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第41回「新しき国へ」

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“ドンドン“と花火の音、廃藩置県に「どんどん上げろ!わしの腹が晴れるまでじゃ。ここに居る。まだまだおいは終わらんぞ!」と抵抗する久光(青木崇高)が打ち上げる花火でした。
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「本当の明治維新派は廃藩置県であった」と後世にいわれるほどの大変革がなされた。
 
その後も、諸制度が改められたが、薩摩と長州の出身者が実権を握る構図は変わらず、土佐や肥前など、維新に協力した旧幕の出身者には不満を募らせていた。
 
そして新たに、欧米に使節団を派遣することが決まった。が、政府内では大議論が交わされた。
大久保が「日本が新たな国に代わったことを万国に知らしめること」と欧米派遣の意義を述べる。これに木戸(玉山鉄二)が「幕府が結んだ不平等条約を改めるのが先だ」と大久保案に付け加える。これに隆盛(鈴木亮平)は「本当に行かねばならないのか」と疑問を挟むが、伊藤(浜野謙太)が「自分の経験から、欧米の繁栄と強さを見ることな日本国を率いる者として急務である」と強く訴える。
岩倉(鶴瓶)が「よう言うた!」と強引に推し進め、三条(野村万蔵)が賛意し、派遣が決まった。
 
一方、政府に不満を持つ土佐の板垣(渋川清彦)・後藤(瀬川亮)、肥前の江藤(追田孝也)・大隈(尾上寛之)は「(自分たちの政策を進めるため)留守は好機だ」という。
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隆盛はこの混乱を収めるために「民はまだ苦しい。何が起きてもおかしくない、特に鹿児島での久光様に不満がある。天子様に行幸して民に触れてもらうのはよいと思っている」と大久保に問う。大久保は「実現すればすごい」と隆盛の案を褒め。「これからは異国を学ばねばならん。日本国を異国に認めさせることが必要だ」と外交の必要性を説き、後を西郷に託し視察に赴くことにする。

鹿児島の西郷家。隆盛からの菊次郎(城絵史)に「使節団は女子や子供も連れていく、菊次郎も行ってみないか」という文が届き大騒ぎ。菊次郎は「どうしてよいかわからない」と雪蓬(石橋蓮司)に聞くと、母・糸(黒木華)が「自分で決めなさい。人に聞くことではない」と戒める。
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久光は、大山綱良北村有起哉)に「読め!」と民の請願文を投げ出し、「政府のいうことなど聞かん。断髪などするな!」と政府のやることに不満をぶつける。()
 
一方、東京・西郷の屋敷。新八の宮内大丞就任を祝っているところに、従道(錦戸亮)とともに川路(泉澤祐希)が訪れ「欧州に同行しポリスを学んでくる」と挨拶に訪れる。

これに新八(堀井新太)が羨ましそうに見ている。そこに、軍服姿の桐野利秋(大野拓郎)が少将に任じられたとやってくる。新八が気持ちを抑えきれず「天子様の側に仕えるのは無理だ」と言い出す。
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隆盛は、川路に「戦場でいつも冷静沈着。民が先頭に巻き込まれよう見定めている。おはんはポリスに向いている」
桐野には「誰よりも先陣を切り、部下を楯にしない、見殺しにはしない。だから皆に慕われ、頼られる」
新八には「おいと一緒で島流しで辛酸を舐めている。いつも腹をすかせていたが、はらわたまで清い男じゃ。そんな男でなければこの役目は果たせん」とそれぞれに祝いの言葉を贈った。
桐野、川路、新八がこの言葉に感激して、涙する。が、これからわずか6年後、西南戦争で相戦う運命を思うとこの光景はつらいものになりますね。
 
隆盛は明治天皇(野村万之条)を新国家建設の精神的支柱とすべく宮中の改革の乗り出す。
 
隆盛は新八を伴い宮中に上がり、天子様に相撲をとって欲しいと申し出たことで、「無礼」と宮内大輔・万里小路博房に窘められる。吉之助は「天子様(野村万之丞)には御簾から出て、全国を巡行し民の暮らしを見、その声を聴き届けてもらいたい。日本が変わるためには、まず帝が変わらねば」と強く訴える。そこに帝が現れ「西郷の申すこともっとも」と快くこの意見を聞き入れられた。これに反対する公家衆を山岡鉄太郎(藤本隆弘)が一喝する。
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11月岩倉使節団に欧州渡航の勅命が下された。勅命を下すシーンは荘厳で、国は変わったという感じがしっかり出て、とてもよかったです! 
 
岩倉と大久保が執務室にやってきて、「くれぐれも後藤(瀬川亮)や江藤(追田孝也)に用心し、自分たちがいない間に何もするな。人事も動かすな!約束は守るんやで」と釘をさす。岩倉というのはこんなに下品な人だったのですかね。すると、鶴瓶さんは名演技ということになりますね。()
大久保は「新しい政に手を出す余裕はないというのが本音じゃ。もうひとつ、国父様(青木崇高)に話をつけてくれ」と頼む。
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こうして岩倉使節団は、横浜からサンフランシスコへと旅立った。隆盛は大久保に代わり、大蔵省を預かり、これにより隆盛は留守政府を取り仕切る立場となった。
 
岡山や福山などで打ち怖しや焼き討ちが頻発した。町では徳川の時代がよかったとか百姓がますます虐められるという声があり、隆盛はこれに忸怩たる思であった。
 
一方、政府内では、大久保たちがいない間に主導権を奪おうとする者が出てきて、「新しい大蔵卿を立てろ」という。
これには大蔵大輔の井上薫忍成修吾)が「大蔵省のことはこの井上と西郷参議に任されている」と譲らず、隆盛も「留守を預かるわれわれが勝手にはできない」と突っぱねる。
 
