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第45話 「母からの文」

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慶応311月、大奥は厳しい冬を迎えておりました。しかし、天璋院(宮﨑あおい)の決意により、大奥はいったん落ち着きを取り戻していました。重野がこの事態について帯刀に聞いてみてはと勧めますが、友だからこそできぬと断ります。
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薩摩では、帯刀(瑛太)の邸にジョン万次郎(勝地涼)が来ている。万次郎は「龍馬殿の志を引き継ぐにふさわしいのは、小松殿」と帯刀を激励していた。しかし、帯刀は病があり、気持ちが一向に晴れない。
 
こんなとき、西郷(小澤征悦)と大久保(原田泰造)が、4百万石を領する徳川宗家がいまだ実権を握っていることに不満を漏らしはじめた。
帯刀が「慶喜公(平岳大)に辞官納地を求めてみては」と提案すると西郷は「求めに応じないときは、武力で慶喜を討つ」と主張する。さらに、大久保は「小松様には薩摩に留まって欲しい」という。この言葉に帯刀は打ちのめされます。
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こうして、西郷たちは、戦になることを前提として、藩主・忠義(中川信吾)のもと、軍を率いて京に向かった。
 
京では、西郷と大久保が岩倉(片岡鶴太郎)と「徳川の世を終わらせるために、王政復古を天下に宣言する」と密議する。
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岩倉は「徳川幕府を廃絶し、慶喜には将軍を辞めるという勅許を出す。その日の警備は・・・」と話しを進める。西郷は、万一勅許に従わない場合に備え兵を待機させる。
 
慶応31867)年129日。御所内の小御所で、天皇の前に、大久保、島津忠義松平春嶽矢島健一)、山内容堂今拓哉)らと各藩重臣、公家たちが一同に会し、王政復古が宣言された。しかし、慶喜の姿はそこになく、帝の命令を二条城で知ることになる。
 
慶喜は「徳川の領地は帝より授かりしものにあらず」と、岩倉と薩摩のはかりごとだと看破し、小競り合いを避けるためいったん大阪に引くことにする。
 
天璋院にとって、王政復古の決定は徳川家にあまりにも厳しいと、勝(北大路欣也)を召し出し問いただす。
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しかし、勝は「このままでは徳川のみが大きく政に障りがあるという者もいる」と歯切れが悪い。天璋院が「領地を差し出せば戦にはならぬのではないか。戦はならぬ!」と切り出します。
 
慶喜が諸外国公使を大坂城に招き、今なお自分が日本国の主権者だと宣言したことに、天璋院は幕府と薩摩、長州が戦になる事態を懸念するのでした。
 
帯刀は「戦は避けられん。病を押してでも京に上りたい」と焦ると、お近さん(ともさかりえ)に「天璋院様を救いたいがためでは」と問われ、それを認める。お近さんの勧めで天璋院の生母・お幸さん(樋口可南子)に会い、薩摩に戻るよう手紙を書いてもらうことにします。
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お幸さんは「あの子はもう、徳川の人間です。そして、私は島津の人間です。藩主様や久光様の許しがなければ、そのような勝手なことはできません。薩摩の女子には薩摩の女子の筋の通し方がある」と断ります。
 
帯刀は久光から手紙を書くことの許可を得て、再度、お幸さんを訪ねます。お幸さんは「ありがたく、ありがたく存じます」と涙に濡れた顔で、書状を押しいただくのでした。
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年老いたお幸さん・樋口さんのセリフに母の気持ちが籠っていて涙です。この母に、娘ありです!
 
母からの文は、かって斉彬に仕えていた小の島(佐藤藍子)によって、天璋院のもとに届けられた。
手紙を読むうちに、天璋院の胸が熱くなり、目が潤んでくる。懐かしい母の切なる願いがしたためられていました。

「母の思いはありがたいが、ここを離れるわけにはいかぬ」と返事すると「島津家家老・小松帯刀の厳命によりまいっております。小松様のみならず薩摩の者、皆の願いなのです」という。
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天璋院は「徳川の人間として、この大奥を守る」と断ります。

重野(中嶋朋子)は滝山(稲森いずみ)に「天璋院はこれからますますつらい立場に置かれる。その前に、薩摩に帰してあげたい」と申し出ると「たとえ徳川家が戦いに負け、大奥が果てることになっても、それこそが女子の本懐である」と断る。が、重野は「この大奥からお出になってくださいませ。天璋院様には、もう十分に役割を果たされました。これからは私たちが大奥を守って参ります」と訴えます。
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これに天璋院は、涙をこらえ、「いや帰らぬ!そなたたちこそが、私の家族であるからじゃ。何があろうと、最後までそなたたちと一緒じゃ」と応えるのでした。
そして、「もし薩摩が武力を持って向かってきたときは、私も戦う。武家の女子らしゅう、最後まで戦う」と、滝山らの心遣いで、天璋院の腹が座ったのでした。
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おなじころ薩摩では、お幸さんが仏壇に手を合わせていました。天璋院が戻って来ないのは分かっている。わかっていても、母の心が文を書かせたのでした。お幸さんの頬に涙が伝わるのでした。
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年も押し詰まった1223日。江戸城の二の丸が炎上し、薩摩の者が火を放ったという噂が流れた。勝が「徳川方に喧嘩を売っているのでしょう。町のあちこちで、薩摩と名乗るやからが騒ぎを起こしていると聞き及びます。その卑劣な誘いに乗り、こちらから仕掛けては、薩摩に戦の口実を与えてしまうだけ」という。天璋院はこれに頷くのでした。
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とうとう、江戸の薩摩藩邸が焼き討ちされる。徳川家の膝元で繰り返される薩摩の所業に、老中たちが辛抱できなくなったのでした。
 
大坂城にいる慶喜は、知らせを受け、「馬鹿どもめが、早まりおって!朝廷に薩摩討伐を願い出る。年が明けたら直ちに京へ向かえ!」と命じた。
徳川が天下を取って二百数十年。その存続を揺るがす闘いが始まろうとしていた。
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薩摩では帯刀が「戦いが起これば人が死ぬ。そうせぬために必死に戦ってきたのに」と深い憂いのなかにいました。
 
いよいよ追い詰められる徳川家。滝山らの天璋院を思う気持ち、毅然と苦難に立ち向かう天璋院。安寧を願う母・お幸さんの気持ち。いずれも涙でした。しっかり感情移入できるすばらしいドラマ」でした。
 
第45話は、“西郷どん”第35回「戦の鬼」小御所会議の決裂に対応します。しっかり描かれていると思います! それでいて、天璋院に焦点が当てられ、創作エピソードもすばらしいです。“西郷どん”にはこれがない。()
***第45話おわり***