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最終回「敬天愛人」

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いつものOPがなく、いきなり晩年の菊次郎(西田敏行)が「西郷先生はどんな思いで亡くなったのですか?」という質問に、「ず~と考えていました。新しい時代が大きなうねりが押し寄せてきたとき、どうしてもその波に乗り切れない人がいるものです。父隆盛は大きな体で、熱い心で、御維新から取り残された侍たちを抱きしめ、飲み込み、連れ去っていきました」と父隆盛の存在意義を明らかにして、最終回が始まりました。とても丁寧なつくりになっています。
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明治108月、延岡。
隆盛は菊次郎(今井悠貴)たちを残して、終焉の地鹿児島に向かった。一日西郷に接すれば一日の、3日過ごせば三日の愛が生じるという親愛の情で結ばれ生死を共にしたいと従った者たちでした。
 
従道(錦戸亮)が政府の許しを得て、ようやく延岡にやってきた。「こうなってすまない」と隆盛の妻糸(黒木華)に頭を下げると「政府の人が私たちに頭を下げることはない」と毅然とした態度で応じる。「西郷が鹿児島に戻る」と聞き、従道に連れら鹿児島に向かった。
 
政府軍をかわしながら鹿児島まで470Kmを踏破。延岡を発って14日。隆盛たちは遂に鹿児島城山にたどり着いた。
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隆盛は、足元の石に、かって仲間とここに登り、Cangoxina」と書いた文字が書いてあるのを見て、「なつかし」と帰し方の思いがあふれ出す。
「天下の政府を見て、むねくそが悪い」という仲間の声に「もうひと泡吹かそう」と政府軍に襲い掛かった。すべてが吹っ切れたようにとても明るい隆盛の表情に驚きます。なぜ田原坂で戦わなかった!
隆盛が銃を持って、「ここは庭じゃ、負けるわけにはいかん!」と溌溂と戦うのでした。しかし、反撃もここまで、政府軍の圧倒的な攻撃力と陸・海から包囲され上へと押しやられた。
 
東京、大久保邸では満寿(美村理江)が「鹿児島に行かなくていいのですか」と聞くが「口が過ぎる!日本の発展は勧業博覧会にかかっている。俺の役割はこれをやり遂げること」と鹿児島行きを否定する。
 
菊次郎は糸とともに、銃道に連れられ鹿児島の家に戻ってきた。皆が菊次郎の足を心配する。琴(桜庭なおみ)が「銃道!戦を止められないのか」ときつく抗議すると「無理じゃ」と断る。
菊次郎が「父上をなんとか助けて欲しい」と申し出るが糸が「西郷家の恥になる」と止め、「信吾さんも覚悟して政府に留まったんでしょう。胸を張って自分の役割に励んでください。旦那さんもそう思っています」と信吾を思いやる。信吾は深く頭を下げて帰っていった。
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桜庭さん、ずいぶんと上手い演技ができるようになりましたね!
 
城山では新八(堀井新太)の弾くアコーデオンに合わせ、隆盛とその残兵たちは陽気に踊り、士気が上がる。() 隆盛と籠っている兵は370人となっていた。
 
大久保は執務室で袋からCangoxinaと書いた布を取り出し、隆盛が「世界に負けん、日本を作ってくれ」という隆盛のことばを思い出していた。
 
鹿児島の政府本営では「そろそろ総攻撃を」という声に、山県(村上信吾)が「ここに西郷さんの世話にならんかった者がいるか」と声を荒げると、川路(泉澤祐希)が「せめて名誉の死を」と勧める。
 
ここからは城山の戦況と大久保の博覧会の状況が交互に描かれ、西郷の死とこれに対する大久保の心境が描かれ、戦場の緊張感とふたりのこれまでの友情を思いやりに、泣けるシーンになっています。
 
大久保に城山の最後が近いという電文が届く。
 
城山では、山県からの降伏文が隆盛に届く。
そこには、「大久保卿が総攻撃の命令を下した。明日4時攻撃開始する。ただし今夜5時までに降伏すれば西郷の命を助ける」とあった。
隆盛は笑みを漏らし「バカたれ!俺に情けをかけるな。自分の首を絞めることになるぞ。これは受けられん」と降伏を拒否した。
 
桐野(大野拓郎)は「先生だけは生きて欲しい」と泣き、皆も泣いた。
 
博覧会会場の大久保は外国視察団に「ここには鹿児島を除く14000品目の殖産品が展示してある」と誇らしげに説明。鹿児島が参加してないことに疑念をもつ彼らに、「心配はいりません。日本から戦というものがなくなります」と毅然と言い切る。時代の先を走る薩摩からの出品がない博覧会は、大久保には辛いものだったでしょう!
 
