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第47話 「大奥の使者」

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慶喜平岳大)が大坂から逃げ帰って、大奥では薩摩が江戸に攻め込むのではないかという噂が飛び交っておりました。
天璋院(宮﨑あおい)と静寛院(堀北真希)の嘆願書は、慶応41868)年1月末、朝廷に届けられることになった。いずれも使者が問題だった。静寛院には土御門藤子(竹本総子)が名乗りを上げた。天璋院の願書は近衛忠煕春風亭小朝)に託することにして、唐橋(高橋由美子)が届ける役を引き受けた。
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帯刀(瑛太)が京に戻り、御所の一室で、岩倉(片岡鶴太郎)、大久保(原田泰造)と会う。
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王政復古により発足した新政府は、総裁に有栖川宮熾仁親王竹財輝之助)、副総裁に三条実美(小浜正寛)と岩倉がついたと知ります。帯刀は、岩倉から「総裁局顧問に、いずれは外国事務局をお願いしたい」と頼まれ、引き受けることにする。
しかし、この場に西郷(小澤征悦)がいない。西郷は薩摩軍本部におり江戸攻めの参謀。
 
会いに行くと伊地知、海江田に阻まれる。「私は家老だ、会えぬとはどういうことか」と通ろうとすると、伊地知が「もはや薩摩の軍ではなく、朝廷の軍だ」と面会を阻止する。
 
大久保が「小松様に会うと気持ちがぐらつくのが嫌なのではないかと。最近の西郷の考えはわからない。江戸攻めに関しても、西郷らしいおうようさが影をほそめ、過激になっている」「私も戦列から外され、江戸にはゆきません」という。
 
唐橋が京に到着し近衛の門を叩くが、「今は臥せっている」と忠煕には会えず、息子忠房(三上市郎)にどれほど頼んでも天璋院の手紙を朝廷に取り次ぐのを拒んだ。唐橋が帰えりぎわ、そこで幾島(松坂慶子)に出会う。
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唐橋から事情を聴いた幾島は小松邸にはしり、帯刀に「江戸攻めをおやめください。おはからいできませんか」と頼み込む。「慶喜公の首を挙げねば、日本をひとつにできないという者もいるようで、特に西郷が・・」と言い淀む。「ならば西郷を説き伏せてくださいませ」と押すが、「今の西郷は官軍の参謀を務め、会うこともかなわない」と言い、幾島にひとつの案を授ける。
 
江戸城では、陸軍総裁の勝(北大地欣也)が、老中・板倉勝静(西田聖志郎)、会津藩主・松平容保志村東吾)、海軍副総裁・榎本武揚鈴木綜馬)ら幕臣たちを相手に薩長軍を迎えるべき策を具申した。
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勝は「戦はいたしませぬ。天璋院様、静観院様が嘆願書を出しておられる。いまはこれしかない!」と戦を主張する彼らを強く諫める。
 
212日。慶喜江戸城を出て、上野の寛永寺で謹慎した。同じころ、薩長の大軍は、慶喜討伐を掲げて江戸への進軍を開始した。
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勝から軍の参謀の名を聞かされ、天璋院は驚きます。しかも、大総督は、静寛院の許嫁だった有栖川熾仁親王竹財輝之助)だという。
天璋院は、静寛院のもとに行き、ことの次第を伝える。思えば天璋院と静寛院は、つくづく置かれた状況が似ている。
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「重い任を背負って嫁ぎながらそれを果たせず、今また、宮様のかってのお許嫁が江戸攻の大総督、私の婚礼の支度を整えてくれた西郷が参謀とは・・」
「それに若くして夫を失っている。私たちは、どこまでも同じ運命をたどるやもしれませんね」
静寛院も、天璋院の苦しい立場を思いやるのでした。
 
滝山(稲森いずみ)に唐橋が京よりかえってきたと知らされ、部屋に戻ると、幾島(松坂慶子)が座っている。
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「幾島、これはまことか? 夢ではないのか?」
「小松様に頼まれ江戸に参ったのです」
実は、帯刀は、天璋院が西郷に手紙を書きそれを幾島の手で届けるという手立てを幾島に託していたのでした。
天璋院は「よし、書こう。西郷にあてて、私の気持ちをしたためよう」と書き始める。
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3月。幾島は、すでに江戸までやってきた西郷たちの本陣を訪ね、挨拶もそこそこに、「天璋院様より、お手紙を預かってきております」と要件を告げた。
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西郷は仰天し、渡された手紙を押しいただいた。「どうか、慶喜の命を助け徳川家をお救いくださいますよう、御所へおとりなしくださいませんでしょうか。徳川家永続のためならが、私の命などどうなろうとかまいません。私は徳川の土となる覚悟でございます」。
 
西郷は、読み終えた手紙をゆっくりと閉じた。「大御台所が、薩摩の隊長にしかに文をしたためるなど、前代未聞のこと。なんとかそこを・・」と責める幾島。それを十分承知してなお、西郷の闘志はいささかも衰えない。
「徳川家を倒さん限り、この国が変わることなありもはん。そこまでやらにゃならんとです。そして、そこまでのことができるのは、この身を置いてほかにありもはん」と話す西郷の目が潤んでいることに、幾島がはっとする。ここでの幾島・松坂さんと西郷・小澤さんのお互いが涙をながしながらの演技に泣かされました。
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このドラマの西郷の方が、「西郷どん」の西郷より、人物が穏やかで大きく、多くの人に慕われる人物だと思います。
 
大奥に戻った幾島の報告を、天璋院は聞き、「西郷が悪者になろうとしている・・」と聞き返す。
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「この戦に勝っても負けても、おそらくおのれひとりの身にすべてを背負い込んで死んでいこうとしているかのように。しかし、それだけにその遺志は固うございます」と応える。
 
幾島は途方に暮れるが、天璋院は安心したように笑った。そして、「私の知っている西郷のままじゃ。いや、さまざまな目に遭って鍛えられ、さらにさらに情熱き男となっているのであろう」「まだ望が絶たれたわけでなない。なんとかなる」と言い、勝を呼ぶように命じる。
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幾島との再会で、あの日の別の涙、そして再会の嬉し涙。感動しました。そして、幾島と西郷の会談。西郷に斉彬の記憶を戻り、何故に武力を使って倒幕かと逡巡し、涙するシーンに、篤姫と西郷のありし日の記憶が戻り、感動しました。
西郷どん36回「慶喜の首」、西郷と幾島の再会に相当します。
***第47話おわり***