたりの公方様をお見送りした。それぞれの遺志を継ぎたい」と明かします。 
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数日後、天璋院は滝山から「宮様は髪を下ろされない。京へ引き上げるらしい」と聞き、和宮に真意を問いただします。
和宮は「髪を落とさないのは、いまだ公方様が亡くなったことが信じられない」という。「信じられないではなく、信じたくないのではありませんか」と問うと、「それがなぜ悪い」と言い返し、歯を食いしばり泣くのでした。京へ帰るは嗣子(中村メイコ)らお付きの者たちの気持ちをくんでのことだという。
「私が聞きたいのは宮様ご自身のお心です。宮様は、江戸に留まりたいと思わないのですか?」
「今の私には、幕府も徳川家も大奥もどうでもよろしい」
天璋院はもう何も言えなかった。
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将軍慶喜は早々に光明天皇に拝謁し「この国難を治め、日本国の盤石なものにしてみせます」と誓う。天皇からは「和宮が気になってかなわぬ」という言葉があった。
 
年明け早々に和宮一行が京に帰ることが決まった。慶喜は二条城で政を執り行い、正室・美賀も大奥に入らないという。これに本寿院は喜ぶが()、「公方様も御台様もいない大奥となると、いったい何のための大奥なのやら」と歌橋(岩井友見)が嘆き、これが多くの大奥の女性たちの嘆きでした。
本寿院は江戸に帰るという和宮に「これほどに何の未練もなく江戸を去るとは」と嫌味をたっぷりの言葉を投げつける。() ここで、天璋院和宮の家茂への思いを本寿院に伝え、諭します。
 
その翌日、和宮が不意に落髪し、考明天皇東儀秀樹)より「静観院」の院号が送られる。
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天璋院は、その潔きを称えるが、「心残りのう京に戻れると思うたから」という。天璋院は「心安らかに京へお戻りください」と言葉を掛けます。京に帰る日を待っているところに、考明天皇が急逝は伝えられる。静観院は「私がお役目を果たせなかったからか・・」と泣き伏せるのでした。
 
小松邸には、西郷(小澤征悦)、大久保(原田泰造)が集まり、帯刀が「今こそ有力諸侯つどって会議を行う、巻き直しを図るよい機会」と言えば、西郷が「ようやく斉彬様(高橋英樹)の遺志が結ぶこと」と喜ぶ。帯刀は、「自分が幕府の説得、西郷が薩摩家中の説得、大久保は朝廷工作」と役割を決める。

慶応31867)年5月。帯刀たちの働きかけにより、二条城にいる慶喜平岳大)のもとに、島津久光松平春嶽矢島健一)、山内容堂志村東吾)、伊達宗城森田順平)の4人が集まった。列候会議による政を進めるはずであったが、ふたを開けてみると、実権を握っているのは慶喜のままだった。
慶喜が「長州処分より兵庫開港ご勅許を先にする」と言い出し、久光は「まずは幕府が長州攻めに大義がなかったことを認めるべきである」と異論を唱える。さらに、春嶽、容堂、宗城それぞれの意見も少しずつ食い違う。結局、合議は体をなさないまま決裂してしまった。
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これに帯刀は気落ちする。そして、大久保、西郷は、もはや倒幕へと傾いていく。帯刀は「倒幕はなりません!」と押しとどめようとするのでした。
 
京に近い兵庫に開港の勅許が下りたという知らせに、天璋院は「攘夷はなくなった。これで、宮様の役割も終わり、これからの道を生きて欲しい」と伝えるよう滝山を和宮のもとに使わすと「私は、京にはかえりません。西陣織を見ていると志半ばで早世した公方様の無念さを思うにつけ、京に帰っては公方様に申し訳が立たない」。さらに「それと“母上様”にございます。どうしたら、そのよう強う生きられるのか。それを学びとうなったのです」という。
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天璋院は「もし、私が強いのだとしたら、私のそばには、亡くなった家定様がついていてくださる。そう思えるからかもしれない」と答えます。
「それなら私と同じにございます」と微笑む静観院は、嫁して以来、初めて天将院を母と呼んだことに気づかぬほど、心の中をさらしてくれたのでした。「あなたは徳川のお方になってくださったのですね!」と天璋院は、感涙に咽ぶのでした。
 
今回は、家茂が亡くなったことで、生きる希望を失った和宮は、天璋院の生きざまを見て生きる望みを見出すという、これを支える天璋院の気持ちが描かれました。とてもつらいシーンが大きかったですね。泣いたり、励ましたりとそれぞれの感情を表現するあおいさん、そして堀北さんの演技に魅入りました!!
43話は西郷どん34回「徳川慶喜」の家茂死去から四候会議までに相当します。
***第43話おわり***