城山では隆盛が全員を集め「ありがとう!ここで死なせてくれ。この国の闘いをなくすために死ぬ。俺が死ねば全国の士族が新しい生き方を見つける。俺が死ねば国が新しくなる」と訓示。
 
政府現地本部は総攻撃開始の秒読みに入る。
 
博覧会会場では、大久保が西郷は降伏を拒否したとの電報に接し、同様する。楽隊の”栄誉礼”の曲に迎えられ、大久保が博覧会開式の演壇に立つ。「この博覧会開催は長年の夢。わか国の殖産工業の力を示しています。これから10年で西欧諸国と並ぶでしょう。侍によって作られた日本は今大きく変わろうとしています」、ここで大久保が絶句し降壇して走り去る。
 
城山では最後の晩餐中。みなが冗談をかわしながら明日への気持ちを高めていた。
隆盛は斉彬から拝領した小刀を取り出し「二本の刀を差した世が終わる」と言った斉彬の言葉を思い出し「やっと殿が言った時代が来る」とつぶやく。
 
すべての幟・旗を焼き払い、「おはんらが侍の最後をつとめよ!日本の誇りじゃ」と隆盛が最後の檄を飛ばす。
政府軍の砲撃が始まる。西郷が先頭となりこれに向かい走る! 
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西郷家では砲撃音を聞きながら、糸が夫の最期を想う
 
城では海江田(高橋光臣)が隆盛を思い涙する。久光が囲碁を止めて、隆盛を偲ぶ。
 
久武(井戸田潤)が弓を引き応戦。桐野が「人斬り半次郎だ!」と斬り込むが、川路に胸を撃たれ倒れる。新八が自害。そして、遂に、隆盛が撃たれ倒れる。
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糸は城山に向かい「ごくろうさまでした」と声を掛けると、そこに2匹の犬が戻ってくる。犬を迎える糸さんが切なかった。黒木さんの演技は完璧です!
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東京、大久保邸。大久保は家に入るやカバンを投げ出して倒れ、「吉之助さ、吉之助さ、吉之助さ」と号泣。満寿がやさしく夫の手を取り慰める。
ここでの瑛太さんの演技が凄かった!
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静岡でふき(高梨臨)と暮らしている慶喜松田翔太)、「おれのように逃げればよかったのに、牛男」と西郷を偲び、一方、勝(遠藤憲一)は「龍馬(小栗旬)とうまくやっているか」と星を見上げて西郷を偲ぶのでした。
このころ、日本に近づく火星を「西郷星」と名付け、西郷を偲んだという。

天璋院は静かに・・・・・。 
 
愛加那が、別れの唄で隆盛を送った。
 
西郷家では、糸に笑顔が戻り、皆を集めて、父から最後のことば「敬天愛人」があったと話し始める。
「おいが死んだことで、おかしなことがおかしいと言えないようになるな。これからの国造りはおはんらに託されている。逆賊西郷隆盛の子であることを恥じるな」と話し、「旦那さんは人に拝まれて喜ぶような人ではなかった。弱い人に寄り添ってあちこち歩きまわっていた。誰よりも心のあつい人でした」と夫への思いを明かします。ここで説明するのではなく、しっかりこれまでに観る人が感じるように描くべきでしたね。()
 
明治11514日。大久保は馬車で赤坂仮御所へ向かう途中で襲われ斬られる。あれ!御者がいない!
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「おれはまだ死ねん!やらねばならぬことがある。まだ、まだだ!」とつぶやき、「Cangoxina」が書かれ布を見て、初めて吉之助に誘われ京に発った日のこと。「忘れ物していた。おはんだ! 大久保正助を忘れていた」と迎えに戻っていた吉之助を思いながら息を引き取った。隆盛が迎えにきたということですかね。(笑)
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ここでエンデイングがあって、そのあと
隆盛が目覚め、上向けに天をみて、「もうここらでよかろう」と亡くなりました。「完」

感想:
最終回は城山の戦もしっかり描かれ、これまでと違って、熱の入った物語になっていました。なんと!隆盛も大久保も、想像していた通りの人物で、感動しました。このことにびっくりです。
これまでのストーリー立ては一体なんだったのかと驚いています!何か新しい視点があったのでしょうか?
 
大久保が西郷の死に号泣しましたが、これまでに描かれた大久保にこの感情があったとはびっくりです! 静かに合掌でしょう。
瑛太さんの演技がすばらしかった!
 
西南戦争は、まともに戦略を立てれば勝てたかもしれません。それを何故しなかったのか。
大久保に任せた方がよいと判断し、士族の世を終わらせるため、すべてを自分が負うことにしたことで、「敬天愛人」とは、隆盛の大久保への思い、「いい国を作ってくれ、君に期待している」のように受け取りました。
 
この国の形ができ現代につながる歴史。興味を持って観ました。理解できない、こんなバカなことがと不満もありましたが、歴史を振り返る良い機会であったと、それなりに楽しませていただきました。
スタッフ、キャストのみなさんありがとうございました。ブログを読んでいただいた方々、ありがとうございました。よい年をお迎えください。
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記事 20181217
西郷どん」全話平均ワースト3位最終回13・8%