そんなときに事件が起きた。山県有朋(村上信吾)の率いる陸軍が、65万円という途方もない額をかっての同志だった政商に無断で貸し付け、見返りを受け取っていたという、いわゆる「山城屋事件」である。
 
後藤や江藤、大隈らは「人事を動かせ」と一斉に隆盛を攻撃した。井上が刀を振りかざして怒る。吉之助は、この事態を治め、会議を参集して論議するが双方収まらない。三条は「皆にはっきり言ってほしい」と隆盛に丸投げする。
 
隆盛も大隈を切らざるを得なかった。山県が陸軍大輔の役目を返上して決着をつけた。
 
明治51872)年。侍姿の海江田(高橋光臣)が久光の書状を携え、隆盛のもとにやってきた。
書状には「廃藩置県によって鹿児島の人々の不満が高まっていること。旧藩の意見に耳を貸さない新政府への怒り。そして政府が派遣する県令に自分を任命すること」が書かれていた。
 
隆盛は「これを許せば、日本中でわれもわれもと、かっての藩主が勢いを盛り返す。国主様を県令にすることはできん」と断る。
海江田は「そのどこが悪い。今の欲にまみれた政府よりそのほうかよっぽどましじゃ」と反論。
隆盛は「おいたちが新しい国を作っとじゃ!」と怒鳴り返す。そして、天皇巡幸に同行し、久光に会うことを伝えた。
 
これを聞いて、西郷家は騒然となる。雪蓬は「天子様に配するまで酒を断つ」と言い出す。そして、菊次郎は留学の問題に答えを出し時が近づいていた。
 
5月、明治天皇は、新国家の君主として臣民とじかに触れ合うことを目的として、山口、長崎、鹿児島と西国各地を巡行した。
 
久光は、帝に拝謁し驚いたのは天子様が洋服姿であったこと。隆盛が天皇の御言葉を恭しく久光に伝える。
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久光は海江田に「この目で天子様のご尊顔を拝するとは思わなかった。時の変化を感じる」と拝謁所見を述べる。そして、吉之助を呼びつけ、「言いたいことは山ほどあるが、ひとつだけ聞きたい」と切り出し、
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「これが、お前が兄上と作りたかった国か。どげんおもぅ?」と問う。
「国主様。われらの想い描いた国はありましたが、それは実現しなかった。国主様を欺き申し訳ありません。なにひとつ出来ていない。命を散らした者、徳川の者に申し立てできません。斉彬様はお嘆きになられ、おいは、叱り飛ばされるにちがいありもはん」と隆盛。
 
これに久光は、声を荒げて「このやっせんぼ。やり抜け!最後までやり抜け!やって、やって倒れたときには、この鹿児島に戻って来い。あとは他の者に任せればばよい。西郷、新しい国というのは、若いもんのためにあるんじゃ!」と。久光は兄斉彬に成り代わり、その夢を果たしたいと思ったのでしょうか。

西郷が「おことばありがたくいただきます」と返事すると、「下がれ!」と威厳を示し、「天子様の御召し物、あれはいかん!」と最後の意地を示して退場する。久光の目には涙が光っていた。
青木さんの、暖かく隆盛を叱りつけ励まし、意地を見せながらの退場、うまい演技でした。西郷が小さな人物に見えました。隆盛は、去り行く久光に、感謝の眼差しを贈るのでした。斉彬様に叱られた・・
 
家に帰ると菊次郎がやってきて、「異国で学びたい。天子様の姿を見て心が震えたからです」という。吉之助がこの決心を褒め、糸は「愛加那さんの気持ちがよくわかる。手元から子を離すのは苦しいが、菊次郎が決めたことなら」と菊次郎を応援することに決めました。
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隆盛は城に向かい「国父様、菊次郎には、天子様の姿がそげなふうに見えたとでございます」とお礼を述べるのでした。
 
感想:
今回は、岩倉使節団の派遣の経緯と西郷に課せられた役割、そして自らが進言した天皇巡幸に同行した西郷と久光の因縁の関係修復が描かれました。とても速足でしたが、分かりやすく、新しい世の中になったという感じが、そして大久保、西郷、木戸が国を引っ張り、大隈や江藤後らと対立している構図がよく出ていた。西郷と久光の関係修復シーンは、創作ドラマでしょうが、感動的なドラマだった。これまでの西郷と久光の関係が思い出され、特に久光の西郷にかける「ベストを尽くして失敗したら帰って来い」という言葉に感動した。
 
天皇の鹿児島巡幸という時勢を久光も受け入れざるを得ない、また西郷は日本という国を治めることの難しさ知った今、お互いの師である斉彬の心に思いをいたし、互いに相手を思いやるというシーンは感動的で、ずべてが斉彬の想いに帰着するというのがすばらしい。( ^)o(^ )
 
久光も諦観の境にいたり、西郷は、これまでと異なって、すべてを抱え込む大きな度量がみられます。西郷のこの変化は、先回でも感じたことですが、戊辰戦争によるもののように思えます。しっかり描いておくべきだったですね!
 
岩倉使節団の欧米派遣。岩倉、大久保が言い残した「何もするな!」は随分と無責任な言い分に聞こえ、鶴瓶さんがしゃべるとなおさら無責任に感じられました。()
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記事 20181105
西郷どん」第41話は11・8%、4週連続で2ケタ視聴率